中学受験の志望校の決め方は?いつまでに決める?~後悔しない受験校選び5つのポイント~

  • 2022.06.24
  • 受験情報

 

 

 

 

中学受験生にとって志望校選びは一大事。偏差値だけで安易に決めてしまうのは危険です。

後悔しないためにはどのような学校を選べばいいのか、またいつまでに決めるのかなど、「志望校の決め方」を解説いたします。

 

 

CONTENTS:

1.志望校はいつまでに決める?~受験校の基本的な考え方

2.地理的条件(学校の場所)で決める

3.偏差値で決める

4.部活動など学校の特色で選ぶ

5.男子校・女子校または共学校で決める

6.大学附属のエスカレーター校で選ぶ

7.大学附属校と中高一貫進学校の違いとその実情

8.やってはいけない志望校選び

9.まとめ

 

 

1.志望校はいつまでに決める?~受験校の基本的な考え方

 

一般に中学受験をする小学校6年生は、夏休みには夏期講習があり、それが終わればラストスパートと言われるようになります。つまり、夏休み明けには志望校を決定していることがほとんどでしょう。

 

もちろん、「受験校なんて、もうずっと前から決まっているよ」という受験生もたくさんいるでしょうし、「まだ先なのだから、成績も伸びるし、いいんじゃないか」と思っている受験生もいるでしょう。

 

そもそも中学受験を「何がなんでも〇〇校に進学することが目的」と考える本気組から、「記念に受けてみるだけだから」と軽く考えている記念受験組までさまざまでしょう。

 

いずれにしても、中学受験は本人の一生をも左右すると言っても過言でないほど大事なことです。親子でよく話し合って、悔いのない受験をしたいものですよね。

 

志望校を決めるにあたって、選択基準となるポイントは主に次の5つです。

 

◆ 学校の場所

◆ 偏差値

◆ 学校の特色

◆ 男子校・女子校、共学校

◆ 大学附属校、中高6年一貫校

 

この5つのポイントについて、次に詳しく解説します。

 

2.地理的条件(学校の場所)で決める

 

 

 

 

志望校選びのポイントとして、学校の場所は重要です。中高一貫校であれば、6年間毎日通学することになります。通学時間が長ければ当然体力的にも精神的にも辛くなるでしょう。

 

最近では教科書にプラスしてタブレットも持って通学するため、鞄がかなり重くなります。重い荷物を持ってラッシュアワーの混んでいる電車やバスを乗り継いで通うのは大人でも厳しいと思います。加えて委員会や課外活動などがあれば、早朝に登校し、下校も遅くなるということも多々あります。

 

体力にあまり自信のないお子さまの場合、あまり遠方で日々疲れてしまうと、朝起きられなくなったり、だんだんと不登校になったりするリスクもあります。ましてや通塾したり、習い事を考えたりしている場合は、その時間も考えておかなければなりません。

 

もちろん、本人がどうしても行きたい学校で、片道2時間近くもかけて、立派に6年間通学した生徒もたくさんいます。しかし、その一方で思った以上に辛くなり、休みがちになってしまう生徒がいることもまた事実です。

 

通学時間はどのくらいまでなら無理なく通えそうなのか、親子でよく話し合って決めましょう。

遠方ではあるがどうしても通いたい学校があるのであれば、一つの考え方として、合格したら近くに引っ越すという考えもあるでしょうし、のある学校を選ぶという選択肢もあります。

いずれにせよ、学校の場所はとても大事なポイントですので、納得するまでよく話し合って決めましょう。

 

 

3.偏差値で決める

 

 

 

 

 

通塾している受験生なら、いちばんに意識するのが「偏差値」で、それを基準に志望校を選ぶことが多いかもしれません。大手塾では学校の偏差値が一覧表になっていて、自分がどこの位置にいるか記させたりもしています。

 

自分の模試の結果や偏差値がいくつだから志望校はここだと、単純に考えている受験生が多いのもうなずけます。実際、行きたい学校の偏差値と自分の偏差値がかけ離れていれば諦めざるを得ません。「偏差値ありき」の考えはある意味当然でしょう。

 

もちろん、今は偏差値がぜんぜん足りていないけど、「何としてもこの学校に向けてと頑張る」と人の何倍もの努力をすることができるのであれば、それはそれでとても大事なことです。ただやはり限度はあります。

 

あまりにレベルが違う場合、別の第一志望校を考えるのか、またはあくまでその学校を第一志望と考え、他に併願校として別の学校も考えるのかも各ご家庭の判断になります。

 

「偏差値」は志望校選びの一つの指標として、大事なポイントであることには違いありませんが、それだけではなく、ぜひこれら5つのポイントを総合的にみて判断するようにしてくださいね。

 

 

4.部活動など学校の特色で選ぶ

 

 

 

 

他の4つのポイントに比べると、部活動など学校の特色で志望校を選ぶことは圧倒的に少ないでしょう。それでも一部のお子さまにとっては、とても大事な選択理由となります。

 

例えば、将来的に海外の大学に留学するつもりで、算数や理科よりも英語に力を入れてきた生徒などは、バカロレア教育など、語学に特化したインターナショナルスクール的な学校を好むでしょう。また、小学校で吹奏楽スポーツを頑張っていた生徒は、越境してでもその部活動の強豪名門校に入りたいと思うかもしれません。

 

お子さまに特別な才能があり、本人がどうしてもやりたいということがあれば、偏差値など他の4つのことは抜きにして、その学校の特色で選ぶほうが本人のモチベーションが上がります

 

逆に、偏差値や地理的な条件で近隣の中学に入学したものの、その学校には本人のやりたいことがなく、せっかくの才能を潰してしまったり、他の学校に行けばよかったと後悔ばかりしたりするようなことになりかねません。そうならないよう、ぜひお子さまとよく話し合って決めてくださいね。

 

 

5.男子校・女子校または共学校で決める

 

 

 

 

 

男子校女子校にするか、共学校にするかで悩まれるご家庭も少なくありません。それぞれに良さがあり、男子校・女子校でなければできない楽しさや、共学校でなければ味わえないいいところもたくさんあります。

 

同性だけでは偏っていてつまらないと感じるお子さまもいれば、異性の目を気にしないでのびのびとした学園生活を送りたいと思うお子さまもいます。確かに成長期である中高生時に異性の目があったほうが頑張れる生徒も多いですし、逆に異性を意識しすぎて萎縮してしまうような生徒も少なくありません。

 

また、最難関大学を受験する予定の場合、大学受験までは「恋愛禁止」と考えているご家庭もあります。そういった場合、名門男子や女子の進学校なら、学校全体が「恋愛より受験」という雰囲気になりがちなので、自ずとそうなるでしょう。

 

ただ、少子化の影響もあり男子校・女子校は毎年減少傾向にあるのは確かです。男子校・女子校も共学校も、それぞれその学校で特徴が違います。一概に男子校・女子校だから、共学校だからと考えすぎず、その学校と本人の相性を一番に考えることをおすすめします。お子さま本人の考えや性格、親御さまの考えを合わせていっしょに学校選びをしてくださいね。

 

 

6.大学附属のエスカレーター校で選ぶ

 

 

 

 

 

コロナ禍でますます人気となった大学附属校ですが、確かに将来のことを考えると、とても大きな選考基準となります。同じ偏差値であってもエスカレーター校かそうでないかで今後の学習が大きく変わります

 

例えば、早稲田や慶應、関西学院や同志社にしても、その附属中学に入学する生徒の多くは大学もそのまま同じ大学に進学することを希望しています。つまり、高校受験も大学受験もないわけです。

 

一方、附属校ではない一般の中高一貫進学校でしたら、当然6年後には大学受験をしなければなりません。高校になると大学受験に向けて、頻繁に進路指導の面接があるなど大学受験に向けての指導もしっかりとしてくれます。また周囲の生徒みなも大学受験をしますので、学年が上がるにつれ雰囲気もピリピリして自然と受験モードに入ります。

 

その点、附属のエスカレーター校でしたら、ある程度の成績さえ取れていたら大学には推薦で入学できますので、受験がない分のんびりしているでしょう。もちろん、高校や大学で他校を受験することも可能ですが、周囲に受験をする生徒が少なく、通塾もせずにのんびりしている生徒が多い中で、少数派として受験を考えるというのは周りに流されないように意識をかなり高く持つ必要があります。

 

以前当セミナーの生徒で、難関の中高一貫校を受験したものの合格できず、ワンランク偏差値を下げた大学附属のエスカレーター校に入学し3年後の高校受験でリベンジしようと考えていた生徒がいました。

 

しかし、エスカレーター校独特の雰囲気や周りの友達に流され、結局3年後の高校受験も6年後の大学受験もせずに10年間大学までその学校に通うことになりました。最終的に本人も保護者も、「とても充実した学生生活が送れた。これでよかった」と納得していたので、結果としてよかったのですが、もし中学でエスカレーター校ではない学校や公立中に通っていたら、高校受験や大学受験、その先の将来がどう変わっていたかはわかりません。

 

 

7.大学附属校と中高一貫進学校の違いとその実情

 

 

 

 

 

一般に大学附属エスカレーター校は、大学までそのまま進学できますので、中学受験だけで、その後受験がありません。したがって、中高大の10年間をのびのびと過ごすことができます。

もちろん、あまりに成績が悪いとエスカレーター校とはいえ推薦されませんので、定期テストなどでは勉強も必要ですが、受験とはぜんぜん違います。

 

勉強にあくせくしなくていい分、部活動や習い事など好きなことにうちこむことができます。

このような話があります。

あるエスカレーター校のスポーツ部でエースだった生徒が外部進学するため高3になって受験勉強でそのスポーツを1年休むことになりました。同じエスカレーター校で補欠だった内部進学生は高3でも受験がないので大学に向けて毎日練習ができ、技術力がかなり磨かれて、大学ではそのエースだった生徒を追い越して大きな大会に出場することができたそうです。

 

しかし、中学受験で最難関私立大の附属校に入る場合、相当高い学力が必要です。一方で、偏差値的にはそれより低い中高一貫進学校の生徒が、6年後には国立を含む最難関大学を受験し合格することも多いですし、実際多くの生徒が最難関と言われる大学に入学できています。

 

つまり、中学受験で最難関の附属校を目指すより、中学は中高一貫進学校に入り、大学受験で最難関大学を目指すほうが、合格できる可能性が高いとも言えるのです。もちろん、その分受験勉強は必須です。また中学受験のような受験生生活を送らなければなりません。中学ではすべて不合格の場合にも公立中学に進学できましたが、大学受験は浪人となってしまうことは言うまでもありません。

 

国立大や現在の実力以上の最難関私立大学受験を考えるのであれば、中高一貫進学校。大学まで10年間のびのびと学生生活を送りたいと思うのであれば、附属のエスカレーター校を考えるのがオーソドックスな考え方になるでしょう。

 

 

8.やってはいけない志望校選び

 

 

 

 

 

最後に、将来後悔しないために、「志望校選びでやってはいけない3つのポイント」もご紹介します。

 

①子どもか親のどちらかだけで決めてしまう

実際に毎日通うのはお子さま本人です。親が一方的に「この学校が素晴らしいから、ここにしなさい」という押しつけはNGです。仮に子どもが親の言う通りにその学校に入学したとしても、本人の意向に合っていなくて途中で耐えられなくなってしまう可能性もあります。

 

一方、子どもに志望校選びを丸投げしてしまうのも無理があります。そもそも小学生の子どもにはまだ社会経験も判断能力も十分ではありません。子どもの意見を尊重しつつ、親もいっしょに考えてあげてください。

 

②両親の意見が不一致!

子どもと話し合う前に、まずは夫婦でしっかり話し合って意見を一致させておくことがとても大事なポイントです。

 

よくあるのが、夫婦でコロコロと意見を変えてしまい、両親の意見がすれ違ってしまうことです。最悪、子どもの前で夫婦喧嘩が勃発するような事態となってしまってはもう本末転倒です。子どもは一気に受験する気も失せて、何もかも投げ出したくなってしまいますよ。

 

③知名度や偏差値だけで決めてしまう

「あの学校は有名だから」「合格できたら自慢できるから」といった知名度ステイタスだけで決めたり、「今の偏差値にピッタリの学校はここだから」という偏差値がちょうどいいという理由だけで志望校を安易に決めたりするのは避けましょう。

 

もちろん実力に見合った学校選びは必要ではありますが、知名度や偏差値だけで決めてしまうと、後々本人が「何のために受験してまで入った学校なのか」と後悔することになりかねません。

 

大切なことは「なぜこの学校がいいのか」「この学校に入って何がしたいのか」ということを明確にしておくことです。

 

 

9.まとめ

 

 

 

 

 

志望校決めは、中学受験における大きなイベントで、1つの大きな「ヤマ」であると言えます。これで子どもの一生が変わってしまうといっても過言ではないので、後悔のないよう慎重にしっかりと話し合いましょう。

既に志望校が決まっている場合でも、本当にそれでいいのか再度確認してみましょう。できれば両親揃って、膝を突き合わせて話すのが理想です。

 

前述したとおり、特に大手塾に通塾していると「自分の偏差値=受験校」のようになりがちですが、本人の性格に合った学校なのか、通いやすいのかなど、5つのポイントを親子で

じっくり話し合ってください。

 

また、部活動をはじめ、語学に特化した学校や理系に強い学校、スポーツや芸術に長けている学校、特色はそれぞれです。大学受験をするかしないか、どういう道に進みたいのか、本人の興味や才能、将来性を考えてトータルに判断するようにしてください。

 

細かくは直接学校案内を取り寄せたり、オープンキャンパス学校説明会に参加したりすると、より参考になります。入学した後に「こんなはずではなかった」と後悔することのないように、しっかりと吟味し話し合って決めましょう。

 

なかなかそういった時間もなく、自分たちだけでは不安に感じる場合は、受験のプロに相談するのもいいでしょう。

 

親子では感情的になってしまうことも、第三者が入ることで冷静になれますし、子どもも親には素直になれなくても、プロの信頼できる先生なら本音を言えるものです。

何より受験の情報を豊富に持つプロならではのアドバイスがもらえるのは大きいと思いますよ。

 

 

 

 

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管理栄養士
浅田ゆうき先生

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