受験生にとって気になるのが運動不足ではないでしょうか?
定期的に運動する習慣がある場合は良いのですが、特に運動習慣がない人は受験シーズンになると机に向かう時間が長くなり、いつにも増して運動する機会が減ってしまい、体調の変化(気分が晴れない、便秘気味、肌荒れ など)や体重の増加につながるケースもあります。
もちろん少しでも運動機会を作れると良いのですが、それが難しい人は運動以外にも食事によって体内を見直すことはできます。
以前、「腸は第二の脳」という記事でもご紹介しましたが、体内の多くのことを司っている「腸」の環境を整えることがその第一歩です。
腸内は目に見えませんが、人が生きていく上で必要なビタミンやホルモンまでをも作り出してしまう臓器です。
その腸内環境を整える上で、重要になってくる栄養素が、近年ダイエットや健康の面から広く知られるようになった「食物繊維」です。
食物繊維がどのような栄養素なのかをご存知ですか?
今回は、受験生が自分の体内を見直す際のキーワードとなる食物繊維について詳しくご紹介します。
◎食物繊維とは
食物繊維とはその多くが植物の細胞壁の成分であり、人の酵素などでは消化することのできない物質で、体内では整腸作用や生活習慣病の予防にも効果が期待されている栄養素であることから、第六の栄養素とも呼ばれています。
しかし実は、食物繊維は炭水化物の一種であることを知っていますか?
炭水化物は、「糖質」と「食物繊維」の2種類に分類することができるのですが、それぞれの体内での働きは異なります。
◎2つの食物繊維
食物繊維をもう少し詳しくみていくと、以下の種類に分類することができます。
◎⽇本⼈の7割が⾷物繊維が不⾜している
⾷物繊維は、私たちの普段の⾷⽣活においては過剰摂取の⼼配はなく、むしろ努⼒しないと不⾜しがちになります。
⽇本⼈の⾷事摂取基準(2020 年版)では、⽣活習慣病の予防を⽬的に⽇本⼈が⽬標とすべき摂取量として「⽬標量」が設定されており、⾷物繊維の⽬標量は1 ⽇あたり、18〜64 歳の男性で21g 以上、⼥性で18 g 以上となっています。
しかし、平成29 年 国⺠健康・栄養調査(厚⽣労働省)では、20 歳以上の⾷物繊維摂取量は、男性で15.2 g、⼥性で14.8 g であり、男⼥ともに3~6g 不⾜しているという結果です。
この原因の⼀つとして、昔と⽐べ現代では様々な⾷物が⼿に⼊り⾷⽂化も多様化する中で⽇本⼈の⽶(和⾷)離れ(⽞⽶から精⽩⽶への移⾏も含む)が増加したことに加え、近年は炭⽔化物ダイエットなどの流⾏によりさらに穀類の消費量が減少してきました。
しかし、穀類には炭⽔化物だけでなく、その他の栄養素や⾷物繊維も含まれているため、普段のからしっかりご飯(雑穀⽶や、発芽⽞⽶ などを選ぶようにする)を⾷べることが重要です。
◎⾷べる際のポイント
・温野菜やスープ(汁物)を活⽤して量をとろう
野菜を多く⾷べたいと思ったとき、サラダなどの⽣野菜はかさが⼤きく少量しか⾷べることができないのに対して、温野菜やスープにすることでかさが減りより沢⼭の量を⾷べることができます。
また、⽔溶性⾷物繊維は⽔に溶け出しやすいため、スープなどは汁ごと全て飲むようにし、温野菜は茹でるよりも蒸す⽅が栄養価が残るためおすすめです。
・様々な⾷材から不溶性・⽔溶性⾷物繊維の両⽅をとろう
2種類の⾷物繊維をご紹介しましたが、両⽅の⾷物繊維を含んでいる⾷材も豊富にあります。
この⾷材に⾷物繊維が多いからといって偏った⾷べ⽅をするのでははなく、⼤切なのは、様々な⾷材を⾷べることでバランスよく栄養素も⾷物繊維も摂取することです。
<レシピ>
【材料】(4 ⼈分)
・⾖腐……1/3 丁
・えのき……50g
・しめじ……50g
・⼲ししいたけ……2枚
・もずく(酢味付き)……(100g)2カップ
・豚バラ⾁……100g
・⽵の⼦……50g
・⽔……600ml
・顆粒鶏がらスープ……⼤さじ1 と1/2
・酒……⼤さじ2
・しょうゆ……⼤さじ1 と1/2
・こしょう……少々
・酢……⼤さじ1
・⽚栗粉……⼤さじ1と1/2
・ごま油or ラー油……適量
・⼩ねぎ……適量
【作り⽅】
① ⾖腐は1cm ⾓に切り、⽵の⼦と豚⾁、⼲ししいたけは細切り、えのきとしめじは⾷べたやすい⼤きさにほぐしておく。
*⾖腐は絹ごし⾖腐や、⽊綿⾖腐などをお好みで選んでください。
② 鍋に⽔を⼊れ沸騰したら鶏がらスープを⼊れて溶かしたところに、えのき、しめじ、⼲ししいたけ、豚⾁、⽵の⼦を⼊れて煮⽴たせ出てきたアクをすくって除く。
③ 次に、⾖腐と酒、しょうゆを加えてお好みでこしょうを少々⼊れる。
④ ⼀旦⽕を⽌めて、⽚栗粉を同量の⽔で溶き、少しずつ混ぜながら鍋に加える。
⑤ 再び⽕をつけとろみがついていることを確認したら、溶き卵を回し⼊れる。
*とろみがついたところに、溶き卵を⼊れるとフワッと卵が広がり綺麗に仕上がります。
⑥ 最後にもずくと酢を加え、1 分ほど弱⽕で煮たら器に盛り付けお好みでごま油(⾟いのが好きな場合はラー油)をたらして、⼩ねぎをちらして出来上がり。
*もずくとお酢を⼊れてからは酸味を⾶ばす程度に加熱し、くれぐれも加熱しすぎないように注意してください。
⽔溶性⾷物繊維の豊富なもずく(海藻類)と、不溶性⾷物繊維が豊富なきのこや⽵の⼦がたっぷり⼊ったスープです。
酸味もそれほどキツくせず、⾟いのが苦⼿な⽅にはごま油で⾵味をつけて⾷べやすくしてあります。
ご飯や麺との相性も良く、ついつい⾷が進むスープです。
また、スープにすることで⽔溶性の栄養素が汁に溶け出していますので、より効率よく栄養素を摂取することができます。
【材料】(4 ⼈分)
・⾖乳……500ml
・きび糖(なければ砂糖)……⼤さじ1
・粉寒天……1g
・ゆで⼩⾖(⽸詰)……適量
・マンゴー(お好みの果物)……適量
・ドライフルーツ……適量
・さつまいも……100g
⬇️⬇️⬇️ A ⬇️⬇️⬇️
・きび糖(砂糖でもOK)……⼤さじ1
・みりん……⼤さじ1
⬆️⬆️⬆️ A ⬆️⬆️⬆️
(シロップ)
・⽔……200ml
・ジャスミン茶葉……2パック(10g)
(なければ紅茶でもOK)
・はちみつ……⼤さじ3
【作り⽅】
① 鍋に⾖乳、きび糖、粉寒天を⼊れ良く混ぜ、⽕にかけ沸騰したら弱⽕にし1~2 分程加熱する。粗熱が取れたら、容器に⼊れ冷蔵庫で冷やし固める。
② (シロップ作り)⼩鍋に⽔を⼊れ沸騰したら、⽕を⽌めジャスミン茶を⼊れ2 分程煮出して、ティーパック(茶葉)を除いて、はちみつを加えて良く混ぜたら、冷蔵庫で冷やしておく。
*茶葉は濃いめに煮出しておく。
③ ドライフルーツに熱湯をかけ15〜20 分程つけて⽔気をきっておく。
④ さつまいもは5mm ⾓に切って鍋に⼊れ、浸るほどの⽔と A を⼊れて中⽕にかけ⽔気がなくなるまで煮て、粗熱をとる。
⑤ 器に①の⾖乳寒天を⼊れその上に、あずき、マンゴー、ドライフルーツ、さつまいもを盛り付け、⾷べる直前にシロップをかけて出来上がり。
⾖乳を固めたものに、芋や⾖、穀類をトッピングし蜜をかけて⾷べる台湾スウィーツの⾖花(トウファ)を⾷物繊維が豊富なトッピングでアレンジしました。
⾖や芋、果物が持つ優しい⾃然の⽢みが引き出され満⾜感がありながらも、⾖乳を使ったヘルシーなおやつです。
受験勉強の間⾷にもぴったりです。
トッピングはお好みでご家庭にあるものでアレンジしても楽しむことができますので、ぜひ⼀度お試しください。