受験は⻑期戦ですので、試験本番はもちろん1年を通して良いコンディションを保ちながら、勉強を効率よく行えることが望ましいですね。
しかし、人間ですので体調が悪い時や、気分がすぐれない日もあります。
その原因の一つに、気温や湿度、気象などの外的要因が関係してくることがあります。
とくに、日本には四季があり季節による環境の変化が大きく、それらは体調や精神にも様々な影響を及ぼします。
一方で、四季があるため日本では1年を通して様々な「旬」の食物がとれます。
旬を迎えた食物は最も美味しさと、栄養価が高まっているだけでなく、夏なら体を冷やし、冬なら温めるといったように、私たち人間が季節や環境の変化を乗り切る上でも、重要な働きをしてくれます。
そこで、季節の特徴や出やすい症状などを知りそれらに対応すべく、それぞれの季節に合った食物や料理を季節ごとにご紹介します。
今回は、冬編をお届けします。
冬
冬といえば、低温・乾燥により風邪やインフルエンザといったウィルス性の病気が流行り、受験生にとっては最も警戒する時期ではないでしょうか?
これらに感染しないように、手洗い、うがい、マスクなどは日頃から徹底している方もいると思います。
今回は食の面からも、風邪などの予防と、ひいてしまった時のケアとして心がけたい食事や栄養素のポイント をおさえておきましょう。
◉予防
・自然免疫を高める
自分の体に備わっている免疫力を普段から、高めておくことが風邪やウィルスに対する最も大きな予防となります。
そのために、腸内環境を整えることは欠かせません。腸内には無数の菌が生息し、私たちの健康や生命維持に深く関わっています。
腸内の善玉菌のエサとなる、食物繊維や発酵食品を普段から積極的に取り入れるようにしましょう。
・ビタミンA
にんじん、かぼちゃ、春菊、⼩松菜などの緑⻩⾊野菜などに多く含まれるビタミンAは、 体の免疫力を高め鼻や喉の粘膜を丈夫にする作用があるため、ウィルスの侵入を防いでくれます。
とくに、植物性食品に含まれるカロテンというビタミンA は、免疫力を高めて病気の治癒を早める働きも持っています。
冬の時期には、春菊など旬をむかえる緑⻩⾊野菜を鍋物などにして沢山食べることもオススメです。
◉もしも、ひいてしまったら
・ビタミンC
果物(柑橘類、いちご など)、ブロッコリー、じゃがいも、さつまいもなどに多く含まれるビタミンC は免疫力を強化するとともに、ウィルスを撃退し治癒を早める働きがあります。
風邪をひくと白血球がウィルスを退治しようとする過程で、白血球中に多く貯蔵されているビタミンC が減少していきます。
よって免疫機能が低下し、風邪をひきやすくなるばかりか、症状や回復期間にも影響してきます。
冬場は特に日頃から、普段よりもビタミンC を意識して摂取しましょう。
・消化の良いエネルギー源や栄養素を確保する
風邪などの病気にかかると、発熱などにより代謝が高まりエネルギー消費量が増えるので、エネルギー源をしっかり補給することがより早い回復へのポイントとなってきます。
その際、風邪などによって消化機能が低下していることを忘れずに、胃腸に負担のかかる脂質や食物繊維の取り過ぎには注意して、消化の良い炭水化物や芋類、柔らかくした野菜を中心 に摂るようにしまうしょう。
<レシピ>
【材料】(4~5 個分)
・里芋……50g
・⻑ネギ……1/4本
・レバー(鶏肝)……50g
・牛乳……大さじ1
・しょうが……3g
・豆乳……100g
・水……100ml
・卵……1 個
・塩……⼩さじ1/3
・バター……3g
(コンソメ餡)
・チキンコンソメ……1/4 個
・水……50ml
・醤油……⼩さじ1/4
・水溶き片栗粉……適量
【作り方】 *オーブンを200 度に予熱する。
① レバーは1口大に切ってよく洗い、牛乳に15 分ほどつけ水分をきっておく。
② 里芋は皮を剥き、5mm 程度にスライスする。⻑ネギは斜め切りにし、しょうがは千切りにする。
③ 鍋にバターを入れて溶かし、レバーと⻑ネギ、しょうがを入れレバーに火が通るまで炒めたら、水と里芋を加えて加熱する。
④ 里芋が柔らかくなったら火を止めて、そこに塩と豆乳を入れ滑らかになるまでミキサーやハンドミキサーにかける。
⑤ ボウルに卵をわって溶きほぐし、そこに④を加えてよく混ぜる。
⑥ 茶碗蒸しの器に⑤の液を流し入れ、上からアルミホイルで蓋をする。(器に蓋がある場合は不要)
⑦ 熱湯をはった天板に⑥の器を並べて、200 度のオーブンで約15 分、170 度に下げてさらに約15 分蒸し焼きにする。
⑧ その間に、⼩鍋に水とコンソメ、しょうゆを入れて一煮立ちさせたら水溶き片栗粉でとろみをつけて餡を作る。
⑨ 蒸しあがったフランに、⑨の餡をかけたら出来上がり。
フラン(洋風茶碗蒸し)にすることで、野菜もタンパク質も消化によい状態で食べることができます。
少し手間はかかりますが、レバーが苦手な人でもきっと食べられる、ビタミンA、鉄分、植物性たんぱく質などの不足しがちな栄養素を一気に摂れる一品です。
ウィルス性の病気以外にも、冬場の体調不良で気になるのが「寒暖差疲労」や「冬バテ」です。
これらは、冬場になり冷え込んでくると一日の最低気温と最高気温の差が大きくなることに加え、暖房機器により室内外の気温差が大きくなることが原因で起ってくる不調です。
寒暖の差が大きくなると、体は一定の体温を保つ為に普段より多くのエネルギーを消費し続けることになります。
これにより疲労が蓄積し、自律神経が乱れやすくなった結果、だるい、疲れが取れない、やる気が出ないなどの症状が出てきます。
このような、体調不良を少しでも軽減すべく、冬場は入浴や運動により体温を高めるだけでなく、食事でも体を冷やさない工夫が必要です。
◉体を冷やさない食事
冬場は体を中からも温めることを食事でも意識しましょう。
飲み物は常温や温かい物にし、食事も鍋料理や、汁物のほか温かく、様々な食材が一度に摂れるものがおすすめです。
食材では、体を温める効果のあるニラやネギ、生姜、ニンニクなどを使った料理もよいです。
<レシピ>
【材料】(4人分)
・ニラ……4〜5本
・うどん(茹で)……1玉
・⻑ネギ……1/3 本
・にんにく……5g(1粒)
・ひき肉……200g
・卵……2個
・薄力粉……大さじ1
・塩……⼩さじ1/4
・ごま油……適量
(つけだれ)
・しょうが(おろし)……適量
・ポン酢……適量
・かつお節……少々
【作り方】
① ニラは3cm 程に切り、ネギとにんにくは粗みじん切りし、うどんは6等分ほどにざっくり切っておく。
② ボウルにニラ、ネギ、にんにく、うどん、ひき肉、卵、薄力粉、塩を入れてよく混ぜ合わせる。
③ フライパンにごま油をひき熱したら、②をスプーンなどですくい食べやすい大きさにひろげて、両面焼き⾊がつくまでしっかりと焼く。
(フライ返しなどでひっくり返した際、上から軽く押す)
④ 器に盛り付けて、ポン酢にしょうが、かつお節を混ぜたつけダレと食べる。
ネギとニラには、独特の強い香りのもととなるアリシン(硫化アリル)という成分が含まれています。
このアリシンは、代謝を促進し、血行を良くして体を温める働きがあります。
また、うどんやひき肉を入れることで、炭水化物、たんぱく質も一緒に摂ることができ、一品で栄養バランスも整います。
簡単に作れて、おかずや間食、夜食にと万能なメニューですので、ぜひ一度作ってみてください。