年末が近づき、いよいよ受験本番!こんな時期だからこそ、親御さまに考えて欲しい「受験後」のことについて、実際にあったAくんの「実話」を交えて詳しくお伝えいたします!
CONTENTS:
1. 受験後のイメージはできていますか?
いよいよこれから中学受験が始まりますが、「受験後のイメージ」はできていますでしょうか。このように問うと、「これから受験でどうなるかもわからないのに、受験後のことまで考えられるわけない!」とお叱りをうけるかもしれません。
もちろん、受験生本人には無理な話です。むしろ、受験本番に専念してもらいたいところです。だからこそ、親御さまに今のうちから心の準備だけでもしていただきたいのが、受験後のことです。
実は、中学受験は早い人では年内に終わってしまいます。どんなに遅くても2月の上旬には皆どこかの中学に入学することが決まるでしょう。
4月に入学するまでの間、約2~3か月の期間があります。けっこう長いですよね。この期間をどう過ごすかで、中学のスタートが変わり、高校生活や大学受験まで響く可能性があります。
「受験が終わってから考えればいい」では遅いことも多々あり、後悔しないためにも、ぜひ今のうちから考えておくことを強くおすすめします。
2. 受験後に絶対やめてはいけない〇〇とは?
長く苦しかった受験が終われば、誰もが解放的な気分になり、思いきり遊びたくなるでしょう。それはもちろん思いきり好きなことに興じていいのですが、1つだけ継続してもらいたいことがあります。
それは、せっかく身についた「学習習慣」です。できれば毎日1時間、あるいは30分、15分でもかまいません。これまで通り机に向かって、少しでも毎日学習を続けてください。
それさえできていれば、家族旅行や友人と遊びに出かけたり、のんびり自分時間を楽しんだり、思いきり好きな遊びを楽しんでください。それもたいへん有益で大切なことです。
ただし、これまで培った学習を中心とした生活スタイルやリズムを大きく崩さないように注意してください。くれぐれも学習時間ゼロで、昼夜の区別なく、ダラダラとスマホやゲームだけして1日が終わってしまうようなことがないよう注意してくださいね。
ここで、受験時優等生だったAくんの実際にあった話をご紹介します。
3. 実際にあった優等生Aくんの話
中学受験のため、大手進学塾に通っていたAくん。Aくんは小学校ではもちろん、塾でもトップクラスの成績でした。
そのAくんには、小学校は違いますが、仲のいいBくんという塾仲間がいました。2人の志望校は同じ難関私立中高一貫校。BくんはAくんより下のクラスで、公開テストなどでもAくんに勝てたことはありませんでした。
結果、Aくんは比較的余裕を持って合格、Bくんも何とかギリギリで合格し、2人は晴れて同じ難関中学校に通うようになりました。
余裕で合格できたと思っていたAくんは、入学後の成績にも自信があったため、受験が終わってからはほとんど勉強らしい勉強をしていませんでした。一方Bくんは、ギリギリで合格したと思っていたので、中学で落ちこぼれになるかもしれないと思い、受験後も続けて毎日勉強をしていました。
中学に入学すると中間テスト、期末テストといったテストが定期的にあります。中学入学直後の1学期の中間テストこそAくんの方がBくんよりも席次が上でしたが、その差は明らかに縮まっていました。
そして、1学期の期末試験ではBくんの席次がAくんより上になり、ついにAくんは逆転されました。焦ったAくんは、慌てて勉強をするようにはなったのですが、この上下関係は高校を卒業するまで変わらなかったそうです。
一度まったく勉強しないようになると、また勉強をし始めるのにはたいへんなパワーが必要になります。無理をしてしまうとすぐに疲れてしまい、またやる気が失せるという繰り返しで、なかなかBくんに追いつくことができませんでした。まるで童話の「ウサギとカメ」みたいな話ですよね。
4. 小学校の成績は中学とは関係ない!
前述「3」でお伝えしたAくんのお話は、危機感を煽ったり、希望を持たせたりということではなく、事実をそのままお伝えしています。
ちなみに、その後Aくんは難関国立大の理系学部に進学し、Bくんは超難関国立大の医学部に進学しました。どちらもすばらしい優秀な結果ですが、小学生のときに、この結果を誰が予測できたでしょうか。
極端に言うと、中学に入ってからは、小学校の成績は全く関係ないのです。小学校でトップだった生徒が、中学では下位層から抜け出せず、小学校の時にトップクラスでちやほやされていただけに余計に耐え切れず、結局ドロップアウトしてしまうという話を毎年耳にします。
Aくんのケースの場合、すべてが受験後に勉強しなかったことが原因だとは言いませんが、少なくともAくんがBくん同様、受験後から学習習慣を絶やさず、多少なりとも学習を続けていたら、違った結果になっていたかもしれません。
とくに難関中学校に進学した場合、周囲も皆いわゆる地頭もよく、その上学習熱心な生徒ばかりが集まっています。恐らく、受験後も何も学習しないという生徒は少なく、それなりに先取り学習をしているものと思ったほうがいいでしょう。
そう思ったら、入学前の貴重なこの期間に何もしないという選択肢はありえないですよね。なぜ今から「受験後のことも考えましょう」と強くお伝えしているのか、少しおわかりいただけたのではないでしょうか。
5. 中学入学前にやっておきたい、5つの英語先取り学習
前述の「2」で、せっかく身についた学習習慣をなくさないようにと述べましたが、何を学習したらいいのかをお伝えします。
まずは英語です。英語は、基本的に中学からのスタートでも間に合いますが、最近では大学受験で民間資格利用があることなどから、幼児や小学校の低学年から英語を学ぶ児童が増えています。
また、小学校によって英語学習力に差もあることから、事前に少しでも先取り学習をしておくことをおすすめします。
中1の最初の英語で遅れると「英語はできない。苦手」と本人に苦手意識が芽生えてしまい、後々まで悪影響を及ぼす可能性があります。
うちの子は「理系だから英語は苦手でもいい」という考えは、たいへん危険です!英語は文系でも理系でも必須科目。大学受験はもちろん、進学した後の大学での授業や就職活動にも大きく影響する場合が多いので、できるだけ苦手意識を持たせないようにしてあげてください。
具体的にやっておきたい英語先取り学習は次の5つです。
① ラジオなどで耳を英語に慣らしておく
② アルファベットを書けるようにしておく
③ 教科書・問題集を予習する
④ 簡単な単語が読める・言える
⑤ 親子で簡単な英会話を行う
上記①~⑤まで、合格後から毎日、できる範囲でいいので、何かしら英語にふれておくようにしましょう。それも受験勉強のように血眼になって頑張る必要はありません。ゆったりとした気持ちで、少しずつでいいので学習を継続していけたらいいですね。
少なくとも上記①~③までの学習をやっておくのとまったくやっておかないのとでは、英語の授業への入り方がぜんぜん違ってきます。受験のような「勉強」というより、新しいジャンルにチャレンジする気持ちで、楽しみながら学ぶといいでしょう。
また、同様に数学も中学に入ると、負の数や方程式などが出てきて、学習の概念がガラッと変わります。塾などでも先取り学習を指導したりしていますので、春休みの間だけでも引き続き通塾したり家庭教師に指導してもらったりでもいいでしょう。
他に入学までの間にやっておきたい学習として、この機会に英検や漢検、数検などの資格試験に挑戦するのもおすすめです。そう考えると、長い休みのようでもあっという間ですよ!中学入学が楽しみになるよう、ぜひ先取り学習も楽しんで行ってくださいね。
6. まとめ~受験に関する悩み
今回は中学受験後について、今のうちから親御さまが知っておいたほうがいいことと、学習習慣継続の重要性、とくに英語を中心とした先取り学習についてお伝えしました。
しかし、まずは受験が終わらないとそれどころではないというのが本音かと思います。もちろん今は目前の試験に集中することが何より大切です。
受験が終わってから、そういえば「こんなブログもあったな」と思い出していただくので十分です。頭の片隅に残しておいてくださいね。
今の時期は誰でも不安や焦りを感じやすい頃かと思います。受験後のことはもちろん、受験に関するお悩みがあれば、抱え込まずにプロにご相談ください。
お子さまに見合った最良のプログラムをいっしょに考えていきましょう!
受験に関する不安を解消!
中学受験のプロが個人に合った学習指導を行います。