優しさと甘さの違い

  • 2016.12.19
  • プロ教師日記
子どもと接する時、「優しさ」と「甘さ」の違いについて悩まれたことはありませんか。私は「優しい」と「甘い」は、似て非なるものだと考えています。

「優しい」とは、子どもの"気持ち"を理解し、その気持ちに寄り添う事。その反対はすなわち、気持ちを理解しない、または理解しようとしない事。あえて言葉をあてるなら、「冷たい」でしょうか。
例えば、子どもがなかなか勉強が手に付かない時に「何かあったの?」と聞くのは優しさです。「何をダラダラしてるの!早く勉強しなさい!」という言葉で、子どもの気持ちに寄り添う事は出来ないでしょう。子どもに限らず人は、自分の気持ちを誰かが理解(しようと)してくれると元気が湧きます。その後の子どものやる気は雲泥の差です。
対して「甘さ」とは、例えば子どもが(出来るにも関わらず)すべき事をしない時に、つい見逃してしまう事。その反対は「厳しさ」。子どもがすべき事は、例えそれが子どもにとって苦痛や困難が伴う事でも、するように促す事です。

このように、優しさと冷たさは「気持ち」の範疇であり、甘さと厳しさは「行動」の範疇なので、そもそも優しさと甘さを、同等に扱うべきではないのかも知れません。
必要な時に厳しくなれない人、つまり"甘い"人の"優しさ"は、まやかしである事が多いと思います「厳しく当たって子どもに嫌われたくない」というのは、親や教師のエゴで、決して子どものためではありません。むしろそれは、"優しさ"の対極に位置するものなのです。
そもそも親子間でしっかり信頼関係が出来ていれば、子どもは厳しさの中に、親の愛情を感じる事が出来ます。そして厳しさが自分のためであることも理解出来るのです。

もちろん、子どもは悩みを抱えていたり、体調の悪い日などもありますから、何でもかんでも"甘さ"が悪いとは言いません。私も指導し始めの間もない時期で、信頼関係が充分に築けていない子どもに対して、いきなり厳しさを貫き通す事はしません。意図的に"甘さ"を使い、子どもとの距離感を測る事もあります。
私は常々、"優しく厳しい"教師でありたいと考えています。"優しく甘い"先生方にも色々事情はあるでしょうし、その気持ちは分かりますが、子どものためを思うならば、それだけではいけないと思うのです。


◆算数科 前田敏孝◆
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管理栄養士
浅田ゆうき先生

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