受験まであと3ヵ月と少し。年が明ければいよいよ受験本番がスタートします。本番では極度の緊張から、ふだんでは考えられないようなちょっとしたことで動揺してしまったり焦ったりしてしまいがちです。そして、そこからなかなか立ち直れず、本来の実力が出せずに思っている結果に繋がらないということがよく起こります。そこで、本番で少しでも緊張しないようにするための下準備についてご紹介します!
CONTENTS:
1.入試問題の取り寄せ
2.受験校を下見するポイント
3.当日の想定外のアクシデントを想定内に!
4.まとめ~何事にも動じない精神力をつけよう!
1.入試問題の取り寄せ
◆入試の問題用紙をチェック!
模試や塾で出される問題用紙には慣れていても、実際の入試の問題用紙が想定していたものと違う場合があります。想像していたものより大きかったり、小さかったり、縦長だったり横長だったり、1枚もの、冊子形式のもの、片面のもの両面のものと各学校により実にそれぞれで、同様に解答用紙にもいろいろなものがあります。
初めての形態だとそれだけで動揺してしまう場合があります。また本人とってはやりにくいと感じることもあるでしょう。
つまらないことで動揺して点数を落とすのはあまりにもったいないので、事前に塾で過去の入試問題の現物を見せてもらったり、取り寄せたりして確認しておきましょう。
◆受験科目の順番をチェック!
模試などで、ふだんは国語、算数、理科の順番で試験をすることに慣れていて、本番もそのつもりで臨んだら、算数から始まって最後が国語などという場合、思いがけず調子が狂って動揺してしまう場合があります。
事前に科目の順番もしっかり確認しておき、念のため家で実際に入試当日の時間に合わせて、その順番で過去問をやってみるなど、当日になって慌てたり動揺したりしないようにしましょう。
2.受験校を下見するポイント
受験本番までには何回か志望校の下見をすると思いますが、受験本番で緊張しないための見学ポイントは何でしょうか。
◆在校生をチェック!
受験生は必要以上に自分の気持ちの中だけで志望校のハードルを上げてしまうことがあります。どんどん学校のレベルを勝手に上げてしまい、「こんなすごい学校なんて絶対に無理だ」と思い込んでしまうのです。実際に学校を見学して日常の在校生を見ると、案外自分とそんなに変わりないことが分かり、安心するものです。
それがないまま当日受験会場に行くと、お手伝いに来ている在校生を見て急に距離を感じて焦ってしまうことがあります。お手伝いに来ている在校生は、学内で選抜された優秀で真面目な生徒が多い上に、受験生に失礼のないよう礼儀正しくしようと緊張していますので、余計に遠く感じてしまうのです。ぜひ事前にふだんの在校生をチェックしておくことをお勧めします。
◆チャイム音をチェック!
これは実際にあった話ですが、試験開始のチャイム音が想像と違ったことで、びっくりして動揺してしまい、15分ほど心臓がバクバクして試験に集中できなかったという受験生がいました。例えば、「キンコンカンコン」というチャイム音が鳴るものとばかり思っていたのに、突然大きな音で「ブッー」とブザー音が鳴ったので驚いてしまったというようなことです。
つまらないことと思われるかもしれませんが、それこそそんなつまらないことで動揺して点数を落としてしまうのはもったいないので、不安な場合はチャイム音もチェックしておくといいでしょう。
3.当日の想定外のアクシデントを想定内に!
受験当日は想定外のアクシデントやハプニングが起こることもあります。そんなとき慌てないように、今からしっかりと予測して認識しておく必要があります。
◆学校までは想定外に混む!
下見の時には学校までサクサク歩けた道も、受験当日は受験生とその保護者とでかなり混み合います。最寄駅からバスに乗る場合、バスも長蛇の列となって1回で乗りきれないかもしれません。そんな時、「どうしよう、乗れなかった」と焦ったり、遅く歩いている人たちにイライラしたりしてしまいがちです。
たとえギリギリ時間に間に合ったとしても、トイレに行きたくなったり、焦った気持ちをそのまま試験まで引きずってしまったりするかもしれません。
予め混むことを予測して早め早めに行動をするようにしましょう。それによって無駄な緊張感を除外することができ、気持ちにも余裕ができるでしょう。
◆想定外の騒音に注意!
ふだんの模試の場合には、慣れている場所で周りもなんとなく見慣れているメンバーなので安心感がありますが、本番では想定外のことが起こります。受験会場はしんと静まり返っているに違いないと思っていると、まれに少し離れたグランドからサッカー部などの部活動の音が漏れ聞こえてきて、サッカーに興味がある受験生にとっては気になってしまうこともあります。
また、隣の受験生のシャーペンのカチカチする音や鼻を啜る音、貧乏ゆすりなどが異常に気になって集中できないという場合もあります。
そういった騒音やふだんと違う環境下になる場合もあるとあらかじめ想定しておくのがいいでしょう。
◆服装・持ち物に注意!
・服装→当日の服装は、派手すぎない本人がリラックスできるようなものでいいと思いますが、よく文字の入ったトレーナーを着ている受験生がいて、それが科目によってはNGとみなされ、脱ぐように指導されてしまうケースがあります。そのことで動揺したり、体調を崩したりしまう可能性もありますから、服装は文字の入っていないものを選びましょう。
・ティッシュ→鼻水が出てしまうことはもちろん、極度の緊張から鼻血を出してしまうこともあります。そんなとき、慌てて出したティッシュに漢字の入った広告が付いていると、カンニングとみなされ、没収される場合があります。そのようなことで気持ちが動揺してしまうのももったいないので、ティッシュは必ず文字の入っていないものを持参するようにしましょう。
・時計→腕時計の持ち込みは、デジタルのものが禁止されているところもあり、そのような会場ではアナログ以外のものは没収される可能性も考えられます。最近は教室の前方に大きな時計が用意されており、時計の持ち込み自体を禁止しているところもあります。必ず入試要項の持ち物のところをよく読みましょう。
・シャーペン→最近では少なくなりましたが、デジタル時計と同様に、シャーペンを禁止している学校もありますから、必ず入試要項の持ち物のところを確認してください。たとえシャーペン可であっても、芯がなくなってしまうこともありますし、カチカチという音がうるさいと注意されるかもしれないので、ふだんシャーペンしか使わない受験生も、必ず鉛筆も数本持参するようにしましょう。
いずれもちょっとしたことではありますが、みなの前で注意されたり持ち物を没収されたりすれば動揺してしまうのも当然です。緊張を余計に助長させることはないので、必ず事前に要項の注意書きや持ち物をチェックし、早めに準備をしておくようにしましょう。
4.まとめ~何事にも動じない精神力をつけよう!
これまで述べてきたことは、いずれも些細なことばかりで、どうでもいいと思われるかもしれません。しかし、入学試験というのはわずか1点、2点で合否が決まってしまいます。ほんのちょっとした気持ちの動揺が、1点、2点のミスを誘発してしまうことなどざらにある話です。
「大丈夫です。うちの子はぜんぜん緊張しないタイプなので」と言っているご家庭のお子さまほど、実は本番で緊張してしまったりするということもよくあります。
また、だんだんと受験日が近づいていくにしたがって、親の方が緊張してしまうこともよくあります。ソワソワしたり、妙に声かけがたどたどしく腫れ物に触るようになったり、ふだんと違う親の様子は子どもにも必ず伝わります。緊張は伝染しますから、親御さまは極力ふだん通り平静に過ごすように心がけてください。
しかし、どれほど下準備をしても、想定外のできごとが絶対起こらないとは言えません。その場合に備えて、日ごろから何かあっても動じない精神力をつけておくことが何より大事です。
受験に関して言えば、それにはやはり「自信」をつけることでしょう。たくさん問題を解き、着実に実力を伸ばしていく。揺るぎない自信があれば、多少何が起こってもまったく動じることなく試験に集中できるというものです。
あらかじめ予測できることは早めに準備し、あとはとにかく自信をつけるべく日々努力することです!「これだけやったのだから大丈夫」「負けない」と思えるようにがんばりましょう。
残りのラストスパート、悔いのないよう、また自信をつける意味でもプロの力を借りて追い込みをかけるのもいいでしょう。
実績のあるプロの先生なら、この時期の受験生への接し方や励まし方もよく分かっています。志望校の受験指導はもちろん、精神面のケアもしてくれますよ。
この3ヵ月、やるだけのことはやってぜひ万全の体制で本番を迎えてくださいね。