合格をつかむために~0.1点に笑う「試験への臨み方」

  • 2022.07.25
  • 受験情報

 

 

受験まであと半年!模擬試験も多くなってくると思いますが、ここから本番まで試験にどう臨むのがいいのか、「合格をつかむための2つの自分ルール」を解説します。

 

CONTENTS:

1.スポーツにおきかえて考える~2つの自分ルール

2.試験で慢心する子ども

3.試験で早々にミスをしてしまったら

4.調子がいい時

5.0.1点に泣き、0.1点に笑う

6.試験で時間が余ったら~見直しの4つの手順

7.まとめ~自分ルールの習慣化

 

 

1.スポーツにおきかえて考える~2つの自分ルール

 

夏休み中は、スポーツにおいても大きな大会が目白押しです。

甲子園では夏の高校野球も行われ、高校生は全国高校総体(インターハイ)、中学生も全国中学校体育大会など、さまざまなスポーツの大会が全国で繰り広げられています。

 

大きな全国大会だけではなく、そのための予選大会も各地で行われ、部活動を行っている生徒たちにとっては、そこを目標にひたすら頑張ってきたのではないでしょうか。

 

試合の大小に関わらず、毎年下馬評通りの結果にはならないものです。強いと思われていたチームや選手が案外すぐに負けたり、無名のチームや選手があれよあれよと勝ち上がったりというのは、どのスポーツでもよく目にすることです。

 

そこで、今回はスポーツにも受験においても共通していえる、試合や試験にどう臨んだらいいのかについて詳しく解説いたします。

 

スポーツには必ず厳しいルールがあるように、試験にも自分なりのルールを決めましょう。ここでは、合格をつかむために意識したい「試験の臨み方~2つの自分ルール」をご紹介します。

 

◆できたと思っても最後まで慢心しない

◆できないと思っても最後まであきらめない

 

上記2つの自分ルールについて、詳しく見ていきましょう。

 

 

2.試験で慢心する子ども

 

 

 

 

小学生にはよくあることですが、試験が思ったよりできて時間が余ると、露骨に余裕を見せて見直しもせずに寝たり、鉛筆を回して遊んだりする子がいます。まだカリカリと必死に問題を解いている周囲をまるであざ笑うような態度の生徒、一度は見たことがあるのではないでしょうか。

 

時間いっぱい必死に見直しして取った90点も、余裕で寝て取った90点も同点です。本来は実力の差があっても、見直しをしたかしないかで同点になってしまうこともあるのです。同点ならまだしも、もしこれで余裕をもっていた生徒の方にケアレスミスなどがあり、もっと点数が悪かったら、正直カッコ悪いですよね。

 

せっかく時間に余裕があるのですから、しっかりと見直しをしていれば、ケアレスミスに気づき、満点だったかもしれません。そのような生徒に限って「簡単だったから、10分くらい前には全部できてた。本当だったら余裕で100点取れた」などと言い訳をするのです。それは満点を取ってから言ってほしいですよね。

 

試験はスピード競技ではありません。もちろん見直しをする時間ができるので早くできるに越したことはありませんが、試験という競技は制限時間内にいかに正確に解き、高い点数を取れる人が「勝ち負け」で言うと「勝ち」です。

 

先ほどの最後までカリカリと試験に向かっていて90点を取った生徒も、実は余裕を見せていた生徒よりも早く終わっていたのに、それを見せずに最後までミスがないか何度も確認していただけかもしれません。できたと思ったときこそ、「過信・慢心」は禁物ですよ!

 

 

3.試験で早々にミスをしてしまったら

 

 

 

 

試験が始まってすぐに「難しい、今回は点数を取れそうにないな」と感じてしまうことがあります。そこで「今回はダメだな」と思うか、「悪いなりにも1点でも多く取ろう」と思うかで結果も変わってきます。

 

ダメだと思った試験でも、結果が返ってくると案外平均点が低くて順位としては思ったほど悪くないということがよくあります。平均点が低いと、1点の違いでも順位が大きく上がることもあるからです。

 

決して悪くない結果で返ってきた答案用紙を後で見返した時に、勝因は諦めそうな精神状態でも、この難問を最後の最後まで粘って解き切ったことが大きかったと嬉しく思ったりもするものです。つまり、難しいからと最初から諦めるのは非常にもったいないのです。

 

体操競技やフィギュアスケートなど点数競技でも同じようなことがいえます。演技の始めのほうでミスをしてしまった時、「もう高得点は見込めないからダメだ」と思うか、「悪いなりに1点でも多く取れるように全力でやろう」と思うかで結果は変わってきます。

 

他の競技者もミスを連発するかもしれませんし、1回のミスで後を完璧に演じきったら、むしろ上位かもしれません。

 

試験で「難しいと感じる」「ミスった」と思っても、決して諦めてはいけません。周りの受験生も同じように難しいと焦っているかもしれませんし、ミスもしているかもしれません。最後まで諦めずに全力を出し切ることが大切です。

 

 

4.調子がいい時

 

 

 

 

前半にミスをしても、後半でしっかり取り戻した競技とは逆に、前半は難しい技を立て続けに決めたのに、後半は安心・油断して力が抜けてしまうケースもあります。

 

気が緩んだ後半では思ったほど点数が伸びず、それでも少なくとも上位には入れるだろうと思っていたのに、他の競技者がほぼ完ぺきな演技をしたので、けっきょく上位入賞することもできなかったということもよくある話です。

 

試験にしてもスポーツの大会にしても、自分の順位は自分だけで決まるのではありません。相手の出来不出来にも左右されてきます。いつもと同じ調子だから、同じ順位になるというわけではないのです。

 

つまり、悔いのない結果を残すためには、周囲に関係なく、常に自分のベストを尽くすということがとても大切です。試験もスポーツも、決められ時間の中で高い点数を取れた者が勝ちなのです。

 

試験が始まって「今日は調子がいいな」と感じる時には、自分に「油断するな!最後まで気持ちを緩めない」と言い聞かせて取り組みましょう。

 

 

5.0.1点に泣き、0.1点に笑う

 

点数競技のスポーツでは、序盤にミスをしたものの、気持ちを切り替えてその後ミスなく演じられれば、0.1点でも点数が高くなる可能性があります。

受験においては、記述解答を見て、たとえ不十分な解答ではあっても、途中式や文章でそのがんばりが採点者に見えたら、ひょっとすると0.1点でも加点されるかもしれません。

 

試験の採点も、点数競技スポーツの採点も、人間が行います。採点者の感情が反映されないとも言い切れません。

このわずか0.1点が、試験の合否や大会予選通過のボーダーラインになるかもしれないのです。文字通り、0.1点に笑う者もいれば、0.1点に泣く者もいるのです。

 

試験では「調子がいい時でも、慢心せずに最後まで全力で取り組む」と「調子が悪い時も、諦めずに粘り強く全力を出し切る」という2つの自分ルールを常に忘れずに取り組むようにしましょう。

 

 

6.試験で時間が余ったら~見直しの4つの手順

 

 

 

 

それでは試験が早く終わった時、慢心せず最後まで緊張感を保つにはどうしたらいいのでしょうか。基本は残った時間でしっかり見直しをすることです。そこで、効率的な見直し方、「見直し4つの手順」をお伝えします。

 

①持てる力の最大限のスピードと慎重さをもって一通り解き直す

※この時、簡単に解けた問題から解き直し、解けそうにない問題は捨て、がんばれば解けそうな問題は後に回す。

 

②余った時間で、後に回した解けそうな問題を解く

※できた問題とできない問題を総体的に考え、合格まで点数が足りなさそうなら、まずがんばれば解けそうな問題から解く。途中まででもいいから、何かしら解答用紙に書く。

 

③見直し2巡目は違うやり方で計算し、本当にミスがないか再確認する

 

④見直し3巡目も終わってまだ時間があれば、捨て問にもチャレンジしてみよう

 

この手順において、見直しの最大ポイントは「できた問題から見直す」です。

「え?できなかった問題じゃないの?」とよく聞かれますが、できた問題というのは恐らく他の受験生も皆できた問題です。いわゆる「点数を確実に取らなければならない問題」です。ここで何問も落としてしまっては合格点に届かなくなるかもしれません。

 

入試は満点を取る必要はありません合格点以上取ればいいわけです。本人ができたと思っても、思い込みで間違っていたということは多々あります。

 

算数(数学)でしたら、単純な計算ミスをしているかもしれませんし、国語でしたら誤字、脱字などがあるかもしれません。あるいは解答「ア」なのに、なぜか「オ」と書いている、違う解答欄に書いてしまっているなど、意外とミスが見つかったりします。

点数的には1点に満たないことでも、前述の通り0.1点で泣くこともあります。

 

まずはできたと思った問題から見直し、次にできなかったけれど、時間をかければ解けそうな問題を時間の許す限りがんばりましょう。途中式でも加点がもらえる可能性もあります。時間をかけても解けそうにない問題は、きっぱり諦めて捨てましょう。

 

 

7.まとめ~自分ルールの習慣化

 

 

 

 

冒頭で、試験が早く終わって露骨に余裕を見せる小学生について述べましたが、これは小学生のみならず、中高校生や社会人になった大人であっても、似たような行動を目にすることがあります。

 

猿も木から落ちる」や「弘法にも筆の誤り」ということわざがあるように、どんなに得意なことでも失敗することがあります。余裕にあぐらをかくのではなく、最後まで気を引き締めましょう。また、ダメだと思っても最後まで諦めないことです。

 

これは中学受験のみならず、入学後の中間や期末などの定期試験はもちろん、英検などの資格取得試験やその後の大学受験でも同じことがいえます。また、勉強のみならず、運動部系や文化部系の部活動などでも常に意識しておくべきでしょう。

 

慢心して凡ミスを見逃し、思った結果にならなかった場合、小学生の学校のテストや模試などでは笑ってすませられますが、社会人で慎重さに欠けた行動でミスをすると、大きなクレームや大問題にもなりかねません。

 

いまのうちから「できた時でも慢心しない」「できなくても諦めない」という2つの自分ルールを習慣化しておきましょう。受験本番だけ急には変わりません。どのような試験でも諦めずに最後までチャレンジすることや、早く終わってもねばって見直しする癖をしっかりつけておきましょう。それが将来においても、きっと役に立つと思いますよ!

 

 

 

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