「ケアレスミス」に悩む受験生は多いと思います。なぜつまらないミスをしてしまうのか、どうやったらなくすことができるのか、徹底解説いたします!
CONTENTS:
1. 実はとても危険!軽く見られがちなケアレスミスに要注意!
ケアレスミスをしないことより、ミスを見つけて正すことが大事!
1. 実はとても危険!軽く見られがちなケアレスミスに要注意!
うちの子はケアレスミスが多いは危険!
よく「うちの子はケアレスミスが多くて困る」という話を耳にします。本当に困って言われているようにも見えますが、どこか危機感が薄いようにも感じられてしまいます。
そこには、「うちの子は本当はちゃんとできるのに、緊張でついうっかりミスしただけなのよ」という思いが透けて見えるからです。これは「うちの子は本当は勉強すればできる」という発言によく似ています。しかし「勉強することができることこそが本当のできる」ということに気づいていません。
同様に、本来はできるけど「緊張でうっかり」は非常に危険です。なぜなら本番のほうが受験独特の雰囲気があってもっと緊張します。模試や塾内の小テストで「うっかり」しているようでは、本番はどうなってしまうのかとても心配です。
わかっていてもいなくて失点は失点!
実はこの「ケアレスミスが多くて…」のような考えが、たいへんな問題であることに気づいていない人が多いのが現状です。
試験の問題がぜんぜんわからなくて飛ばして空欄のまま失点しても、わかっていてさんざん計算して時間をかけたのに計算ミスをして失点しても、同じ失点です(採点が解答のみの場合)。むしろ飛ばして失点したほうが時間を有効に使えるのでいいとさえいえます。
残念ながらテスト直しでも、ケアレスミスの場合には「これは単純な計算ミスだからいいや」と、きちんとやり直さないままスルーしてしまう受験生が多くいます。
合否は無情に決まります。1点でも多く点数を取りにいくのが受験ですから、「ミスで失点するなど言語道断!」と思ってほしいです。
「つい」や「うっかり」、「ちょっとした」ミスだからいいのではないのです。それをそのままにしていると、いつまでもミスは減りません。志望校に合格したいのなら、本番にどれだけミスをしないかにかかっているといってもいいでしょう。
そこで今回は、どうしてケアレスミスを起こしてしまうのか、またどうすればミスをなくせる(少なくとも減らせる)のか、ケアレスミスについて厳しめに解説していきます。
2. ケアレスミスより大事なこと!~ミスを起こす7つの要因
ミスをすることよりもそのままにすることが問題!
ケアレスミスはすべてなくすに越したことはありませんが、人間ですから100%なくすのは不可能に近いです。大人でも大事な仕事でミスを起こしてしまうことがあります。
ここで大事なことは、「ミスをすることよりも、そのままにすることが悪い」ということです。ミスしてしまうのは仕方ないのですが、「ミスだからいいか」とそのまま直さず放置してしまうことが大問題です。
ケアレスミスをしないことより、ミスを見つけて正すことが大事!
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ということをしっかり覚えておきましょう。
なぜケアレスミスは起こるのか。ケアレスミス7つの要因
ケアレスミス、いわゆる不注意ミスにはいろいろな要因があります。それはケアレスミスの種類によっても違います。ここでは7つの種類(要因)をご紹介します。
誰しも一度はいずれかのミスをしたことがあることと思います。また、お子さまの答案を見返して、どれに当てはまるか分析してみてくださいね。
- 問題文の指示の読み落としミス
- 誤字ミス
- 単位ミス
- 字が雑なことによるミス
- 時間配分ミス
- 解答欄ミス
- 計算ミス
次にそれぞれ詳しくみていきましょう。
3. 問題文の指示読み落としミス
実際の試験では、解答方法について条件のようなことが書かれていることが多々あります。国語や社会科などで「漢字で答えなさい」「ひらがなで答えなさい」「〇文字以内で答えなさい」などと指示される問題を何度も見たことがあると思います。
問題文を途中まで読んで、わかったと本来なら漢字で書かなければならない所をひらがなで書いて×になってしまったり、またその逆にひらがなでいいのに漢字で書いて、漢字が間違っていて×になってしまったりするケースをよく見かけます。
当然ですが、問題の条件を満たしていなければ、×(失点)となります。もったいないですよね。
算数でAとBという二つの数字を求めて最後に「その和と差を求めなさい」と書いてあるのに、AとBの数字が求まったので、そのままAとBの数字を書いてしまい×になった受験生もいました。慌てて最後まで問題文の指示を読まずに回答している典型例です。
また、算数や理科の計算問題では「答えは四捨五入で小数点以下1位まで」とか「分数で(小数で)答えなさい」などといった答え方の条件が書かれていることもあります。この見落としも多く、当然条件を満たしていない解答は失点となります。
ミス予防対策としては、問題文や解答の指示を読むときに、重要なワードに線を引いたり、〇を付けたりするクセをつけておくといいでしょう。
4. 誤字ミス
前述の「3.問題文の指示を読み落としている」にも通じるのですが、誤字によるミスもやはり国語や社会科でよく見るケアレスミスです。
中でももったいないのは、読解問題の「本文から抜き出して答えなさい」という問題で、抜き出す箇所は間違っていないのに、写し間違いをして漢字を間違うという解答もあります。本文をそのまま写すだけなのに本当にもったいないですよね。
また、前述もしましたが、ひらがな表記でもいいのに頑張って漢字で書いたために、漢字を間違えて失点してしまうというケースもよくあります。代表的な例は、理科の電流の単元の
「直列つなぎとへい列つなぎ」の問題です。「へい列つなぎ」を「平列つなぎ」と誤った漢字で書いてしまう受験生が少なくありません。正しくは「並列つなぎ」ですので、もちろん失点となります。
正しく書けるのであれば漢字で書くのもいいことですが、漢字指定がなく、自信がないのならあえて漢字で書く必要はないでしょう
5. 単位ミス
特によく算数で見られるミスです。あらかじめ解答欄に単位が書かれていたらいいのですが、単位まで自分で書かなければならない時は要注意です。
まず単位の書き忘れに注意しなければなりません。単位が無ければ失点となります。
また、面積なのに「㎥(立法メートル)」と書いたり、逆に体積なのに「㎡(平方メートル)」と書いたりしてしまうケースもありあます。数値が正しくても単位が違うので失点となります。
問題文では、終始「m(メートル)」と表記されていたのに、解答だけ「㎝(センチメートル)」と違う単位で答えさせるひっかけ的な問題が出題されることもよくあります。単に算数力だけでなく注意力も問われている試験ともいえるでしょう。
6. 字が雑なことによるミス
①算数の計算時によく起こるミス
比較的男の子に多いのが、字が雑で読めないことによるケアレスミスです。算数などの途中式で求めた数字を解答欄に転記ミスするということもよく見かけます。
それには原因があり、急いで雑に書いた数字が0か6かで見間違えたり、5と6を見間違えたり、自分の字を見間違えてしまうことがよくあるのです。このタイプは、何度でも同じようなミスを繰り返すのでしっかりとしたトレーニングが必要です。
ふだんから字を丁寧に早く書くトレーニングを行いましょう。また、字が雑な受験生は往々にして問題用紙などの余白を使って行う「計算用紙(余白)の使い方が下手」という特徴があります。
途中の計算式を見せてもらうと、同じ問題の計算なのに、問題用紙の余白の左上や右下などあちらこちらで計算をしている形跡がありました。これでは途中で間違いに気づいても、見直すことができません。結局1からやり直しになり余計に時間がかかります。
日々のトレーニングで、1つの問題についての計算スペースは1か所にまとめるクセをつけましょう。見直しがしやすくミスも減ります。もちろん丁寧に早く読める字で書くことも同時に行うようにしてください。
②選択問題での記号誤字
選択肢の問題でよくあるのが、ア~エの4択の中から1つ記号で答えるだけなのに、アかイのどちらとも判別がつかないような字を書いてしまう受験生がいます。
この場合答えがアであってもイであっても不正解になります。正解が「ア」だったとして、「自分はアと書いたのに×だった。採点ミスだ。」といって、不満げに答案用紙を持ってくる生徒がいますが、この「あいまいな字」を正解としてしまうと、本番で痛い目を見ることになるので塾などでもこのような解答はあえて厳しく採点されます。
自分では読めると思った字が他人には読めないこともあります。一度親御さまが客観的な目でチェックしてあげるといいでしょう。模試などの成績表だけを見るのではなく、答案用紙もしっかり見てあげてください。何で失点しているのか、もし判読不能な字を書いているようなら、正しい字を書くようトレーニングさせる必要があるでしょう。
7. 時間配分ミス
試験では、教室の前方に「1.算数10:00~10:50」などと試験時間が掲示されているのが普通です。それを見れば時間を間違うわけはないのですが、勝手な思い込みで終了は11時だと試験時間を10分長く考えてしまい、試験の途中で実は10分短いことに気がついて慌ててしまう、などというミスも案外見られます。
普通に取り組めば解ける問題なのに、最後時間配分を間違えて足りなくなってしまい、慌てて間違えてしまうというミスもあります。
時間を計りながら過去問で演習したり、前日や当日に改めて時間を確認したりするなど、本番で慌てないようしっかり準備をしておきましょう。
8. 解答欄記入ミス
よくある解答欄の記入ミスの1つとして、単純に答えを1つずつズレて解答欄に記入してしまい、試験の途中で気づいて慌ててぜんぶ書き直し、時間が足りなくなってしまうというケースです。もちろん、解答がすべて正解でも、すべてズレて違う解答欄に書いていたら、すべて間違いになることは言うまでもありません。
また、算数でAとBのそれぞれの個数を答える問題で、計算は正しくできてもAとBを逆に書いてしまうというミスもよく見られます。例えば、表面積と体積を求める問題で、解答欄に表面積と書かれているほうに体積の数値を書いてしまい、体積に表面積の数値を書いてしまうというミスです。
理科でも、星座の名前とその星座の一等星の名前を解答欄に逆に書くといったミスもよくあります。
これも日ごろから過去問演習を行う際に、1つ1つ解答欄を確認しながら解いていくクセをつけるトレーニングを行っておくといいでしょう。
9. 計算ミス
答案が返ってきて自分でも驚くような計算ミスを行ってしまうことがあります。算数の途中式で「8÷2=6」としていたり、「10×2=12」として計算していたりといった、通常ではありえないミスをしていることがあります。
それだけ試験は特別な雰囲気で、ふだん家や塾で落ち着いて学習しているのとは、頭の回転も気持ちの面でも違うものです。受験というのは、そのような中で難しい問題を解かなくてはいけないことを理解しておきましょう。
模試を数多く受けることを勧められるのは、このような緊張感のある雰囲気の中で問題を解くことに慣れるためでもあり、大きな目的の1つとなっています。
計算ミスは誰にでもある最も多いミスです。冒頭で述べたように、100%なくすことは難しいかもしれませんが、なるべくなくすようにすることはできます。それには日ごろのトレーニングが大事です。ぜひ次の「計算ミスをなくすトレーニング法」を実践してみてくださいね。
10.計算ミスをなくすトレーニング法5つのステップ
計算ミスをなくすのに有効なトレーニング法をご紹介します。次の5つのステップを毎日行ってください。できましたら親御さまがいっしょにチェックしてあげられるとより効果的です。時間を計ったり、答え合わせをしたりするのはぜひ親御さまがサポートしてあげてください。
①毎日5分~問題を解く
毎日計算問題を3~5題と文章題を1題、計5~10分くらいで終わる量をできるだけスピードを上げて解きましょう。
計算や筆算などもノートにできるだけ早く読める字で書くことを意識します。また文章題は問題文の必要箇所に線を引いたり、単位などに〇を付けたりすることも忘れないようにしましょう。
解き終わったら、その時間も記入しておきます。
②5分間の見直し
全部解き終わったら、すぐに答え合わせをしたくなりますが、そこは我慢し、まずは集中して見直し(検算)をするようにしてください。
もう一度解き直しするだけでなく、解答から逆に検算するやり方もおすすめします。見直しが早く終わっても5分間は必ず検算に使いきってください。
③答え合わせ
できれば親御さまが答え合わせをし、あえて答えは言わず、〇と×だけを付けて本人に返しましょう。本人が行う場合も、×だけを付け正解を書かないようにしてください。
④間違い探し
間違った問題はすぐに解き直すのではなく、まずどこが間違ったのか途中式を見て、その原因を発見しましょう。やり方がわかっていなかったのか、単純な計算ミスか、字が読めなかったのか、転記ミスなのか、自分で原因を把握することが大切です。
⑤解き直し
④で原因がわかったら、1回目よりも早く、字もより丁寧に書くように意識しながら解き直しをします。それでまた間違えてしまったら、正解の数字を書いて、なぜその数字になるのかを考え、できるまで何度でも繰り返しましょう。
11.まとめ~今日から行うケアレスミス対策
人の振り見て我が振り直せ!
これまでご紹介してきたケアレスミスを読んで、「そんなミスはしない」というものもあれば、「あるある、それ自分にもよくある」というものもあったかもしれません。
これらのミスをしたことがある人は、自分がどのケアレスミスをしてしまいがちなのかを知り、これからはふだんから意識してミスをしないよう心がけるようにしましょう。
ミスなんて自分には関係ないと思った人も、現にケアレスミスによる失点がたいへん多い現実があることを理解し、ミスをしないように再度自分自身を厳しく見つめて下さい。「人の振り見て我が振り直せ」です。
ケアレスミスを軽視してはいけない!
実際の入学試験では、1点、2点で合否が変わります。たったの1点、2点、それもちょっとしたうっかりミスで合格できなかったとなれば悔やむに悔めません。
そのためにも、今回これを最後まで読んだ受験生はラッキーだと思い、これから入試に向けて、ケアレスミスをなくすトレーニングをぜひ行ってください。
繰り返しになりますが、
「ケアレスミスは、ちょっとした不注意で失点しただけ」と軽視していいミスではありません。「失点は失点」です!
また、なかなかケアレスミスがなくならない、その他受験のことで何か悩みや不安がある場合は、思い切って残りの数か月だけでもプロの家庭教師に相談してみましょう。そのままにしているとズルズルと時間だけが無駄にすぎてしまいます。大事なラストスパートは専門家に任せ、本格的にケアレスミス対策をするのも1つの手ですよ!
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