いよいよ年も明け、受験シーズンがやってきました。あとはこれまで頑張ってきた成果をしっかりと発揮するだけです。とは言え、受験本番は誰でも緊張するものですから、いつもの力を発揮できない受験生がほとんどです。毎年、受験後に吉報もたくさん届きますが、そうでない連絡ももちろんあります。
今回は試験当日に失敗した先輩たちの体験談をご紹介し、そうならないようにその予防法や、そうなったときの対処法をお伝えします。予めよくありそうなハプニングを予測しておくことで、当日そうなったときでも焦らずにすみますから、受験生の皆さんはぜひ参考にしてくださいね。
CONTENTS:
1.受験生の6割が当日に失敗を体験している!?
2.実際に起こった失敗談・ハプニングエピソード集!
3.まとめ~よくある受験当日の失敗TOP3
1.受験生の6割が当日に失敗を体験している!?
文房具メーカーのゼブラ株式会社(本社:東京都新宿区/代表取締役社長:石川 真一)が2017年に大学1年生100名に行ったアンケート調査によると、受験当日に何かしらの「失敗をした」経験がある受験生が実に6割以上にのぼることが分かりました(下図)。
つまり、それだけ多くの受験生が本番当日に失敗するわけですから、逆に言うとそれはよくあることで、自分だけではないということです。それを受け入れた上で自分が「緊張している」ということに気付くことが大切です。自分が緊張していることに気付いている時点で、客観的に自分を見ることができているわけですから、「なんだ、案外落ち着いているのかも」と前向きに考えるようにしましょう。そのうえで「他のみんなも緊張しているのだろう」と少し上から眺めてみるくらいがちょうどいいでしょう。
本番の会場では、どうしても周りみなが賢そうに見えたり、リラックスしているように見えて、自分だけが緊張しているような錯覚に陥りますが、このアンケート結果からも分かるように、緊張している受験生の方が多いのです。少し上から眺めるような余裕を持って大丈夫ですよ!
2.実際に起こった失敗談・ハプニングエピソード集!
以下のエピソードは実際にあった失敗エピソードです。先輩たちの失敗談からしっかり学んで、同じ轍を踏まないように心得ましょう。
■タクシーで悠々余裕のはずが、渋滞に…
混雑した電車を避けようと、受験会場まで前もってタクシーを予約していましたが、思いがけず渋滞にはまってしまい、試験に間に合いはしたものの、思った以上に時間がかかってかなり焦ってしまいました。
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試験会場に車やタクシーで向かうのはなるべく避けた方がいいでしょう。事故渋滞などは予測できませんし、時間も読みにくいものです。また試験は冬のシーズンですから、万が一雪の影響などで公共交通機関が止まったり遅れたりした場合には、学校側が何らかの特例措置を取ってくれることもあります。一方、車やタクシーでの個人的な遅れについては認められないことがほとんどですから、やはり公共交通機関を利用する方が無難だと言えるでしょう。
■友人と待ち合わせで心強いはずが、なかなか会えずイライラ…
受験会場まで塾の友達と待ち合わせして一緒に行くつもりだったのですが、人が多くてなかなか会うことができず、時間が気になっておろおろしてしまいました。
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受験は遊びに行くのではありませんので、基本的に受験会場へは友達と一緒に行かないことが鉄則です。同じ学校を受験する友人はライバルでもあります。気まずくならないとも限りませんから、一緒には行かない方が無難でしょう。まして合格発表はなおさらです。片方が合格、もう片方が不合格だと合格しても喜べませんので、仲良く学校に行くのはお互いに合格してからにしましょう。
■直前まで見直すつもりで持参した教材が重すぎて…
試験当日、不安感から直前まで見直しができるようにと、今まで使っていた教材やノートをたくさんかばんに詰めて入試会場に向かったものの、結局一度も見ることもなく、ただただ重いだけで疲れました。
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試験会場に行って、そこからバタバタしても仕方ないと大らかな気持ちでいる方がリラックスできますよ。他の受験生からも「この人余裕があるな」と思わせることで精神的に優位に立てるかもしれませんし、逆に直前で見直しして分からないところが出てくると、却って焦ってしまうこともあります。余計に自分を追い詰めるようなことになったら本末転倒ですから、サラッとおさらいできるくらいのもので、できるだけ荷物は軽くするようにしましょう。
■国語の長文が頭に入ってこない…
最初の国語のテストで舞い上がってしまい、長文を読んでも全く内容が頭に入ってきませんでした。
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まだ試験が始まったばかりで緊張感が解けていないうちに、長文から入ると頭が真っ白になってしまうことはよくあります。そのような場合は一度その長文問題は飛ばして後ろの問題から解いてみるのが良いでしょう。語句や漢字の問題を解いていくうちに頭の中が落ち着いてきて、再度長文を読んだ時には意外とすっと頭に入ってくるかもしれませんよ。
■分かっているはずの漢字が出てこない…
国語の漢字問題で絶対に分かっているはずの漢字がなぜか突然出てこなくなって、ものすごく動揺してしまいました。
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緊張すると普段当たり前に書ける漢字がどういうわけか書けなくなってしまうというのもよくある話です。漢字は何となく形で覚えていることがあります。「何かこんな形だったような…」と、おぼろげな絵とも文字とも言えないようなイメージを実際に書いてみると、その形を見て正しい漢字がひらめくこともあります。
※ただし、1つの漢字に固執して時間をかけすぎるのはNGです。何度か考えても出てこないようなら、思いきって飛ばして他の問題にうつり、最後に時間が余ったらまた考えましょう。案外違う問題を解いている間にふと思い出すこともありますよ。
■1問に時間をかけすぎて、残り時間がなくなった…
算数の最初の計算問題で時間をかけすぎて、時間が足りなくなってしまいました。
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これもよく聞く話です。このようなことがないように、これまで塾などで何度も模試を受け、テスト慣れをしているはずなのですが、当日の緊張からか時間の感覚がマヒしてしまい、気がついたらもうこんな時間ということがよくあります。そのような時に焦っても時間は戻りません。たとえ全部はやりきれず7割までしかできなくても、それがしっかり解けていれば、最後までやり切ったがミスだらけで6割しか取れない人よりもいい点になります。残った時間で確実に点が取れるように得意な問題から解き進めましょう。
■保護者と会えず、午後の受験校に遅れそうに…
保護者が試験終了後の待ち合わせ場所を伝え忘れたため、その日午後からの2校目の試験に遅れそうになってかなり焦りました。
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最近は1日に2校受験が当たり前のようにあります。午前の試験の終了後すぐに2校目へ向かうという光景もよく見受けられるようになりました。1日2校受験の場合、1校目が終われば時間の余裕も考えてなるべく早く移動したいものですが、受験後の待ち合わせ場所を伝え忘れたばかりに、なかなか会えずに2校目の開始時間ギリギリになったという話もちらほら聞くようになってきています。
受験後は一度に多くの受験生が出てきて出入口は混雑します。なるべく分かり易い混雑しない場所を待ち合わせの約束としてしっかり確認しておきましょう。そして2校目の受験も気持ちに余裕をもって臨めるようにしたいものです。
試験会場では親が教室まで入れないことがほとんどです。離れる前に一声激励の言葉をかけてあげると同時に、待ち合わせ場所の約束も忘れないようにしましょう。たとえ次の会場に間に合ったとしても、会えないことで不安になったりイライラしたりするだけで、余計な緊張を与えてしまいます。ましてや親子喧嘩が勃発して雰囲気が険悪になったりするのはもってのほかですよ。受験生に無駄な動揺を与えないためにも保護者の皆さまも十分気をつけましょう。
■寒さ対策をしたつもりが、暑すぎて…
寒いと風邪をひいたり、手がかじかんで字が書きにくくなったりすると言われているので、寒さ対策を万全にしていったら、逆に会場が暑くて頭がボーッとしてしまい、ぜんぜん集中できなくなってしまいました。
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入試は冬に行われますので、寒いことは誰でも想像できますが、会場の中(室内)は行ってみないと分かりません。少し寒い会場もあれば、暖房がガンガンに効いてやや暑く感じる場合もあります。そういう場合に備えて、簡単に脱ぎ着ができる服装がおすすめです。
また、手がかじかんで字が書きづらくなることもありますから、カイロを持参して手を温めるのはいいのですが、身体にカイロを複数貼りつけてしまうと、試験中に暑くなった場合にどうしようもなくなってしまいますから避けましょう。
※外との寒暖差でのぼせて鼻血を出してしまう場合もあります。ふだん大丈夫だと思っていても、何が起こるか分かりませんから、ティッシュも必ず少し多い目に持参するようにしましょう。
■他にもまだよくある、こんな失敗!
・縁起を担いで慣れない五角形の「合格鉛筆」を使ったら、指が痛くなった。
・シャーペンの芯が途中でなくなり、予備の鉛筆にしたが調子が狂ってしまった。
・試験中に消しゴムを落として時間をロスし、集中力を欠いてしまった。
3.まとめ~よくある受験当日の失敗TOP3
これまでいかに多くの受験生が本番当日にさまざまな失敗をしているかを見てきました。ここでまとめとして、よくある当日の失敗トップ3をご紹介します。これらのことはみなよくあることと最初から受け止め、当日も慌てずに落ち着いて対処していきましょう。
■1位 会場の雰囲気にのまれる
やはりいちばん多いのが入試会場のピリッとした独特の雰囲気にのまれてしまうことです。いくら模試などをたくさん受けて試験慣れしていると思っていても、やはり本番には独特な緊張感が漂います。みなが緊張しているはずなのに、他人は冷静に見えたり、すごく優秀に見えたりして、急に自信をなくしてしまうのです。そして不必要にどんどん緊張して頭が真っ白に…、などということがないように、「みな同じ!」「大丈夫!」と落ち着きましょう。むしろ「あの子の服かっこいいな」「あの人芸能人の〇〇に似ている」と周りを眺めるくらいの余裕をもちましょう。
■2位 忘れ物で焦燥感
次に多いのが忘れ物です。毎年必ず受験票を忘れたり、何かしら必要な携行品を忘れたりする受験生が出ます。さすがに受験票は少なくても、ICOCAなどの交通機関のICカードや財布、時計に文具など、忘れ物をしたがために焦ったり不安になったりすることはよくあります。つまらないことで動揺し、入試の点数に影響が出てはもったいないので、忘れ物がないように事前にしっかり確認してから家を出ましょう。
■3位 荷物が重すぎる
先の先輩たちの失敗談にもありましたが、毎年「入試会場に持参した荷物が重すぎて、試験前に既に疲れてしまっていた」という報告をよく受けます。覚えきれていないと不安な気持ちになるのも分かりますし、確かに直前に見た記述が偶然出て得をしたという例もなくはありませんが、かなりレアなケースです。それよりもあれもこれもと欲張ってたくさん教材を持って行っても、実際にそんなに確認する余裕はありませんし、逆に疲れてしまい、こんなに持ってくるのではなかったと後悔するケースの方が圧倒的に多いと言えます。
以上、入試当日の失敗についてご紹介してきましたが、いかがだったでしょうか。受験本番に向けて万全の準備をしていても、思いもしなかったことは起こり得ます。些細な動揺や緊張が合否に大きな影響を及ぼしますので、無駄な緊張をしないでいいようにしっかりと心がけをしておきましょう。
泣いても笑っても、もう本番はすぐそこです!何か不安なことや分からないことをクリアにしたい場合は、受験のプロにご相談くださいね。最後の最後まで諦めず一緒に頑張りましょう!
体調管理はしっかりと、
最後まで頑張りましょう!!