前回のコラムで書きました「失敗からも学ぶ習慣」について、 もう少し掘り下げてみましょう。ここで言う"失敗"とは、 本来解けるはずの問題が、なんらかの理由で不正解であった、 すなわち"ミス"だとお考え頂いて差し支えないと思います。
学校や塾のテストが返却された後に、 自分が間違えた問題の解説を見たり、先生に質問したりして、 正しい答えの求め方を理解する、いわゆる"お直し"を、 皆さんされるかと思います。しかし"お直し"は、 失敗から学ぶべき事の半分にしか過ぎず、 それで満足してしまうと、とても大切な残り半分を学び損なって、 再び同じ間違いを繰り返す事となってしまいます。 特にミスによる間違いは、「本当 は解けたはずだから...」と、 間違い直しでも軽く流しがちなので要注意です。
間違いを正す事はもちろん大切です。その上で、「 なぜ間違えたのか?」をしっかり考えて分析するか否かで、 その後の成績の伸びは大きく変わります。
例えば子どもが外で走っていて、転んで、 左の膝を擦りむいてしまったとします。 傷口からは血が流れています。ここで、 大人が助け起こして傷口を消毒し、 絆創膏を貼ってあげたらもう大丈夫...なのでしょうか? それだけでは、 いずれその子は右の膝を擦りむいて帰ってくるでしょう。
ここで大切なのは、絆創膏を貼った上で「なぜ転んだのか?」 を考え、本人が理解する事です。 ひょっとすると靴ひもがきちんと結 べていなかったかも知れませんし、 マンガよろしく地面にバナナの皮が落ちていたのかも知れません!
「なぜ転んだのか?」をしっかり考えて分析する事で、 その原因が見えてきます。出来ればその分析は、 頭の中だけで行うのではなく、「失敗ノート」 を作っていつでも見られるようにしておくと良いでしょう。 書く事でより論理的にまとめられ、 見直せば更に記憶として定着します。そのノートは、 自分の失敗の傾向を客観的に教えてくれるのです。
テストでの失敗のほとんどは、無意識的な行動の結果なので、 どこかで意識化しなければ同じ失敗を繰り返すことになります。「 なぜ?」を問う事や、ノートに記しながら分析する事は、 まさに失敗の原因を"意識化する" 事なのです。
勉強をする上で失敗はつきもので、 それ自体は決して悪い事ではありません。しかし、 失敗から何も学ばずに、 同じ失敗を繰り返していては成長していない事と同じです。
絆創膏(お直し)と「なぜ転んだのか?」(分析) をいつもセットで考えてみて下さい。 特にいつも計算ミスをしてしまうお子さんには効果大です。
◆算数科 前田敏孝◆
学校や塾のテストが返却された後に、
間違いを正す事はもちろん大切です。その上で、「
例えば子どもが外で走っていて、転んで、
ここで大切なのは、絆創膏を貼った上で「なぜ転んだのか?」
「なぜ転んだのか?」をしっかり考えて分析する事で、
テストでの失敗のほとんどは、無意識的な行動の結果なので、
勉強をする上で失敗はつきもので、
絆創膏(お直し)と「なぜ転んだのか?」(分析)
◆算数科 前田敏孝◆