【最新版】灘中合格への道!2023年入試から見えてくる2024年の傾向と対策

  • 2023.03.07
  • 受験情報

 

 

 

 

 

 

2023年の中学入試から、日本最難関中学と言われる灘中について振り返ります。今年度の受験データを細かく分析し、各科目の傾向やポイント、来年2024年の入試対策について徹底解説いたします!

 

今年も関西では1月に中学入試が終わり、2月からはどこの進学塾も新学年としてスタートを切りました。今回から難関各校の今年度入試をシリーズで振り返ってまいります。

まずは第一弾として、今年も灘中学の入試について解説いたします。

 

 

CONTENTS:

1. 最新(2023年)灘中、入試データ

2.都道府県別、志願者・合格者数

3.灘中受験者の併願パターン

4.大手塾別合格者数

5.科目別平均点

6.灘中、科目別の傾向と2024年入試対策

国語◆

算数◆

理科◆

7.まとめ~灘中合格への道~

 

 

1. 最新(2023年)灘中、入試データ

※( )内は前年度比 (人)

 

2021

2022

2023

募 集 人 員

180

180

180

志 願 者 数

687(-88)

652(-35)

745+93

受 験 者 数

650(-112)

623(-27)

730+107

合 格 者 数

227(-29)

255(+28)

281+26

実 質 倍 率

2.86

2.44

2.60

入 学 者 数

181

183

188

 

2023年の灘中入試は、募集人員180名に対し志願者数が745、受験者数が730名でした。昨年まで2年連続で志願者数、受験者数ともに減少しておりましたが、今年は昨年に比べ100名近く増加しました。

 

一方、合格者数も大きく増加したため実質倍率は2.60倍微増にとどまりました。なお、過去10年の実質倍率の平均は約2.75倍です。

 

関東からの受験者が年々増えていて、今年は281名の合格者を出しましたが、入学見込み者は188名と約100名の辞退者が出ました。例年辞退者の推移を見て繰り上げ合格を出していました(2022年4点、2021年3点、2020年1点)が、今年は最初の発表以降に繰り上げ合格はありませんでした。

 

 

2.都道府県別、志願者・合格者数

 

下記は、2023年灘中入試の都道府県別に合格者数が多い順に表にしたものです。

※( )内は前年度比 (人)

都道府県

志願者

合格者

都道府県

志願者

合格者

兵庫県

163

(+31)

75

(+20)

鹿児島県

5

(+2)

2

(+2)

大阪府

171

(+32)

52

(-5)

三重県

4

(±0)

2

(+1)

東京都

92

(+1)

47

(-3)

岐阜県

6

(+3)

1

(+1)

愛知県

65

(+18)

18

(+5)

熊本県

5

(+5)

1

(+1)

神奈川県

37

(+7)

15

(+3)

山口県

3

(+3)

1

(+1)

京都府

32

(-18)

13

(-9)

茨城県

2

(±0)

1

(+1)

奈良県

25

(-7)

12

(+3)

栃木県

1

(+1)

1

(+1)

埼玉県

24

(+17)

12

(+8)

静岡県

1

(-4)

1

(-2)

福岡県

25

(±0)

5

(±0)

和歌山県

1

(±0)

1

(+1)

岡山県

19

(+1)

4

(+1)

大分県

5

(-1)

0

(-1)

広島県

13

(+4)

4

(+4)

北海道

4

(+1)

0

(-1)

滋賀県

9

(-1)

4

(-2)

佐賀県

3

(+1)

0

(-2)

高知県

5

(+3)

3

(+2)

石川県

2

(+2)

0

(±0)

愛媛県

8

(+3)

2

(+1)

岩手県

1

(+1)

0

(±0)

千葉県

7

(-6)

2

(-2)

宮城県

1

(-1)

0

(-1)

長崎県

5

(+2)

2

(+1)

徳島県

1

(+1)

0

(±0)

 

今年も灘中入試には日本全国から多くの志願者が集まりました。今年はとくに地元の兵庫大阪で志願者が大きく増加し、隣接する京都からは大きく減少したのが特徴的でした。

また、愛知埼玉からの志願者も大きく増加しています。

 

 

3.灘中受験者の併願パターン

 

灘中の受験日程は例年通り、統一入試日初日(1月14日)午前に「国語・理科・算数」と、2日目(1月15日)午前に「算数・国語」の2日間入試でした。

 

灘中受験者は、前受け(本命校受験の前に主に練習として受験するお試し受験)として愛光海陽(特別給付)、北嶺(特待選抜)を受験する生徒が多く見られました。

 

統一入試日以降の受験パターンとしては、統一入試日と2日目午前は灘中、2日目の午後から西大和または高槻須磨学園、3日目に東大寺洛南高附、4日目に六甲学院白陵または清風南海で、ここまでで合格が取れなかった場合は洛星後期という併願パターンが多かったようです。

 

前受(お試し受験)

1日目(1/14)

2日目

(1/15)

3日目(1/16)

・愛光学園(愛媛)

・海陽学園<特別給付>(愛知)

・北嶺中<特待選抜>(北海道)

 

【午前】

国・理・算

【午前】

算・国

・東大寺学園(奈良)

洛南高附属(京都)

【4日目以降(1/17~)】

・六甲学院B(兵庫)

・白陵後期(兵庫)

・清風南海学園B(大阪)

・洛星後期(京都)

【午後】

・西大和学園(奈良)

・高槻B(大阪)

・須磨学園(兵庫)

 

 

4.大手塾別合格者数

 

関西大手進学塾灘中合格者数は多い順に下記の通りでした。

※( )内は前年度比 (人)

浜学園

希学園

馬渕教室

日能研

92(-4)

64(+16)

60(-10)

52(+9)

SAPIX

能開センター

進学館

第一ゼミナール

30(-4)

10(-1)

9(+1)

3(±0)

 

3年連続で100名には届かなかった浜学園ですが、やはり圧倒的に灘中に強いのがわかります。

今年は希学園の大躍進が目立ちました。例年、合格実績速報の発表がさほど早くない希学園でしたが、今年は大手塾で一番早く発表がありました。成基学園からの合格者は2年連続でありませんでした。

 

昨年もお伝えしましたが、今年も関東の大手進学塾「早稲田アカデミー」が昨年を上回る50名の合格者を出しました。ほとんどの合格者が開成中など関東最難関受験に向けての練習として受験したと思われます。

 

上記のSAPIXも半数以上は関東からの受験と思われますので、多くの辞退者があったと思われます。関東からの受験者のほとんどが本命の関東受験に向けての「お試し」であることは否めませんが、灘中は最高峰の中学校でもあります。毎年合格を機に全国から関西に引っ越してくる生徒も少なからずおります。

 

灘中受験者は、この入試が関西圏だけの戦いではないということをよく覚えておくべきでしょう。

 

 

5.科目別平均点

 

灘中合格者の各教科の平均点と受験者平均点を過去3年間で比較したものが下記の表です。

                              (点)

 

2021

2022

2023

合格者平均との差

国語1(80点)合格者平均

63.2

57.5

55.5

 

(受験者平均)

(57.7)

(53.4)

(51.1)

4.4

国語2(120点)合格者平均

78.0

70.9

70.6

 

(受験者平均)

(71.0)

(64.2)

(65.4)

5.2

算数1(100点)合格者平均

83.0

64.5

79.4

 

(受験者平均)

(65.1)

(52.7)

(63.5)

15.9

算数2(100点)合格者平均

67.8

65.3

65.8

 

(受験者平均)

(54.3)

(53.8)

(53.4)

12.4

理科(100点)合格者平均

76.5

69.9

72.6

 

(受験者平均)

(68.5)

(60.4)

(64.0)

8.6

※各配点は国語1が80点、国語2が120点、他は各100点

 

【灘中入試の難易度の推移】

2021年度入試が比較的易しい入試でしたので、その反動で2022年は難しくなり、全教科合計の合格者平均も40点以上も下がりました。

 

今年は2021年と2022年の間くらいの難易度でしたので、昨年に比べ大きく易化したように見えますが、例年よりやや易しめといった感じでした。

 

受験者平均と合格者平均の差がつくのは見ての通りやはり算数です。また理科も他校に比べ差が大きいです。今年も理系に強い生徒を求めているのがわかる試験でした。

 

 

6.灘中、科目別の傾向と2024年入試対策

 

今年度の灘中入試を参考に、教科ごとの傾向と対策をご紹介します!

 

◆国語◆

 

 

 

2023年の灘中国語入試は、1日目の「国語1」は80点満点でほとんどが知識問題、2日目の「国語2」は長文読解中心という例年通りの出題パターンでした。

 

昨年大変難化しましたが、今年も昨年同様の難度の高い試験となりました。

1日目と2日目の合計でも合格者平均点と受験者平均点の差が9.5点しかつかず、あまり差がつかない試験でした。

 

■「国語1」

試験時間は40分80点満点の試験で、昨年よりもさらに難化した難度の高い内容でした。毎年、漢字慣用表現外来語等俳句が出題され、最後は今年も熟語しりとりが出題されました。

 

今年の熟語しりとりは、昨年に比べると取り組みやすかったと思われますが、試験時間が40分と短いので、この問題で時間を費やしすぎないよう取捨選択も大事になります。今年は俳句の問題がやや難しかったかもしれません。

 

国語1の対策としては、とにかく語彙力が求められるので、普段から多くの語句に触れておくことと、過去問等で灘中の出題形式に慣れておくことが必須です。

 

■「国語2」

試験時間は70分120点満点の試験で、今年も読解問題3題構成でした。3番は毎年「」の出題。大問1と大問2は長文読解ですが、随筆論説文がほとんどで、物語文の出題はほとんどありません。大問1と大問2は長文化の傾向にあり、多くの文字数を読まなくてはいけないので、読み進めるスピードも要求されます。

 

解答形式はほとんどが記述解答で、字数制限のない解答が多く、解答欄の枠の大きさを見て自分で適当な字数を考え解答しなければなりません。今年の解答欄を見ると、30~50字くらいの記述解答が多かったように思います。

国語2の対策としては、長文を速く読み進める力長文を端的にまとめる力、逆に簡潔な内容を具体的に長文化する力も必要です。十分にトレーニングをしておきましょう。物語文の出題は少ないと思われがちですが、前回物語文の出題があったのが2020年で、その前が2016年と、直近では4年周期で出題があります。このことから次年度2024年は久しぶりに物語文の出題があるかもしれません。しっかり対策しておきましょう。

 

 

◆算数◆

 

 

 

今年も例年通り、1日目の「算数1」は答えのみの解答、2日目の「算数2」は解き方を書かせる問題でした。「算数1」は昨年たいへん難化しましたので、その反動で今年は大きく易化しました。「算数2」は昨年と同程度の難易度でした。

 

■「算数1」

試験時間は60分100点満点の試験で、大問12問、小問17問という構成は例年並みの問題数でした。例年、最初に1問だけ計算問題があり、2番以降は数論規則性平面図形立体図形が頻出で、昨年は出題されませんでしたが速さの問題も頻出しています。これらの単元は取りこぼしのないよう入念に対策しておきましょう。

1番の計算問題は、今年も受験年の西暦数字(今年は2023)を用いた問題でした。来年は2024年ですので、2024=2×2×2×11×23であることを知っておくと便利です。

「算数1」は答えだけを書く解答形式ですので、ケアレスミスの許されない正確性と問題数をこなすスピードが要求されます。毎日の演習の中で、この問題にはどの解法を用いたらいいのかということが迅速に判断できるようにならないと合格は難しいでしょう。

例年、出題順序は難易度順になっているわけではなく、一見すぐに解けそうだと思って手を付けたものの、実は難問だったということもよくあります。解き始めないと難易度がわからない問題も多く、そのあたりを見極めて解く順番を決めるなど、問題の取捨選択ができる力も必要となります。

 

■「算数2」

試験時間は60分100点満点の試験で、大問数5題、小問数16題構成。小問数16問のうち11問は解き方を書かせる解答方式です。数論規則性平面図形立体図形は毎年出題されています。しっかり対策しておきましょう。

 

今年は大問4で作図解答の問題が出題されました。昨年も作図問題は出題されているので、2024年度も作図対策は必須でしょう。作図に苦手意識があり、塾でなかなか克服できない場合には家庭教師など個別指導でフォローしたほうがいいかもしれません。

「算数2」の試験は「算数1」に比べ思考力を要求される試験内容になっています。たとえ最後の答えが間違っていても、解き方があっていれば部分点をもらえる可能性もあります。粘り強く、できるところまで解き進めて1点でも加点できるように、日々の演習の中で解き方を書く練習をしっかりとしておきましょう。

 

◆理科◆

 

 

試験時間は60分100点満点の試験で、今年の灘中理科入試は昨年よりもやや易化しました。出題分野と問題数は、例年通り物理分野から2題化学分野から2題生物分野から1題、地学分野から1題6題構成でここ数年変わっていません。

灘中の理科は物理分野と化学分野で計算を要する難問が出題されることが多く、今年も大問5の化学分野、大問6の物理分野はやや難問でした。

今年の大問1は化学分野でしたが、小問1番からやや時間を要する問題だったので、慌てた受験生も多かったのではないでしょうか。物理は2022年、2021年と電流問題が出題されましたが、今年は出題されませんでした。

生物分野は毎年さまざまな単元からの出題があり、傾向がつかみにくいので幅広い学習が必要となります。今年は食品に含まれる栄養素の問題でした。初見の内容だったかもしれませんが、問題を読めばさほど難しい問題ではありません。見たことがないとパニックになるのではなく、落ち着いて解き進めるようにしましょう。

地学天体の問題で三角形の相似形を使う問題が頻出です。今年は星座の動きの問題でした。小問1~3は比較的易しかったのですが、小問4は記号選択ですがたいへん難しい問題でした。

灘中は他校に比べると、合格者平均点と受験者平均点の差が理科でも大きくなりやすく、今年も8.6点(昨年は9.5点)差がつきました。理科の配点は算数や国語の半分ですが、同様にしっかりとした準備が必要です。

 

灘中の理科入試には計算力も求められるため、算数の計算練習を毎日行ってスピードを上げておきましょう。受験が近づくにつれ、理科にそれほど時間を割けなくなると思いますので、寝る前の30分だけなど、自分なりの理科時間を作るようにしましょう。

 

 

7.まとめ~灘中合格への道~

 

 

 

今年の灘中入試は全体的に易化したとはいえ、日本の最難関中学であることに違いはありません。今年もたいへん難しい試験でした。当然のことですが、時間をかけてしっかり対策していかないと厳しい結果に終わります。

 

先に紹介したデータを見てもわかるように、全国から受験生が集まります。その都道府県を代表する強者が集まるわけですから、学校はもちろん、地域の進学塾で優秀でも全く安心できません。そもそもこのレベルを的確に指導できる指導者も限られています

 

なかなか小学生が自分1人でどうにかできる次元ではないと思いますから、親御さまもいっしょになって真剣に受験に取り組んであげてください。どう対策していけばいいか不安に感じたら、灘中をはじめ、志望校に特化したアドバイスができる受験のプロに早めに相談することをおすすめします。

 

 

 

 

灘中対策もお任せください!
保護者の方の疑問にお答えし、不安を解消する

プロ家庭教師の無料相談はコチラ

 

管理栄養士
浅田ゆうき先生

先生の写真
先生のプロフィール