受験生の食事!食欲との上手な付き合い方

  • 2020.03.26
  • 受験レシピ

受験勉強をしていく中で、食事は脳や体のガソリンとなりその勉強の質をも左右する重要なものです。


しかし、沢山食べれば良いというものではなく、自分のベストの質、量、タイミングを調整することで最も効果が発揮できます。

とは言うものの、実際は自分の食べたい物もありますし、ついつい食べ過ぎてしまう事も、そして塾や深夜の勉強により食事時間も調整できないなど、なかなか思い通りにはいきません……。


そのような中で、今回は自分自身の「食欲」とどのように付き合っていくのが良いのか、なぜ食欲が異常を起こすのかなどをご紹介します。









【食欲と受験勉強によるストレスの関係】

そもそも、食欲は脳の視床下部という部分でコントロールされています。
それと同時に、視床下部はストレスや不安などの情動的な行動にも関与しているため、受験勉強による様々なストレスによって食欲(満腹中枢や摂食中枢の働き)は影響を受けます。

そのストレスによる視床下部の異常は、食欲がなくなるケース、食欲が止まらないケースどちらとしても起こってきます。

しかし、このどちらの場合も「よく噛む」ことによって、症状が収まりやすくなります。
目安は食べ物を飲み込むまでに30 回ですが、まずは20 回から始めてみましょう。






【食欲が湧かない】

暑い、寒い、体調が悪い、気分が乗らない、勉強時間を少しでも多く取りたいから……
など様々な理由から食欲が湧かない経験をされたことがある方は多いと思います。

こんな時はどのように対処するのが良いのでしょうか。



・暑い、寒いなどの環境による食欲減退  

環境による食欲減退の場合、その環境を改善すべく暑い時期には冷たいもの、寒い時期には温かいものと考えがちですが、暑い時には冷たいものや水分の取りすぎにより、かえって消化機能を弱め食欲が湧かない状態になりやすいので、暑い時期も常温や温かい物を取り入れるようにしましょう。

また、湿度が高くジメッとした時期は、浮腫を抑制するカリウムが豊富な野菜、果物を中心に摂ることをお勧めします。
暑さや湿度での食欲減退には、スパイスやハーブなど食欲増進が期待できる食材を取り入れると効果的です。

また、入浴や運動によって代謝をあげて汗をかく事も食欲を正常に保つ上では重要です。



・体調による食欲不振  

風邪などの体調不良による食欲不振は、内臓の消化機能も弱っているため消化に良いもの が前提になります。
それに加え、体内のウイルスに対抗すべく免疫機能が働くことによって消耗されるビタミンC などのビタミンの摂取を心がけると良いです。

消化に良いものは、温かく、水分をある程度含むもので、炭水化物ではうどんやおかゆ、タンパク質では卵や豆腐、白味魚、ヨーグルト、ビタミンミネラルでは柔らかく煮込んだ野菜、苺やキウイ、りんごなどの果物などがお勧めです。



・精神的な理由による食欲不振  

受験生が経験する食欲不振は、試験前の緊張によるものや、勉強による疲労、勉強により 交感神経が優位の状態(一種の興奮状態)が続く、不規則な生活リズムや食事によるものなど様々です。

その原因を改善する事はもちろん重要ですが、食事においては無理やり食べるのではなく、少量でも良いので食欲をそそるような香り(果物やスパイス など)や目で見て美味しそうに感じる事(彩りをよくする、好物を取り入れる など)も大切にしてみてください。

もちろん、リラックス効果のある食材(ハーブ類やお茶、トマト など)や、疲労回復に有効な食材(タコ、豚肉、うなぎ など)などもその状況に応じて取り入れられると良いです。





<レシピ>

〜たこと柑橘のマリネ〜



【材料】(2人分)

・たこ(茹で)……100g
・いよかん(好きな柑橘類)……50g(4 房)
・金柑……2個
・紫玉ねぎ……15g
・トマト(大)……1/2 個
・きゅうり……1/8 本
・イタリアンパセリ……適量
⬇️⬇️⬇️ A ⬇️⬇️⬇️
・オリーブオイル……大さじ1
・塩……小さじ1/8(約3つまみ)
・レモン汁……小さじ1/2
・べんり酢……小さじ1/2
⬆️⬆️⬆️ A ⬆️⬆️⬆️


【作り方】

① タコは食べやすい大きさに切り、いよかんは皮をむいて実をふさから出しておく、金柑はヘタを取って8等分ほどにして種を除く。
② 紫玉ねぎはみじん切りにして塩を少しまぶして水に5分ほどつけ、水気を切る。トマトは5mm 角に切り、きゅうりとイタリアンパセリも細かく切っておく。
③ ボウルに、切った材料とA を全て混ぜ合わせたら、冷蔵庫で30 分〜半⽇ほど置いて出来上がり。
*食べる直前に、オリーブオイルを適量まわしかけてください!




1 月から3 月に向けて旬を迎える金柑は、皮ごと食べられる果物のため柑橘類の皮に多く含まれるビタミンC が多く摂取できます。

また、たこに多く含まれるタウリンは交感神経を抑制することにより、疲労回復効果などが期待できます。
たんぱく質とビタミンやミネラルが詰まった一皿に、柑橘類の香りや、目にも美味しい彩りを加えてみましたので、是非試してみてください。








【食欲をセーブしたい】

気がつかないうちについつい食べすぎてしまっている、食後眠たくなる、常に口さみしく間食が多め、間食のことばかり考えてしまう……
など、食欲が止まらないと感じる事もあるかと思います。

これは、体が欲しているサインなのかもしれませんが、欲求のままに食事をしてしまうと、勉強だけでなく健康にも支障をきたしてしまうことがあります。



・間食などではGI 値の低いものを選ぶ  

以前の記事でも紹介しましたが、GI 値(グリセミック・インデックス)とは食後の血糖値の上昇を示す指標です。
GI 値が低い物つまり食後の血糖値がゆっくりと上がっていくような食べ物を選ぶことで、血糖値を下げるインスリンというホルモンの分泌も緩やかになり、結果的にお腹がすぐに空きにくくなります。


・食事を抜かない  

食事の間隔が空きすぎると、次の食事量が増えるばかりか、体も溜め込みやすい体質になりがちです。
また、脳を最適な状態に保つにはやはり、定期的な食事によるエネルギーの供給が重要です。


・盛り付けを工夫する 

同じ量でも、大きな皿に盛り付けるのと、小さな皿に盛り付けるのでは、見た目で満腹感が得られるのはどちらでしょう?
(小さお皿の方が多くのっているように錯覚しやすいです。)

また、野菜などでカサを増やしたり、よく噛む食材を使うことで実際の満腹感を得られるよう工夫もできます。


・ストレスによる食欲増進の予防 

受験勉強のストレスからくる食欲増進では、まず規則正しい生活リズムを整えることで自律神経が整い、そこに適度な運動を取り入れる事でさらに食欲も整いやすくなります。
また、気分転換や自分なりのストレス発散方法を見つけることが重要ですし、食材ではストレスによって消耗されるビタミンB やビタミンC を含む食材を積極的に取り入れてみてください。





<レシピ>

〜さつま芋の2⾊団⼦〜



【材料】(4人分)

・さつま芋……200g
・絹どうふ……50g
・片栗粉……大さじ1
・豆乳……30ml
・きな粉……大さじ1
・砂糖……小さじ1
・塩……ひとつまみ
・ココアパウダー……大さじ1
・砂糖……小さじ1


【作り方】

① きな粉は砂糖と塩と混ぜ合わせ、ココアパウダーも砂糖と混ぜ合わせておく。
② さつま芋は、皮を剥いて1cm 程の輪切りにし、耐熱皿にのせラップをしたら電⼦レンジ600w で3分30 秒〜4分ほど加熱し、熱いうちに潰しておく。
③ そこに、豆腐と片栗粉を加えてこねたら、鍋に移して豆乳を加え弱火で滑らかになるまでゴムベラなどで混ぜる。
④ 滑らかになったら、小さめの一口大の団⼦状に丸めて(約30~40 個ほど)きな粉と、ココアをそれぞれまぶしたら出来上がり。
*ポイントは小さめに丸める事で、口に入れたときの芋団⼦ときな粉やココアとのバランスが良くなり美味しくなります。



さつま芋はGI 値が低いだけでなく、さつま芋に含まれるビタミンC はデンプンに守られているため、加熱などによっての損失は少なく、また電⼦レンジを使う事で茹でずに調理ができ水にビタミンC が溶け出す事も防げます。

また、大豆もGI 値が低いことに加えて、脳の伝達物質の材料となるレシチンが豊富なため、記憶力や集中力には良いとされています。

 

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管理栄養士
浅田ゆうき先生

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