【最新版】四天王寺中合格への道!2024年入試からみる2025年の対策

  • 2024.05.22
  • 受験情報

 

 

 

2024年の中学入試から、今回は大阪府の女子中最難関、四天王寺中について振り返ります。今年度の受験データを細かく分析各科目の傾向やポイント、2025年の対策等について徹底解説いたします!

 

 

CONTENTS:

 

1.四天王寺中入試の特徴

 

2.四天王寺中のコース制度について

従来のコースと課題

 

3.2024年の入試データ

 

4.四天王寺中志願者の受験日程パターン

 

5.大手塾別合格者数

 

6.科目別成績データ

 

7.2024年度入試からみる科目別の傾向と対策

国語

算数

理科

社会

 

8.まとめ~四天王寺合格への道~

 

 

1.四天王寺中入試の特徴

 

四天王寺中の入試は、国語・算数・理科・社会の4教科型、または国語・算数・理科の3教科型のどちらかを出願時に選択して受験します。

試験時間と配点は国語と算数が各60分120点、理科と社会は各40分80点の合計400点満点で、得点の計算方法は以下の通りです。

 

<3教科型> 評価点

・国語・算数・理科の合計点×1.25

 

<4教科型> 評価点=下記①~③のうち最も高得点の点数

① 国語・算数・理科・社会の合計点

② 国語・算数・理科の合計点×1.25

③ 国語・算数・社会の合計点×1.25

(※医志コースは①または②の高得点で評価)

 

 

2.四天王寺中のコース制度について

 

■従来のコースと課題

 

2021年度から新しく変更となったコース制。最上位の「医志コース」と「英数Sコース」が同列にあり、その下に「英数コース」があります。

 

医志コース受験者や英数Sコース受験者は、合格点に達していなくても、英数コースの基準点に達していれば廻し合格することも可能です。

 

医志コースと英数Sコースは同列ではありますが、例年合格者最低点は、医志コースのほうが英数Sコースよりやや高い傾向にあります。今年も医志コースの合格者最低点は301点で、英数Sコースは298点でした。わずか3点差ですので、その差は年々縮まっているといっていいでしょう。

 

また、合格後に入学が必須の「英数コース専願」は、併願の合格者最低点より毎年20点近く低いので、四天王寺中に入学したい気持ちが強いのであれば、専願で受験することをおすすめします。

 

 

◆医志コース(募集定員:約40名)

ハイレベル「学びの質と量」で、国内外の最難関医歯薬学系大学・学部を目指すコース。

 

 

◆英数Sコース(募集定員:約40名)

医志と同等レベルの最難関国公立大学の文系・理系、及び海外の大学を目指すコース。

 

 

◆英数コース(募集定員:約170名)

最難関国公立大学文系・理系への進学を目指すコース。

 

上記3コースの他に、世界を目標に見据えたアスリート&アーティストを目指すコース「文化・スポーツコース(募集定員:約20名)」があります。他コースとは異なり、難関国公立・私立大学進学を目指すコースではありません。

 

 

3.2024年の入試データ

(前年比)<人>

 

募集

人員

志願者数

受験者数

合格者数

実質倍率

医志コース

40

155(±0)

153(+6)

83(+1)

1.84

(+0.05)

英数Sコース

40

122(+2)

121(+11)

60(-1)

2.02

(+0.22)

英数コース(併願)

170

11(-4)

9(-4)

3(-3)*

 

英数コース(専願)

 

370(-31)

361(-31)

200(-8)

 

合  計

250

658(-33

644(-18)

439(+8)

1.47

(-0.07)

(※文化・スポーツコースは除きます。)

*英数コース(併願)の合格者は、3名のほか、医志コース受験からの廻し合格者が49名、英数Sコースからの廻し合格者から44名の計93名が追加されています。

 

 

2024年四天王寺中入試の受験者数は、全体的にやや減少したものの、四天王寺の看板コースである医志コースと英数Sコースはやや増加しています。ここ数年医志コースの志願者・受験者が減少傾向にありましたが、今年は留まりました。

 

昨年大きく増加した英数コースの専願受験者は、今年やや減少しましたが、やはり受験者数は多く四天王寺中の人気が高いことがよくわかります。

 

 

4.四天王寺中志願者の受験日程パターン

 

四天王寺中の受験日程パターンとしては、受験コースによってやや偏差値に差があるため、併願校も志望コースよって変わってきますが、概ね下記のような受験パターンとなっています。

 

前受け校

・愛光(愛媛)・岡山(岡山)・岡山白陵(岡山)

1日目

1/13(土)

2日目

1/14(日)

3日目以降

1/15(月)

<午前>

・四天王寺(大阪)

 

<午後>

・帝塚山1B(奈良)

・大谷1B(京都)

・金蘭千里中期(大阪)

<午前>

・清風南海A(大阪)

・帝塚山2A(奈良)

・金蘭千里後期(大阪)

・神戸海星B(兵庫)

・大阪桐蔭(大阪)

<午後>

・西大和(奈良)

・高槻B(大阪)

・大谷1C(京都)

・洛南高附属(京都)

・大阪桐蔭(大阪)

・京都女子(京都)

 

【4日目以降(1/16~)】

・清風南海B(大阪)

・大阪桐蔭L(大阪)

・開明2(大阪)

・関西学院(兵庫)

・甲南女子B(兵庫)

 

 

まず統一入試日前に前受け受験として愛光岡山白陵岡山中を受験し、統一入試日初日午前に本命の四天王寺中に臨み、午後にも受験するなら、帝塚山大谷金蘭千里雲雀丘などとなります。

 

2日目は午前に清風南海A帝塚山金蘭千里神戸海星大阪桐蔭などを受験、午後は西大和高槻大谷などを受験するパターンが多いようです。

 

四天王寺中の掲示による合格発表は3日目の午前中、Webによる発表が午後にあるので、3日目までは受験が続きます。3日目は、洛南高附帝塚山大阪桐蔭京都女子などとなり、合否の結果次第で、4日目以降に清風南海大阪桐蔭開明関西学院甲南女子などが考えられるでしょう。

 

 

5.大手塾別合格者数

 

関西大手進学塾の2024年度四天王寺中合格者数は多い順に下記の通りでした。

 (前年比)<人>

浜学園

馬渕教室

能開センター

日能研

108(-10)

102(+13)

80(+2)

60(+6)

希学園

進学館

SAPIX

第一ゼミナール

49(-1)

10(+1)

7(-1)

3(±0)

 

 

2024年の合格者数は、昨年に続き増加しました。昨年は23名の増加、今年は8名の増加となりました。今年も多くの合格者を出したトップの浜学園ですが、昨年に比べると10名の減少となっています。

 

昨年2位だった馬渕教室は、今年さらに合格者数が増加して浜学園に迫る勢いを見せています。昨年3位だった能開センターも2年連続で合格者数が増加したので、上位3塾の差が大きく縮まっています。

 

4位の日能研の合格者数は毎年50~60名前後、5位の希学園も50名前後で安定しています。

 

 

6.科目別成績データ

 

四天王寺中合格者の各教科の平均点と受験者平均点との差を表したものが下記の表です。

(前年比)<点>

 

受験者平均

合格者平均

合格者平均との差

合格者最高点

国   語

81(+10)

86(+7)

5(-3)

107(-8)

算   数

80(+3)

91(+4)

11(+1)

120(±0)

理   科

44(-4)

49(-2)

5(+2)

80(+7)

社   会

56(-6)

59(-6)

3(±0)

77(-1)

合   計

269(+8)

293(+7)

24(-1)

377(-5)

(※国語、算数は各120点、理科、社会は各80点の400点満点)

 

 

四天王寺中の入試は、昨年も大きく易化しましたが、今年は算数と国語を中心にさらに易化しました。算数と国語はここ数年で見ても最も受験者平均点、合格者平均点が高く、逆に理科はここ数年で見ても難度の高い試験となりました。

 

 

7.2024年度入試からみる科目別の傾向と対策

 

今年度の四天王寺中入試を参考に、教科ごとの傾向と対策をご紹介します!

 

◆国語

 

 

 

 

【試験時間・配点と構成】

今年も例年通り60分120点満点の試験で、大問3題構成でした。問題用紙はA4の縦開き冊子形式(開いたらA3)で、昨年同様11ページでした。ボリューム感があり、空白が少なく文字で埋め尽くされているような問題用紙です。

 

大問3題は、説明文物語文、随筆という3題構成、または説明文2題と物語文1題の3題構成となっていて、漢字や語句などの知識問題は、各読解問題の小問の中に含まれています。

 

 

【難易度】

四天王寺中の2024年国語入試は、昨年に比べ大幅に易化し、3年連続の易化となりました。今年の合格者平均点も、得点率が70%以上とかなりのハイスコア勝負となり、ミスの許されない試験だったともいえます。

 

ここ数年漢字や知識問題も平易な問題が多く確実に得点にしなければならない問題になっています。

 

 

【傾向と対策】

長文読解問題3題と、多くの文字数を読まされる試験なので、読解スピードが要求されます。漢字や語句などの知識問題は、さほど難易度が高いわけではないので、時間をかけずに確実に得点していく必要があります。

 

四天王寺中の国語入試の特徴として、例年抜出問題が多いことがあげられます。今年も抜出解答が多く出題されましたが、解答となる抜出箇所が比較的見つけやすかったことも、平均点を上げた一因かと思われます。

 

記述解答は今年も5題出題されましたが、他の難関校のように80字や100字などといった長文記述はなく、長くても40字以内の短文記述でした。文字数が少ないから簡単というわけではなく、短く端的にまとめる力が必要です。演習を重ねるなど、しっかり対策しておきましょう。

 

 

 

◆算数

 

 

 

 

【試験時間・配点と構成】

60分120点満点の試験で、問題用紙は例年通りA4横開きの冊子形式9ページでした。解答用紙は別にあり、式や解き方を書く欄はなく、解答のみを書く方式です。例年大問7題小問20問前後の構成です。

 

 

【難易度】

四天王寺中の2024年算数入試は、大幅に易化した昨年よりもさらに易化しました。合格者平均点が全コースを含めて91点(得点率75%以上)となり、医志コースや英数Sコースの合格者平均点が100点(得点率83.3%)を越えているのは間違いないでしょう。

 

 

【傾向と対策】

今年も大問7問構成で、大問1は計算問題から始まります。計算問題以外では「平面図形

立体図形」「速さ」「場合の数」の単元が頻出ですが、今年は珍しく「場合の数」の出

題がありませんでした。

 

また、大問6では「日歴算」の出題があり、これも例年にはなく、四天王寺中の入試ではあまり見たことがない出題でしたが、問題自体はさほど難しいものではありませんでした。

 

60分で約20問を解く試験です。今年度もそうですが、大問1の計算問題は一見式が長く面倒に見えますが、工夫をすればさほど時間をかけずに解くことができる問題です。

 

毎年大問の中にも平易な問題が多く含まれています。平易な問題で時間をかけすぎず、難問に時間を使えるように時間配分を考慮した演習をする必要があります。過去問などでしっかり対策しておきましょう。

 

ここ数年、四天王寺中の算数入試は易化が続いていますが、来年度はまた難化に転じる可能性が高いと思われますので、直近の易しい試験だけではなく、数年前の難度の高い過去問にもきちんと取り組んでおくようにしましょう。

 

 

 

◆理科

 

 

 

 

【試験時間・配点と構成】

40分80点満点の試験で、問題用紙はA4横開きの冊子形式で13ページとほぼ例年通り。大問4題構成物理・化学・生物・地学の各分野からほぼ均等に出題されるのも例年通りでした。小問数は直近3年、40問前後で安定しています。

 

 

【難易度】

四天王寺中の2024年理科入試は、3年連続の難化で例年と比較しても難度の高い試験でした。合格者平均点でも50点(得点率62.5%)にも達しなかったことからも、難度の高さがわかります。

 

今年はとくに化学の計算問題と物理の問題の難度が高く、平均点が下がった要因になったものと思われます。

 

四天王寺中の理科は4分野が均等に出題されるので、今回のように化学や物理の問題で手がつけられないと思ったら、それを飛ばして(捨てて)生物と地学で確実に点を取りにいくのも一つの手段だったと考えられます。

 

 

【傾向と対策】

40分という短い試験時間の中で、13ページもある問題を解かなければならないので、スピーディーに読み進める必要があります。問題数も多く、簡単な知識問題で不必要に時間を使いすぎないよう注意しましょう。

 

今年もそうですが、問題文が会話形式になっていて、その会話文から問題が出題されています。問題とは全く関係のない会話文も含まれるため、必ずしも全部丁寧に読まないといけないわけでもないのですが、会話の中にヒントが隠れていることもよくあります。過去問などで慣れておくようにしましょう。

 

また、今年も出題がありましたが、グラフを描かせたり、文章記述をさせたりする問題も毎年出題されていますので、しっかり対策しておきましょう。

 

四天王寺中の理科は、物理・化学・生物・地学の各分野からほぼ均等に出題されます。今年のように物理分野や化学分野の計算問題が難問だったら、生物や地学分野で確実に点数を取るといった、問題の取捨選択時間配分など、上手に点数を取る試験テクニックも必要となります。

 

苦手単元を作らないようにまんべんなく学習しておくと同時に、自分の得意な単元では確実に点数を取れるように訓練しておきましょう。

 

 

 

◆社会

 

 

 

 

【試験時間・配点と構成】

40分80点満点の試験で、問題用紙はA4横開きの冊子形式で昨年と同様の16ページでした。図や表、イラスト、写真などが多く使われていますので、さほど文字数を読まされることはなく、ページ数ほどのボリュームは感じないでしょう。

 

今年を含め例年大問4題構成で、歴史・地理・公民の各分野から出題があります。大問1が地理、大問2と大問3が歴史、大問4が公民分野です。各分野の問題数は、多い順に歴史>地理>公民となっています。

 

今年は記号選択が大幅に増え、ほぼ8割が記号選択問題でした。残りの2割は用語記述が数問と短文記述が1問でした。

 

 

【難易度】

四天王寺中の2024年社会入試は、昨年よりやや難化しましたが、昨年が比較的易しい試験でしたので、概ね例年並みの難易度でした。毎年、社会ではあまり差がつかず、今年も例年通り、受験者平均点と合格者平均点の差が3点前後でした。

 

 

【傾向と対策】

基本的な知識を問う問題が多く、深くまでは問われない傾向にありますが、さまざまな範囲から出題されるため、歴史・地理分野を中心に幅広く知識を入れておくようにしましょう。

 

公民分野では今年も「岸田内閣」などの時事問題が出題されました。時事問題においては一つの時事用語だけを取り上げるのではなく、それに関連するさまざまな出来事が出題されます。

 

日ごろから新聞やニュースで国内外の出来事に関心を持つようにし、家族の会話の中で話ができると試験勉強にも親子のコミュニケーションにもなり一石二鳥ですよ。

 

 

8.まとめ~四天王寺中合格への道~

 

 

 

 

四天王寺中は、2022年に100周年を迎えた歴史ある人気の女子校で、大阪府の最難関女子中学校と位置づけられています。2021年よりコース制も変わり、今後さらに医歯薬系理系はもちろん、最難関文系大学の進学率も上がってくることが期待されています。

 

総合進学セミナーには四天王寺中に特化して指導できる講師も多く在籍しています。毎年のように四天王寺中志望の受験生を指導しているため、入試傾向にも精通しています。お子さま1人ひとりの現状を踏まえ、入試までの限られた時間を無駄のない効率的な指導で合格を目指します

 

四天王寺中受験はもちろん、併願校の選定など、中学受験に関するお悩みなどがありましたら、お気軽にご相談ください。

 

 

 

 

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管理栄養士
浅田ゆうき先生

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