2022年の中学入試から、今回は兵庫県の女子中学校最難関の神戸女学院中学部について振り返ります。今年度の受験データを細かく分析、各科目の傾向やポイント、2023年の受験対策等について徹底解説いたします!
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無料体験授業お申し込みCONTENTS:
1.神戸女学院中入試の特徴
2.2022年度の入試データ
3.神戸女学院中志望者の受験日程パターン
4.大手塾別合格者数
5.2022年度入試結果
6.2022年度入試からみる科目別の傾向と対策
7.まとめ~神戸女学院中合格への道~
1.神戸女学院中入試の特徴
神戸女学院中学部の入試は2日間入試で、まず統一入試日初日(2022年は1月15日(土))に国語・算数・社会・理科の4教科の学科試験をこの順番で受験します。午前中に国語と算数、午後から社会と理科の受験となります。この日に2校の受験は可能ではありますが、場所によっては物理的にも体力的にも厳しいでしょう。
その後、1日空けて統一入試日3日目(1月17日(月))の午前中に体育の実技試験があるという特徴的な入試となっています。また、昨年より神戸海星女子学院中が3科・4科の選択制となったため、兵庫県下で4科受験必須としているのは神戸女学院中学部のみとなっています。
2.2022年度の入試データ
(前年比)
募集人員 |
志望験者数 |
受験者数 |
合格者数 |
実質倍率 |
135名 |
229名(-43) |
228名(-37) |
154名(±0) |
1.48(-0.24) |
神戸女学院中の実質倍率は例年1.5倍強くらいですので、今年の倍率はやや低めだったと言えます。ただし、昨年は志願者数、受験者数ともに大きく増加し、実質倍率も1.72倍と1.7倍を上回る狭き門でしたので、今年はやや敬遠傾向にあった可能性もあります。
今年は志願者数、受験者数ともに、直近5~6年で見ても最も少なかったので、倍率も概ね想定内の数値であるとも言えるでしょう。
今年はやや広き門となりましたが、今後も1.5倍前後の倍率で高いレベルの戦いになることは間違いありません。
3.神戸女学院中志望者の受験日程パターン
基本的に関西圏中学統一入試日は土曜日で、翌日が日曜日となり、キリスト教主義の神戸女学院が日曜日を「礼拝の日」として行事ごとを避けることから、2日目の試験は日曜をはさんで月曜日となります。
このような日程での受験ですので、神戸女学院の併願校は限られてきます。
前受(お試し受験) |
1日目(1/15) |
2日目(1/16) |
3日目(1/17) |
・愛光(愛媛) ・岡山白陵(岡山) ・岡山(岡山)
|
・神戸女学院(兵庫) (国語・算数・社会・理科) <午後> ・雲雀丘A(兵庫) ・親和前期Ⅱ(兵庫) ・須磨夙川2(兵庫) |
<午前> ・神戸海星B(兵庫) ・甲南女子A2(兵庫) ・須磨学園2(兵庫) <午後> ・西大和学園(奈良) ・須磨学園3(兵庫) ・高槻B(大阪) |
・神戸女学院(兵庫) (体育実技)
【4日目以降(1/18~)】 ・関西学院B(兵庫) ・神戸大附属(兵庫) ・甲南女子B(兵庫) |
<前受け>
統一入試日前には、愛光・岡山白陵・岡山などで合格を確保した上で初日の神戸女学院に臨みます。
<統一入試日>
統一入試日は上記の通り午後まで神戸女学院の試験があるため午後からは比較的近くの雲雀丘A午後・親和前期Ⅱ・須磨夙川2などとなるでしょう。
<統一入試2日>
2日目は日曜日で1日空いているため、午前に神戸海星B・甲南女子A2・須磨学園2など、午後に西大和学園・須磨学園3・高槻Bなどを受験した生徒が多かったようです。
<統一入試3日>
3日目に神戸女学院の2日目の体育実技があります。
<統一入試4日目~>
4日目以降は関西学院Bや神戸大附属、甲南女子Bなどとなります。
4.大手塾別合格者数
関西大手進学塾の神戸女学院中学部合格者数は多い順に下記の通りでした。
(前年比)<人>
浜学園 |
日能研 |
希学園 |
馬渕教室 |
進学館 |
SAPIX |
44(-8) |
36(+4) |
34(+1) |
13(-5) |
12(+3) |
10(±0) |
今年も浜学園が最も合格者数が多かったのですが、今年は8名減少しています。それに対し2番手、3番手の日能研と希学園が微増しましたので、上位3塾の差が小さくなっています。
もう30年以上も浜学園が1番で、2番手3番手争いはここ3年程入れ替わりが激しかったのですが、もしかしたら今後浜学園を含めた順位の入れ替わりがあるかもしれません
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5.2022年入試結果
神戸女学院中学部の2022年の入試結果は下記の通りです。
|
満点 |
合格最高点 |
合格最低点 |
4科(学科) |
460点 |
337点(-49) |
260点(-26) |
体育(実技) |
①バスケットボール(5号ボール)のシュート 20秒 |
神戸女学院中学部の試験時間と配点は、1日目の午前に行われる国語と算数が各50分の120点満点、午後に社会と理科が各45分の100点満点、2日目午前中に行われる体育の実技が20点満点の合計460点満点です。
3科での評価点はなく、4科全てと体育実技で評価されます。ただ、体育については出来不出来による大きな差は出ませんので、学科試験の4科でしっかり対策しておきましょう。
体育の実技は上記の表の通りですが、数年前までこれらの他に跳び箱もありましたが、今はこの4種目になっています。
神戸女学院中は毎年、受験者平均点や合格者平均点などは公表せず、合格者最高点と合格者最低点のみ公表しています。昨年に比べると合格者最高点も合格者最低点も上記の通り大きく下がっているので、昨年より難化していることがわかります。
例年合格者最高点と合格者最低点の差が100点前後になるのですが、今年は差が77点とあまり差がつかない試験となりました。
6.2022年度入試からみる科目別の傾向と対策
今年度の神戸女学院中学部入試を参考に、教科ごとの傾向と対策をご紹介します!
◆国語
・難易度
神戸女学院中の国語入試は女子最難関校だけあり、国語の試験は毎年最高難度です。昨年は国語のみならず他教科を含め全体的に易化しましたが、今年は予想通り難化しました。
・出題構成
50分120点満点の試験で、例年通りの大問3題構成でした。今年は物語文・随筆・詩の3題構成でしたが、年により随筆が論説文に変わることもあります。また一昨年は大問3で詩ではなく知識問題の出題でした。
・合否のポイント
神戸女学院中の国語入試の特徴は、やはり記述解答の多さで、今年も20字~70字以内の字数制限のある記述解答と、字数制限のない記述解答、長文から短文までさまざまな解答パターンの出題があります。
全体の50%強くらいの割合で記述解答がありますので、記述が苦手な受験生には取り組みにくい試験となるでしょう。それでも、記述解答は部分点が期待できますので、完璧な解答ができなくても、しっかりと訓練して1点でも加点される記述ができるようにしておく必要があります。
漢字や語句は、読解の中の小問として毎年出題されています。配点割合としては例年20%前後ですが、ここはしっかりと得点しておきたいところです。
神戸女学院中を志望するのであれば、日ごろから難度の高い文章に触れ、高い国語力を身につけることが必須です。
◆算数
・難易度
神戸女学院中の2022年算数入試は、昨年に比べ難化しました。神戸女学院中は受験者平均点や合格者平均点を公表していないので正確にはわかりませんが、昨年は一昨年に比べ易化し、今年はまた難化しました。
・出題構成、頻出単元
50分120点満点の試験で、大問数は例年通り6題、小問数は16題と昨年より少し増えました。
神戸女学院中の算数は特徴的で、大問6題の全問に式や解き方を書く欄があります。そのため問題用紙はA3の用紙1枚ですが、解答用紙はA3の解答用紙2枚となっています。
模試を含め多くの入試でも、算数の1番は計算問題というのが普通ですが、神戸女学院中では例年、計算問題の出題はありません。
・合否のポイント
神戸女学院中の算数入試もハードで手に負えない試験に思えますが、見たことがあるような解きやすい問題も多いので、そこでしっかり得点するようにしましょう。
今年の最後の2問(大問5と大問6)の小問の最後は、やや難度が高い問題でしたが、例年小問1、2までは比較的解きやすい問題もありますので、過去問などでしっかり見極めるトレーニングをしましょう。
解答用紙に解き方の欄があるということは、部分点が期待できるということです。最後の答えまでたどり着かなくても、そこまで考えた筋道を頭の中だけでなく、きちんと書く練習もしておきましょう。いきなり解き方を書けと言われてもできるものではありません。日ごろからの訓練が必須です。
◆理科
・難易度
神戸女学院中の2022年理科入試は、過去5年くらいを見ても小問数が最も多く、50問以上ありましたが、難易度はそれほど高いものではありませんでした。最難関中入試の理科は計算問題が多いイメージがありますが、神戸女学院中は比較的少なく難度もさほど高くはないと言えるでしょう。
・出題構成
45分100点満点の試験で、今年は大問6題構成でした。どこの学校でも出題傾向に特徴があり、物理・化学・生物・地学の各分野からの出題数について、各1題ずつの4題構成だったり、物理と化学の問題数が多い偏った問題構成であったりなどさまざまありますが、神戸女学院中理科入試の出題は、各分野の出題数も全体の大問数も年度によって変わります。
今年度は物理と化学が各1題と生物と地学が各2題の6題構成とやや生物地学に偏った出題構成でした。
昨年も6題構成なのは同じなのですが、化学と生物と地学から各2題で物理分野からの出題はありませんでした。一昨年は生物4題と物理・化学・地学が各1題の7題構成と大きく生物に偏った内容でした。
出題順序を見ても、例年大問1は生物分野から出題されるのですが、今年は地学分野からの出題でした。
このように、神戸女学院中の理科は毎年どのような出題なのか予想がしにくいのも特徴です。
・合否のポイント
解答欄を見ると、記述解答が多いことに気づきます。それほどの難問ではないものの、記述で答えることにも慣れておいた方がいいでしょう。また今年は出題が無かったのですが、作図回答も多く出題されています。同様に対策しておきましょう。
神戸女学院中の理科入試は計算問題が比較的少ないのも特徴の一つですが、今年は昨年よりもさらに計算問題の割合が減りました。男子校で求められがちな計算力というよりは、「思考力」を求める試験と言えるでしょう。
◆社会
・出題構成
45分100点満点の試験で、大問5題構成。毎年、歴史・地理・公民の各分野から出題があり、ここ数年大問1と2が地理分野、大問3と4が歴史分野、大問5が公民分野という出題順序です。
小問数を見ると多い順に歴史分野、地理分野、公民分野となることが多く、やや歴史分野に偏りのある出題となっています。
・合否のポイント
全体の小問数は例年80問程度と多く、試験時間45分ですので、スピードも要する試験となります。記述が増加傾向なので、記述対策は必須です。用語の記述や人名は漢字指定もあるので、言葉としてだけでなく書いて覚えるようにしましょう。
過去問を用いて問題の「捨て問」と「取るべき問題」の取捨選択を正確かつ迅速にできるよう、時間を計ってトレーニングしましょう。
7.まとめ~神戸女学院中合格への道~
今年の中学受験は昨年に続き、新型コロナウイルスの影響を大きく受けた入試となりました。来年2023年の入試もどうなるかは誰にも予測できませんが、これだけははっきり言えます。どのような状況下でも慌てずに受験できるよう、今からしっかり準備をしていきましょう。
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小学生が自分1人だけで最難関中学の受験に取り組むのはたいへんだと思いますから、親御さまもぜひいっしょにサポートしてあげてください。どう対策していけばいいか不安に感じたら、志望校に特化したアドバイスができる受験のプロに早めに相談することをおすすめいたします。