受験に強い人は、「第2の脳」が整っている! 〜第2の脳を整える⾷事〜

  • 2019.04.16
  • 受験レシピ

受験本番に向けて毎⽇、⻑時間の勉強に励んでいる受験⽣。


そんな受験⽣にとって⼀つの課題となるのが、毎⽇同じモチベーションや集中力を維持することではないでしょうか?
また、毎⽇⻑い時間勉強する中で、体質の変化や、肌やお腹の調子が不安定になった、気分の波があるなど様々な悩みも出てくるかと思います。


それら全ての鍵を握っているのが、今回のテーマにもなっている「第2 の脳(セカンドブレイン)」です。




みなさん「第2の脳(セカンドブレイン)」という言葉を聞いたことがありますか?
実はこれは、「」のことを言います。腸は単なる消化器官だと思っていませんか?


腸には、脳に匹敵するほどの数の神経細胞が張り巡らされており、人の意志や脳からの指示とは関係なく働いています。
つまり、腸には状況を認識し、判断する機能が存在する故に、第2の脳と呼ばれています。



この重要な役割を担う腸内の環境を決めるのが、腸内細菌と呼ばれるもので、⽣息している細菌の種類や数は人によって全く異なってきます。


腸内細菌には大きく分けて、善玉菌(乳酸菌)悪玉菌(ウェルシュ菌)⽇和見菌(善玉とも悪玉とも言えず、体調が崩れた時に悪玉菌として働く)に大別できます。

康な人の腸内では、菌の比率善玉菌2:悪玉菌1:⽇和見菌7という割合で、善玉菌が悪玉菌を抑える形で⼀定のバランスが維持されています。


しかし、何らかの原因で悪玉菌が優勢になってしまうと、腸内腐敗が進み健康に有害な物質が増え、様々な不調や病気を引き起こします。
⻑い受験期間には、ストレスに加え、⽣活リズムが不規則になったり、⾷事にも偏りや過⾷、少⾷などの⾷べムラが出てくる場合もあり、受験⽣の腸内は意外にも荒れがちです。



そこで、普段の⾷事から腸内環境を少し意識してみることも大切です!






<悪玉菌が増えて腸の働きが弱くなると……>


・太りやすい体質になる
⇨代謝機能が低下し、必要な栄養素がうまく消化・吸収されず、老廃物や脂肪を溜め込みやすい体質になります。

・病気にかかりやすくなる
⇨人の免疫の70%を腸内細菌が担っていると言われています。そのため、腸内細菌のバランスが崩れると免疫力が低下し、感染症やアレルギーなどにかかりやすくなります。

・肌が荒れる
⇨体を作る栄養素が吸収されにくくなり、毒素や老廃物の排出が滞ります。毒素は大腸から血液中に吸収され、最終的に皮膚から排出されるため、皮膚はダメージを受け吹き出物として現れます。

・脳の疲労やうつ状態を招く
⇨腸内細菌は、幸福感・やる気などポジティブな感情を起こすセロトニンやドーパミンの体内合成に深く関わっています。腸内環境が悪化すると、これらの物質がうまく合成・分泌できなくなり、感情が不安定な状態や、うつ状態、自己否定などのネガティブな思考で脳が疲労しやすくなります。

・口臭や体臭、便の匂いがきつくなる
⇨⾷物のカスを大腸内の細菌が分解し発酵させることで、便特有の臭気が発⽣します。悪玉菌が多くなると、便が腸に停滞する時間が⻑くなり腐敗と悪臭の発⽣が進み、それらが口臭や体臭の原因になる事があります。

・便秘の悪循環が⽣まれる
⇨⼀度便秘になるとガスが腸内に溜まりやすい傾向になります。溜まった毒性のガスが、腸の働きを悪化させ、さらに便秘がひどくなります。便秘→便の腐敗進行→悪玉菌の増加→便秘という悪循環に陥ってしまいます。




ここまでの話でも、腸内環境が受験⽣の体調だけでなく精神的な面や、脳にまで関係してくるということは分かったと思います。
では、善玉菌優勢の良い腸内環境を作り、維持するにはどうすれば良いでしょうか?

答えは簡単で、腸内の善玉菌のエサとなる⾷品や栄養素を摂取することが有効です。

この、善玉菌のエサとなるのが、野菜果物⾷物繊維であり、反対に、肉などの動物性タンパク質・脂質や添加物入りの加工品の摂取は善玉菌が減り腸内環境のバランスが崩れます。(⾷事に関係なく体調が崩れた際に、腸内環境が悪化することもあります。)


◉良好な腸内環境とは……常に善玉菌優勢の環境が望ましい
善玉菌は野菜や果物をエサとし、これらを発酵させ有益な物質(ビタミンB 群や乳酸、酪酸、醋酸 など)を作ります。






<善玉菌のエサとなるもの>

◉⾷物繊維
⾷物繊維は炭水化物の⼀種で、人の消化酵素では分解されず腸内細菌の働きで⼀部が発酵・分解されます。⾷物繊維は以下の2種に分けられます。

・不溶性⾷物繊維穀類・豆・野菜などに多く含まれます。
⇨便秘の予防・改善、大腸ガンの予防、⾷べ過ぎの予防 など

・水溶性⾷物繊維野菜、果物、海藻、こんにゃくなどに多く含まれます。
⇨腸内環境の改善、血糖値上昇抑制、高血圧予防 など


◉「まごはやさしい」の⾷品
⼀度は聞いた事がある人も多いかと思いますが、この「ま・ご・は・や・さ・し・い」の⾷品を、毎⽇の⾷事で取れるように意識すると、腸内環境だけでなく普段の⾷事で不足しがちな栄養素のバランスも整ってきます。

」……大豆、小豆などの豆類。タンパク質、Mg。
」……ごま ごまの他、アーモンドなどのナッツ類。不飽和脂肪酸・ビタミンE
は(わ)」……わかめ 昆布・海苔などの海藻類。ヨード、カルシウム
」……野菜 野菜・根菜類。βカロチン、ビタミンC など
」……魚 魚類。タンパク質・n-3 系脂肪酸・亜鉛
」……しいたけ しいたけ、しめじなどのキノコ類。多糖類、⾷物繊維
」……芋類 じゃがいも、さつまいもなどの芋類。⾷物繊維には、炭水化物


そのほかにも、近年注目されてきたのがプロバイオティクス、プレバイオティクスというものです。


◉プロバイオティクス……⽣きた菌を直接摂取することで、腸内での菌の発育・定着を待たずに、腸内環境のバランスを改善し、体調調節を行う
ヨーグルトなどの発酵乳乳酸菌飲料



◉プレバイオティクス……腸内善玉菌の増殖を促し腸内環境のバランスを整える
⾷物繊維やオリゴ糖を含んだ⾷品




今回は、腸内環境を整えるために、善玉菌のエサとなりやすい⾷材などを用いたレシピをご紹介します。



<レシピ>

腸が喜ぶ!きのことごぼうのポタージュ

【材料】(4人分)

・ごぼう……1/2〜2/3(50~60g)
・マッシュルーム……7個(140g)
・玉ねぎ……大1/2個(150g)
・バター……10g
・牛乳……300ml
・⽣クリーム……80ml
・塩……小さじ1

【作り方】

① ごぼうは皮をむいてスライスし、たっぷりのお湯で柔らかくなるまで茹でて、ザルにあげ、さっと水で洗っておく。
② 玉ねぎ、マッシュルームはスライスする。
③ 鍋にバターをひいて、玉ねぎが透明になるまで炒めたら、マッシュルームとごぼうを加え蓋をしてマッシュルームから水分が出てくるまで、弱火で約5 分加熱する。
④ 水分が出てきたら蓋を取り、牛乳を加えミキサーで滑らかになるまで回す。
⑤ 再び鍋に戻して、いったん沸騰したら火を止めて、塩と⽣クリームを加えてよく混ぜたら出来上がり。






(簡単アレンジ! キノコとごぼうのパングラタン)



【材料】(2人分)

・ポタージュ……200ml
・⾷パン……2 枚
・ベーコン……適量
・チーズ……適量
・バター……適量
・片栗粉……大さじ2

【作り方】

① ポタージュを鍋に入れ、いったん沸騰したら火を止めて水溶き片栗(片くり粉:水=1:1)を加え、とろみがつくまでよく混ぜる。
② グラタン皿にバターを塗り、⾷パンを⾷べやすい大きさにちぎって並べる。
③ その上に、①のポタージュをかけ、⾷べやすい大きさに切ったベーコンをのせ、チーズをかけたら、トースターなどで焼き目がつくまで焼いて出来上がり。

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管理栄養士
浅田ゆうき先生

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