学校も再開され、いよいよ受験勉強も本格始動となります。ここで注意したいのが、子どもたちの心のケアです。ウィズコロナでは、思いがけないストレスを感じてしまうと推測されます。この時期、強いメンタルをもってどう勉強すればいいのか、その注意点とポイントをご紹介します。
CONTENTS:
1.コロナメランコリーになっていませんか?チェックリストで調べよう!
2.コロナメランコリーとは?誰でもなりうるメカニズム
3.受験生の保護者が注意するべき、コロナに負けない10の生活強化法!
4.受験生が今から夏休み明けまでに準備しておくべき勉強とは?
5.ウィズコロナでの入試予測とその対策
6.まとめ~ウィズコロナ中に受験を迎える皆さんへ
1.コロナメランコリーになっていませんか?チェックリストで調べよう!
6月に入り、ようやく長かった自粛生活から解放され、日常が戻りつつあります。子どもたちも徐々に登校できるようになってきました。これで「今まで通り」とホッと胸をなでおろしている親御さまも多いかと思いますが、ここで心配なのが、コロナによる一種のうつ的な症状、子どもたちの「コロナメランコリー(憂鬱)」です。
まずは、チェックしてみましょう。
お子さまの今の様子で下記に該当するものはありますか?当てはまる項目にいくつでもチェックを入れてください。
□朝なかなか起きられない
□夜ぐっすり眠れない
□疲れがとれない
□食欲がない、または食べすぎる
□どうにもやる気がでない
□学校に行きたがらない
□気持ちが落ち着かない、そわそわしている
□気がつくとスマホやタブレットを触っている
上記に1つでもチェックが入ったら少し注意が必要です。コロナ自粛疲れが出ているかもしれません。2つ以上なら注意深く様子をみてケアしてあげる必要がありそうです。5つ以上なら要注意!そのような状態が長引くようでしたら、一度学校の先生や心療系の専門家に相談された方がいいかもしれません。
2.コロナメランコリーとは?誰でもなりうるメカニズム
そもそも「コロナメランコリー」とはどういうものでしょうか。これは、長引いた自粛生活によるいわゆる「コロナ疲れ」で、一種の「コロナうつ」のような症状のことを言います。
自粛生活から解放され、これまで通りとは言わないまでも学校に行ける時間が増え、友達とも会って話ができるようになったと思います。これを「嬉しい」と思うお子さまがいる一方で、環境の変化についていけず、思いがけず「疲れる」と感じてしまうお子さまもいるでしょう。
特に受験生は塾にも通い始め、志望校に向けて公開テストや模試を受けるなど、従来通りのハードな受験生活スタイルが戻ってきます。しばらく通塾ができず、オンライン授業にも慣れてきた頃でしたから、また対面での一斉授業の環境に慣れるのに時間がかかるのも無理はありません。この環境の変化こそが新たなストレスで、かなりの負担になると思います。
大人でもリモートワークから通勤ワークになるのにそれなりのストレスを感じます。ましてや子どもで受験生ならもっと負担に感じるのではないでしょうか。
その上、日本の列島各地は梅雨シーズン。ただでさえじめじめして気分が落ち込みやすくなる時期です。「6月病」という言葉もあるくらいですから、このコロナによる環境の変化とダブルでメランコリックになる可能性があるのです。
要するにコロナメランコリーとは、心が弱いからとか精神鍛錬が足りないからとかといった精神論的なことではなく、誰にでもなりうるものだと言えます。
それではコロナメランコリーにならないためにはどうすればいいのでしょうか。
3.受験生の保護者が注意するべき、コロナに負けない10の生活強化法!
お子さまがコロナメランコリーにならないための「10の生活強化ポイント」をご紹介します。お子さまだけではなかなか難しいと思いますので、ぜひ保護者の方々も協力して一緒に楽しみながらサポートしてあげてくださいね。
●朝型生活にし、毎朝決まった時間に起きる
●規則正しい生活、体内時計のリズムを作る
●晴れた日には陽の光を浴びる
(⇒紫外線の強い時間帯を避け、対策をした上で早朝などに)
●バランスの良い食事をしっかり摂る
●食事の時間など、スキマ時間になるべく多く会話をする
(⇒学校の様子などお子さまの話を聞く)
●ストレッチや散歩など軽い運動を取り入れる
●日々の学習を習慣づける
(⇒朝食前、夕食後、入浴後、就寝前などルーティンを決めて毎日習慣化する)
●スマホをいつも手元に置かない(特に学習時や食事時は机の上に出さない)
(⇒スマホやゲームなどを手放す時間を多く作る。眠る直前は使用しない)
●お風呂はぬるめの湯にゆったり10分ほど浸かる(お風呂で暗記ものもおすすめ!)
●夜はしっかりと質の良い睡眠をとる
これから受験までの数カ月の道のりを乗り切るためにも、まずはコロナに負けない心と体づくりをしていきましょう。
4.受験生が今から夏休み明けまでに準備しておくべき勉強とは?
今年はコロナによる学校の休校が地域により若干異なるため、来年度入試については考慮するようにと文科省から通達がありました。全体的に試験の難度が易化するとは噂されていますが、あまり過度な期待をしない方がいいでしょう。「考慮」というのがどのような意味なのかは曖昧ですし、この程度の勉強でいいだろうと独りよがりに甘く考えるのは危険です。コロナを変な言い訳にせず、これからの限られた時間を精一杯有効に使っていきましょう。
前代未聞のウィズコロナのなかでの入試を迎える受験生。実際、来年の入試時期に新型コロナウイルスの感染状況がどうなっているのかは誰にも予測できません。
教師も生徒も全員が手探り状態の中、今やらなければならないことは、①通常の生活習慣に早く慣れること、②まだ不確定ではあるものの夏休みのスケジュールにも対応できるようにしておくこと、③苦手分野を減らすことの3つです。
いまこの時期、遅くても夏休み明けまでに、苦手分野を少しでも減らしていくことが大切です。克服とまではいかなくても、苦手分野で大きく足を引っ張らないようしっかり取り組みましょう。苦手な問題をできるようになるまで繰り返したり、学校や塾の先生などに質問したりするなどして苦手分野をどんどん潰していきましょう。
不安な方は、家庭教師など受験のプロに個人的に指導してもらうのもおすすめです。いずれにしても苦手分野が大きな穴にならないように、しっかり勉強していきましょう。
ここで1つだけ知っておいていただきたいことは、コロナ禍で休校中という同じ条件下であっても、学習習慣が途切れることなくきちんと勉強していた受験生もたくさんいたということです。むしろ自分の勉強がたくさんできたと充実感すら覚えた受験生もいるくらいです。これまであまり上手に学習ができていないと感じている受験生は、これから気を引き締めて、新たな気持ちで学習に取り組んでください。だいじょうぶです。今ならまだ十分逆転もできますし、間に合いますよ!
5.ウィズコロナでの入試予測とその対策
前述の通り、来年の入試は新型コロナウイルスの影響で、入試の内容が易しくなると噂されていますが、その場合どのようなことになるでしょうか。
問題が易しくなると、皆が解ける問題が増え、全体としての平均点が上がります。そうすると、成績が受験校のボーダーラインぎりぎりかやや下くらいの生徒でも合格点が取れるようになります。見方によっては「チャンスが大きくなった」と言えるでしょう。
逆に比較的余裕があった生徒が、ケアレスミスを数問してしまえば、このボーダーぎりぎりの生徒や、やや下くらいの生徒に抜かれる可能性も大いに出てきてしまいます。
つまり、ミスの許されないテストとなるわけです。ちょっとしたケアレスミスが合否を分けることになります。これまでやや余裕があると思っていた受験生には「少しのミスもできなくなった」とも言えるでしょう。
全体として平均点が上がり、合否を分ける1点、2点に人数が密集することが容易に想像できます。つまり、来年の入試は1点、2点のミスが致命傷になるわけです。それでは、ミスを防ぐためには今からどのような対策をとればいいのでしょうか。
【ミスをなくすための対処法】
ミスをいかになくすのか、そのための魔法などあるわけもなく、ひたすら地道に訓練するのみです。算数(数学)であれば、毎日10分でもいいので、計算練習をし、国語なら漢字や語句、慣用句などを練習しましょう。これは短時間でもとにかく毎日続けることがとても大事です。毎日の習慣づけが何より大切で、これが勝敗を分けるキーポイントとなります。
朝起きたら朝食前に10分や、夕食後の10分、寝る前の10分に〇〇をするなどと決めて行うのがいいでしょう。計算はとくにウォームアップにもなりますから、朝行うのが効果的です。
また、算数のケアレスミスには計算テクニックを覚えて使えるようにするのが有効です。計算の暗記や分配法則、結合法則などを利用しましょう。
※詳しくは、下記の2020年3月11日に掲載しました当ブログの「3.算数でよくあるケアレスミスとその対処法」でご紹介していますので、ぜひご参照ください。
↓↓
『得点アップにつながる答案用紙の書き方!ケアレスミスをしやすいタイプと対処法』
6.まとめ~ウィズコロナ中に受験を迎える皆さんへ
今年の受験生は、確かに新型コロナウイルスの影響を大きく受けた被害者であることに違いなく、学習格差を心配している受験生やその保護者の方々も多いことでしょう。
しかし、私立であってもオンライン授業が行き届いていなかったり、公立であってもオンライン双方向授業が進んでいたりする学校もあり、一概にどこだったら良くてどこが悪いとも言いきれません。不安や焦りを抱えていたり、多少の差があるにせよ学習に遅れが生じていたりするのは同じです。
大切なことは、これまでにできなかったことを不満に思うのではなく、これからの生活をいかにしっかりと軌道に乗せ、学習リズムを確立させていけるかです。
自粛生活で生活リズムが乱れてしまっていて、うまく学習が進められなかった人も、今からでも決して遅くありません。
学校や塾でも、コロナ前とまったく同じとは言わないまでも、かなり以前と近い状態で授業が受けられるようになってきました。今年は夏休みを短縮する学校も多いと思いますが、受験生を取り巻く生活環境は徐々に例年通りになりつつあります。どこでもみな遅れを取り戻すべくがんばっています。
当セミナーでも、一時的にオンラインでの家庭教師に切り替えていたご家庭が、また徐々に対面指導に戻ってきています。
一方でまだ対面が不安だという声もあり、オンライン家庭教師の継続や、ご要望に応じて「フェイスシールドの貸し出し」も行っております。
当セミナーではどのような状況でも生徒の皆さんの学習を止めることなく、常に最善の方法で指導し、生徒に寄り添っていく所存です。
受験生の皆さん、いろいろ不安でたいへんだとは思いますが、心から応援していますよ!頑張って下さい!!