同じ失敗を繰り返さない!

  • 2016.07.22
  • プロ教師日記
前回のコラムで書きました「失敗からも学ぶ習慣」について、もう少し掘り下げてみましょう。ここで言う"失敗"とは、本来解けるはずの問題が、なんらかの理由で不正解であった、すなわち"ミス"だとお考え頂いて差し支えないと思います。

学校や塾のテストが返却された後に、自分が間違えた問題の解説を見たり、先生に質問したりして、正しい答えの求め方を理解する、いわゆる"お直し"を、皆さんされるかと思います。しかし"お直し"は、失敗から学ぶべき事の半分にしか過ぎず、それで満足してしまうと、とても大切な残り半分を学び損なって、再び同じ間違いを繰り返す事となってしまいます。特にミスによる間違いは、「本当 は解けたはずだから...」と、間違い直しでも軽く流しがちなので要注意です。

間違いを正す事はもちろん大切です。その上で、「なぜ間違えたのか?」をしっかり考えて分析するか否かで、その後の成績の伸びは大きく変わります。

例えば子どもが外で走っていて、転んで、左の膝を擦りむいてしまったとします。傷口からは血が流れています。ここで、大人が助け起こして傷口を消毒し、絆創膏を貼ってあげたらもう大丈夫...なのでしょうか? それだけでは、いずれその子は右の膝を擦りむいて帰ってくるでしょう。

ここで大切なのは、絆創膏を貼った上で「なぜ転んだのか?」を考え、本人が理解する事です。ひょっとすると靴ひもがきちんと結 べていなかったかも知れませんし、マンガよろしく地面にバナナの皮が落ちていたのかも知れません!

「なぜ転んだのか?」をしっかり考えて分析する事で、その原因が見えてきます。出来ればその分析は、頭の中だけで行うのではなく、「失敗ノート」を作っていつでも見られるようにしておくと良いでしょう。書く事でより論理的にまとめられ、見直せば更に記憶として定着します。そのノートは、自分の失敗の傾向を客観的に教えてくれるのです。

テストでの失敗のほとんどは、無意識的な行動の結果なので、どこかで意識化しなければ同じ失敗を繰り返すことになります。「なぜ?」を問う事や、ノートに記しながら分析する事は、まさに失敗の原因を"意識化する" 事なのです。

勉強をする上で失敗はつきもので、それ自体は決して悪い事ではありません。しかし、失敗から何も学ばずに、同じ失敗を繰り返していては成長していない事と同じです。

絆創膏(お直し)と「なぜ転んだのか?」(分析)をいつもセットで考えてみて下さい。特にいつも計算ミスをしてしまうお子さんには効果大です。


◆算数科 前田敏孝◆
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管理栄養士
浅田ゆうき先生

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