2024年の中学入試から、今回は大阪星光学院中について振り返ります。今年度の受験データを細かく分析、各科目の傾向やポイント、2025年の対策等について徹底解説いたします!
CONTENTS:
1.2024年度、大阪星光学院中入試の特徴
大阪星光学院中の入試は、I型(国語・算数・理科・社会の4科目型)、またはII型(国語・算数・理科の3科目型)のどちらかを選ぶことができます。
試験時間と配点は、国語と算数が各60分で120点、理科と社会は各40分80点の400点満点で、判定はそれぞれ以下の通りです。
<4科目型> 評価点=下記のうち最も高得点の点数
・国語・算数・理科・社会の合計点
・国語・算数・理科の合計点×1.25
・国語・算数・社会の合計点×1.25
<3科目型> 評価点
・国語・算数・理科の合計点×1.25
合格判定にI型、II型の区別は行っていません。当然のことですが、最高点が3パターンから評価される4科目のI型受験の方が有利と考えられるでしょう。大阪星光学院中を第一志望に考えるのなら、やはりI型の4科目受験のほうがいいでしょう。
実際に、今年も受験者数661名のうち、I型受験者が495名、II型受験者が166名と約75%がI型での受験となりました。この比率は例年同程度でほぼ変わりはありません。
2.2024年の入試データ
※( )内は昨年比 <人>
【募集人員】 190名 |
志願者数 |
受験者数 |
合格者数 |
実質倍率 |
4科受験 |
518(-23) |
495(-22) |
228(+3) |
2.17(-0.13) |
3科受験 |
189(-7) |
166(-12) |
72(+8) |
2.31(-0.48) |
合 計 |
707(-30) |
661(-34) |
300(+11) |
2.20(-0.20) |
志願者数は190名の募集に対し707名、受験者数は661名でした。昨年と比べ受験者は30名以上減少し、合格者数はやや増加したので、実質倍率が大きく下がり、ここ数年で最も広き門となりました。
今年は志願者数、受験者数が大きく減少しましたが、大阪星光学院中の受験者は例年700名前後で安定しています。実質倍率も2.5倍前後で安定していて、大阪府の最難関男子校としての人気を保っています。
3.大阪星光学院中志願者の受験日程パターン
大阪星光学院中志願者の受験日程パターンを表したものが下記の表です。
前受け校 |
・愛光(愛媛) ・岡山白陵(岡山) ・北嶺(北海道) |
|
1日目 1/14(土) |
2日目 1/15(日) |
3日目 (1/16) |
<午前> ・大阪星光(大阪)
<午後> ・清風前期(大阪) ・明星前期(大阪) ・帝塚山1B(奈良) |
<午前> ・清風南海A(大阪) ・須磨学園2(兵庫) ・明星後期(大阪) ・帝塚山2A(奈良) <午後> ・西大和学園(奈良) ・高槻B(大阪) ・須磨学園3(兵庫) |
・東大寺学園(奈良) ・洛南高附属(京都) ・清風後期(大阪) ・帝塚山2B(奈良)
|
4日目以降(1/17~) |
・清風南海B(大阪) ・六甲学院B(兵庫) ・洛星後期(京都) ・白陵後期(兵庫) ・清風(大阪) |
大阪星光学院中志願者の受験日程パターンは、統一受験日前の前受けとして、愛光、岡山白陵、北嶺などを受験し、一つ合格を確保の上、統一受験日初日の午前に行われる大阪星光学院に臨みます。
大阪星光学院中の入試は初日午前の試験1回だけですので、併願パターンとしてはさまざまな選択が考えられます。他の最難関にチャレンジすることもできますし、手堅くランクを下げた併願も可能です。
大阪星光学院中の入試は、3科受験なら12時30分頃、4科受験でも14時頃には終わります。同日に2校受験するのであれば、そこから移動し清風、明星、帝塚山などを受験することも可能です。
2日目は、午前中に清風南海、須磨学園、明星、帝塚山などを受験、午後は西大和や高槻、須磨学園などが考えられます。
2日の午後に大阪星光学院の合格発表がありますので、合格していればここで終了。合格しなかった場合は、3日目に東大寺学園や洛南高附にチャレンジするか清風、帝塚山2などとなるでしょう。
4日目以降は清風南海、六甲学院、洛星、白陵、清風などを受験したパターンが多かったようです。
4.大手塾別合格者数
関西大手進学塾の大阪星光学院中合格者数は多い順に下記のようになりました。
(前年比) (人)
浜学園 |
能開センター |
馬渕教室 |
希学園 |
101(+1) |
72(+6) |
53(-9) |
39(+7) |
日能研 |
進学館 |
SAPIX |
|
34(+6) |
6(-3) |
3(-6) |
|
2年連続で100名以上の合格者を出した浜学園が今年も他塾を大きく引き離しています。
大阪星光学院中に強い能開センターも昨年合格者数が大きく減少しましたが、また増加に転じ72名の合格者数と安定の2位でした。
昨年能開センターと4名差となり、今年度も注目されていた馬渕教室は、今年減少に転じ、再び差が広がる結果となりました。関西に進出して10年以上となる関東の大手進学塾SAPIXは、昨年2桁に届くかと思われた合格者が、今年は大きく減少してしまいました。
5.科目別成績データ
大阪星光学院中2024年合格者の各教科の平均点と受験者平均点との差、合格者最高点と最低点を表したものが下記の表です。
(前年比)<点>
科 目 |
受験者平均 |
合格者平均 |
合格者平均との差 |
合格者最高点 |
合格者最低点 |
国 語 |
70.6(+6.6) |
75.9(+5.0) |
5.3(-1.6) |
103(+3) |
45(+8) |
算 数 |
66.0(+3.1) |
79.3.(+3.0) |
13.3(-0.1) |
115(+10) |
41(+1) |
理 科 |
56.5(+5.5) |
61.6(+4.4) |
5.1(-1.1) |
78(+1) |
43(+7) |
社 会 |
51.6(+0.1) |
55.8(-0.7) |
4.2(-0.8) |
74(±0) |
26(-7) |
総 合 |
246.4(+17.2) |
275.4(+13.2) |
29.0(-4.0) |
333.7(+15.0) |
252.5(+13.5) |
(※国語、算数は各120点、理科、社会は各80点の400点満点)
大阪星光学院中の2024年度入試は、上記の表の通り、全教科で受験者平均点が上がりました。昨年がたいへん難度の高い試験だったため、この10年間で昨年に次いで2番目に平均点の低い試験となりました。
算数は2年連続で平均点が上がりましたが、2022年度が受験者平均点の得点率50%を下回るほどのたいへん高い難度の試験でしたので、今年度も例年と比べると難易度の高い試験だったといえるでしょう。
6.2024年度入試からみる科目別の傾向と対策
今年度の大阪星光学院中入試を参考に、教科ごとの傾向と対策をご紹介します!
◆国語
【試験時間・配点と構成】
60分120点満点の試験で、大問3題構成。大問1と大問2は長文読解問題、大問3が知識問題です。大問1と2の長文読解は、例年物語文と論説文、今年の大問3の知識問題は三字熟語でした。
【難易度】
大阪星光学院中の国語試験は、昨年たいへん難度の高い試験でした。合格者平均点でも得点率6割にも達しないほどでした。今年は昨年に比べ易化しましたが、概ね例年並みの難易度でした。
【傾向と対策】
例年、知識問題が3割程度、記述解答が4割強程度、その他は記号選択という構成です。知識問題では、大問3の単問と、大問1と大問2の中の小問の中で漢字の書き取りも出題されます。
最難関中学の中では、知識問題がさほど高い難易度のわけではないので、しっかりと得点源にする必要があります。記述解答は今年も字数制限のあるものばかりで、40字以内、60字以内、100字以内が2問の合計4問でした。
文字数は年度によりさまざまですが、100字程度の記述は毎年出題されます。記述だけで4割以上の配点があると思われます。記述は配点も大きく、部分点も十分に加味されます。大阪星光学院中を志望するのであれば、要点を押さえて文字量をしっかり書けるように記述演習するなど、しっかりとした対策が必要です。
◆算数
【試験時間・配点と構成】
60分120点満点の試験で、例年大問5題構成。問題用紙は今年もB4用紙3枚で、解答もすべて問題用紙内の解答欄に書き込む形式です。途中で1問だけ解き方を書かせる問題が出題されています。
【難易度】
大阪星光学院2024年算数入試は、例年に比べるとやや難度の高い試験でした。一昨年度は受験者平均点が58.1点と得点率が5割にも満たない、たいへん難度の高い試験でしたので、それに比べると昨年と今年は2年連続でやや易化した形とはなりました。
【傾向と対策】
大問5題構成の大問1が5問の小問集合で、小問1は計算問題です。大問1は比較的解きやすい問題が多いので、時間をかけず、しっかりと得点源にしなければなりません。
大問1の小問2~5の4題は、今年も例年通り平面図形2題と場合の数にもう1問というパターンでした。今年のもう1問は「比・割合」でした。
大問2~5では例年速さと立体図形の単元が頻出していましたが、今年はありませんでした。
今年も難度は高めでしたが、大問の中の小問1はどれも解きやすい問題でした。中盤の大問の中の小問は、難度の高い問題も出題されています。そのような難問は飛ばし、後半の大問の小問1など、取れるところでしっかり点数を取るように、解き進める時間配分や問題の取捨選択もとても大事です。
大阪星光学院中の算数は、1問を除きすべて解答のみを書く形式です。解き方が正しくても最後に計算ミスや転記ミスなどのケアレスミスをすると1点にもなりません。ケアレスミスをしないように普段から意識して取り組む必要があります。
※ケアレスミスの対処法については下記のブログの「3.算数でよくあるケアレスミスとその対処法」で詳しくご紹介していますのでご参照ください。
↓↓
『得点アップにつながる答案用紙の書き方!ケアレスミスをしやすいタイプと対処法』
◆理科
【試験時間・配点と構成】
40分80点満点の試験で、今年も問題用紙はB4用紙6枚に解答用紙が別途1枚の計7枚でした。出題分野は、物理・化学・生物・地学の各分野から1題ずつの大問4題構成で例年通り。小問数は今年も含め例年40問前後です。
【難易度】
大阪星光学院中2024年理科入試は、例年並みの難度でした。昨年は難度が大きく上がり、受験者平均点も合格者平均点も10点以上も下がったのですが、これは計算問題が大幅に増えたためでした。今年は計算問題も減り、例年並みの問題数となりました。
【傾向と対策】
大阪星光学院中の理科は、やや長めの問題文を読まされることになります。試験時間が40分と短めなので、スピーディーに読み進めなければなりません。
計算問題はどうしても時間がかかってしまいますが、単純な知識問題も10問程度は出題されます。知識問題に余計な時間をかけず、いかに計算問題に時間を残せるかがポイントとなるでしょう。
例年、生物と地学の分野がやや平易で、物理と化学の分野の難度が高めですが、今年は物理分野も化学分野も特別難度が高くなかった反面、地学の地層の問題の難度がやや高かったように思われます。
40分という短い時間の間で、40問前後の問題を解かなければいけない試験です。計算問題も10問以上あります。どのような時間配分で解き進めればいいのかなど、過去問などでしっかり対策しておきましょう。
◆社会
【試験時間・配点と構成】
40分80点満点の試験で、今年はB4用紙10枚の問題文と解答用紙が1枚と、昨年よりも問題用紙が1枚増え、かなり多くの文字数を読むことになりました。
例年大問2題構成で、概ね地理分野と歴史分野に分かれていて、公民分野がそれぞれの融合問題として出題されています。出題割合は、概ね歴史と地理分野が45%と公民分野が10%前後。小問数は42問と今年はやや減りましたが、例年45問前後です。
【難易度】
大阪星光学院中の2024年社会科入試は、例年に比べると難易度の高い試験でした。ここ3年ほどは少しずつ受験者平均点が下がり、難化が進んでいましたが、今年は昨年並みの難易度でした。
他校の社会科は点数を取りやすい試験が多いのですが、今年の大阪星光学院の合格者平均点でも得点率7割にも達しない試験となりました。
【傾向と対策】
問題文には図や写真、表、グラフなどが多いとはいえ、B4用紙10枚の問題量はボリュームがあります。理科同様に40分と短い試験時間ですのでスピーディーに読み進めなければなりません。
正誤選択の問題も多く出題されますが、問題によっては「正しいものを選びなさい」と「誤っているものを選びなさい」という問いが混在しています。問題文を読みながら線を引くなどして、ケアレスミスのないように注意しましょう。
ここ数年、毎年災害に関する出題があります。大阪星光学院から「災害に対する意識を持っていますか」というメッセージが伝わってくるようです。過去問演習をしっかりと行って、大阪星光学院中の社会科に慣れておくようにしましょう。
7.まとめ~大阪星光学院中合格への道~
大阪府内最難関男子校として人気のある大阪星光学院。今年は受験者が減少したものの、毎年多くの男子生徒が受験しています。学校は大阪市内のほぼ中央に位置し、駅からも近く通いやすいことも人気の一つです。
学校は都会の中にありますが、和歌山や長野に研修施設を持ち、自然に触れながら勉強合宿など、さまざまな学校行事があることも魅力です。毎年東京大学や京都大学、医学部など最難関大学へ進学する卒業生を多く輩出しています。
総合進学セミナーには大阪星光学院中に特化して指導できる講師も多く在籍しています。毎年のように大阪星光学院中志望の受験生を指導しているため、入試傾向にも精通しています。お子さま1人ひとりの現状を踏まえ、入試までの限られた時間を無駄のない効率的な指導で合格を目指します。
大阪星光学院中受験はもちろん、併願校の選定など、中学受験に関するお悩みなどがありましたら、お気軽にご相談ください。
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