秋前から注意すべき中学受験後の「燃え尽き症候群」対策!その原因と予防法

  • 2023.08.25
  • 受験情報

 

 

 

 

夏休みが終わると中学受験もいよいよラストスパートに突入しますが、今から注意しておきたいことがあります。それは受験後の「燃え尽き症候群対策。その原因予防法を徹底解説いたします。

 

 

CONTENTS:

 

1. 燃え尽き症候群(バーンアウトシンドローム)とは?

せっかく合格したのに…

不合格はより注意が必要!

 

2. 予防法①中学受験はゴールではない!

 

3. 予防法②将来の話を親子でする

子どもの夢をしっかり聞く

夢を聞くときの親のやってはいけないNG行為と理想の言葉

 

4. 予防法③もしも不合格だったら?万が一を考える

 

5. 燃え尽き症候群は子どもだけじゃない!親も要注意

 

6. まとめ~親子で意思の共有を!

 

 

1. 燃え尽き症候群(バーンアウトシンドローム)とは?

 

燃え尽き症候群とは、バーンアウトシンドローム(burnout syndrome)ともいい、それまでひとつの物事に没頭していた人が、心身の極度の疲労により燃え尽きたように意欲を失い、社会に適応できなくなる状態のことをいいます。

 

 

せっかく合格したのに…

 

毎年のことですが、中学受験でせっかく第一志望校に合格できたのに、入学しても元気がなく、死闘を終えたボクサーのように身も心も燃え尽きてしまう生徒がいます。これが「燃え尽き症候群(バーンアウトシンドローム)」です。

 

燃え尽き症候群になってしまうと、せっかくこれまで目標にしてきた学校に進学できたのにそこから先が見えなくなり、何もできなくなってしまいます。

 

ゴールデンウイーク前後から朝起きられなくなり、何もやる気が起こらず、学校にも行けなくなってしまい、合格した私立の進学校を辞めて公立の中学校に転校するも、けっきょく保健室登校となり、そのまま不登校になってしまうというケースも少なくありません。

 

 

不合格はより注意が必要!

 

不合格の場合にはより注意が必要です。これまで頑張ってきたのに、思っていた志望校に合格できなかったことで自信を喪失必要以上に落ち込んでしまい、全てが終わったかのように立ち直れない人がいます。

 

自分はダメだと思い込み、「こんな学校に行きたかったわけじゃない!」「こんな学校に通う人とは合わない!」と学校やクラスメイトを嫌うようになり、不登校になってしまう例もあります。

 

前者のように合格して燃え尽き症候群になるよりも、不合格の場合は自信も失くしてしまっているため、より立ち直るのに時間がかかる場合があります。

 

それでは、燃え尽き症候群にならないためにはどうしたらいいのでしょうか。それは受験後になってしまってからでは遅いのです。対策は受験前の今から行っておきましょう。

 

 

2. 予防法①中学受験はゴールではない!

 

 

 

 

まだ秋前の今のうちに、受験生のお子さまと親御さまとの間で、ひとつだけ共有しておいてほしいことがあります。

 

それは、

 

中学受験はゴールではない。中学受験はあくまで人生における一つの通過点である

 

ということです。

 

今一生懸命勉強しているのは、中学受験に合格するためだけではなく、その先の将来のために勉強しているということを親子でちゃんと共有しておきましょう。

 

【ボトル貯金のたとえ】

たとえば、大きな透明の空ビンが2本(AとBが)あると仮定してください。そこにコイン貯金をしていくとします。目標額は〇万円。ぜんぶ貯まると欲しいものが買えるとしましょう。

 

Aのボトルには、たまに1円や10円、ときには100円玉も入れます。もう片方のBのボトルは毎日100円を中心に10円や50円玉を入れ、たまに500円玉も入れたりします。

 

当然、Bのほうが早く貯まっていくわけですが、小学校卒業時点ではまだ目標金額の半分以下。まだ半分以上コインを貯めなければなりません。Aはぜんぜん溜まっていないので、これからがたいへんです。時間的に100円や500円玉を多くしないと間に合わないでしょう。

 

つまり中学受験はBのボトルです。受験が終わった時点でのボトルはまだ半分以下。そこがゴールなのではなく、まだ途中です。目標金額に達して欲しいものを手にするにはまだまだたくさんのコインを貯めていく必要があります。それでも、Aに比べるとずっと早く目標額に達する可能性が高いでしょう。

 

それを子どもにもわかりやすく明確に伝えておきましょう。受験前の今のうちに、あまり硬くならず、食事やおやつを食べながらの雑談でいいので、親子でちゃんと話をしておくことが大切です。

 

 

3. 予防法②将来の話を親子でする

 

 

 

 

子どもの夢をしっかり聞く 

 

燃え尽き症候群の予防として効果的な2つ目の対策は、子どもと将来の話をすることです。

今どのようなことに興味があるのかという話から始め、将来の夢はなにか、どのような仕事につきたいのかなどといったことを、食事の時などにざっくばらんに話せるといいでしょう。

 

当然小学生ですから、すぐに明確な回答が出てくることはほとんどありません。だからといって、親から「例えばお医者さんとか、学校の先生とか‥‥」などと例を挙げるのはやめましょう。例を挙げてしまうと、子どもは何も考えずに安易にその例の中から回答してしまいます。できるだけ子ども自身の回答を待つようにしてください。

 

そしてその回答に対しては決して否定しないことが大事です。親からすると、こんな夢を持ってほしいとか、このように答えてほしいという希望はあります。しかし、今回は回答の内容ではなく、回答したこと自体を褒めて、将来の夢があることを喜んであげて下さい。そうすると、もっと本音のやりたいことをいろいろ話してくれるようになるかもしれません。

 

将来の夢やこうなりたいという話が出てくると、中学に入学したら、「こういうことも勉強したほうがいいかもね」などと今後に繋がる話もできるようになります。ポイントは、中学になってもまだまだたいへんだと思わせるのではなく、なんだかこれから楽しみだなと思わせるようにもっていくことです。

 

志望校に合格しても次の目標が見えれば、「燃え尽き症候群」になることを防ぐことができるでしょう

 

 

夢を聞くときの親のやってはいけないNG行為と理想の言葉 

 

お子さまに夢を聞いて、よくありがちなのが、「ユーチューバー」や「アイドル」になる、または「サッカー選手になりたい」などと言われた場合です。

 

明らかに夢物語だと思ったとしても、ここで頭ごなしに否定したり怒ったりしてはいけません

 

 

 

 

自分で夢を聞いておいて、これは酷いですよね。子どもは大真面目に言っているのに…。

しかし、これは意外とよく言ってしまいがちなので気をつけてくださいね。

それでは、どのように言ったらいいでしょうか。

 

 

 

 

まずは子どもの夢を真面目に聞いて受け容れ、その上でいろいろな選択肢があることを伝えて、いっしょに考えてあげるというようなスタンスがいいでしょう。

 

 

4. 予防法③もしも不合格だったら?万が一を考える

 

当然ですが、受験は全員が合格できるものではありません。不合格になる場合もあります。

直前になると話しにくくなりますので、今のうちに万が一のときの話もしておきましょう。

 

たとえ不合格になったとしても、その夢やなりたいことへ向かう道が閉ざされたわけではなく、さまざまな方法でその夢へと向かうことができるということもよく伝えておきましょう。

 

中学受験というのは大人になるまでのワンステップにすぎないので、決してそれによって何もかもが決まるわけではありません。いくらでも巻き返しができますし、また中学受験で浪人するということはありません。だから気楽に楽しんで受験に臨めばいいということを明るくそして冷静に話し合っておきましょう。

 

これらをまとめると、以下のようになります。

 

・中学受験は大人になるまでのワンステップにすぎない

・中学受験で何もかもが決まるわけではない

・たとえ思う結果にならなくても、いくらでも巻き返しができる

・中学浪人はない!

・中学受験は楽しんでやれた者勝ち!

 

 

5. 燃え尽き症候群は子どもだけじゃない!親も要注意

 

 

 

 

実は中学受験における燃え尽き症候群は、子どもだけでなく、親もなってしまうことが少なくないと言われています。

 

中学受験は親子の受験とも言われています。受験の間は親も子どもの体調管理から、塾の送迎、お弁当作り、スケジュール調整まで忙しく関わり、まさに一心同体です。常に一生懸命で、アドレナリンも出続けているような状況が受験期間中ずっと続きます。当然心身ともに疲弊することでしょう。

 

受験直前になると、合否の心配はもちろん、いついつまでに併願校の選定、願書の提出なども必要になり、さらに多忙を極めます。また、受験当日は何時に起きて、何時の電車に乗ってということを繰り返し確認するなど気が休まる暇もありません

 

受験が終わるまでこのような張り詰めた日々が続くので、いつの間にか親も自分が受験しているような錯覚に陥ります。子どもが見事合格すると、親のほうがその安心感で燃え尽きてしまったり、志望校に合格できなかったことで受験生の本人以上に落ち込んでしまったりという例が多々あります。

 

親が燃え尽き症候群になってしまうと、子どももつられてしまい、親子で燃え尽き症候群からなかなか抜け出すことができず、いつまでも回復できなくなってしまうこともあります。

 

前章の「万が一を考える」を親子でよく話し合う必要性はここにあります。「中学受験がゴールではなく、ワンステップにすぎない」ことは、子どもに言い聞かせているようで、実は親自身にも言い聞かせているのです。

 

 

6. まとめ~親子で意思の共有を!

 

今回は燃え尽き症候群にならないために、受験前の今、親子で話し合う必要性をお話ししました。話し合うといっても、「今から大事な話をするから、前にすわりなさい」のように硬くなるのではなく、何気ない会話の中から「将来の話」や、「中学受験は通過点だよ」という話になることが理想です。

 

親も子ども以上に受験に対してヒートアップしないように、自分にも言い聞かせるつもりで、子どもに話しながらその内容を再確認するようにしてください。

 

親が第一志望校合格一辺倒で視野が狭くなっていると、子どもはそのプレッシャーに押しつぶされそうになります。「中学受験が全てではない」と親が本心で言ってくれると、気持ちが楽になり、残り数か月のラストスパートも変な力が抜けて好転するかもしれませんよ。

 

今のこの時期に、ぜひ親子で意思の共有をするようにしてくださいね。

また、受験のことで何か悩みや不安を感じたら、残りの数か月だけでもプロの家庭教師に相談してみるといいでしょう!

 

 

 

 

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管理栄養士
浅田ゆうき先生

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