ピンチをチャンスに変えましょう!! 健全な親子関係の紡ぎ方

  • 2020.03.14
  • プロ教師日記

ピンチをチャンスに変えましょう!!

健全な親子関係の紡ぎ方

 

 

皆さんこんにちは。プロ家庭教師の梅本です。

 

新型コロナウイルスを巡る休校や休講をきっかけに、保護者の方々から種々のお悩み事や相談事が届く機会が激増しております。

 

休校と休講から1週間あたり経ったころからでしょうか。

 

特にお母さま方からの「イライラ」のお声があちこちから耳に入って来るようになって参りました。相当にストレスフルな状況ですね。出口が見えない情勢だけに尚のことです。

 

そこで今回は具体的な勉強のことについては他にお譲りするとして、今般の一連の事態で梅本が個人的に最優先事項と判断しているお悩み事・ご相談事についてお話しして参ります。

 

ご子息ご令嬢(お孫様)の今後長きにわたる人生と、保護者各位ご自身の人生の質にも大きく関わる、いわば「超重要テーマ」が思わぬところから露顕してきました。

 

これまで多くのご家庭の中に入って受験指導に携わってきた身として、真剣に考察しております。必ずお役立ていただける内容になっていると存じます。

 

解決・改善の一助となれば幸甚です!

 

対象は、「中学受験をお考えのご家庭の保護者各位」ですが、もちろんどなたがお読みになっても必ず何かしらお役に立てる部分はございますので、是非ともお付き合い下さいませ。

 

 

Contents

1.イントロダクション

2.お子様にとって大切なこと

 ①保護者が子(孫)にすべきではないこと

 ②保護者が子(孫)にすべきこと

3.保護者の方ご自身のマインドセット

4.「家族」を深めるチャンス到来

5.結びにかえて

 

 

1.イントロダクション

 

テーマはズバリ、タイトルそのもの。

 

健全な親子関係の紡ぎ方

 

です。

 

冒頭からお叱りを受けるかも知れません。

 

「先生に言われなくてもうちは元々健全です!」

「我が家は不健全だとでもお思いか!?」

 

どうぞご容赦下さい。

 

あくまで、急増しているお悩み事・ご相談事への梅本なりの解決案・改善案をご紹介することが当ブログ記事における趣旨になります。

 

長年家庭教師というお仕事をしておりますと、

 

「あー、ステキなご家庭だな。」

「このご家族は皆さん幸せそうだなあ。」

 

と感じるご家庭に巡り合うことも少なくありません。すでに健全な親子関係が確立されているご家庭も当然たくさんあることでしょう。

 

当ブログでは、そのようなご家庭の保護者の方々にもお役に立てると考えます。なにしろ今は、全てのご家庭にとって未曾有の緊急事態なのですから!

 

 

2.お子様にとって大切なこと

 

学校もお休み。塾も一部ウェブ講座で代用し、大量の課題が用意されている。そして有り余る時間、、。

いくら時間があるからと言って、これチャンスと、お子様ご自身が望まない状態での勉強漬けは拷問でしょうし、かといって、(嘆かわしいことに、このお悩み相談のなんと多いことか)四六時中遊び呆けているようでは、文字通り呆けてしまいかねません。

どう接すればお子様方は適正なバランスで健全かつ安全にお過ごしになれるのか?

考えてみましょう!

 

 

保護者が子(孫)にすべきではないこと

 

その1.言葉がけ

 

わが子や孫への愛情ゆえ、ついつい正論を振りかざしてしまうのが親心というもの。

「遊んでばかりいないで勉強しなさい!」

「他の子たちは今頃一生懸命机に向かっているわよ。」

「どうして勉強しないの?」

「やる気がないなら塾なんてやめてしまいなさい。」

「そんなにゲームばかりするなら取り上げるわよ!」

どうしても、こういう言葉をかけてしまいがちです。

 

しかし、残念ながらこれらは全てNGワードです。お子様方のマインドやモラリティが根本的に改善されることはまずありません。

リアクションが反発であれ恭順であれ、無意味を通り越して逆効果です。

 

勉強というのは、「主体的」「自主的」でなければ必ず伸び悩みます。

これらの言葉がけは全てお子様方を「受動的」にディレクションしてしまうだけの代物です。

 

誤解を恐れずに乱暴な言い方をすれば、

「わが子(孫)に自分の言うことを聞かせた」という自己満足

か、

「自分の言うことを聞いてくれない」というえもいわれぬストレス

のいずれかを、大人の側が得るだけの非生産的・悲劇的な事態しか生みません。

 

即刻お止めになることをプロの目線から強くお勧め致します!

 

 

その2.態度・行動

 

良かれと思って、心からの愛情を込めて発した指示や助言をお子様方がなかなか素直に聞き入れてくれない。(ひどい場合には、どこで覚えてきたのかというような生意気な、乱暴な発言で応戦してくる。)

 

これではいくら愛する子や孫とは言え、こちらも人間なのですから、腹の一つも立つというものです。好ましくないと頭で分かってはいるものの、ついつい冷たく、もしくは、辛くあたってしまうこともありますよね。

 

これも、釈迦に説法とは存じながらあえて申せば、望ましくない接し方の典型です。

その先に待ち受けていることは次のいずれかでしょう。

 

保護者の方への更なる反発(こうなれば最早、反抗期突入です!)

保護者の方の「顔色」が行動規範になってしまう(その後の人間形成に極めて悪影響を及ぼします!)

 

この二つの不幸な事態、いずれもお子様方を「自主性」「協調性」から遠ざけ、「受動的」で「利己主義的」な人格形成に一役も二役も買ってしまう点で、何としてでも避けるべき状況であることを、まずは強調しておきますね!

 

つい先ほど「こちらも人間なのですから」と申しました。人間だから腹も立てば冷たくもなるし辛くあたりたくもなるというもの。それをダメだと断罪されてはたまりません。(自分で書いておきながら私自身もそう感じます!)

 

この辺りにはちょっとした秘訣がございます。

後ほど、3.保護者の方ご自身のマインドセットで詳述します。

 

また、「主体性」「能動的学習」を促進する観点からも、

スケジュールや勉強のメニューなどを保護者の側が決めてしまうことも避けるべきです!!

 

途中経過(公開テストや合格判定をはかるようなテストの類)では結果が出ることも多いのですが、合格しにくくなるのは長年のプロ家庭教師としての経験上、自明の理といっても過言ではありません。

 

スケジュールや学習メニューを策定するのはお子様方ご自身の責務であり、保護者の方の責務はそこに介入しないことです!お子様ご自身がどうしても決められないと訴えられた際は、代わりに決めてやるのではなく、

プロに任せて「決める力」を育成してもらうのが得策です。

 

どうぞお子様方の合格力育成を阻害するような行動は慎んで下さいませ!

 

 

保護者が子(孫)にすべきこと

 

では、どのような接し方を心がければよいのか?

 

「~しなさい。」「~すべきだ。」「~してはどうか。」といった指示や提案は避け、

「どうするのか?」と意見を引き出す形で接するのがシンプルかつベストな接し方です!

もちろん、「○○さん/△△くんは~しているらしいよ。」という促し方も避けて下さい。あなたのお子様は○○さんでもなければ△△くんでもないのですから!

 

そしてここからが重要です!!

 

勉強や学習以外の、いわゆる「遊び」「休み」の時間もご本人の意思に任せて決めさせてあげて下さい。ダメ出しをしてしまうと台無しです。

ただし、画面を見ながら操作する類のゲームは、一日の許容量(2時間程度が目安でしょう)を超えてはなりません。これはアルコールや薬物と同等のアディクション(依存・中毒)であり、医療を介してでも防止しなければなりません。

 

およそ、社会というのは「約束の交響曲」のようなものに他なりません。これをないがしろにしてしまうようならば、

「無人島行き」を勧めるくらいで丁度よいと考えているくらいです。梅本自身、受け持ちの生徒にはよくこのことをお話ししますが、皆さん納得なさっています。

 

決めさせたことは「人間対人間の約束」として厳守するよう念押しなさって下さい。

 

その上で、正当な理由なくその「自ら決めたルール」を破った場合のみ、

他の余計なことを絡めず、「約束を反古にした」一点に関して、厳しく叱責なさって下さい。これは、間違いなく子供心にも保護者からの愛を感じる、非常に響く叱責になります!

(ご自身がお子(孫)様の立場に身を置いてお考えになれば、容易にご納得いただけるのではないかと存じます。)

 

保護者の方々が人間であるのと同様に、お子様・お孫様も(まだまだ子供であるとはいえ)人間であるということを「十分に認められている」と感じさせることこそが、健全な育成につながっていくのではないでしょうか。

 

 

3.保護者の方ご自身のマインドセット

 

前節(2.お子様にとって大切なこと)でお話しした重要なポイントは、理屈では頷けたとしても行動に移すのは至難の業だというのが大方のご実感だと存じます。

 

とはいえ、前節の内容を「机上の空論だ」と切り捨ててしまっていては身も蓋もありません。

何とか実行に移すためには、まずこちら側(保護者の側)の感覚や思考回路をうまい具合に調整していくのが得策です。

双方にとって幸せな関係を紡ぐためにも、ここは文字通り「大人」になってやりましょう!

 

以下に、役立つはずのマインドセットをいくつかご紹介しておきます。

 

相手も一つの立派な人格であると、改めて認識する。

「大人のエゴの押しつけだ」と感じさせないような接し方を心がける。

保護者はうさぎでよい。(大きな耳・小さな口・やさしい目)

自分の人生と子ども(孫)の人生は別物。

子ども(孫)の人生の到達点は、子ども(孫)自身の責任。大人はサポート役で十分だ。

 

どうぞご活用下さいませ。双方ともに、圧倒的にストレスが軽減されるでしょう。

それどころか、お子様方の勉強面でも、不思議と以前よりも望ましい成果が生まれること請け合いです!

 

 

4.「家族」を深めるチャンス到来

 

事情はどうあれ、せっかく長時間お子様方とともにお過ごしになっているわけです。

 

すべきことをしない彼を、彼女を、責めたて叱りつけ、聞いてくれない歯がゆさに身もだえし、挙句の果てに彼らから疎ましく思われたりするなんて、お互い不幸でしかありません。

 

この機会を、焦りや苛々やともどかしさの充満した重苦しい時間・空間ではなく、共に遊び、共に学び、時にはそれぞれ関知することなく同じ空間にいながら別のことをするなど、快適で安心で幸せな、何ものにも代えがたい尊い家族の時間を育むチャンスにするのが賢明ではありませんか!?

 

受験勉強についても、「受動的スタンス」を「能動的スタンス」に修正するまたとない機会です。

情報収集する時間も、親子でじっくり話し合う時間も、気分転換に思いきり遊ぶ時間もたっぷりあります。

こう考えれば考えるほど、今のこの事態は、

お子様方にとってまたとない成長のチャンスだ

という理屈に異議はないでしょう!!

 

 

5.結びにかえて

 

以上、これまで多くのご家庭と深くかかわってきた経験やものの本、他の諸先生方からの学びなどから得たプロ家庭教師としての目線から、少しでも皆様のお役に立てるような内容をお届けしたいという一心で執筆致しました。

 

積極的に取り入れて下さることで、少しでも双方のストレスフルな状況を打開し、この未曾有の事態をチャンスに変えていただく一助となれば、これ以上の幸せはございません。

 

お困りがあれば、有力なプロの力をお借りになるのも得策かと存じます。

 

巷間溢れる情報の洪水に溺れることなく、うまく情報の波に乗りながら(←過去のブログもご参考下さい)、健全な「よそはよそ。うちはうち。」をご家庭内で育まれることを祈りつつ、結びに代えさせていただきます。

 

最後までお読み下さりありがとうございました。心より感謝いたします。

 

では、またお会いしましょう。

 

 

プロ家庭教師

梅本 勇造

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管理栄養士
浅田ゆうき先生

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