入試によく出る国語の問題【漢字編】

  • 2022.07.13
  • 受験情報

 

 

 

今回は、漢字の問題に挑戦です!

次の文章中の(    )内①~⑩の文字を、ひらがなは漢字で、漢字はひらがなで読みを書きなさい。

 

佳子は、毎朝、夫の①(登庁)を見送ってしまうと、それはいつも十時を過ぎるのだが、やっと自分のからだになって、②(ようかん)のほうの、夫と共用の書斎へ、とじこもるのが例になっていた。そこで、彼女は今、K③(ざっし)のこの夏の増大号にのせるための、長い④(そうさく)にとりかかっているのだった。

美しい閨秀〈けいしゅう〉作家としての彼女は、このごろでは、⑤(がいむしょう)書記官である夫君の影を薄く思わせるほども、有名になっていた。彼女のところへは、毎日のように未知の崇拝者たちからの手紙が、幾通となく送られてきた。

けさとても、彼女は書斎の机の前に坐ると、仕事にとりかかる前に、⑥(先ず)、それらの未知の人々からの手紙に目を通さねばならなかった。

 (略)

⑦(かんたん)なものから先にして、二通の封書と、⑧(いちよう)のはがきを見てしまうと、あとにはかさ高い原稿らしい一通が残った。別段通知の手紙は貰っていないけれど、そうして突然原稿を送ってくる例は、これまでにもよくあることだった。それは、多くの場合長々しく退屈きわまる⑨(代物)であったけれど、彼女はともかくも、⑩(ひょうだい)だけでも見ておこうと、封を切って、中の紙束を取り出してみた。

--------江戸川乱歩『人間椅子』より

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【解 答】

 

 

 

 

上記の漢字問題の解答は以下の通りです。

 

①とうちょう  ②洋館  ③雑誌  ④創作  ⑤外務省

⑥まず  ⑦簡単  ⑧一葉  ⑨しろもの  ⑩表題

 

 

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【スペシャル問題】

 

この本文は、江戸川乱歩の短編小説『人間椅子』の冒頭部です。

次のうち作者、江戸川乱歩のことを紹介しているのはA~Cのどれでしょう。

 

A

・日本の小説家、本名は、津島修治。

・青森県の津軽生まれで、生家は「斜陽館」という記念館になっている。

・忌日は「桜桃忌」と呼ばれ、毎年三鷹の禅林寺にファンが集う。

 

B

・昭和後期から活躍した日本の小説家。

・『梟(ふくろう)の城』で直木賞受賞。

・戦国、幕末、明治を舞台とする多くの歴史小説を残した。

 

C

・日本の推理、怪奇・恐怖小説家。

・大正から昭和期にかけて活躍。

・アメリカの作家の名前をもじってペンネームをつけた。

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わかりましたよね!

答えはもちろん、Cです。

江戸川乱歩というペンネームは、『黒猫』や『モルグ街の殺人』などで知られるアメリカの作家、エドガー・アラン・ポー(Edgar Allan Poe)をもじったものです。

Aは太宰治、Bは司馬遼太郎でした。

 

今回の問題のように、長文の中にある漢字を書かせたり読ませたりする入試もあります。文章の流れから漢字を特定して書く練習もしておくといいでしょう。

 

ちなみに乱歩の『人間椅子』は、大人向けではありますが、少し怖い怪奇小説で人気作品です。短く15分くらいで読めると思いますので、不気味な話が好きな人には勉強の気分転換にもいいかもしれませんね。

 

 

 

 

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