今年も中学受験まで残すところ2ヵ月半!いよいよ受験シーズンの到来です。受験生は既に受験モードに入っていると思いますが、親御さまの方はどうでしょうか。今回は親がいまやるべきこと、してはいけないことなど親の受験モードについてお話します!
※中学受験のみならず、高校や大学受験でも通じるところがありますので、ぜひご参考にしてみてくださいね。
CONTENTS:
1.受験本番までの親の心得
◆親も受験モードに切り替える?
◆意識しても普段通りの生活を心がける理由
2.親が思わずやってしまう受験生へのNG行為とは
◆親が受験生によく言ってしまいがちな3大煽りNGワード
◆実は子どもも十分緊張している!?
◆やっていませんか?緊張感の押し売り行為
3.親が家庭で注意するべき受験生との接し方
◆受験生扱いは要注意!?
◆プレッシャーに弱い受験生
4.親が受験生のためにやって欲しいこと第1位は?
5.この時期に模試の結果が悪かったときの親がとるべき対応
6.子どもを合格へと導く親の最大の武器とは?
◆親だからこそできること!
◆明日の頑張りは親にあり!?
1.受験本番までの親の心得
◆親も受験モードに切り替える?
受験まであとわずかというこの時期、塾などに通っている受験生は先生からも発破をかけられますし、学年全体の空気感も変わるのでそれなりに受験モードになっていることと思います。そんな中、特に中学受験の場合は受験生同様に親も受験モードに切り替えていく必要があります。
もちろん、親御さまも受験当日にお子さまを最高の体調と最高の精神状態で送り出してあげたいと考えて日々過ごされているかと思います。
しかし、親にとっては良かれと思ってやっていることが、実は逆効果だったりすることがよくあります。では親の受験モードとは何でしょうか。
◆意識しても普段通りの生活を心がける理由
親は受験生に何をすべきか、その答えは簡単です。「いつも通りふるまうこと」です。
そんなの簡単、何を今さらと思われるかもしれません。しかしこれが案外難しいのです。中学受験生はほぼ全員が初めての「受験」です。ですから受験の怖さなどもよく知りません。
一方親の方は今までいろいろな経験をしている分、受験の厳しさをよく知っています。
ですから、受験が近づくにつれて親の方がどんどんヒートアップして緊張感が高まり、親だけが気持ちを暴走させてしまうということがよくあります。しかし、これは子どもにとって悪影響なだけです。
親は意識して普段通りの生活を心がけ、たとえ緊張していてもそれを見せず、いつも通りにふるまうよう極力気をつけていただきたいです。
2.親が思わずやってしまう受験生へのNG行為とは
◆親が受験生によく言ってしまいがちな3大煽りNGワード
受験本番が日に日に迫ってくるなか、次のような言葉をお子さまに言っていないでしょうが。
・もっと「もっと緊張感を持ちなさい!」「もっと勉強しなさい!」
・もうすぐ「もうすぐ受験なんだから!」「もうすぐだよ。ドキドキだね!」
・なんで「なんでそんなにのんきなの!」「なんでやらないの!」
「もっと」「もうすぐ」「なんで」という言葉はついつい口をついてよく出てしまうワードだと思いますが、この時期には緊張を煽るだけの言葉となり、マイナスにしかなりません。
ポイントはもしご自分がこのような言葉を身内や誰かから言われたらどう思うか、想像してみるといいでしょう。
子どもたちも今がどういう時期なのか、親よりもずっとよくわかっています。ここで何をやらなければならないか、どうするべきかちゃんとわかっています。それをわざわざ親に言われると余計に反抗してやりたくなくなるものです。
◆実は子どもも十分緊張している!?
この時期、子どもも当然緊張感が少しずつ高まってきていますが、親からするとひょうひょうとしてのんきなように見えてしまうかもしれません。「まるで緊張感が見られない、これでは受験に間に合わない」と、親としては思わずイラっとしてしまうでしょう。そして「どうしてそんな風にしていられるんだ!」とつい口に出して当たってしまうのです。
子どもに当たってしまうというのは最悪のパターンで、それは親の緊張感を子どもと共有させようと無理やり子どもに押し付けているだけで、まったくの逆効果。ひょうひょうとしてのんきなように見えても、そこはまだ小学生。緊張していても、その緊張感をどのように昇華していいのかわからないだけなのです。もっと言うと、中学生や高校生でさえも、緊張をうまく表に出せない受験生が多く、傍から見るとのんきそうに見えるものです。その点をぜひ理解してあげてください。
◆やっていませんか?緊張感の押し売り行為
緊張感は伝染します。親の緊張感は確実に子どもに伝わります。特に精神的に大人でいい子ほど親の気持ちを理解しようとし、自分も親に見習って緊張感を持たないといけないと考えます。精神的な成長の早い女子には特に多いことですので、注意が必要です。
不要な緊張感は受験のマイナスにはなってもプラスにはなりません。焦ったり不安な気持ちになったりしてはできるものもできなくなってしまいますし、本番が来る前に心身共に疲弊してしまいます。親は子どもに緊張感を与えるのではなく、その真逆でリラックスして落ち着かせるようにすべきところです。
むしろ受験が近づいていてものんきでいられるお子さまならば、メンタルが強く、逆に頼もしいなと褒めて自慢に思うくらい、まずは親の方が先に気持ちの余裕を持ちたいところです。
すると不思議と子どもにも気持ちにゆとりができ、安心して勉強できるものですよ。
3.親が家庭で注意するべき受験生との接し方
◆受験生扱いは要注意!?
先ほど親がよく言ってしまう3大煽りNGワードをご紹介しました。もちろん「そんなことじゃ落ちるわよ!」のように、あからさまな受験生タブーワードを言う親は少ないと思いますが、逆に受験生だからとやたらに特別扱いしてしまうのも問題です。
受験や志望校の話をしてはプレッシャーにつながるかもしれないとか、不合格を連想するような言葉を使わないように言葉を選びながらしゃべっていたりしては会話が不自然になり逆効果です。
例えばテーブルの縁にあるコップが落ちそうになって「あ、危ない、落ち…!うっ、しまった!!」と表情を凍りつかせては、余計に意識してしまうでしょう。普通の自然な会話の流れのなかで仮にそのような言葉を言ってしまってもまったく問題ありません。変に意識させてしまう方がよほど問題です。
子どもはあまり考えていないのに、親の方がプレッシャーになるのではないかと意識過剰になり、却って会話がたどたどしくなったりぎこちなくなったりすると、それはそれで変な緊張感が漂ってしまいます。いつも通りの自然な会話が一番です。
◆プレッシャーに弱い受験生
親は良かれて思って「受験生なのだからしょうがないわね」「受験生なんだからそんなことしなくてもいいわよ」「ほら、お兄ちゃん(お姉ちゃん)はいま受験でたいへんな時なんだから」「静かにして!うちには受験生がいるのよ!」と、二言目には「受験生、受験生」と特別扱いしたり、腫れ物に触るような態度をとったり、過剰な褒め言葉や持ち上げなどは余計なプレッシャーに感じてどんどんしんどくなっていってしまいます。
また、「こんなにがんばったのだから、絶対にだいじょうぶだよ」という「絶対」ワードはポジティブでもネガティブな表現でもNGです。これも余計なプレッシャーや緊張感、マイナスイメージを与えてしまうことになるので使わないようにしましょう。
4.親が受験生のためにやって欲しいこと第1位は?
親御さまにこの時期一番やってもらいたいことは「体調管理」です。恐らく受験生本人もそうでしょう。
毎日の食事と睡眠はとても大切です。栄養バランスの良い食事と良質な睡眠は、受験本番まで健康体で乗り切るための重要なカギとなります。特に今年はインフルエンザだけでなく新型コロナウイルスの感染にも気をつけたいですよね。
この時期になると追い込みで受験生本人が夜遅くまで頑張り出すこともあります。そのような頑張りに対してどういう声かけをするのがいいでしょうか。
×「早く寝なさい」
×「もういいから今日は終わりにしなさい!」
上記のような声かけでは、「せっかくいいところでやる気になっていたのに!」「いいって、なにがいいの!?」と反発し、余計に眠れなくなってしまうかもしれません。
そこは、
↓↓
〇「よくがんばっているね。でもカラダを壊してはいけないから、区切りのいいところで寝ようね」
というようにやさしく笑顔で言ってあげましょう。もちろん、言い方はご家庭によってそれぞれだと思いますが、頑張りをしっかり褒めてあげて寝不足にならないように上手に促しましょう。
声かけするときは、「~しなさい」という命令口調ではなく、いつも応援していることや、いたわりの気持ちを伝えるように言葉を選ぶことがポイントです。
5.この時期に模試の結果が悪かったときの親がとるべき対応
これもよくあることですが、これからもまだ模試があります。偏差値や志望校判定ランクも出ます。
そこで子どもの成績が芳しくなかったとき、親がショックを受けるのは当然なのですが、次のような感情のままに口に出してしまうのはやめましょう。
×「今ごろこんな成績でどうするんだ!」
×「だからあんなに言ったじゃない。ちゃんと勉強しないからでしょ」
このようについ言ってみたりしたくなります。お気持ちはよくわかります。
しかし、それは誰よりも本人が一番よくわかっていること。それを言ってしまうと、本人が悲嘆してさらに成績が下がってしまうかもしれません。ここは親も我慢のしどころです。
そして声かけをしたいのなら、次のように言う方がいいでしょう。
↓↓
〇「本番じゃなくてよかった。助かったね」
まるでなんでもないように明るく流し、おどけて「セーフ」ぐらい言ってもいいいいでしょう。あるいは算数がダメでも国語がよかった、というように何か1科目でもよいものがあれば、そこだけ褒めるのも手ですよ。
決してネガティブな言葉を言うのではなく、前向きな応援の言葉をかけてあげてくださいね。
大事なことは、親は受験のプロではないということです。少なくともこの時期に親が受験や勉強面に関してできることは何もありません。勉強のやり方や内容などはプロに任せ、親は精神面や体調面でしっかりサポートしてあげてください。静かに心寄り添うサポーターに徹する方が断然うまくいきますよ!
6.子どもを合格へと導く親の最大の武器とは?
◆親だからこそできること!
親は受験のプロではないので、受験や勉強に関しては何もできることはないと前述しました。しかし、これだけはどうしても書いておきたいのですが、受験や勉強に関してはできることはなくても、親御さまだからこそできることもあります。
それは「笑顔」です。笑顔は親が持つ最大にして最高の武器です。子どもはみな親の笑顔が大好きです。特に小学生はいつも親の顔を気にして見ています。親がしかめっ面でいれば緊張しますし、笑顔でやさしい顔でいると落ち着きます。
◆明日の頑張りは親にあり!?
おわかりかと思いますが、実際に子どもを前にすると常に笑顔でいることは難しいものです。特に子どもが勉強中に集中力が切れてダラダラしていたりする姿を見ると笑顔でいられなくなったりもするでしょう。ついつい怖い顔になってしまい、嫌味の1つや2つ言ってみたくなります。
それでも、できるだけ笑顔を忘れないように心がけましょう。受験にも必ずいい影響を及ぼします。できれば寝る前、一日の最後は笑顔で「おやすみ」と言ってあげたいものです。一日いろいろあっても、その笑顔で明日も頑張ろうと思えます。それくらい親の笑顔の効果は絶大で大きな影響があります。ぜひ試してみてくださいね。
子どもたちは「受験」というたいへんな重圧のなか、日々自分と闘って頑張っています。親もいっしょに頑張れるといいですね。この時期の受験生をもつ親の心得は、「笑顔でいつも通りにふるまうこと」だけです。どうですか。案外簡単なことではないでしょうか。
勉強面や受験に関するご相談、効果的なラストスパートのかけかたなどは、ぜひ受験のプロにご相談くださいね。精一杯サポートさせていただきます!