"学力"よりも"学習力"をつけよう

  • 2016.06.23
  • プロ教師日記
学校の成績表や、塾の公開テストでの結果を毎回とても気にされている親御さんも多いかと思います。自分の子どもの"学力"は今どれくらいなのか、他の子と比べて順位はどれくらいなのか。"学力"とは、ここでは分かりやすく現在の成績や知識の量だと思って下さい。
しかし私は、子ども達には"学力"よりも"学習力"をつけてもらいたいと常に思っています。"学習力"とは、学習する力。つまり、どんな事からも学ぶ力です。"学力"は、あくまでも"学習力"の成果・結果でしかありません。

"学習力"は日々の習慣から得られるものです。"学力"を上げようとすると、つい小手先のテクニックに目が行きがちですが 、"学習力"を上げるためには、常日頃の勉強の仕方や、勉強に対する姿勢に目を向けなければなりません。
私は突き詰めると次の2つの習慣によって"学習力"を得られると考えています。そして前述の通り、それは結果的に"学力"の向上、すなわち成績アップに繋がるのです。

1つ目は「自分の頭で考える習慣」です。新しい事を教わった時に、言われた内容をそのまま覚えようとするのではなく、自分の"思考"というフィルターを通して「なぜ?」と問うのです。それを繰り返すと、どんどんと無駄な要素は削ぎ落とされ、物事の本質に近づきます。難しく聞こえるでしょうが、早い話、自分の頭で考える事を練習していくと、逆に物事を無駄なくシンプルに考えられるようになるのです。そして、その合理性はさらに多くの事を考える余力を生むわけです。実際に勉強がよく出来る子はこれが上手く、枝葉の部分にはあまり無駄な労力を使いません。

2つ目は「失敗から学ぶ習慣」です。勉強はいつも楽にスムーズに進むものではありません。むしろ失敗や困難の方が多いのではないでしょうか。
インプット(理解する事)は出来ても、アウトプット(問題を解く事)で間違える事は誰にでもある事です。しかし「失敗から学ぶ習慣」の有無は、間違えたあとの運命を分けるでしょう。「なぜ自分はこの問題を間違えたのだろう?」「どこが間違いの原因だ?」など、自分で考えて改善しようとする習慣があれば、次に同じような間違いを繰り返しません。そしてその積み重ねは、確実に成績アップへと繋がるのです。
因みに、計算ミスをよくする子はこの習慣が出来ていません。「あ~ミスしてしまった!(=本当は解ってるのに...)」で終わってしまい、そこから何も学んでいないのです。

この2つは、あくまでも"習慣"であり、毎日意識するだけで、誰にでも出来る事です。その小さな積み重ねによって、大人になってもずっと使える、真の"学習力"が身に付いていくのです。


◆ 算数科 前田敏孝◆
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管理栄養士
浅田ゆうき先生

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