やる気を引き出す②

  • 2016.10.20
  • プロ教師日記
前回のコラムでは、脳科学の観点からお話しましたが、今回は、心理学の観点から"やる気を引き出すコツ"についてお話したいと思います。
 
"ピグマリオン効果"という言葉をご存知でしょうか。ピグマリオン効果とは、アメリカの教育心理学者ロバート・ローゼンタールによって提唱された心理的行動の一つで、「人間は他人に期待された通りに成果を出す傾向がある」というものです。
 
つまり、先生や親御さんが(本心から)「この子はやればきっと出来る子だ」と思って接するならば、子どもはその期待通りに成績を上げ、逆に子どもを応援しているように接していても、内心では「どうせやっても上がらないだろう」と思って接していると 、成績が下がってくる傾向があるというものです。ちなみに後者を"ゴーレム効果"と言います。
 
私はこのピグマリオン効果を信じていますし、また日々の指導で、その効果を目の当たりにしています。
子どもの成績が上り調子のご家庭では、親御さんの子どもに対する期待や、「この子はまだまだ伸びる」といった自信や信頼のような空気感があるのに対し、子どもの成績が芳しくないご家庭では、直接的な表現ではないにせよ言葉の端々や態度に、子どもに対する不安や不満、焦りなどが表れ「どうせ次も無理だろう」という空気感が漂っている事が多いです。
 
私との会話で「うちのバカ息子が...」と謙遜して仰る親御さんも居られますが、横でそれを聞いている子どもは、謙遜や自 虐(という名の他虐)的ジョークのニュアンスを解せず、言葉通りに受け取ってしまうかも知れません。例えそうでなくとも、子どもが自分に向けられるネガティヴな表現に慣れてしまう事は、大変良くない事であると私は考えています。

私は子どもに分かりやすく指導するようにもちろん努力していますが、それと同じくらいに、子どもが勉強しやすい環境を整えることを重要視しています。もしも親御さんが無用な「謙遜」や「自虐、他虐」をされた時には、すぐにそれを修正し、空気を変えるようにしています。
皆さんも子どもの成績が下がり出した時こそ、ご家庭の空気にお気をつけください。


◆算数科 前田敏孝◆
  • 保護者説明会
  • 無料体験授業

管理栄養士
浅田ゆうき先生

先生の写真
先生のプロフィール