中学受験後から入学までどのように過ごすのがよいのか、重要なポイントや注意点など、受験生の保護者が知っておくべき中学受験後の過ごし方をご紹介します!
CONTENTS:
1.受験前から受験後を意識する必要性
2.受験後から中学入学前までの期間の大切さ
3.入学前までの最重要ポイント
4.スタートダッシュの重要性
5.入学までにおすすめしたい4つの学習
6.入学までにおすすめしたい学習以外のこと
7.まとめ
1.受験前から受験後を意識する必要性
まだ受験前から受験後のことまで考えられないと思う人は多いでしょう。とくに受験生本人はまったく考えられないかもしれません。しかし、受験後に意識するのでは遅いこともあります。
以前、受験後に「入学までにどう過ごしたらよいか」と聞かれてお答えしたことがあったのですが、「もう少し早めにアドバイスできれば良かった」と後悔したというようなことが何度となくありました。
今回はその反省から、受験前の今から「受験後にするべきこと」をお伝えしておくべきと考えました。これからご紹介することは、中学受験を控える受験生の保護者の皆さまにぜひ読んで欲しい内容です。
2.受験後から中学入学前までの期間の大切さ
関西では1月中に、関東では2月上旬には中学入試の結果が概ね出そろいます。思い通りの結果になった人もいれば、そうでない人もいるでしょう。しかし、誰もが何れかの中学校に必ず入学するはずです。
この中学に入学するまでの10週間ほどの期間が、実はとても大事な時間となります。
私立中学の中には、入学までに多くの宿題を出している学校があったり、入学早々に宿題テストを行う学校もあったりします。そのような学校に進学するのであれば、当然宿題はやっておかなければなりませんし、テストに向けての勉強をする必要があります。
また、宿題も何もない学校もありますが、だからといって何もしなくてもいいものでしょうか。答えはNOです。
中学受験から解放され、思いきり遊びたいのも当然ですが、入学後に後悔しないためには、この時期だからこそ気をつけてほしい重要なポイントがあります。
3.入学前までの最重要ポイント
この時期に最もたいせつなポイントとは、中学受験で身についた学習習慣の継続です。せっかく身についている学習習慣がここで途切れてしまうというのは、とてももったいない話です。
1日に1時間でも30分だけでも、必ず学習をするという習慣だけは続けましょう。これまで1日に何時間も机の前に座っていたのですから、まだその習慣が抜けていないうちなら、1日に30分~1時間くらいはさほど苦痛でもないはずです。
宿題を出したりテストを行ったりする中学校の狙いもそこにあります。学習習慣をなくさないためにあえて宿題を出したり、テストを実施したりしているのです。また、受験後に一度でも学習習慣を失ってしまってから、再び学習させようとするのは相当なエネルギーを使います。そのため、受験後ではなく、その前からしっかり意識しておいたほうがいいわけです。
もちろん、受験ほどの勉強量は必要ないですし、合否が出る試験があるわけでもないので、リラックスした気楽な気持ちで行うのがいいと思います。
入学までの10週間を少しずつでも勉強を継続していた生徒と、まったくやらずゼロになってしまった生徒とでは入学後に大きな差となって表れます。とくに難関私立中学校に進学した場合、それまで公立の小学校ではトップだった生徒が、下位になってしまうことも普通によくあります。
最初にクラスでどのような印象を与えられるかはとても重要で、その時になって後悔しても遅いのです。
4.スタートダッシュの重要性
中1の始めの印象というのは、とても重要です。全く知らなかった人たちが集まったクラスでは、その最初の印象がずっと尾を引いてしまうというようなことがよくあります。実際、最初の成績が良いと、そのまま卒業までずっと上位を保っているケースが多いと言われています。
本人も最初の印象が良いと、自分に自信が持ててそのままのイメージをキープしようと努力しますが、もし悪かった場合は「自分はこの中ではダメなんだ」と自分に負のイメージを持ってしまう恐れがあり、その先の学校生活や学習に大きな影響を及ぼしかねません。
自分自身が新しい学校の中でどのような立ち位置であるのかは、保護者が思う以上に本人には大きなことで、それで学校が好きになったり嫌いになってしまったりすることもあります。
そのためにも少しでも有利にスタートダッシュができるようにしておくのがとても重要なのです。受験後に気を抜かないこと、学習習慣を継続しておくことは間違いなく得策なのです。
それでは入学まで具体的にどういった学習をすればいいのでしょうか。
5.入学までにおすすめしたい4つの学習
1.英語
英語は、基本的に中学からのスタートでも間に合いますが、最近では大学受験で民間資格利用があることなどから、幼児や小学校の低学年から英語を学ぶ児童が増えましたし、学校によって英語学習力に差もあることから、事前に少しでも先取り学習をしておくほうが、よりスムーズに中学英語に入れるでしょう。
中1の最初の英語で遅れると「英語は苦手。できない」と本人に苦手意識が芽生えてしまいます。英語は文系でも理系でも必須科目です。大学に進学した後も必要ですし、就職活動にも大きく影響する場合が多いので、将来的にも長い付き合いをしていかないといけない教科です。なるべくなら苦手意識を持たせないようにしてあげたいものです。
アルファベットが書ける、簡単な単語が読める、ラジオなどで英語耳を作るなど、毎日何かしら英語にふれておくことをおすすめします。
2.数学
算数は中学に入り数学となり、これまでの算数と違い「文字式」や「負の数」などを用いるようになります。実は中学受験で「算数」が得意だった生徒ほど、中学で「数学」に戸惑いを覚えることがあります。
これまでつるかめ算などで解いてきた問題が、文字式や方程式を使うようになり、慣れるまで混乱が生じ、得意なはずなのに理解が追いつかないなど、少なからずショックを受ける生徒もいるようです。
大手学習塾などでもこの期間に数学の先取り講座を開講したりしているので、新しい数学の概念に慣れるためにも通塾したり家庭教師に教わったりするのもいいでしょう。
3.資格取得
中学受験後、次の受験は6年後という生徒や、あるいは附属校でもう受験はほぼないという生徒もいるでしょう。
そのようなお子さまにおすすめなのが、資格の取得です。大きな目標がひとつ終わった今、すぐ次の目標を設定したほうが取り組みやすいということもあります。
大学受験や就活にも必要な英検をはじめ、数検や漢検など、この機会になにか資格の勉強をはじめてみるのもおすすめです。
4.読書
読書はマストではなくベターですが、できたらたくさん本を読んでおくといいでしょう。この時期ほど読書に適した期間はありません。受験に関係なく、自分の読みたい好きな本をたくさん読むことができるからです。
国語のみならず、いまは他教科でも読解力や国語力が問われる時代です。長文を見ただけでやる気をなくしてしまう人もたまに見かけますが、知識教養を深めるためにも読書は欠かせません。ぜひ1冊でも数ページでも多く、読書をして活字に慣れておきましょう。それは今後のあらゆる学習のプラスになりますよ。
6.入学までにおすすめしたい学習以外のこと
受験後から入学まで学習習慣をなくさないことと、おすすめしたい学習の内容をお伝えしましたが、実はこの時期に学習と同じくらい大切なことがあります。それは友人や家族との小学校最後の思い出づくりです。
受験生はこれまで中学受験に向け、友達との遊びや旅行、イベントなど、さまざまなことを我慢して勉強してきました。一種のガス抜き的に、この期間にやりたかったことや、小学校最後の思い出づくりをさせてあげましょう。
また、これまで家でも塾でも机の前に座っている時間が多かったと思います。今までの運動不足を解消するためにも、この期間を利用して思い切って外に出て体を動かし、体力をつけておくこともおすすめします。重い荷物を持って電車通学するのは、思った以上に体力がいるものですよ!
7.まとめ
今回は受験終了後から中学校に入学するまでの過ごし方について、今のうちから考えておくこと、とくに保護者が意識しておくことの重要性をお伝えしました。
しかし、まずは目の前の受験で合格を掴み取ること、目先の試験に集中することが大切です。
この時期がいちばん不安や焦りを感じるときだと思いますから、受験後はもちろん、受験に関するお悩みは自分だけで抱えずにプロに相談してみてくださいね。
お子さまに見合った最良のプログラムをいっしょに考えていきましょう!