記憶力を高める

  • 2017.09.27
  • プロ教師日記
塾の授業や家庭教師の指導を受け、一週間後でもその内容をしっかり覚えている子と、すっかり忘れている子がいます。この違いは何なのでしょうか。指導を通して私が感じるのは、学習内容をしっかり覚えている子は、記憶に残りやすい覚え方や忘れない努力をしているという事です。
 
 例えば、ただ何となく外出をして、帰宅後に「最初にすれ違った人の服装は?」と急に問われても、ほとんど何も思い出せないのではないでしょうか。しかし事前に、「最初にすれ違った人の服装を後で教えてね。」と言われていれば、最初にすれ違う人の服装を一生懸命脳にインプットしようとし、その成果も明らかとなるでしょう。
 
 脳は、見たり聞いたりした情報を、とりあえずすべて記憶するように出来ています。例えば、ただ何となく歩いた道であれ、その景色は脳に記憶されているのです。しかしその記憶を自分の意志で自由に"呼び起こせる"かはまた別の話です。再度同じ景色を見た時に、「そういえば...」と思い出す事もあれば、何も感じず通り過ぎる事も。
 
 子どもの勉強も同様です。授業をただ何となく聞いて、何となく板書をする子は、帰宅後ほとんど何も思い出せません。しかし授業の段階で、復習や宿題を自分でする事を想定して、教わる考え方や解き方を身につけようと意識している子は、授業内容をしっかり覚えて帰って来るのです。
 
 つまり"呼び起こせる記憶"とは、インプット(入力)する段階で、アウトプット(出力)を意識する事によって得られるのです。
 
 お子さんが授業内容をすぐ忘れてしまう...とお困りの親御さんは、塾に行く前のお子さんに、「今日の授業で習った事を帰ったらお母さんに教えてね!」と、ありったけの好奇心を表現しながら、一声掛けて送り出して下さい。子どもはお母さんに教えてあげる(出力)つもりで授業を聞く(入力)ので、"呼び起こせる記憶"として残るのです。
 
 さて丸3年続けさせて頂いたコラムも、私の担当は今回が最後です。長らくのお付き合い有難うございました。
 逆説的に響くでしょうが、私は常に、生徒さん達には家庭教師なしで勉強出来る力を身につけて貰いたいと思っているのです。受験勉強期間などに、問題を解説する道具として‪一時‬的に家庭教師を使い倒して下さるのは、私としても本望です。どうぞ徹底的に活用して下さい。しかしいずれは、自分で勉強し、仕事をし、考えて生きる。そういう力を身につけて頂きたいと願っています。
 
 

算数科 前田敏孝

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