受験⽣の⾷事〜貧⾎〜

  • 2020.12.22
  • 受験レシピ

受験勉強において、限りある時間の中で効率よく勉強をするために重要になってくるのが集中⼒です。

この集中⼒を⾼めるには、脳の唯⼀のエネルギーである糖を補給して不⾜しない状態、すなわち⾎糖値をコントロールする事が⼤切であることはこれまでも述べてきました。


しかし、糖の他にも集中⼒を⾼めるために重要な栄養素があります。
それが「鉄」です。

体内において鉄は、⾎液中の⾚⾎球に含まれるヘモグロビンの材料として使われます。
ヘモグロビンは、呼吸で取り込んだ酸素と結びつき、体のすみずみまで酸素を運ぶ働きをします。

鉄が不⾜し、ヘモグロビン(⾚⾎球)が少なくなると貧⾎となり、酸素が⼗分に体中に運ばれないため、運動だけではなく、勉強や⽇常⽣活までにも⽀障が出てきます。
特に勉強においては、集中⼒の低下、ひいては学習意欲の低下へとつながることも指摘されています。

また、成⻑期にある年齢では必要量が増すことや、⼥⼦においては⽉経によってもその必要量が増えるため、知らず知らずのうちに貧⾎に陥っている受験⽣は多いかもしれません。


今回は、そんな貧⾎を予防するための⾷事についてご紹介します。






<貧⾎の予防>

貧⾎とは⾚⾎球あるいはヘモグロビンの量が正常より少なくなった状態で、その原因によって多くの種類に分けられます。
⽇本⼈の貧⾎の多くは鉄の摂取不⾜や鉄損失が増えることによる鉄⽋乏性貧⾎です。
ひどくなると、運動や勉強だけでなく、⽇常⽣活にも影響を及ぼします。


★症状

初期段階では⾃覚症状はありません。(しかし、すでに要注意です!!)
徐々に進⾏するにつれ、軽い運動でも息切れや動悸がしたり、めまい、⾷欲不振などの神経障害、胃腸障害、体温低下などに繋がります。



★鉄の種類

貧⾎の予防には、⾷事から⼗分な鉄分を摂取しなければなりません。
⾷物によって含まれる鉄の種類に違いがあり、その違いは体内への吸収率に⼤きく影響します。

・ヘム鉄……動物性⾷品(⾁類(レバーや⽜⾁)、いわし、かつお など)
 
  体内への吸収率=20〜30%



・⾮ヘム鉄……植物性⾷品(緑⻩⾊野菜や穀類、⼤⾖製品、果物など)
 
   体内への吸収率=2〜10%



★鉄を多く含む⾷品


*鉄の摂取⽬標にしたい量は、15〜17 歳で(⽉経なし)5.5.〜7.0mg、(⽉経あり)8.5〜10.5mg


★⾷事のポイント

貧⾎の⾷事は 1 ⽇ 3 ⾷、栄養バランスの良い⾷事をすることが基本です。
その上で、鉄分豊富な⾷材、鉄の吸収を⾼める栄養素、鉄分や造⾎に必要な成分を多く含む⾷品を摂ることが⼤切です。

◎ 1 ⽇ 3 ⾷、バランスの(⾁や⿂のメインが)整った⾷事をする!!

⽇本⼈の⾷⽂化は昔から海藻や⾖類、野菜を多く⾷べる習慣があり、現在でも⽇本⼈の⾷事から摂れる鉄は⾮ヘム鉄(吸収率 2~10%)が 80%以上と⾔われており、鉄に関しては決して効率の良い⾷事スタイルではありません。
それに加え、若い年代でのダイエットや偏⾷も近年増えてきているため、まずは3⾷を⾷べることから始め、その上でしっかりメインとなる主菜において⾁や⿂から吸収率の良い鉄を摂取することが重要です。


◎ 良質のタンパク質を摂る

タンパク質は、⾎液中の⾚⾎球やヘモグロビンの材料となる⼤切な栄養素です。
良質のタンパク質を含む⾷品とは、⿂介類、⾁類、卵、⼤⾖製品、乳製品などです。
⼀度に沢⼭摂っても体の中に貯めておくことはできません。毎⾷主菜にとりいれて⾷べるようにしましょう。


◎ 造⾎効果のあるビタミン類を⼗分に摂る

○ビタミン C
ビタミン C は、⾷品中の鉄が体で利⽤されるためになくてはならないものです。
ビタミン C を多く含む新鮮な野菜や果物を⼀緒に⾷べることによって、⾮ヘム鉄の吸収率を⾼めることができます。

○ビタミン B12、葉酸
ビタミン B12 と葉酸は、正常な⾚⾎球を作るために必要な栄養素です。

・ビタミン B12 を多く含む⾷品
      ‥‥⽜・豚レバー、⿂介類、⾙類、卵⻩、チーズ など

  ・葉酸を多く含む⾷品
        ‥‥⽜・豚レバー、卵⻩、⼤⾖、納⾖、ほうれん草、ブロッコリー など


このように、効率よく鉄を吸収して貧⾎を予防するためには、ビタミンCやタンパク質、ビタミン B などを組み合わせて摂取しましょう。




<レシピ>

〜漬けて焼くだけ!簡単プルコギ〜




【材料】(4⼈分)

・牛肉こま切れ……300g
・赤パプリカ……1/2個
・ニラ……1/2束(約40g)
・人参……1/3本
・玉ねぎ……1/2個
▼▼▼ A ▼▼▼
・すりおろしニンニク……大さじ1/2
・コチュジャン……大さじ1
・しょうゆ……大さじ1と1/2
・酒……大さじ1と1/2
・砂糖……大さじ1
▲▲▲ A ▲▲▲
・白ごま……適量
・ごま油……大さじ1


【作り⽅】

①ボールにAの調味料と牛肉を入れてよく混ぜ合わせ、ラップをして冷蔵庫で30分ほどおいておく。

② パプリカと人参は千切りにし、玉ねぎはくし切り、ニラは食べやすい長さに切る。

③ フライパンにごま油をひいて、ニラ以外の野菜を入れて炒めて、ある程度火が通ったら①の牛肉を加えてさらに炒める。

④牛肉に火が通ってきたらニラを加えてさっと炒め、仕上げに白ゴマをまぶして混ぜ合わせたら完成。




プルコギは鉄分とタンパク質が豊富な牛肉と、ビタミンCが豊富なニラや、パプリカなどの野菜が同時に沢山摂れるため、鉄分強化にはピッタリの献立です。
作り方も調味料を合わせてお肉を漬けておき、野菜と一緒に炒めるといった簡単なレシピで、子供も好きな味付けですので是非一度作ってみてください。

 

あさりとひじきの炊き込みご飯




【材料】(2合分)

・米……2合
・アサリ水煮缶……1缶(160~180g)
・ひじき(乾)……10g
・しょうが……1かけ(15g)
▼▼▼ A ▼▼▼
・酒……大さじ2
・しょうゆ……大さじ1
・みりん……大さじ1
・塩……小さじ1/2
▲▲▲ A ▲▲▲
・三つ葉……少々


【作り⽅】

①お米は洗って20〜30分ほど水に浸水し、ザルにあげておく。

② ひじきは水で戻したら水気をきっておく。しょうがは千切りにし、あさりの水煮は身と汁に分ける。

③炊飯器に米とAの調味料、煮汁の汁を入れ、2合の目盛りに合わせて水を加えて軽く混ぜる。その上に、しょうが、ひじき、あさりの身をのせて普通炊で炊飯する。

④炊き上がったら器に盛り、三つ葉を添えて出来上がり。




鉄分豊富なあさりは水煮缶を使うことで簡単にあさりの美味しいダシが効いた炊き込みご飯ができます。
ひじきに含まれる鉄分は、非ヘム鉄であまり吸収率が高くありませんが、ビタミンCが豊富なしょうがや三つ葉と一緒に食べることで吸収率もアップします。

とくに、三つ葉は添え物のイメージが強いですが、生食で食べられるためビタミンCも効率よく摂取できるので、是非たっぷりのせて一緒に食べてみて下さい。

 

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管理栄養士
浅田ゆうき先生

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