数の感覚を養う

  • 2015.12.01
  • プロ教師日記
算数の指導をしている時に、時々びっくりするような珍解答を出す子がいます。
例えば、自転車の速さが時速180㎞、父の年齢が6歳、クラスの人数が20.5人など...。
これがクイズだったら笑い話で済みますが、受験勉強となるとこちらも必死です。
 
なぜ、こういう常識では有り得ない答えを出すのでしょうか?
おそらくこういう子は、算数を机の上でしか勉強していないのではないか、と考えられます。
算数というのは、実は日常生活の中にたくさん潜んでいるのです。
 
スーパーなどはまさに、算数の恰好の隠れ場です。
例えば、500mlのペットボトルや1Lの牛乳パックを、意識的に見て手に取るという経験をしておくと、算数で学習す る"かさ"の数字や単位と、実際の量を体感して理解する事が出来ます。
卵1個が60g前後、1円玉1枚が1gといった重さの感覚も知っておくと良いでしょう
○割引、○%引のラベルがあちこちに貼られ、果たしてそれらはレジでいくらになるのか、消費税込みの値段は何円なのか...なども。
 
お家に帰っても、算数は机の上以外のあちこちに居ます。
スーパーで買って来た大根の皮を包丁で綺麗に剥いてみると、円柱形の側面は、展開図にすると長方形である事が目の前で確認出来ますし、ティッシュペーパーの箱を捨てる前に箱を切り開けば、直方体の展開図になります。
組み立てるイメージも出来るので、向かい合う面についてなども、容易に想像出来るようになるはずです。
 
お出掛けの際は、車や電 車に乗っている時に、速度計の指している数字を説明してあげれば、速さの概念が掴めます。
"30"を指していれば「1時間で30km進めるスピードだよ。30kmは、だいたい大阪から神戸までの距離ね。」と教えてあげれば、子どもは理屈抜きに感覚で理解します。
 
子どもの場合、数の理論を論理的に理解にさせようとするよりも、まずは感覚的に身体や脳に馴染ませる方が手っ取り早いでしょう。その上で、その感覚の裏付けとなる論理的な理解が加わると、二度と忘れない強固な、且つ、柔軟に応用がきく真の知識となるのです。
 
もし算数嫌いのお子さんがいたら、まず"数で遊ぶ"事をお勧めします。
4つの数字を加減乗除の計算をして10を作るゲームがあります。
私は小学生の時に電車に乗って塾に通う 際、切符に書いてある4けたの数字で10ゲームをしてよく遊んでいました。車のナンバーでも同じ事が出来ますね。
 
このように日常の数字に興味が持てるようになれば、算数をもっと感覚的に楽しく勉強する事が出来ます。
そして、自転車の速さが時速180kmという答えが出てしまった...という間違いも、感覚的に"おかしい"と感じられるようになるのです。
決して机の上だけの勉強を勉強と思わず、楽しみながら勉強にも役立つであろう見聞を広げて下さいね。
 
 
 
◆算数科 前田敏孝◆
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管理栄養士
浅田ゆうき先生

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