気をつけて!悪循環に陥りやすい、受験生の食事や習慣

  • 2019.09.30
  • 受験レシピ

みなさん、自分の平熱をご存知ですか?


近年、大人や子供に限らず低体温の人が増えています。
平熱の理想は36.5 度〜37 度で、36 度以下を「低体温」と言います。

36.5 度で最も免疫機能が活発になり、37 度前後で体内の酵素が活発化します。体温が0.5~1 度下がると、免疫機能が約30%低下するため、低体温の人は免疫機能の働きが弱く病気になるリスクも高いのです。


しかし、この低体温のリスクは病気に限ったことではなく、日常生活や勉強にも影響を及ぼします。
とくに、受験生が気にしてほしいのは午前中の低体温です。

生活リズムが朝方の人は、起床時の体温も比較的高い上に、朝食をしっかりと食べる人が多いため、午前中の早い時間に体温が急速に上がります。その結果、午前中から脳や体のエンジンがかかり、勉強の効率が上がるとともに、日中にある試験などでは十分に力が発揮できると考えられます。

逆に、夜型の人では起床時の体温は低く、朝食も抜く傾向にあるため、午前中の体温は低いまま昼近くになりようやくエンジンがかかります。これでは、午前中の勉強や作業を最低コンディションの中で行っているようなものですし、結果に繋がるとは到底思えません。


また、低体温ということは、体温を司る自律神経の働きが悪いということにも言い換えられます。自律神経とは、自分の意思でコントロールできない、体温や血流、臓器の働きを司る神経のことです。

自律神経は、交感神経と副交感神経に分けられ、起きて活動している時には交感神経が優位になり、リラックス時や寝ている時には副交感神経が優位になります。生活リズムの乱れなどによって、自律神経の働きが悪くなると、夜中に行われるホルモン分泌のタイミングがズレ、午前中の低体温→日中の集中力・意欲の低下→午後からエンジンがかかる→夜型体質といった悪循環に繋がっていきます。

⻑時間の勉強や塾などで就寝時間も夜遅くなりやすく、朝食を抜いたり、食事の量や内容、タイミングも不規則になりがちな受験生は、とくにこのような悪循環に陥りやすい状況にあります。


ではこの悪循環に陥らないように、または抜け出すためには、普段の生活でどうのような心がけが必要でしょうか?
次に紹介する自律神経を整え、体温を上げるポイントを参考に今一度、食事や生活習慣を見直してみてください!



【自律神経を整え、体温を上げるポイント】

・就寝時間、起床時間、食事の時間などを一定にしてベストな生活リズムを作る

→早寝、早起き、3食きっちり食べるといった当たり前のことが、自律神経を整える上では非常に重要なことです。また、起床時には日光を浴びる(体内時計がリセットされ、セロトニンが活性化する)のも重要なポイントです。自分にとってのベストな生活リズムを身につけることが、受験の結果にも繋がるかもしれません!


・運動をする(朝の軽いジョギング程度でもOK)

→ジョギングや体操、ストレッチといった毎日取り入れやすい軽い運動をすることで、筋肉がほぐれ血流が良くなり、自律神経が整いやすくなります。また、近年増えてきている、低体温の多くは筋肉量の低下により基礎代謝が落ちたためと考えられるため、日頃から適度な運動によって筋肉量を維持することも重要です。


・お風呂に入る(39〜41 度のお湯で15 分ほど入浴するのがおすすめ)

→⻑時間の勉強や試験などで、緊張・興奮状態にある脳や体を、一瞬にしてリラックスさせてくれます。副交感神経の働きが優位になることで、睡眠の質もアップします。


・朝食をとる

→以前の記事でも述べましたが、朝食をとることで体内時計のリセット・スタートのスイッチが入ります。つまり、朝食を抜くと体が活動モードに入らないばかりか、さらに夜型の体質に傾いていきます。


・腸内環境を整える

→腸は第二の脳と呼ばれるほど、多くの神経が張り巡らされており、体の様々なセンサーがあります。腸内環境を整えることで、それらの働きを正常化すると共に、食べたものをしっかりと消化・吸収し自分の体のものにすることができます。逆に腸内環境が悪いと、いくら良いものを食べても自分のものにはできません。


・自律神経を鍛える上で注目したい栄養素

<ビタミン群>
アドレナリン合成(ストレス時に心身を守るため大量に消耗されるホルモン)の材料となるビタミンC や、抗酸化作用のあるビタミンE やβカロテンにより、ストレスに負けない体作りをすることが、自律神経の乱れを防ぐことへと繋がります。

<トリプトファン>
アミノ酸の一種であるトリプトファンは、幸せホルモンと呼ばれる「セロトニン」の材料となり、気持ちをリラックスさせてくれる働きがあります。⻑時間の勉強などで、興奮、緊張した状態になっている受験生にとって、副交感神経を働かせリラックスすることはとても重要です。日常生活の中で、食事・入浴・睡眠時にはできるだけリラックスし、気持ちや脳を休めることを意識しましょう。トリプトファンは牛乳やチーズといった乳製品に多く含まれおり、体内では作り出すことができず、食物から取らなければなりません。

<GABA>
GABA は神経伝達物質として、脳に酸素や血流をめぐらせたり、神経をリラックスさせる働きをします。とくに、発芽玄米や発酵食品、野菜の中でもトマトなどに多く含まれており、1日に必要な量が中玉トマト1つで取れるとも言われています。また、GABAの材料となるグルタミン酸の摂取も有効だと思います。





<レシピ>

ストレスに負けない!
〜冷めても美味しい!丸ごとトマトのチーズリゾット〜




【材料】(2人分)

・小さめのトマト……4 個
・ピザ用チーズ……20g
(・パルミジャーノチーズの場合……10g)
・ご飯……120g
・ベーコン……20g
・バジル……6 枚

 ▽▽▽ A ▽▽▽
・おろしにんにく……小さじ1
・ケチャップ……小さじ2
・塩……小さじ1/3
・オリーブオイル……小さじ2
 △△△ A △△△

【作り方】

① オーブンを180 度に予熱する
② トマトの上から約1/4 を横に切る、ベーコンは細切りにし、バジルは粗めに刻む
③ 下の残ったトマトの中身を小さめのスプーンなどでくり抜いてボールに入れる(硬い芯の部分は除く)
④ そこに、ご飯、チーズ、ベーコン、バジル、A の調味料を入れて混ぜ合わせる
⑤ トマトをくり抜いた中に、③の具材を入れて切ったトマトの上の部分で蓋をする(③の具材が余ったら、別の耐熱皿やココットに入れて一緒に焼いてもOK)
⑥ 耐熱皿にトマトを並べて、180 度のオーブンで、15〜20 分ほど焼いて出来上がり(トマトが割れても、崩してそのまま盛り付ければOK)



*トマトの皮は残りますので、はずして食べて下さい。
*冷めると味やリゾットの固さが落ち着いて、さらに食べやすく美味しいです。


この料理は、トマトを崩して混ぜて丸ごと食べて下さい
GABA に限らずトマトに含まれる抗酸化作用の強いリコピンやβカロテンは、加熱することによって吸収率が高くなります。ご飯やチーズ、ベーコンなどを入れることで、一品でも栄養バランスが整いやすく、食べ応えのある一品です。



〜トマトとチーズの水餃子(トンナソースがけ)〜



【材料】(約20個分)


(水餃子材料)
・合挽き肉……200g
・ミニトマト……5個
・ピザ用チーズ……20g
・玉ねぎ……1/4 個
・バジル……10 枚
・おろしニンニク……小さじ2
・塩……小さじ1/2
・しょうゆ……小さじ1
・オリーブオイル……小さじ1
・餃子の皮(大判)……20 枚ほど

(トンナソース材料 *作りやすい分量)
・ツナ缶(オイル漬け)……1缶(70g)
・玉ねぎ……1/8 個
・マヨネーズ……大さじ1
・生クリーム……大さじ2
・レモン汁……小さじ1
・おろしにんにく……小さじ1/2
・塩……1つまみ

【作り方】

(トンナソース)
① 玉ねぎは粗みじんに切り、ラップをかけて500w 電子レンジで1 分加熱し、冷ます
② ボールに全部の材料を入れて、ハンドミキサーで滑らかになるまで回したら、出来上がり(ミキサーでもOK)
先にソースを作って冷やしておくと便利!

(水餃子)
① ミニトマトはヘタを取って、1/4〜1/6 の大きさに切る。玉ねぎはみじん切りにし、バジルは粗めに刻んでおく
② ボールに、ひき肉、ミニトマト、玉ねぎ、チーズ、バジル、ニンニク、しょうゆ、塩、オリーブオイルを入れてよくこねる
③ 餃子の皮で②の具材を包み、たっぷりの沸騰したお湯に入れ約2 分茹でたら、ザルなどで水気をきる
④ 熱いうちにお皿に盛り、トンナソースをかけ、お好みでオリーブオイルやコショウを散らして出来上がり(食べるラー油などを添えても美味しいです)




トンナソースとは、イタリア料理で「ツナソース」のことです。
ツナは、マグロやカツオのことを言い、EPA、DHA も豊富に含まれています。
GABA を作る材料となるアミノ酸も、肉や魚のタンパク質から摂取できる上、ツナソースとトマトや肉の相性は抜群ですので、一度試してみて下さい!

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管理栄養士
浅田ゆうき先生

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