勉強をする理由

  • 2016.04.01
  • プロ教師日記

 「なんで勉強しなくちゃいけないの?」
 多くの子どもが一度は持つ疑問だと思います。その質問に対し大人は、「子どもは勉強するものだよ。」「あなたが将来就きたい職業の選択肢を増やすためだよ。」「若くて頭の柔らかいうちに、たくさんの知識を入れておいた方が良いからだよ。」等々、実に様々な答えを返します。私はそれらの答えはすべて正しいと思います。しかし、問題はその答えが正しいか間違っているかではなく、その答えを聞いた子どもが「じゃあ勉強がんばってみる!」とやる気が出るか...。なかなか難しいですが、これを考えて子どもと話し合う事は、子どもの勉強のみならず、図らずも我々大人にとっても人生を考える機会となります。
 先の質問に対して私は、"将来、人や社会の役に立って、感謝される人になるため"と考えています。もちろん子どもにはもう少し分かりやすく、「勉強して賢くなれば、困っている人を助けてあげたり、楽しいことや便利なものを創ったりできるよね。それでみんなが喜んでくれたら嬉しくない?」と言います。子どもは自分のためだと思うと甘えが出ますが、人の為だと思うといつも以上にがんばれたりすることがあります。もっと言うと、人が喜んでくれる事で自分も幸せになれば、究極的には自分の為。決して偽善ではなく、ひとつの幸せな生き方ではないかな、と私は信じています。勉強へのモチベーションに直結するかはさておき、少なくとも私は子ども達に、この考えを提示しておきたいのです。

極度の勉強嫌いの子には、「○○ちゃんが思っているほど勉強ってつまらないものじゃないと思うよ。だって勉強して分からなかったことが分かるようになったり、できなかったことができるようになった時って楽しくなかった?」と勉強嫌いのイメージを変えます。子どもは成長のために本来(本能的に)学びたいと思っているはずです。

そしてさらに話を続けます。「算数や国語も大切だけど、それだけが勉強じゃない。並行して、"勉強の仕方"を学んでいるんだ。大人になればもっと難しくて、時には答えの無い問題だっていっぱいある。そんな問題に対して自分の頭で考えて、答えを創り出す。もし失敗してもそこから学ぶ。人の役に立つためには、常に学ばないといけないんだ。だから子どものうちに上手に考えて、学ぶ練習をするんだよ。」「○○ちゃんは最新の時代を生きている。昔の人たちの教えや知恵をぎゅっと詰めたのが、今目の前にある勉強なんだよ。そんな貴重なものを学ばないなんて、もったいないと思わない?」
 皆さんも今一度勉強する理由を考えてみて下さい。

 

◆ 算数科 前田敏孝◆

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