前回の内容は、子どもの「親や先生に褒められたい、認められたい」という動機を大人がうまくコントロールして、子どものやる気を伸ばそうというものでした。
では今回は、子どものやる気が出た後に、それをどう継続させたら良いのかについてお話します。
子どもがやる気を出して勉強するようになると、以前は解けなかった問題が徐々に解けるようになってきます。
その時には、「この問題が解けるようになるなんて、よく頑張ったね!」と褒めてあげましょう。
ここで重要なのは、問題が解けたという「結果」だけを褒めるのではなく、必ず解けるに至った「過程」を褒めてあげるということです。この「過程」があったからこその「結果」なのですから。
そうすると子どもには、「僕(私)は頑張ればできる」という自尊心が芽生えます。これを上手に高めていきましょう。自尊心は、勉強が得意になるのに大変有用なのです。
私は子ども達に算数を教えていますが、算数が得意なお子さんはみな算数に対してプライドのようなものを持っています。
計算の速さには自信がある、○○の単元は今勉強中だけども××の単元なら大丈夫、公開テストの成績優秀者に名前が載った、等々。
ここでのプライドは、自尊心と同義です。
ではこういうお子さん達が、初めからプライドを持っていたかというと、必ずしもそうではありません。
また一朝一夕に得るものでもなく、勉強を継続する中で、自身の成功体験の積み重ねや、親や先生からの称賛を受けながら、少しづつ育っていくものなのです。
「よし、では子どもの不得意な科目や単元をできるだけ褒めて、やる気を出させよう!」と思うわけですが、ここで褒め方を間違えると、それはそれでややこしいことに...。
次回は、褒め方のポイントについてお話したいと思います。
◆算数科 前田敏孝◆