2月になると中学受験も終わり、進学塾などでは早くも次の受験学年がスタートします。そこで、新小6年生に向け、より有利に受験勉強をスタートさせるための心構えや、夏までに絶対にやっておきたいことなどをご紹介します!
CONTENTS:
1.意外と大事なスタートダッシュ!
2.夏休み前に「第一受験日」を作ろう!
3.第一受験日の内容
4.なぜ今から夏までが重要なの?
5.保護者がやっておくべき声かけとやってしまいがちなNG声かけ
6.保護者がやっておきたい3つの重要サポート
7.夏までに定着させたい効果的な学習法~間違い直しの徹底!
8.まとめ~1年後に後悔しないために
1.意外と大事なスタートダッシュ!
2月は各塾とも新学年としての授業がスタートします。小学5年生はいよいよ最終学年の新6年生となり「受験生」となります。
恐らく人生で初の「受験生」となるお子さまたちですが、その言葉の重みをどれだけ感じているでしょうか。
受験生になったとはいえ、学校ではまだ5年生。受験なんてまだ先の話と思っているお子さまの方が多いことでしょう。大人からすると「あと1年もない」と思うのですが、子どもの1年は大人よりもずっと長いものなので、「まだまだ先の話」なのです。
しかし、実際にはすでに今年度の中学受験が終わって数週間が経ち、すでに受験本番まで50週を切っています。もうのんびりもしていられないのです。
何事も「始めが大事」や「最初が肝心」「始めよければ終わりよし」などと言われています。昔から最初に上手くいけばそのまま最後まで順調にいけると考えられてきましたし、逆に最初でつまずいてしまうとなかなか逆転が難しいとも考えられてきました。
まずは幸先のいいスタートを切るに越したことはありません。その方が精神的にずっとラクだからです。今回は特に受験生となった新6年生に、今この時期だからこそ読んでもらいたい内容となっていますが、受験を考えている新小5年生、新小4年生にとっても今後の参考になりますので、ぜひ最後までご一読ください。
2.夏休み前に「第一受験日」を作ろう!
新学年がスタートすると、当然塾でも新小6年生には発破をかけますし、親御さまもお子さまに受験生としての自覚を持つように声をかけると思います。ただし、その思いはなかなかお子さまの心には響きません。前述しましたように、子どもにとっての「1年は長い」ので、「まだ先の話」と思っているからです。
これは毎年のことですので、「うちの子だけが…」と悲観的になる必要はありません。それでも、やはりそこをうまく乗せて、受験生としての自覚をいかに早く持たせるかが周囲の大人の手腕となります。
一般的に6年生は夏休みが終わると、ラストスパートに入ると言われます。その頃には第一志望校もほぼ確定し、その学校に向けての過去問対策などに入っていきます。夏休みの夏期講習は志望校別にクラス分けをされる塾もあり、そのコースに入るには一定の成績を満たさないといけないなど基準がある場合もあります。
そこで、おすすめしたいのが、新小6年生には夏休みに入る前日を一度「受験日」として「一つ目のゴール」に設定するという考え方です。
そのように考えれば、一つ目のゴールまであと25週ほどです。少しは身近な問題に感じられるのではないでしょうか。
3.第一受験日の内容
第一ゴールとして、夏期講習の志望校別や上位コースである「〇〇コースに合格」でもいいですし、単純に塾のクラス順位「〇番以内」や模試や実力テストの「偏差値5アップ」などとしてもいいでしょう。
ぼんやりした50週先の受験を見据えるよりも、目標が身近で具体的になり、学習を進めやすくなります。
ゴールの目標はその都度設定を変えてもいいですし、「共通テスト」や「第一次試験」などと名づけて、「ちょっと大学受験のお兄さんやお姉さんのようでかっこいい」と思わせてうまく乗せるのも一つの手です。
その際、お子さまの性格にもよりますが、あまり無理なゴール設定をしないように気をつけてください。負けず嫌いで向上心が強いお子さまなら、少し背伸びをしたちょっと上の目標、打たれ弱くて挫折感が強くなかなか立ち直れないタイプのお子さまなら、かなりゆるい安全圏の目標でいいでしょう。
もちろん、既に志望校が決まっている場合は、多少無理でもその志望校に合わせたゴール設定にしてください。その方が本人のモチベーションにつながります。
大事なことは本人が納得していて、やる気になれるような目標で、できれば失敗感よりも本番につなげられるような成功体験が得られる目標にしていただければと思います。
そして、その目標に合格できたら、思いきり「第一合格おめでとう」と本気で喜んであげてください。その後の大きな励みになりますよ。
4.なぜ今から夏までが重要なの?
新小6年生にとって、これから夏休みまでは本当に大事な期間です。冒頭でも述べましたが、1年後の「受験」と考えるとまだ先のような気がして、「まだ今年度も始まったばかりだし…」という感じがします。
まだ先とのんびり考えて学習を進めるのと、夏休みにはもう「第一次受験」だと目標に向かって学習するのとでは、考え方だけでなく結果としても雲泥の差が出ます。
どんなにのんびりしていても、夏休みに入ると一気に「受験」という文字が大きくなって、塾でも一気にヒートアップしていきます。それまでのほほんとしていた生徒は、塾の急な流れについていけず波に乗り遅れてしまいます。
一方、夏休み前を最初の「第一受験」と設定すると、そこを目標に「今月中に何をしておくべきか」「今月はどこまで点数アップするか」など、より近い具体的な目標や日々すべきことが明確になります。
夏までにギアを入れて勉強を進めてきた生徒にとっては、夏休みからギアチェンジした塾の波にもすんなり乗ることができると思いますし、それまでのペースを崩すことなく、難なく進めていくことができるでしょう。
5.保護者がやっておくべき声かけとやってしまいがちなNG声かけ
お子さまに「第一受験日」を意識させるには、親御さまの意識も夏休みを一つ目のゴールと考えてサポートしていただく必要があります。
まずはお子さまの重い腰をあげさせなければなりません。
・「5年生のペース配分のままだけど、ペースアップが必要ではないの?」
・「ゴール達成、このペースで大丈夫?」
上記のように、時にはお尻をたたくような声かけも必要でしょう。今この時期なら、まだやや厳しめの声かけも許されます。
来年、受験直前期には、このような発破をかける声かけは逆に本人のプレッシャーになってしまうためNGとなります。夏休みまでだからこそ、本人を急き立てるような声かけもできる貴重な時期なのです。
そうは言っても、ガミガミやクドクドした説教は禁物です。以下のような声かけは逆効果になるだけですから避けましょう。
×「もう受験はスタートしているのよ。早く勉強しなさい!」
×「何でもっとがんばれないの。もっとがんばりなさいよ!」
×「〇〇君はもう毎日5時間も勉強しているのだって!」
このような言葉をつい言いたくなる気持ちはよく分かります。しかし、それは反感を買うだけでお子さまのプラスにはなりません。
下手な声かけよりも効果が高いのは、親御さまの愛情あるサポートです。以下の3つの行動をなるべくいっしょにしてあげてください。
1.生活リズムの改善
2.学習の習慣化
3.学校調べ
次に詳しく解説いたします。
6.保護者がやっておきたい3つの重要サポート
1.生活リズム(朝型にシフト)
受験生にとって理想的な生活リズムは、規則正しい朝型の生活です。
よく受験生にお伝えしているのが、「夜に行われる入試はない」ということ。勉強は夜型でもよくても、実際の試験は午前または午後です。夜にはありません。昼間眠くて頭が回らず、夜になってギンギンに冴えてきても意味がありません。
生活はリズムですから、その日だけ朝型にはなりません。特に夜遅くまでゲームなどして寝不足となり、昼間に眠くなってしまうような夜型生活のお子さまなら、夏休み前までに必ず改善するようにサポートしてあげてください。これから陽が長くなる夏至までがチャンスですよ!
2.学習の習慣化
今から夏休み前までに習慣化させておきたいのが、日々の学習習慣です。スポーツでもそうですが、基礎トレーニングは毎日行うことがとても大事です。
週に1日か2日、何時間も難しい問題を解いたからもうだいじょうぶではなく、単純な計算や漢字練習を10分でも15分でも毎日行い、それを習慣化することが大切です。
勉強時間がゼロの日をゼロにしましょう!これは受験生の鉄則です。毎日数分でも机に向かわない、学習しないとなんだか気持ちが悪いと感じるくらい、習慣化してしまうことが理想です。
それには今行っている習慣にプラスするのがいちばんです。例えば朝、歯を磨き終わってから、あるいは寝る前に必ず10分間計算ドリルをやるなど、今ある習慣にプラスしてルーティン化するのが成功の秘訣です。その際、できれば親御さまがいっしょに勉強をみたり、時間を計って10分で何問解けるかなどゲーム的にやったりするとなお効果的です。
3.学校調べ
夏休み前までに、志望校調べをしておきましょう。ホームページなどで調べ、気になる学校は、説明会など実際に足を運んでみてください。実際に通ったときの通学イメージや、その学校の生徒の雰囲気、制服などから、本人が行きたいと思う学校が見つけられるはずです。
複数校見学することで、何かビビビッとくる運命的な出会いがあるかもしれません。
「ああ、来春には自分もこの門をくぐりたいな」「彼らの仲間になりたいな」などと思い、受験勉強にも身が入るでしょう。
本人のモチベーションが上がれば、学習も進み成績も上がるというものです。
親御さまも、帰りにいっしょに美味しいランチでも食べて「あの制服いいね、あなたに似合いそうだね」などと笑顔で言えば、よりテンションが上がるかもしれませんよ。
7.夏までに定着させたい効果的な学習法~間違い直しの徹底!
今から夏休み前までにギアを入れることはわかったものの、具体的にどう学習を進めたらよいのでしょうか。
最も効果的な学習法の一つで、絶対にやっていただきたいのが、テスト等の「間違い直し」の徹底です。既に行っているかもしれませんが、今後はより徹底させてください。
お子さまだけですと、どうしても間違っていてもなんとなく解答例をみただけでそのままにしてしまったり、ひどい場合はそのままゴミ箱行きだったりするということがよくあります。
間違いをそのままにする悪癖がついてしまうと、取り返しがつきません。間違いは徹底的に直すという習慣をつけるようにしてください。それには、「間違いノート」の作成など、親御さまの協力も必須です。
※詳しくしくは、去年の夏にアップしました当ブログの「成績アップの秘訣はテストの直しにあり!間違い直しの重要性と保護者の手伝い方」をご覧ください。
しかし、学習習慣が身につき、間違い直しが徹底されたとしても、常に成績が右肩上がりになるとも限りません。大きく見ると右肩上がりになっている成績も、細かく見ると上がったり下がったりの繰り返しです。
個人のペースもありますし、予定通りに進まないのは当然のことです。ただし、受験日は待ってくれません。夏休み初めの「第一受験日」には帳尻を合わせられるようにしなければなりません。
小6にもなると通塾回数も増え、今まで以上に塾の宿題に追われるようになります。もしも思っていたように学習が進まず、想定していた目標がどんどん遠ざかっていると感じるようなら、早めに何かしらのテコ入れをする必要があるでしょう。
例えば、プロ家庭教師など第三者の助けを借りるというのも一つの手段です。通っている塾や志望校に詳しいプロ家庭教師でしたら、目標に向かって無駄がない効率のいい指導をしてくれるはずです。あくまでテコ入れですから、必要ないと思えば一時的でもいいですし、そのまま受験まで家庭教師に伴走してもらった方が成績が安定し、安心するなら継続でもいいでしょう。
また、学習習慣やテストの間違い直しが自分たちだけではうまくいかないという場合にも、無理してストレスを溜めるより、プロの先生といっしょにやってもらった方がうまくいくでしょう。
8.まとめ~1年後に後悔しないために
今回は新小6年生とその保護者の方々の夏休み前までの過ごし方の重要性についてご紹介しました。
新小6年生にとって、実はあまり時間はないのですが、今ならまだ50週あります。夏休み前の「第一受験日」までにすべきこと、しなければいけないことをぜひ実践してみてください。
毎年のことですが、小学6年生の夏休みを境に急に成績が上がる生徒もいれば、逆にこれまでいいペースだったのに急に停滞する生徒もおります。言い換えれば、それは夏期講習を境にギアチェンジしてくる塾の「受験に向けての波」に乗れているか乗れていないかの差と考えることもできます。
今のこの時期の意識の持ち方により、1年後の結果が変わってくると言っても過言ではありません。毎年、あの時もっと頑張っておけばよかったと振り返って悔やまれるのは小6の夏休みまでの期間なのです。
今回、このブログを最後まで読んでくれた新小6年生は、今ががんばり時であることがおわかりいただけたと思います。つまり、1年後に後悔することがなくなりましたよ!他のライバルと差をつけるチャンスです。ラッキーだと思ってくださいね。
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