前回お話したのは、「中学受験を乗り越えていくためには" 決してあきらめない"と最初に決断をしましょう」 ということでしたが、 今回はその話をもう少し詳しく続けたいと思います。
結論から申し上げると、困難に直面したり心に迷いが生じた時、 最終的に立ち戻るところは、"決してあきらめない"と決心した、 その境地なのです。これは安定したメンタルの基盤となります。 そして、 困難に直面してはその境地に立ち戻ることを幾度となく繰り返すこ とにより、基盤となるメンタルの安定をより確固たるものにし、 心を強く育てていくのです。
困難とは一見嫌なもので、出来れば無い方が良いと思いますよね? 親御さんは、大 なり小なりの困難を今までに経験されたことがあるでしょう。 それがゆえに、出来れば可愛い子どもには味わって欲しくない。 私も二児の父親として、痛いほどわかります。 しかし捉え方を変えれば、 中学受験においての困難とは大変重要で、必要なものなのです。
仮に、 行きたい学校からあらかじめ合格が保証されていたらどうでしょう 。きっと子どもは受験勉強なんてしなくなります。また、 入試を終えて合格通知が手元に届いても、 何ら達成感は得られないでしょう。
実際中学受験で合格を勝ち取った子どもの顔は、達成感や安心感、 そして誇りに満ち溢れています。さらに、 それらの感情が最高潮に達し、 感動して泣いてしまう子どももたくさんいます。それはきっと、 中学受験を通して 様々な困難を乗り越えてきたからでしょう。困難があるからこそ、 この上ない喜びを感じられるのです。
目標をしっかり見定め、そこに向かって進むと、 多くの困難が待ち構えています。それらを、試行錯誤し(学び・ 成長)、また同時に自己肯定感(自信) を身につけながら乗り越え、 次のさらに大きな困難に立ち向かうのです。 中学入試を終えたあとも、人生は続きます。その人生を、 逞しく歩んでいく力を養うための経験を積む。 これが中学受験だと私は思います。
困難を避けようとせず、目標の達成には必ずつきものだと思って、 いかにそれを乗り越えていけばいいのかを考えるようにしましょう 。中学入試を乗り越えたときに、子どもは合否以上に価値のある、 人生を生き抜くための" 強力なメンタル"を手にしていることでしょう。