【最新版】洛星中合格への道!2024年入試からみる2025年の対策

  • 2024.05.31
  • 受験情報

 

 

 

2024年の中学入試から、今回は京都を代表する中高一貫の男子校、洛星中学校について振り返ります。今年度の受験データを細かく分析各科目の傾向やポイント、2025年の対策等について徹底解説いたします!

 

 

CONTENTS:

 

1.洛星中入試の特徴

 

2.2024年の入試データ

 

3.洛星中志願者の受験日程パターン

 

4.大手塾別合格者数

 

5.科目別成績2024データ

 

6.2024年度入試からみる科目別の傾向と対策

◆国語

◆算数

◆理科

◆社会

 

7.まとめ~洛星中合格への道~

 

 

1.洛星中入試の特徴

 

洛星中の入試は統一入試日の初日(今年は1/13)に前期入試、しばらく空いて6日目(今年は1/18)に後期入試があります。他の最難関校と違い、2回チャンスがあるわけですが、「前期入試」は洛星中学を第一志望に考えている受験生はもちろん、統一入試の3日目が受験日の洛南高附中の併願校として受験する受験生も多いようです。

 

「後期入試」には甲陽東大寺大阪星光など兵庫、奈良、大阪の最難関校の合否結果が出た後なので、これらの地域で思った結果が出なかった受験生が殺到します。前期募集が165名なのに対し後期募集は35名ですので、毎年かなりハイレベルな狭き門の戦いとなっています。

 

洛星中の受験は4教科型(国語・算数・理科・社会)か3教科型(国語・算数・理科)を事前に選択して出願します。出願後の変更はできず、他校によくあるような4教科と3教科とを比べて良い方を評価点とするアラカルト方式ではありません

 

【前期入試】

 

前期入試の試験時間と配点は、国語と算数が各60分120点、理科と社会は各50分100点の計440点満点で判定されます。3教科型は合計点(340点満点)を440点満点に換算して判定します。

 

【後期入試】

 

後期入試の試験時間と配点は、国語と算数が各70分120点満点、理科と社会は各40分80点満点合計400点満点で判定されます。前期同様に3教科型は合計点(320点満点)を400点に換算して判定します。

 

洛星中入試の大きな特徴は受験教科の順番です。洛星は理科、国語、算数、社会の順で試験が行われます。近畿圏でこのような順番の入試はあまりありません。

 

最初に行われる試験はやはり緊張しますので、1教科目の理科でうまくスタートできると2教科目以降もリズムがよくなります。洛星中志望者は特に理科が得意だと、気持ちよく受験できるでしょう。

 

 

2.2024年の入試データ

(前年比)<人>

前期

募集人員

165

種別

志願者数

受験者数

合格者数

実質倍率〈倍〉

3

118(-9)

109(-7)

56(+1)

1.95(-0.16)

4

353(+36)

346(+34)

189(-12)

1.83(+0.28)

合計

471(+27)

455(+27)

245(-11)

1.86(+0.19)

 

後期

募集人員

35

種別

志願者数

受験者数

合格者数

実質倍率〈倍〉

3

131(+6)

114(+4)

23(-5)

4.96(+1.03)

4

151(+28)

142(+26)

14(-11)

10.14(+5.50)

合計

282(+44)

256(+30)

37(-16)

6.92(+2.66)

 

 

今年は前期入試の募集人員が180名から165名に減少、後期入試も45名から35名に減少しました。逆に志願者数、受験者数は増加したので、実質倍率が上がりました。

 

アラカルト方式ではない洛星中は、年々3科受験が減少しています。理科より社会のほうが点数を取りやすいこと、またここ数年は理科の難化がとくに目立っていたことも要因のようです。

 

 

3.洛星中志願者の受験日程パターン

 

洛星中志願者の受験日程パターンを表したものが下記の表です。

 

前受け校

・愛光(愛媛) ・北嶺(北海道)

・岡山白陵(岡山) ・岡山(岡山)

1日目

1/13(土)

2日目

1/14(日)

3日目

1/15(月)

<午前>

・洛星前期(京都)

 

<午後>

・東山前期A(京都)

・明星前期(大阪)

<午前>

・東山前期B(京都)

・明星後期(大阪)

・立命館後期(京都)

 

<午後>

・高槻B(大阪)

 

・洛南高附属(京都)

・東大寺(奈良)

・帝塚山2B(奈良)

・同志社香里後期(大阪)

 

【4日目以降(1/16~)】

・東山後期(京都)

・洛星後期(京都)

 

 

洛星中を第一志望に考えている受験生の受験日程パターンとしては、統一入試日までに前受け校として、愛光北嶺岡山白陵岡山など受験し、統一入試日午前の洛星中入試に臨みます。その日に2校受験するのなら、午後は東山明星などが考えられるでしょう。

 

2日目の午前は東山明星立命館など、午後は高槻などのパターンが多いようです。洛星は2日目の夕方に前期入試の合格発表がありますので、ここで合格が決まれば終了です。

 

合格でなければ、3日目にチャレンジとして洛南高附東大寺を受験するか、やや手堅く帝塚山同志社香里などを受験、4日目以降東山など受験し、6日目洛星後期でリベンジを図ります。

 

 

4.大手塾別合格者数

 

関西大手進学塾の洛星中合格者数は多い順に下記の通りでした。

(前年比)<人>

浜学園

馬渕教室

成基学園

京進

93(+5)

77(-29)

41(-5)

20(+9)

日能研

希学園

能開センター

SAPIX

18(-5)

14(-13)

7(-1)

7(+1)

 

 

今年から募集人数が15名減少したことにより、合格者数も減少した塾が多く、特にここ数年100名以上の合格者数を出していた馬渕教室は29名も減少しました。逆に5名増加した浜学園が数年ぶりに首位に返り咲きました。

 

このような状況下で、昨年に比べ9名も増加し日能研や希学園よりも多くの合格者数を出した京進の飛躍が目立っています。

 

今年大きく減少した馬渕教室が来年度はリベンジを果たすのか、今年大きく飛躍した京進が来年度もこの勢いを維持するのかなど注目されます。

 

 

5.科目別成績2024年データ

 

洛星中は合格者平均点の公表をしていませんので、今年の受験者平均点得点率前年比を下記にご紹介いたします。

(前年比)<点>

【前期】 科目

受験者平均点

受験者平均点の得点率

理   科 

61.2(+1.5)

61.2

国   語 

63.4(-4.1)

52.8

算   数 

76.4(+10.2)

63.7

社   会 

69.3(-7.0)

69.3

※配点は国語と算数は各120点、理科と社会は各100点

 

【後期】 科目

受験者平均点

受験者平均点の得点率

理   科 

40.9(-9.9)

51.1

国   語 

67.0(+0.4)

55.8

算   数 

63.3(-13.3)

52.8

社   会 

49.9(-3.0)

62.4

※配点は国語と算数は各120点、理科と社会は各80点

 

 

洛星中2022年の理科は前期も後期もたいへん難度が高く、昨年はその反動で易化し例年並みに戻りました。今年は後期でまた難度が大きく上がりました

 

算数は前期の平均点が10点以上上がり、後期が10点以上下がりましたが、概ね2022年並みの難易度に戻りました。

 

他教科に比べると得点率は高い社会ですが、前期、後期ともに難化し、とくに後期は2年連続での難化となりました。

 

 

6.2024年度入試からみる科目別の傾向と対策

 

 

今年度の洛星中入試を参考に、前期入試を中心に来年度の教科ごとの傾向と対策をご紹介します!

 

 

◆国語

 

 

 

 

【試験時間・配点と構成】

 

洛星中の国語入試は、60分120点満点の試験で、問題用紙はB5の冊子形式、今年は17ページでした。今年も大問2題構成で、大問1が長文読解、大問2が漢字の書き取り問題なのも例年通りでした。

 

大問1の長文読解は毎年物語文で、近代文学からの出題が多く、今年は芥川龍之介の「鼻」でした。ちなみに昨年2023年は梶井基次郎の「夕凪橋の狸」、2022年は有島武郎の「一房の葡萄」、2021年は井伏鱒二の「山椒魚」、2020年は芥川龍之介の「トロッコ」でした。

 

大問1はたいへん多くの文字数を読むことになります。今年も問1は問題用紙10ページ目でようやく出てきました。文字数に圧倒されないよう、慣れておく必要があります。

 

 

【難易度】

 

洛星中2024年国語入試は、ここ数年でも最も受験者平均点が低く、難度の高い試験でした。2022年が大きく難化し、昨年は例年並みに戻りましたが、今年また難化した形です。

 

 

【傾向と対策】

 

洛星中の国語大問1の読解はやや偏りがあり、2012年から今年度まで、芥川龍之介の作品が3回、宮沢賢治が2回、井伏鱒二が2回出題されています。

 

大問1の小問中の語句の知識問題や大問2の漢字の書き取りは難関中の中では特別難度の高いものではありませんので、しっかりと得点源にする必要があります。

 

近年、記述解答の割合が増加していて、今年は50字以内という字数指定のある記述も出題されましたが、ほとんどが字数指定のない記述解答です。

 

解答欄の枠の大きさ(行数)を見て、何文字くらいで解答すればいいのかを判断し、解答欄に合わせた的確な解答が求められます。洛星中を志望するなら、記述対策は必須です。過去問や問題集などで記述対策をしっかり行っておきましょう。

 

 

◆算数

 

 

 

 

【試験時間・配点と構成】

 

洛星中の算数入試は、60分120点満点の試験で、今年も大問6題構成小問数20問程度と例年並みの問題数でした。

 

問題用紙はB4用紙5枚と算数にしては問題用紙が多いのも洛星中の特徴です。別にB4の解答用紙があり、解答のみを書く形式で途中式や解き方を書く欄はありません。

 

 

【難易度】

 

2024年前期算数入試は、受験者平均点が昨年より10.4点上がり、大きく易化しました。洛星前期の算数は、ここ数年難化と易化を繰り返していて、年度によって受験者平均点が約10点も上下しています。今年は易化したので、来年度はまた難化する可能性があります。

 

後期も難化と易化を繰り返していますが、前期とは逆に今年は昨年より受験者平均点が13.3点も下がり大きく難化しました。来年度は順序からすると易化するかもしれませんが、油断はできません。

 

 

【傾向と対策】

 

今年度の算数入試は、概ね易しい問題から難しい問題という順に出題されたので、受験者は比較的取り組みやすい試験だったかと思われます。年度によりさまざまではありますが、洛星中の算数は前半に易しい問題、後半に難問というパターンが多い傾向にあります。

 

大問1では、計算問題が出題されます。ここは確実にスピーディーに解き進める必要があります。計算問題以外の頻出単元としては、「速さ」、「平面図形」、「立体図形」、「比と割合」などとなります。

 

洛星中の算数の難易度は、易化と難化を繰り返していますが、いつそのパターンが変わるかはわかりません。難度の高い年度分も易化した年度分も、どちらも過去問などでしっかり演習する必要があるでしょう。

 

難問が解けるようになることだけでなく、易問をいかにミスなくスピーディーに解き進めるかも重要になります。

 

とくに大問1、2などの易問で、ケアレスミスをしないようにすることも合否のポイントとなります。

 

※洛星の算数は、ケアレスミスが許されない正確な計算力作業力が求められる試験となります。ケアレスミス対策については、下記のブログ「3.算数でよくあるケアレスミスとその対処法」でご紹介していますのでご参照ください。

           ↓↓

『得点アップにつながる答案用紙の書き方!ケアレスミスをしやすいタイプと対処法

 

 

 

◆理科

 

 

 

 

【試験時間・配点と構成】

 

洛星中の理科入試は、50分100点満点の試験で、問題用紙はB4用紙7枚。多くの文字数を読むことになります。問題用紙とは別にB4の解答用紙が1枚あり、合計8枚となります。

 

今年も例年通り大問4題構成で、物理、化学、生物、地学の各分野から1題ずつの出題でした。今年は小問数44問と昨年より増加しましたが、概ね例年並みの問題数です。今年も約半数は計算問題で、計算問題の割合が多いのも洛星中理科の特徴です。

 

 

【難易度】

 

洛星中の2024年理科入試は、2年連続で易化しましたが、2022年がたいへん難度の高い試験でしたので、今年度は概ね例年並みの難易度でした。

 

 

【傾向と対策】

 

洛星中の理科は計算問題の割合が多いため、「計算問題が苦手」では太刀打ちできません。計算問題演習は必須です。

 

計算問題と言えば、物理と化学の分野の問題だけと思われがちですが、洛星中は地学や生物の分野でも計算問題が頻出しています。過去問などでしっかり対策し、あらゆる分野の計算問題に慣れておくようにしましょう。

 

ただし、計算問題と言っても難問ばかりでもないので、問題の取捨選択をし、解ける問題から解いていく受験のテクニックも必要となります。

 

また、近年問題文が長文化する傾向にあります。今年もB4用紙7枚分もの問題を読まなくてはなりませんでした。冒頭でもお伝えした通り、理科は最初に受験する科目です。最初から全力で取り組める状態でなければ、問題文が頭に入らず時間ばかりかかってしまいます。朝一から全力で取り組めるようにしっかり準備しておきましょう。

 

 

 

◆社会

 

 

 

 

【試験時間・配点と構成】

 

洛星中の社会科入試は、50分100点満点の試験で、問題用紙はB4用紙6枚。別にB4の解答用紙が1枚あり、合計7枚でした。

 

今年は大問2題構成で、大問1が「G7サミット」をテーマにした地理・歴史・公民の融合問題、大問2が「世界遺産」をテーマにした地理・歴史の融合問題でした。

 

例年、さまざまな形で地理・歴史・公民の各分野から出題があります。今年は地理分野が増え歴史分野が減りましたが、例年問題数は地理分野と歴史分野で8割弱、公民分野で2割強という出題割合です。

 

 

【難易度】

 

洛星中の2024年社会科入試は、受験者平均点が69.3点となり、難化しました。ここ数年社会の受験者平均点は70点以上でしたが、今年は70点を切る結果となりました。平均点が60点台になったのは2019年以来です。

 

 

【傾向と対策】

 

今年も小問数70問近い問題数を50分で解き進めなければならない試験でした。時間をどのように配分していくのか、過去問などを通してしっかり対策していく必要があります。

 

今年もそうですが、問題用紙の始めに「特に指定がない場合、漢字で書ける部分はできるだけ漢字で書きなさい」という指示があります。人物や用語などは漢字で書けるようにしておきましょう。

 

記号選択や用語記述がほとんどですが、毎年3~5問の短文記述も出題されています。今年は3題でした。難度はさほど高くないですが記述対策も必要です。

 

毎年時事問題の出題もあります。それも日本国内だけでなく世界情勢に関する内容も出題されます。日ごろから新聞やニュースにも関心を向けておき、時事用語が出てきたら解説できるようにしておきましょう。

 

何気ない親子の日常会話の中で、国内外の出来事について話ができると、受験勉強にもなり、親子のコミュニケーションにもなりますので一石二鳥ですよ!

 

 

7.まとめ~洛星中合格への道~

 

 

 

 

洛星中入試は、今年度から募集人員が減少した上に受験者数は増えて、狭き門となりました。来年度もこの人気が継続しさらに狭き門となるのか、今年度の結果から敬遠して実質倍率が緩和されるのか予測はできません。どのような状況下でも最善の状態で受験に臨めるよう、今からしっかり準備をしておきましょう。

 

 

洛星中学校は「キリスト教カトリック精神に基づく“全人教育”」を目標に、生徒の自主性を重んじた授業やクラブ活動、学校行事、宗教行事など「心と身体のバランスのとれた人間を育てる」教育を行っています。中高一貫ならではの特色ある教育や進路指導で高い進学実績があり、京都を代表する中高一貫の最難関男子校として知られています。

 

総合進学セミナーには洛星中に特化して指導できる講師も多く在籍しています。毎年のように洛星中志望の受験生を指導しているため、入試傾向にも精通しています。お子さま1人ひとりの現状を踏まえ、入試までの限られた時間を無駄のない効率的な指導で合格を目指します

 

洛星中受験はもちろん、併願校の選定など、中学受験に関するお悩みなどがありましたら、お気軽にご相談ください。

 

 

 

 

洛星中対策ならお任せください!
保護者の方の疑問にお答えし、不安を解消する

プロ家庭教師の無料相談会はコチラ

 

管理栄養士
浅田ゆうき先生

先生の写真
先生のプロフィール