受験生とその保護者の年末年始の過ごし方~受験生が辛いと感じる親の言葉と注意点~

  • 2021.12.23
  • 受験情報

 

 

受験生にとって年末年始は入試間近のとても大事な時期。しかし、お正月モードになる冬休みは、周囲の影響を最も受けやすく流されやすい期間とも言えます。今回は受験生やその保護者の年末年始の過ごし方注意点についてご紹介します!

 

CONTENTS:

1.受験生には本当に正月がないの?

2.多くの先輩中学受験生が小学校を休む理由と注意点

3.注意したい保護者の年末年始の過ごし方

4.言われて嬉しい親の言葉と、言ってはいけないNGワード

5.まとめ~2022年度の受験について

 

1.受験生には本当に正月がないの?

受験生はもちろん、そのご家族にとっても受験年の年末年始は特別です。特に関西圏の中学入試統一日や大学の共通テストは年明けの1月15日からで、もう直前なのです。例年この時期は、受験生にとって気持ちが休まるどころか、つらい辛抱の冬休みとなります。

 

受験生は覚悟していても、案外ご家族は元旦くらい休息をとって正月を楽しんでもいいのではないかと、あまり気にしていないかもしれません。

 

しかし、厳しいようですが、受験生には「年末年始休暇はない」「正月は合格してから」と、ご家族みなで胸に刻んでおいてください。

 

泣いても笑ってもあと数週間で受験はほぼ終わります。何年間も塾に通ってがんばってきたこの生活ももうすぐ終止符が打たれようとしています。

 

来年の年末年始は友人とクリスマス会や初詣に旅行など、今年できなかった分、これまでよりも何倍も楽しい年末年始になることでしょう。それも今の我慢があってこそです。本当にあともうひと踏ん張り!そのために年末年始をどう過ごすべきか、ぜひ最後まで読んでいただき、入試当日を気持ちよく迎える参考にしてくださいね。

 

2.多くの先輩中学受験生が小学校を休む理由と注意点

 

 

◆先輩中学受験生が学校を休む理由

毎年、年末や年明けから学校を休みがちになる中学受験生が多くいます。その理由は主に次の3つです。

 

・受験勉強に集中したい

・風邪など感染症が心配

・非受験組との温度差に影響されないため

 

受験勉強に集中したいという学習面での意味合いも大きいでしょうし、ここにきて学校で風邪など病気をうつされたくないという体調面からの観点ももちろんありますが、もう一つに受験をしない同級生との温度差による精神面を気にする親御さまも多いようです。

 

子どもたちにとって冬休みは、クリスマスやお正月と街も何かと賑やかになり、気持ちが高まってテンションも上がりがちになります。しかし、街の楽しい雰囲気とは裏腹に、受験生はいよいよ志望校に向けての最後の追い込み猛スパート中です。

毎年のことですが、この時期は受験に向けて切磋琢磨している塾の仲間たちと、中学受験をしない学校の友人たちとの間で、気持ちの面での温度差が一番大きい時とも言えるでしょう。

 

受験を目前にしたこの時期の受験生にとって一番いい環境は、同じ目標を持った仲間と一緒にいる空間と、静かに勉強に集中できる空間です。

学校とは違い、塾は年末年始でも休みがなく、最終特訓の授業を行っています。できましたらそのような同じ目標を持った空間の中で最後まで切磋琢磨した方が、受験に向けてモチベーションを高めることができるでしょう。

 

ここで留意していただきたいのは、学校に行かなくても、塾に行く途中の街並みやテレビなどから、年末年始の楽しげな雰囲気は必ず本人にも伝わります。そのようなことには目もくれずに「がんばれ」と言うのはたいへん酷なことです。親御さまも誘惑に負けずにがんばっているお子さまを大いに応援してあげてください。

 

◆学校を休む際の注意点

小学校を休ませる場合、注意していただきたいことがあります。お子さまによっては学校に行かないと気持ちが落ち着かないというケースもあります。学校を休むことによって、変な後ろめたさや不安を感じるようでしたら、せっかく学校を休んでも勉強が進まないどころか気持ちだけが不安定になり逆効果です。本人が学校に行った方が心の安定が得られるのでしたら、感染症対策をしっかりして普通に学校に行った方がいいでしょう。

 

大切なことは、受験生本人がどうしたいかです。子どもは学校に行きたいのに親は学校を休んで塾で勉強させたいというご家庭もあれば、逆に子どもは学校を休んで塾に行きたいのに、親が小学校の最終学年なのだから休ませたくないというご家庭もあります。

 

学校を休むことで不安を覚える子どももいれば、休まないで通学することで他の受験生から遅れをとるのではないかと不安になる子どももいます。その学校や塾の環境、雰囲気にもよりますので、よくよく親子で話し合って決めるようにしてください。どのような選択をするにせよ、お子さまにとって後悔のない選択をしていただくようお願いします。

 

3.注意したい保護者の年末年始の過ごし方

 

 

受験生は年末年始も正月もなく、がんばっています。ここはぜひ親御さまも協力してあげてください。年末年始の過ごし方として、親御さまに注意していただきたいのは次の3点です。

 

・忘年会や新年会を控える

・初詣は行かない、または親だけが密を避けて

・テレビ、スマホは控えめに

 

受験生はただでさえ、周囲がクリスマスや正月で楽しそうに賑わっているなか、「自分だけが我慢して勉強していると思っています。家でも自分は勉強しているのに、親は楽しそうに飲みに出かけたり、テレビを見て笑い声をあげたりしていては、やはり「自分ばかり我慢して」というやり切れない気持ちになります。

 

特に年末年始は、テレビも楽しい特番がたくさんありますので要注意です。音量を下げたり、録画して本人がいなくなってから観たりするなど、少なくとも本人の前ではテレビやスマホなどは控える気配りをしてあげてください。

 

受験生本人がいる前では、できましたら親も家事や読書、または仕事関連の勉強をするなど、何か一生懸命にやっている姿を見せられるのが理想です。

親もがんばっている姿を見せることで、子どももその背中を見てがんばれるものです。

 

また、合格祈願初詣に行きたいという親御さまもいらっしゃるかもしれませんが、感染対策の観点から、本人はもちろん、ご家族もできれば控えていただいた方がいいでしょう。どうしてもという場合は、ご家族を代表してお父さまかお母さまのどちらかお一人で密にならないような近場の氏神様にお参りすることをお勧めします。

 

年末年始も正月もなく受験勉強に勤しむお子さまに、「がんばっているね」と笑顔で声をかけ、「がんばっているのをちゃんと見ているよ」「だいじょうぶ。応援しているからね」ということをしっかりアピールしてください。好きな料理やデザートを出してあげたり、塾弁に正月のおせち的なものや特別な具材を入れてあげたりするのもおすすめです。素っ気ない態度で返されるかもしれませんが、内心は嬉しいはずですよ。

 

4.言われて嬉しい親の言葉と、言ってはいけないNGワード

 

 

お子さまが年末年始にこれほどがんばることなど、今後そうないかもしれません。これを「たいへんなこと」「疲れること」「面倒なこと」だと子どもに思わせないように、上手な声かけをしてあげるのもこの時期の親御さまの大切な役目です。

 

そこで、この時期にから言われて嬉しい言葉と、逆に言われると余計辛くなってしまう、言ってはいけないNGワードをご紹介します。

 

◆この時期に受験生が言われて【嬉しい言葉】

 

「よくがんばっているね」

「お正月までがんばれるって、すごい経験だね」

「だいじょうぶだよ」

「応援しているよ」

「がんばってくれて、嬉しいな」

 

年末年始を受験勉強一色で過ごすお子さまには「中学や高校の勉強合宿みたいだね!」「小学生なのにすごいね!」などのように、笑顔で明るく前向きな声かけをしてあげましょう。まずは親御さまが本気で自分のお子さまを「すごい!」と誇りに思うことです。

 

お子さまはたくさん我慢してがんばっているのですから、本当にそれだけですごいことなのです。ですから、うわべだけの言葉ではなく、本気で「すごい」と褒めてあげてください。お子さまも「自分はすごいんだ」「今すごいことをしている」と誇らしい気持ちになり、よりがんばれると思いますよ。

 

◆この時期に言ってはいけない【NGワード】

 

×「こんな時までたいへんだね」

×「ちゃんとやりなさい」

×「みんなやっているのだから、あなたもがんばりなさい」

×「もっとやらないと合格できないよ(不合格になるよ)」

×「正月まで塾にいかなくてもいいよ」

×「元旦くらいは少しサボってもいいよ」

 

・「たいへんだね」や「かわいそうだね」のような言葉を言われると、余計にたいへんに思えてモチベーションが下がってしまいますし、「ちゃんと」と言われても、「ちゃんとって何?」とイライラさせるだけです。

 

・「みんながやっているから」と言うのは本人には関係ありませんし、あまり「がんばれ、がんばれ」と言われるとしんどくなってしまいます。そもそも「がんばっていない」と思われているのかと悲しくもなりますから避けましょう。

 

・この期に及んで「合格できない」や「不合格」「落ちる」など失敗をイメージさせるネガティブワードは絶対にやめてください。負の暗示にかかってマイナスになることはあってもプラスになることはありません。

 

・「正月まで勉強しなくていいよ」的な発言も絶対にやめましょう。せっかく塾などで「受験生には正月も何もない」と厳しく言われ、その気になって頑張ろうとしているところに水を差す行為です。

 

5.まとめ~2022年度の受験について

 

 

最後に、今年度の受験での新型コロナウイルスの影響についてわかっていること、またそれに伴う注意点ついてまとめます。

 

昨年度入試はコロナ禍の影響を大きく受けて、どうなるかわからないまま不安ななかでの受験でした。今年度の入試は今のところ感染も落ち着いているとは言え、ほぼ昨年度の形を踏襲していると考えていいでしょう。

 

例えば、保護者が密にならないように、今年度も控え室を設けないという学校もあります。その場合、受験終了後のお子さまとの待ち合わせ場所などはしっかり決めておきましょう。特に1日に2校受験する場合、1校目が終わって2校目に移動するのに予定していた電車に乗れないというだけで、遅刻にはならなくても気持ちが焦ってしまい、試験を受ける上で余計な緊張感に繋がります。

 

また、コロナ前までは当たり前のようによく見られた入試日当日の各塾の応援光景ですが、今年度も禁止にしている学校がほとんどです。そろいの応援上着を着た塾の先生たちが、塾名の入ったノボリを持って受験生を集め、受験前に最後の授業をしたり、大きな声でシュプレヒコールをあげて握手したりと、受験生たちの緊張をほぐし、テンションを上げるための応援でしたが、密になる行為なので前年に続き今年度もないでしょう。

 

せっかく有名塾に入ったのに、熱い応援がないことを残念に思うご家庭もあるかもしれません。しかし、ものは考えようです。受験当日に塾の先生や同じ塾の仲間たちと「合格するぞ!エイエイオー!」と声を張って会場に入っていく受験生たちのなかには、それよって却って緊張感が増してしまう生徒も毎年必ずいます。

 

塾によって差もありますし、気恥ずかしいと感じるなど、子どもによって良し悪しがあります。ある意味、みな平等で余計な影響を受けることなく、自分の一番いいモチベーション、温度感で臨めるとも言えるでしょう。

何事も前向きに考えて、モチベーションは高めながらも落ち着いた気持ちで試験に臨んでくださいね。

 

 

 

体調管理はしっかりと、

最後まで諦めずに頑張りましょう!!

 

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浅田ゆうき先生

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