中学受験の前受け(お試し)受験校選びとスケジューリングの注意点!

  • 2022.10.12
  • 受験情報

 

 

 

中学受験までラスト3ヵ月の間にやるべきこととして、前受け校(お試し受験校)選びスケジューリングがあります。よく考えずに決めてしまうと思わぬ落とし穴があったりもしますので、どこに気をつけるべきか、その注意点などについてご紹介します!

 

CONTENTS:

 

1.受験校選びについて

2.前受け(お試し)受験のメリット

3.前受け(お試し)受験のデメリット

4.前受け(お試し)受験したAさんの事例

5.前受け(お試し)受験をするか否かのポイント

6.2023年の受験日程とスケジューリングの注意点

7.受験校は何校が理想?日程表の作り方

 

 

1.受験校選びについて

 

入試まで残り3ヵ月を切るこの時期に、第一志望校がまだ決まっていなく、未だ迷っているというような受験生は少ないと思います。しかし、そろそろ併願校前受け(お試し)校を含め、全受験校の日程を考え、スケジューリングをする時期にきています。

 

近畿圏の統一受験日は1月、関東圏では2月ですが、中四国などの学校では12月から受験が始まる学校もあります。早ければ願書の提出が11月という学校もありますから、この地域を受験する予定があるなら、第一志望校を含め、全受験校のタイムスケジュールをどうするかを決める最終段階にあるといえるでしょう。

 

最初に受験するのが、前受け(お試し)受験校となると思いますが、前受けについては、「周りがみな受験するから」や「塾に強く言われている」などではなく、実際にメリット、デメリットを考えて受験するべきか否かを考えましょう。

 

 

2.前受け(お試し)受験のメリット

 

前受け受験の主なメリットは次の2つです。

 

◆入試慣れと練習

本命の第一志望校受験の前に、入試独特の緊張感や雰囲気を味わっておくというのも大事なことです。最初に受験する試験はどうしても緊張してしまうもの。「緊張するタイプじゃないからぜんぜん平気」などという受験生にかぎって、本番で誰よりも緊張してしまうといったことはよくある話です

 

入試はやはりそれまで受けてきた公開模試などとは違います。その張りつめた緊張感に呑まれてしまう受験生も少なくありません。

そういう意味で場慣れや練習のために、さほど力を入れなくてもいいと思える学校を最初に受験しておくという受験生が多いのは事実です。

 

◆安心感を得る

第一志望校の前に、確実に合格を取れると思える学校を受験しておき、事前に安心感を得ておくというのも前受け受験の大きな目的の1つです。

 

1つでも合格をもらうと自信や励みになり、気持ちもラクになります。「失敗したらどうしよう」とネガティブに考えてしまうような性格なら、最初にレベル的に余裕のある学校を受験させて合格証を持たせてあげた方が安心でしょう。

 

 

3.前受け(お試し)受験のデメリット

 

 

 

 

前受け受験の主なデメリットは以下の3つです。

 

◆感染症のリスク

前受け受験とは、前述のとおり、本命の第一志望校の前に練習する意味合いで受験することが多いと思います。遠方であることも多く、単なる「練習」としてだけの受験で、合格してもその学校には絶対に行くつもりはないという場合は、わざわざ遠くまでお金や時間をかけて受験する必要はないという考えも一方にあります。

 

一般交通機関を使い多くの人が集まる試験会場に向かうわけですから、コロナウイルスはもちろん、インフルエンザや風邪などの感染症のリスクがないとはいえません。練習で風邪をひいて、本番まで引きずってしまっては泣くに泣けませんよね。

 

◆時間の有効活用

前受けとはいえ、それなりに準備をしたり移動時間などを考えたりすると、丸1日から1日半、あるいはそれ以上時間を要することもあります。「そのような時間があるのであれば、第一志望校に向けた勉強ができる」という考え方もあります。

 

前受け受験をすることで、第一志望校に向けての勉強時間は当然減ることになります。同じ第一志望校を考えているライバルたちはその時間も過去問を解くなど対策をしているかもしれません。

 

◆却って不安になる場合も

合格を1つでも勝ち取って安心感を得ようと、かなりレベルを落とした学校を受験したつもりが、まさかの不合格ということも実際にあります。その場合のショックは計り知れません。

 

もっとも、それで目が覚めて、後がないと却って気合いが入る受験生ももちろんいます。しかし、気落ちしてしまい「もうダメだ」とやる気を失ってしまう場合も少なくありません。そこからモチベーションを上げるのは親御さまもたいへん苦労することになるでしょう。

 

 

4.前受け(お試し)受験したAさんの事例

 

ここで、実際にあったAさんの事例をご紹介します。

●大手進学塾に通塾していたAさん(男児)の事例●

 

大手進学塾に通っていたAさん(男児)は、最難関中学を目指すような上位クラスの生徒でした。 Aさんは前受け受験で確実に一つ合格を勝ち取っておこうと、現状のクラスよりも2~3クラス下のレベルの学校を受験しました。

 

Aさんはいつも明るく、あまり緊張などしないタイプだったのですが、慣れない環境での受験で極度に緊張をしてしまい、頭の中が真っ白になったと言います。

 

いつもならすべて解いて見直しもできるような試験だったはずですが、1科目のテストで半分くらい白紙解答になってしまいました。この学校でこんなにできないわけがないという気持ちがさらにプレッシャーになり、その学校はまさかの不合格

 

同じ塾の下のクラスの受験生でも多数合格していたのに、Aさんは不合格だったということで、その落ち込みようは言葉もかけられないほどで、たいへんなものでした。

 

本番前に安心感を得るはずが、逆に受験の恐怖との戦いのようになってしまったそうです。また失敗するのではないかと、恐る恐る本番を迎えましたが、本番では自分の力をしっかり発揮することができ、Aさんは見事第一志望校に合格することができました。

 

 

この事例から、「失敗が本番でなくてよかった。やはり事前に緊張感を味わっておくことが必要だ」と前受け受験を肯定するのか、「Aさんはたまたま良かったが、こんな失敗を先にしてしまったら、うちの子は立ち直れないかもしれない」と前受け受験を回避するのかは、本人の性格やご家庭それぞれの判断になります。

 

 

5.前受け(お試し)受験をするか否かのポイント

 

 

 

 

前述したとおり、前受け(お試し)受験するか否かは人それぞれですが、塾などでは受験するように勧められることがほとんどかと思います。

 

塾にもよりますが、進学塾としては合格実績を増やしたいという目的もあり、前受け受験を強く勧めます。とくに多数の合格が見込める生徒には、前受けを含め多くの併願を勧めてくるでしょう。

 

そのような塾では周囲がみな当たり前のように前受け受験するので、それを当然のように思うのも無理はありません。しかし、これらはご家庭の事情や環境、本人の性格などにもよります。前述のメリット、デメリットを踏まえ、本人の意志を尊重した上で、ご家庭でよく話し合って決めましょう。

 

 

6.2023年の受験日程とスケジューリングの注意点

 

例年、関西の中学校統一受験日は、1月の第2又は第3土曜日で、2023年は1月14日、東京では毎年2月1日で、2023年の2月1日は水曜日となっています。どちらもこの日から一斉に中学入試が始まり、ここから3~4日の間に主たる中学受験が集中して行われます。

 

午前入試はもちろん、近年は午後入試も多数ありますので、1日に2校受験というのも可能です。つまり、物理的にはこの3~4日間に4校~6校受験することも可能です。

しかし、ここで注意があります。

 

スケジュールを作ることは、スケジュールを埋めることではない

 

ということです。

よくカレンダーに受験日程を記入していて、空欄を見つけると、「こことここにあと2校は入れられる」と無理やり日程を埋めようとする親御さまを毎年見かけます。

 

全落ちだけはかわいそうだから、とにかくたくさん受験しておくに越したことはない」や、「下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる」とお子さまを心配されているからこそのお考えでしょう。確かにその考えにも一理あり、わからなくもありません。

 

とはいえ、慣れない場所に公共交通機関を使って往復するだけでも疲れるのに、緊張感の中で入試を受けるというのは、体力的にも精神的にもたいへん疲弊します。ましてや、1日2校も受験するとなると、もうヘトヘトになってしまいます。

 

このように言うと、「うちの子は体力だけは自信があるからだいじょうぶです」と返されることもありますが、実際は思った以上に疲れます

 

第一志望校の入試が統一受験日初日の午前中であれば、コンディションも万全に持っていきやすいのですが、本命校の入試が2日目や3日目の場合、その前の受験日程によってコンディションも大きく影響されやすく、難しい選択となるでしょう。

 

仮に本命の第一志望校が3日目の午前だとして、1日目と2日目に、本命と同等レベルの併願校とすべり止めをそれぞれ2校ずつ、2日間で計4校、目一杯受験するとします。そうすると、いざ3日目の本番日にはもう精神的にも肉体的にもくたくたで、本来の力が発揮できなくなってしまうという事があり得ます。肝心の本命校を最良のコンディションで受験できないのでは本末転倒ですよね。

 

 

7.受験校は何校が理想?日程表の作り方

 

 

 

 

実際に中学受験は何校受けるのがいいのでしょうか。よくそういった質問も受けますが、環境や個人差もありますので一概には言えません

 

一般的には、本命校併願校(本命校と同等レベル)、すべり止め校(本命校より1~2ランク下のレベル)の3~4校を受験することが多いようです。

 

もちろん考え方は各ご家庭それぞれですので、これが絶対に正解というのはありません。生徒一人ひとり性格も体力も違います。最後は親御さまと本人とで、納得できる一番いい受験スケジュールを決めるようにしてください。ここまで頑張ってきたのですから、悔いのない受験をしてほしいと思います。

 

受験校が決まったら、できればスケジュールを一覧表などにして目につく所に貼っておくことをおススメします。受験生は勉強に集中してもらうため、親御さまが作成してあげてください。その際、最低限以下の項目を入れておくとわかりやすいでしょう。

 

・受験日

・受験校名

・出願期間

・合格発表日時

・入学手続き期間

 

※本命以外の受験校については、入学手続き(入学金の支払い)をどこまで待ってくれるのか等、スケジューリングをしながら今のうちにご両親でよく話し合っておきましょう。

 

スケジュール表が貼られると、ご家庭でも受験モード全開になります。「いよいよ受験」感で一色となり、改めて気合いが入ると思いますよ!

 

 

 

 

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