今年も中学入試が終わり、大手進学塾では次の受験に向け、「中学入試分析会」が開催されます。参加すべきか迷っている方のために、その内容や参加ポイントなど、「入試分析会」について詳しく解説いたします!
CONTENTS:
1.中学入試分析会とは
2.入試分析会3つの内容と注意点
3.分析会で押さえておきたい教科ごとのポイントとは?
4.2023年の入試から変更になる中学は?
5.関西圏の進学塾「中学入試分析会」最新情報!
(◆浜学園、◆日能研、◆馬渕教室、◆希学園、◆能開センター、◆進学館、◆SAPIX)
6.まとめ~分析会参加後について
1.中学入試分析会とは
例年中学入試が終わって一段落すると、各進学塾は最難関校などに何名合格したかという合格実績を発表すると同時に、「中学入試分析会」というイベントを開催します。
これは、主に新6年生や新5年生の保護者を対象とした、大手進学塾が主催する今年度の入試結果の分析と来春の受験対策や勉強方針などを説明するこの時期ならではの一大イベントです。回数も数回に分けて行うところもありますし、学校別や難易度別、地域別などに分けて行う塾もあります。
このイベントは、塾にとって大きな宣伝の舞台ですので、保護者に塾のアピールをする絶好の機会、いわば腕の見せ所です。塾生だけでなく塾外生の保護者も参加できるのがほとんどですから、このイベントの良し悪しを機に転塾するようなこともないとも言えません。
それだけにどの塾でも今年度の入試分析をしっかり行っていて、準備万端で開催しています。無料で参加でき、最新の受験情報をはじめ、かなり充実した聞きごたえのある内容となっていますし、資料ももらえますので、ぜひ参加することをお勧めします。
ただし、コロナ禍の影響もあり、昨年もそうでしたが大きな会場を借りての分析会は行わず、オンラインや密を避けて少人数の会にするなど、今年も例年とは少し違う形になっていることもあるかもしれません。その場合、人気のある会場はすぐに定員がいっぱいになってしまいますから注意が必要です。
次に分析会の内容と注意点を具体的にご紹介します。
2.入試分析会3つの内容と注意点
中学入試分析会の内容は大きく分けて次の3つです。
1.学校ごとに開催
多くの分析会は、灘中学校をはじめ、対象となる中学校を指定し、「この日のこの時間の分析会はこことここの学校についての分析をします」というように学校や学校の難易度ごと(「最難関校」や「難関校」など)に分けて開催されることはほとんどです。
2.受験結果報告
志望者数や受験者数、合格者数、合格点など、学校ごとの受験結果が公表されます。昨年度と比較しての増減や来年度の予測なども教えてもらえたりします。
もちろん、テスト結果については、各学校のホームページで公表していたりしますし、インターネットで調べればほとんどの結果はわかります。しかし、そのテストがここ数年で比較すると簡単なのか難しいのか、今年度の内容から今後に向けてどのような対策が必要なのかというところは、その道のプロでないとわからないでしょう。
親御さまから見て、その試験が簡単とか難しいといったことではなく、このテスト内容で合格者は何点取れていて、この学校に合格するには最低どのくらいの学力が必要なのかということが大切なのです。
3.各教科の難易度、傾向と対策
同じ学校の入試でも教科によって難易度が違います。入試分析会では、教科ごとの難度や内容、来年度の傾向と対策、また教科ごとの特色の違いなどを教えてくれます。
受験生にとって知っておいて損はない内容ですので、聞き逃さないようにしたいですね。また、これらを踏まえて志望校選びの参考にしてもいいでしょう。
【注意点】
分析会にはぜひ参加された方がいいと思いますが、ただ1点注意したいのが、必要以上に塾のアピールに感化されないように気をつけていただきたいということです。
例えば、塾で行った模擬テストや授業で取り上げた問題が、たまたま入試で似たような問題として出題されたということも実際になくはありません。そのような場合、分析会で「この問題は当塾生ならほぼ全員正解できた。この学校に向けての指導は他塾よりもしっかり研究できていて優れている」などと大いにアピールしてきます。
こういった塾のアピールに、いちいち驚いたり塾の良し悪しを判断したりするのはちょっと違います。塾はアピールできる点は大いに売り込んできますので、そこだけをフォーカスせず、それ以外全体を見て判断するようにしたいですね。
3.分析会で押さえておきたい教科ごとのポイントとは?
入試の形式には学校ごとに特色があります。各教科についてどのような特色の違いがあるのか、分析会に参加される際にはぜひこれらのポイントを押さえた上で話を聞いてみてください。より参加価値が上がりますよ。
【国語】
・試験時間と問題数
・長文読解問題と知識問題の出題割合
・漢字問題の出題数
・長文問題の素材文の種類(物語文?説明文?随筆?など)
・素材文の長さ(どのくらいの文字数を読まなくてはいけないか)
・解答は記述が多いのか選択が多いのか
・記述解答は例年何文字くらい書くのが多いのか。(しっかり長文を書く力が必要なのか、簡潔にまとめる力が必要なのか)
【算数】
・試験時間と問題数
・計算問題の出題はあるのか、また何問くらいか
・途中式や解き方を書く必要があるのか、答えだけの解答か
・どの単元からの出題が頻出か(速さ?平面図形?立体図形?など)
・概ね難易度順に並んだ出題配置なのか、出題順と難易度はバラバラなのか
【理科】
・試験時間と問題数
・物理、化学、生物、地学の各分野の出題割合
・計算問題の有無
・イラストや写真、表やグラフの読み取りは多いのか
・問題文の長さはどのくらいか
【社会】
・試験時間と問題数
・歴史、地理、公民の各分野の出題割合
・時事問題の出題の有無
・表、グラフの読み取り問題の有無
当然ですが、同じ教科であっても学校によって難易度も問題内容もまったく違いますし、同じ学校の中でも教科によって難易度が違います。
例えば偏差値55の学校でも、国語の難易度は58だったり算数は53だったりということもあります。同じ算数という教科の中でも、単元の偏りがあったり、計算が多かったり文章題が多かったりなどといろいろです。
どんなお子さまにも学習における得手不得手があると思いますので、単純に学校全体の偏差値にこだわるのではなく、これら各教科の入試の傾向から、お子さまに合った受験校選びの一つの参考にするのも良いと言えるでしょう。
4.2023年の入試から変更になる中学は?
前述「2」で述べた入試分析会の内容の他に、今年度の中学受験全体の流れや大きな変更点など、中学受験に関する最新情報も公表されると思います。入試科目や日程の変更も、受験の仕方に大きく影響を与えるものですので、ぜひ聞いておくべきでしょう。
ちなみに、現時点で分かっている来年度入試で大きく変更のある学校は「同志社中学」です。今年度までは、他校でもよくある、国語・算数・理科の3教科受験か、国語・算数・理科・社会の4教科から選べるパターンの受験方法でしたが、来年度から国語・算数の「2教科受験のみ」となります。これまで他校でも「2教科という選択肢もある」というのはありましたが、「2教科受験のみ」というのはたいへん珍しいパターンです。
例年同志社中学の算数・国語は突飛な問題などはほとんどなくオーソドックスな出題ですので、来年度以降も同じような出題傾向が続くのであれば差がつきにくい受験になるのではないかと推測されます。
また、2教科に絞れるとは言っても他校と併願する場合、理科や社会も必要となってくるので、よほど2教科に自信がない限り理科や社会に全く手を付けないというわけにもいかないでしょう。そのあたりも踏まえて同志社志望の受験生がどのように勉強するのかなど、いろいろ注目されそうです。
5.関西圏の進学塾「中学入試分析会」最新情報!
ご参考までに、各塾の「中学入試分析会」の一部情報をご紹介します。あくまで情報の一部で予定が変更される場合もありますので、詳しくは各塾のホームページをご覧ください。
◆浜学園
・3/6(日)「2022年春 男子最難関中入試結果報告会」
<内容> 対象校(灘中・東大寺中・洛南中・西大和中・甲陽中・星光中・洛星中)ごとの2022年春入試結果分析と2023年春入試の傾向と対策
◆日能研
「2022年入試分析」申し込み不要の無料動画配信
・1/24(月) ・3/1(火) ・3/10(木)より動画配信スタート
◆馬渕教室
中学校別「入試速報会」(オンライン開催)
・2/19(土)灘中入試速報会
・2/27(日)最難関中入試速報会
※学校別
◆希学園
<内容> 最新入試情報、合格実績、分析結果、各学校各教科の詳細な入試問題の分析等
・3/15(火) <女子> 洛南高附属中・神戸女学院中
・3/16(水) <男子> 灘中・東大寺学園中
・3/17(木) <男子> 灘中・東大寺学園中
・3/17(木) <女子> 洛南高附属中・西大和学園中
・3/18(金) <男子> 灘中・甲陽学院中
・3/18(金) <女子> 西大和学園中・四天王寺中
◆能開センター
<内容> 男女別の人気難関校や地域の代表校の合否分岐問題の分析と合格対策指導等
・3/15(火)洛南高附属・洛星中学入試分析会
・3/19(土)中学入試分析会(学校別)
◆進学館
「2022年 中学入試分析会」オンライン
<内容> 各中学校の入試問題から読み取れる「今年の状況」「傾向と対策」「来年度の入試について」等
・3/13(日)灘、甲陽、六甲、神戸女学院、須磨、関西学院、神戸大附属
・3/20(日)東大寺、洛南高附属、西大和、大阪星光、四天王寺、高槻、一条高附属
※学校別
◆SAPIX
<内容> 入試の傾向分析に応じた家庭での生活・学習指導に役立つ貴重な情報やアドバイス等
・2/26(土) ・2/27(日) ・3/2(水) ・3/5(土) ・3/6(日)
※会場等の詳細や、お申込みには締切り日がありますので、必ず各塾のホームページなどでお早めにご確認ください。
入試分析会が対面で開催される場合は、コロナ対策の一つとして座席の間隔を空ける措置が取られる可能性が高く、必然的に人数も制限されるでしょう。
毎年人気の催しですから、早々に申し込みが打ち切られてしまうことも考えられます。先着順になると思われますので、こまめにホームページをチェックして、申し込みだけでも先にしておくことをおすすめします。
6.まとめ~分析会参加後について
塾の中学入試分析会では、今年度の入試の振り返りと学校ごとの傾向や対策、来年度受験についてさまざまな最新情報が聞けるとお伝えしました。
参加者でしかもらえない資料等がもらえるなど参加者特典もありますし、受験生をもつ保護者なら知っておくと得をする情報が満載です。来年、再来年の中学受験を考えている親御さまであれば、聞きに行って決して損はありません。
また、塾ごとに分析の切り口が違ったりもしますので、時間があるようでしたらいろいろな塾の分析会を聞きに行くのもいいと思います。
親御さまが参加された際には、「分析会」でメモったことを、帰ってからぜひお子さまといっしょによく話し合ってください。子どもも自分の受験を親が一生懸命サポートしてくれていることがわかり、案外嬉しく思うようですよ。
最後に、さまざまな塾の「分析会」に参加して、「今の塾のままでいいのか」「転塾は必要か」や、「個別指導は必要か」などと不安になるということもよく耳にします。
塾の学習フォローに家庭教師など個別指導を選ぶご家庭も多いのですが、ここで注意したいのが、各進学塾の指導に精通しているか否かです。指導法が塾とバラバラではお子さまが混乱してしまい、却って悪影響となりかねません。
「苦手科目だけでも個別指導でフォローしたい」「今の塾でいいのか相談したい」という場合には、ぜひ各塾のことをよく理解しているところに相談するようにしてくださいね。またそのような家庭教師に指導を受けることをおすすめします。
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