子どものお世話、いつまで? どこまで?

  • 2018.07.10
  • プロ教師日記

近年、子ども自身の豊かな時間、ヒマな時間がすくなくなってきました。特に塾や習い事に行っているお子さんであれば、なおさら「時間がない」でしょう。――おうちで、お子さんの手伝い、どこまでやっているでしょうか? 代表的なものをあげてみましょう。

◎学校の時間割りをそろえる

◎塾の時間割をそろえる

◎ふでばこの中身をそろえる

◎塾の手紙、テストをファイリングする

◎算数のまちがい箇所をノートに切り貼りして、まちがいノートを作る

◎社会や国語の暗記箇所を、単語帳やメモ帳に書いて、子どもに持たせる

「これぐらい当然だわ」「うちはもっとやっている」うなづかれるお母さんが多いでしょう。

 その気持ちとしては「塾に行って時間がないぶん、カバンの中身をそろえます。えんぴつも削ります。身の回りの支度にかかるムダな時間、すべて省いて、その分勉強してもらいます」でしょうか? もしくは、子どもに任せると間違ったり、サイアクやらなかったりするので「お母さんが全部する」でしょうか? どこまで、は家庭によって線引きもあるでしょう。

 しかしいつまで、するんでしょうか? 

 中学まででしょうか?

 中学校に入っても、また塾で、意外に忙しかった......だから、今だにカバンの中身を親がそろえている......実はよく聞く話です。中学生になっても身の回りを親に整えてもらう子どもたち。なんとなく違和感を感じませんか。

 確かにペーパー類が多いので、テスト、プリントの管理を親がしてくれると助かるでしょう。プリント整理は親の仕事だと推奨している塾もあります。でも、カバン、ふでばこくらい、子どもの自主性にまかせたらどうでしょうか? 

 自分の身の回りの準備、処理ができるかどうか、あんがいこんな姿勢が合否のわかれ目になっている気がします。

熟の時間割りにあわせてテキスト、ノートを自分で準備する。学びに行くのだから当たり前です。また、テキストを忘れたら?......自分で言う。消しゴムがなかったら?......友達に借りる。このような集団における自主性も、テストが「集団」の中で受ける以上、必要です。

 質問も、宿題の丸つけもすべて親主導で、疑問すらもてなくなる子どもたち......受験勉強を子育ての集大成として考え、最終的に子どもの自立を促すものだとしたら、いつまで子どもの前にレッドカーペットを敷いてやるのか、一度親子で話し合ってみませんか?

 

◆ 中学受験部 近藤奈央子 ◆

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