中学受験後から入学までにこれだけはしておきたいこと~燃え尽きないために~

  • 2022.01.20
  • 受験情報

 

 

2022年の中学受験も近畿圏では一段落し、終わりを迎えようとしています。そこで、「今から中学入学までにこれだけはしておきたいこと」や「春休み中の注意点」などについてお伝えします。「燃え尽き症候群」の予防にもなりますから、中学受験が終わった方はぜひ最後までお読みくださいね。

 

 

CONTENTS:

1.合格から入学前までの考え方

2.燃え尽き症候群とは?

3.入学までの過ごし方~後悔しないためにやりたい3つのこと

4.効果的な英語の学習方法

5.効果的な数学の学習方法

6.その他おすすめの過ごし方

7.まとめ~自学に不安がある方へ

 

1.合格から入学前までの考え方

中学受験を終えた小学6年生は、これから入学までの約3か月の間、とりあえず今までしてきた受験勉強からは解放されます。毎年受験が終わると「入学まで何をしたらいいのか」というご質問をよくいただきます。

 

中学受験が終わったばかりで今は勉強のことは考えたくないという気持ちは当然なのですが、この3か月を何もせずに中学に入学するのと、少しでも中学の勉強を予習しておくのとでは、入学後のスタートダッシュで大きく差が出ます。

 

何も今までのように夜遅くまで追い込むような勉強をする必要はありませんが、この3ヵ月間でまったく勉強をしなくなってしまうと、再度勉強をしようとしてもなかなかエンジンがかかりにくくなり、最悪の場合、必要になってもエンジンをかけることができず、せっかく第一志望校に入学できたのに「学校に行きたくない」と言い出すこともあります。

 

残念ながら、いわゆる「燃え尽き症候群」のような状態になり、ほとんど勉強をしなくなってしまう生徒さんが毎年出てしまうのも事実です。しかし、3ヵ月後には学校が始まり中学校生活がスタートしますから、親としてはそのような燃え尽きは何としても避けたいところではないでしょうか。

 

2.燃え尽き症候群とは?

 

 

 

燃え尽き症候群(バーンアウト)」とは、受験が終わって達成感はあるものの、生活の中での目標が急になくなって気が抜けてしまい、虚脱感から何もやる気がしなくなるという、一種のにも似た症状です。これは子どもに限ったことではなく、実は親にもみられる症状で毎年のように耳にするお話です。

 

意外と気がつかないのが、子どもと二人三脚で臨んだ中学受験が終わったことにより、親が子ども以上に「燃え尽き症候群」になってしまうことです。受験前は子どもが学校から帰ってきたらすぐにお弁当を作ったり塾へ送ったり、塾のプリントやテストを整理したり、時には勉強を見てあげたりと忙しくしていたのではないでしょうか。それらが急に全てなくなり、力が抜けて虚無感に陥ってしまうのです。

 

今はお子さまが燃え尽きないように、親御さまがしっかりしなければならない時です。ご自身が燃え尽きてしまっている場合ではありません。お子さまが次の目標を見いだせるように親御さまが導いてあげてください。

 

次の受験なのか、校内順位なのか、または部活動なのか、漠然とでもいいので次の目標を立てましょう。そして、今はゴールしただけではなく、新たなスタートを切った状態であることを認識させ、モチベーションを維持させてあげてください。

 

3.入学までの過ごし方~後悔しないためにやりたい3つのこと

 

受験が終わったからと、入学までの間ダラダラと無駄に日々を過ごしていては、いざ中学の授業が始まってもスタートから出遅れてしまい、パニックになってしまうというのもよくある話です。一般的に多くの私立中学は公立中学に比べ進度が早いため、一度遅れだすと挽回するのは難しくなります。

 

あの時こうしておけばよかったと、後々後悔しないために、入学までにやっておきたい3つのことをご紹介します。

 

・学習習慣の維持

・中学校の学習の予習

・小学校の思い出作り

 

中学受験でせっかく身についた学習習慣が途切れてしまうというのは、たいへんもったいない話です。もちろん、受験ほどの勉強量は必要ないのですが、1日に1時間、最低でも10分でも15分だけでも必ず机に向かうという習慣だけは続けましょう。

 

今まで1日に何時間も机の前に座っていたのですから、まだその習慣が抜けていない今なら1日に1時間くらいはさほど苦痛でもないはずです。

 

それでは机に向かって具体的にどういった学習をすればいいのでしょうか。

中学に入って小学校と大きく変わるのが、教科で言うと英語数学です。他の国語や理科、社会は今までの知識からの継続が多いので、比較的すんなり入りやすいですし、それほど差はつきません。しかし、英語と数学は大きく差がつきますので、しっかり学習しておきたいところです(学習方法は次に詳しくご説明します)。

 

もう一つ大事なことがあります。それは小学校での思い出作りです。学習はこれからいくらでもできますが、小学生という時間は決して帰ってきません。勉強も大事ですが、今しかできない友人との遊びや思い出作りも大事にしてください。

 

特に中学受験組はこれまで通塾したり学校を休んだりして、あまり思い出作りができていなかったと思います。その上コロナで行事が中止になるなどして、ただでさえ思い出が少ないかもしれません。後で悔いが残らないよう、できる時には思う存分残りの小学校生活を楽しんでくださいね。

 

4.効果的な英語の学習方法

 

 

 

中学に入り、最も大きく変わる教科が英語です。小学校の英語では比較的遊び要素の多い会話中心の基礎部分だけで、細かい学問的なところ、特に文法にはあまり触れていないと思います。学問的にはほぼ初めて英語学習するのに近い状態からのスタートとなるでしょう。

 

ところが、学校によって英語学習プログラムに差があったり、幼児期から個人で英語を学んだりしている場合があり、英語は中学入学時点で既に差ができてしまっている可能性も否定できません。特に大学入試に民間資格が大きく関係するようになったため、小学生から英語検定の資格を取得する児童も急増しています。

 

もちろん、これまでまったく英語の学習をしてこなかったとしても、中学の授業からのスタートで基本的には十分間に合いますので、必要以上に不安になることはありません。しかし、この時期に少しでも英語学習の下準備をしておいた方が気持ちに余裕を持つことができ、授業にもスムーズについていくことができるでしょう。そうすれば英語学習経験者との差を広げられることなく、逆にその差を縮めることができるかもしれません。

 

逆にここで何もせずに中学の授業に臨み、周囲の生徒は授業についていっているのに、自分だけはついていけないとなると、英語が嫌いになり勉強をするのも苦痛になります。成績も悪く苦手科目となり、ますます嫌いになって勉強もしなくなるという悪循環に陥ります。自分は理系だから英語は苦手でもいいと思われるかもしれませんが、理系と文系に分かれても英語だけは必須科目です。大学受験に向けて英語から逃げることはできません。

 

では、実際にどのような英語の学習をすればいいのでしょうか。そこで、この時期にやって欲しい「英語学習3つのこと」をご紹介します。まずは英語に対する拒否反応(アレルギー)をなくすことが大切です。なるべく毎日、少しでもいいので何かしらやって英語に慣れましょう。

 

【入学までにやっておきたい英語学習3つのこと】

 

①「英語耳」を作る

まずはとにかくたくさん英語を聴いて、英語に慣れる「英語耳」をつくることです。1日5分でも10分でもいいですし、BGMとして聴き流すだけでいいので、NHKの基礎英語や幼児向けのDVDなどテレビやラジオなどでいちばん簡単な初歩のものから英語をたくさん聴くようにしましょう

 

②語彙力の先取り

やはり英語力に欠かせないのは語彙力です。いくら英語教育が会話重視の学習にシフトされても、最低限の単語が分からなければお話になりません。事前に中学校で英語の教科書がもらえる場合は、教科書の単語やフレーズを覚えて、書けるようにしておきます。教科書がなければ、参考書などで覚えるといいでしょう。

 

※ここで一つ提案です。参考書や問題集などは親が買い与えるのではなく、本人に選ばせて、買わせるようにしてはいかがでしょうか。小学生から中学生へのステップアップとして「はじめてのおつかい」ならぬ「はじめての本選び」です。自分で本を手に取ってパラパラと中を見て、選択権をすべてお子さまに託してみましょう。もしかすると、親が思っているような参考書や問題集ではないかもしれませんが、そこは我慢して下さい。人から与えられたものではなく、自分で選んだものなので大事にするでしょうし、その本を活用して勉強するようにもなりやすいでしょう。英語の勉強に慣れてきて、もっとこんな参考書の方がいいなと思えるようになった時はその時にまた考えたらいいことです。別の本がいいと思えるという事は、ある程度勉強し英語が分かってきた証拠です。

 

 

英語を使う

お子さまを英語嫌いにさせないためには、親御さまもいっしょに英語を楽しむことです。これからの英語学習の評価は「覚える」英語ではなく、「使える英語」の時代になります。例えば簡単な日常会話「窓を開けて“Open the window, please.”」や「これ誰の本?“Whose book is this?”」など、会話の中に普通に英語を取り入れましょう。英語を学習するというよりは、英語を身近に感じ、日常で当たり前に使うものだと認識させることがポイントです。

 

5.効果的な数学の学習方法

 

 

 

もう一教科、小学校と大きく変わるのが数学です。数学は算数と少し違いますので、今まで算数が得意だったから大丈夫と高をくくらずに、前もって予習をしておく方がいいでしょう。算数と数学の大きな違いは、文字式が出てくることと、負の数という概念が発生することです。文字式と負の数について、入学前に少しでも触れておくといいと思います。

 

また、計算力は数学の基礎力ですので、その正確性スピードがとても大切です。これはスポーツや楽器といっしょで、何より練習が必要なのです。やればやるほどミスが減り、上手になり、速くできるようになります。速く正確に解ける計算力は、中学、高校になったときにが出ますし、数学だけでなく理科の分野にも関係しますから、時間のある今のうちに毎日5分でも10分でも計算練習をやっておきましょう。

 

6.その他おすすめの過ごし方

 

 

 

前述したおすすめの3つのこと以外にまだ余裕があれば、この時期にぜひおすすめしたいのが読書です。国語のみならず、これからは他教科でも読解力や国語力が問われる時代ですので、知識教養を深めるためにも読書は欠かせません

 

これまではなかなかじっくりと読書に時間をかけることができなかったと思いますが、今のこの時期になら読書をする時間はたくさんあります。この期間を利用しない手はありませんので、ぜひ1冊でも数ページでも多く、読書をして活字に触れておきましょう。それは今後のあらゆる学習のプラスになります。

 

おすすめしたいのが、国語の入試や模試、練習問題などで出題された長文の出典を全文読むというもの。問題にはほんの一部分しか引用されていないので、この後主人公たちがどうなったのか、結末がどうなるのか気になっていたという受験生が案外多いのもまた事実です。問題を解く目線ではなく、今度は純粋に物語を楽しんで読んでみてはいかがでしょうか。

 

7.まとめ~自学に不安がある方へ

今回は受験合格後から中学校に入学するまでにしておいた方がいいことを中心に、今の時期の過ごし方についてご紹介しました。せっかくお子さまが頑張って合格した中学です。1学期からエンジン全開でスタートできるようにしたいものですよね。

 

受験が終わり、ほっと安心するこの時期に思いきりはめを外したくなるのも分かりますが、ぜひ勉強癖だけはなくさないよう心がけてください。特に英語と数学に苦手意識をつくってしまわないようにしっかりと準備をしましょう。

 

そうは言っても慣れない英語や数学を自分だけで進めるのは不安というご家庭も少なくないと思います。やはりきちんと先生に指導してもらう方が安心というのであれば、短期でも家庭教師にお願いするのもいいでしょう。

 

家庭教師でしたら、回数や時間を自由に決めることもできますから、効率よく指導が受けられると思います。入学までの間だけでも、英語や数学の予習をしておいて損はありません

 

頑張った中学受験が終わったばかりなのに、また勉強かと後ろ向きの気持ちにさせないように、無理のない範囲でそして英語や数学が嫌いにならないように上手に進めていきたいですね。そういう意味でもプロの先生にお任せした方がうまく乗せてくれるでしょう。

 

最後に、中学受験が終わった小6の受験生の皆さん、受験お疲れさまでした。本当によく頑張りましたね。今まで頑張ってきた成果は発揮できましたでしょうか。今回、第一志望校への進学がかなわなかった生徒さんも、決してこれがゴールではありません。これから何度でもリベンジできます。望み通りの結果になった人もそうでない人も、中学からまた気持ちを新たに前進していきましょう

 

そのためにも中学入学準備をしっかり進めると同時に、ぜひ小学校生活の最後も思いきり楽しんで卒業してくださいね。

 

 

 

 

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浅田ゆうき先生

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