受験生の食事 〜免疫力を上げる ②〜

  • 2020.09.01
  • 受験レシピ

前回に引き続き、昨今のウィルスにより注目が高まっている「免疫力」について、今回も食の面からお話ししたいと思います。


受験生という立場を考えると、日々机に向かって勉強する時間が多い中で一定かつ十分な運動や睡眠時間を確保するのが難しい状況にあることや、また試験が近づくと緊張やプレッシャーというストレスにさらされることが多く、思っている以上に体は過酷な状況にあります。

そんな体と心のコンディションは免疫力にも大きく影響してきます。
ここぞという時に力を発揮できるよう、日々の食事の積み重ねにより強い体と心を保ちましょう。


前回は、免疫力を上げる(=下げない、良好な状態を保つ)ための食事術についてご紹介しましたが、今回は少し視点を変えて、免疫力に関わる様々な食材が持つ力や食べ方に注目していきたいと思います。







◎食物の持つ力〜免疫力〜


私たちが普段何気なく食べている食物の中にも、体の免疫機能にも寄与する栄養素や成分が沢山存在します。
以下に、代表例をいくつかご紹介します。
 

・緑黄色野菜……
色の濃い緑黄色野菜には、細菌の侵入を防ぐ粘膜を強化するβカロテンやストレス(免疫力を下げる一因)に対抗するもととなるビタミンC、リンパ球(免疫細胞)を活性化するビタミンEが豊富に含まれています。
免疫機能を高く維持するためには欠かせない食材です。

・肉・魚……
肉や魚に含まれる動物性たんぱく質には免疫細胞の合成に必要な必須アミノ酸が豊富です。
そのため、たんぱく質不足は筋肉の低下だけでなく免疫力の低下にも繋がります。

・きのこ類……
きのこ類には腸内環境を整える上で重要な食物繊維を多く含み、その食物繊維の一種であるβ-グルカンは免疫機能を活性化し、癌予防の効果が期待されるほどの成分です。

・果物(柑橘類)……
柑橘類には酸っぱさの成分となる「クエン酸」が含まれており、このクエン酸が血液の酸化を抑え、血流をサラサラにし血行を良くして体を温めてくれる働きをします。
柑橘類の他にも、お酢や梅干しなどのクエン酸を含む食物には、基礎体温を上げ免疫力を高める働きがあります。


免疫力や健康を維持するにあたり有効な食材(栄養素)は上記の他にも沢山あります。
しかし、全ての食材の栄養素や働き特徴を頭に入れて献立を立てることはとてもできません。
そこで大切になってくるのが「より多くの種類の食材を食べる」ということです。




◎より多くの種類の食材を食べる重要性


世の中には、免疫力を上げるにはこの食材が良い、このサプリメントが効くなどの情報が沢山溢れています。
しかし、「これさえ食べておけば良い!」という、そんな都合の良い薬のような食物は存在しません。

そもそも、どんな食物もそれぞれに栄養素が含まれており、様々な食物を食べる=様々な栄養素を摂ることによって、私たちの体は維持され生きているのです。
ですから、いつも同じような食事ばかり食べていると、摂取する栄養も自然と偏り、気づかないうちに免疫力が下がる、体の不調が起こるといったことに繋がります。


普段から、自分があまり食べないような食材を見つけて食事に取り入れたり、献立のレパートリーを増やす、苦手な食材も食べる工夫をする、一度の食事で多くの食材を取り入れるなどを意識して、より多くの栄養素を摂れるようにしましょう。




◎免疫力アップには楽しく、美味しくが基本


本来食事は、人間に備わっている食欲という欲求を満たすためのものであり、そこには「美味しい」「幸せ」「楽しい」といった感情が生まれやすいものです。
しかし、何かの目的を達成するため時として食事は楽しみからただの手段へと変わることがあります。

健康を追い求める場合も同様で、栄養や効能にこだわりすぎて食事のバランスが崩れてしまったり、健康に良いからといって嫌いな食材を無理して食べ続けたりすることはかえって良くない結果を招きます。


食事自体がストレスになると、免疫機能で大きな役割を果たすNK細胞を低下させてしまいます。
反対に、笑うことでNK細胞は活性化されるため、特に受験生では気分転換も兼ねて食事の時間は楽しく美味しく食べる環境を整えることが重要です。




<レシピ>

 

秋のパワーサラダ




【材料】(2人分)

・豚肩ロース……100g(ステーキ用1枚)
・春菊……60g
・イチヂク……1個
・セロリ(茎)……10cm
・かぼちゃ……スライスしたもの6枚
・マッシュルーム(白)……1個
・くるみ……適量

(味噌のハニーマスタードドレッシング)
⬇️⬇️⬇️ A ⬇️⬇️⬇️
・味噌……小さじ1
・粒マスタード……小さじ1
・はちみつ……小さじ1
・オリーブオイル……小さじ2
・水……小さじ1
⬆️⬆️⬆️ A ⬆️⬆️⬆️



【作り方】


① 小さいボウルに A の調味料を合わせてよく混ぜ、水を入れさらによく混ぜたら、冷蔵庫で冷やしておく。

② 豚肉に塩、こしょうを熱したフライパンで片面1分30秒ずつ焼きアルミホイルに包んで5〜10分ほど休ませておく。

③ 豚肉を焼いたフライパンの油を拭き取り、かぼちゃを焼き色がつくまで焼く。

④ 春菊を洗って水気をよくきり食べやすい大きさに切る、セロリとマッシュルームはスライスにし、イチヂクは8当分程にくし切りにする。

⑤ 休ませておいた豚肉を食べやすい大きさに切る。

⑥ お皿に春菊を盛り、その上に豚肉、セロリ、かぼちゃ、マッシュルーム、イチヂク、砕いたクルミを散らし、食べる直前にドレッシングをかけてか出来上がり。


*春菊の代わりに、レタスや、ベビーリーフなどお好みの野菜でも楽しめます。
*イチヂクの代わりに、柿などの旬の果物を使うのもオススメです。




これからの秋の時期に旬を迎える食材を使い、一つのサラダの中に、糖質、たんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラルといった様々な栄養素の食材が入ったパワーサラダです。

 受験生では、これにパンやおにぎり麺などの糖質をつけて勉強する上で必要なエネルギーをしっかり確保しましょう!



 

簡単!五目中華おこわ


 

【材料】(2合分)

・もち米……2合
(もしくは、・もち米……1合 +・普通米……1合)
・焼豚(市販)……250g
・たけのこ……120g
・干し椎茸……(中)2〜3個
・人参……1/2本
・長ネギ……1/2本
・ごま油……大さじ1
⬇️⬇️⬇️ A ⬇️⬇️⬇️
・酒……大さじ2
・しょうゆ……大さじ2
・オイスターソース……大さじ1
・砂糖……大さじ1
⬆️⬆️⬆️ A ⬆️⬆️⬆️
・干し椎茸の戻し汁……150ml
・水……180ml

(お好みで)
・うずら卵……適量
・甘栗……適量



【作り方】

① もち米を洗い水に30分以上浸けておき、ザルなどで水気をしっかりときっておく。干し椎茸はたっぷりの水で戻す。
うずら卵は茹でて殻をむいておく。A の調味料を合わせておく。

② 焼豚、たけのこ、人参、干し椎茸を5mm〜1cm角にきる。長ネギはみじん切りにする。

③ フライパンにごま油を熱し、たけのこ、人参、干し椎茸を中火で2~3分ほど炒める。

④ そこに、焼豚、長ネギ、もち米を加えてさらに5分ほど炒める。

⑤ 炊飯器に④の具材ともち米を入れて、A の調味料と戻し汁、水を加えてかき混ぜる。
*この時に、しっかりとかき混ぜないと調味料が均一に混ざらず味ムラができる。

⑥ お米を平らにならして、お好みでうずら卵や甘栗を乗せて、炊き込みご飯モードでたく。(おこわモードでもOK)

⑦ 炊き上がったら10分以上蒸らして、混ぜほぐして出来上がり。


*炊き上がったものを保温モードで炊飯器に置けばおくほど、もち米が水分を含み柔らかくなるため、長時間保温しすぎるとお米がべちゃべちゃになります。
お好みの硬さで、炊飯器から出してください。(ラップで包んで冷凍などしてください。)
*あまり水分が多いお米が好きでない場合は、もち米1合と普通のお米1合を混ぜて作ると美味しく召し上がれます。




受験生にオススメしたいのが、ご飯の中に野菜やきのこ、たんぱく質が入る混ぜご飯です。
その中でも今回は、モチモチとした食感と食欲をそそる味付けの中華おこわをご紹介します。

本来、竹皮や笹の葉などで包み蒸し(茹で)て作るちまきを、家庭でも簡単に炊飯器で作れるようにしました。
たくさん作って冷凍しておけば、お弁当にはもちろん栄養バランスの整った間食、夜食などにも大活躍してくれます。

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管理栄養士
浅田ゆうき先生

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