子どもと接する時、「優しさ」と「甘さ」の違いについて悩まれた ことはありませんか。私は「優しい」と「甘い」は、 似て非なるものだと考えています。
「優しい」とは、子どもの"気持ち"を理解し、その気持ちに寄り
例えば、子どもがなかなか勉強が手に付かない時に「何かあったの ?」と聞くのは優しさです。「何をダラダラしてるの! 早く勉強しなさい!」という言葉で、子どもの気持ちに寄り添う事 は出来ないでしょう。子どもに限らず人は、 自分の気持ちを誰かが理解(しようと)してくれると元気が湧きま す。その後の子どものやる気は雲泥の差です。
対して「甘さ」とは、例えば子どもが(出来るにも関わらず)すべ き事をしない時に、つい見逃してしまう事。その反対は「厳しさ」 。子どもがすべき事は、例えそれが子どもにとって苦痛や困難が伴 う事でも、するように促す事です。
このように、優しさと冷たさは「気持ち」の範疇であり、甘さと厳
必要な時に厳しくなれない人、つまり"甘い"人の"優しさ"は、 まやかしである事が多いと思います。「厳しく当たって子どもに嫌 われたくない」というのは、親や教師のエゴで、 決して子どものためではありません。むしろそれは、"優しさ" の対極に位置するものなのです。
そもそも親子間でしっかり信頼関係が出来ていれば、子どもは厳し さの中に、親の愛情を感じる事が出来ます。そして厳しさが自分の ためであることも理解出来るのです。
もちろん、子どもは悩みを抱えていたり、体調の悪い日などもあり
私は常々、"優しく厳しい"教師でありたいと考えています。"優 しく甘い"先生方にも色々事情はあるでしょうし、その気持ちは分 かりますが、子どものためを思うならば、それだけではいけないと 思うのです。
◆算数科 前田敏孝◆