受験⽣の⽔分補給

  • 2021.02.25
  • 受験レシピ

勉強に集中するために、机の上を整理したり、⾳楽を聴いたり、休憩中に補⾷を摂ったりなど⼈それぞれに⼯夫していることはあると思います。

しかし、勉強効率をあげるために⽔分補給を意識したことはあるでしょうか。
 

人間の体の半分以上は水分でできています。
加齢と共にその割合は減っていきますが、幼児では約65%、成人では約55~60%、高齢者では約50~55%と言われているほどです。

体内での水分は血液などの体液として存在し、酸素や栄養素を身体中に運び、老廃物を排出し、体温調節にも大きく関わっています。
体内の水分量が減少すると、喉の渇きや、食欲不振、頭痛や痙攣といった脱水症状があらわれてくることはよく知られています。


しかし、喉の渇きを感じる以前のわずかな水分量の低下でも、集中力の低下、疲労や不安を感じるといったことが引き起こされます。

これらは、自分自身でも気がつかない隠れ脱水状態のサインの一つかもしれません。


そこで、今回は普段の体調や勉強効率を保つために、適切な水分補給の重要性についてご紹介します。







適度な水分補給とは?

 

・種類

飲料水といっても、水やお茶、ジュースやコーヒーなど様々な種類のものがあります。
これらは、状況や気分によって体に適した飲み分けを行うことができます。

例えば、運動の際には汗から多く失われるミネラルや、素早いエネルギー回復のため、それらを補う成分の入ったスポーツドリンクが適しています。
勉強においては、あくまでも水分補給を目的とした、水やお茶などの飲み慣れたものが良いと思います。

ジュースや炭酸飲料などはかえって糖分の摂りすぎや、腹部の膨満感などにもつながります(気分転換などには用いると良いです)。

また、カフェインの入った飲み物(コーヒー、紅茶、緑茶 など)は適量であれば「リラックス」や「眠気の防止」などにも有効ですが、依存性が高いため摂りすぎるとトイレの回数が増えたり、不安感が強くなったりするなどの報告もあるため注意が必要です。
(夏場などの汗をかく季節には、ミネラル(イオン)を含む飲料も必要に応じて摂取してください。)



・量

人間は、1日に2〜2.5ℓの水分が尿や皮膚から失われるため、同量の水分を摂取しなければなりません。
そのうち食事や体内で生じる水分が1.2ℓほどあり、残りの約0.8〜1.3ℓを飲料水から摂取します。

よく「こまめに水分補給をしましょう」という言葉を聞きますが、それは、一度に体内で吸収できる量が200~250mlと決まっており、それ以上の量をとっても尿などとして体外へ排泄されるからなのです。

そのため、コップ1杯程度の水分を1日に5〜8回ほどに分けて飲むのが理想的です。
一度に、多くの水分を摂りすぎるとかえってトイレの回数の増加や、体調不良の原因にも繋がるので注意してください。



・タイミング

普段の生活において、人は食事以外で水分を取る場合、喉が乾いたということを一つのサインにしていますが、実は喉が乾いてからの水分補給はタイミングとしては遅すぎるのです。

というのも、隠れ脱水は自分では気がつかないわずかな水分不足からも起こっており、軽度の脱水症状に慣れるとさらに喉の渇きを感じにくくなります。
勉強に集中する受験生では、なおさら喉の渇きを意識することは難しいかもしれません。

そのため、喉が乾く前に自分で定期的に水分を摂る習慣(起床時、勉強前、勉強中、勉強後、就寝前 など)をつけることが大切です。

 

・温度

温度は、夏場などは冷水(5~15℃)が美味しく感じる温度帯であり、吸収も早く、体温を下げてくれる効果なども期待できますが、胃腸への刺激や負担も大きい温度です。

そこで、おすすめなのが、ぬるいと感じる温度(20~35℃)です。
飲み慣れないうちは、あまり美味しいと感じる温度ではありませんが、胃腸や体への負担も少ないため普段の水分摂取には向いています。
さらに温かい温度の水分摂取は、体温を上げ、リラックス効果も期待できるため、冬場の就寝前などにはおすすめです。

水分補給を意識するといっても、水やお茶ばかりを飲むのが苦手な人もいます。
気分転換のジュースやコーヒーは適度に取り入れると良いですが、それ以外にも、余分な塩分や糖分、カフェインなどを含まないお出汁を上手に活用するのもおすすめです。



<レシピ>

基本のお出汁〜アレンジドリンク〜




【材料】

・水……1ℓ
・昆布……10g
・鰹節……10~15g


【作り方】

①鍋に水と昆布を入れて火にかけ、沸騰前(細かい泡がいくつも浮かんできたら)昆布を取り出す。
②沸騰したら火を止めて鰹節を入れて2分程おく。
③ボウルの上にキッチンペーパーをしいたザルをおいて、その上からだし汁を注いで鰹節をこしたら出来上がり。


〜アレンジドリンク〜



温かいだし汁(80ml)をコップに入れ、ゆずやレモンの皮とローズマリーやカルダモンといったハーブ・スパイスを少量入れる(組み合わせは自由)と、すっきりとした風味が加わってハーブティーのようにも楽しめます。
 




お出汁は、昆布と鰹節に含まれる様々なミネラルが溶け出し抽出され、体内により吸収されやすい状態となっています。
また、旨味の元であるアミノ酸も豊富なため、塩分を加えなくても、旨味を感じ満足感を得やすいです。

 

冬のお出汁ポタージュ


【材料】(2〜3人分)

・だし汁……300ml
・じゃがいも……小〜中1個(100g)
・玉ねぎ……1/2個
・ごぼう……1/2本
・牛乳……100ml
・バター……5g
・塩……小さじ1/3


【作り方】

①ごぼうは皮を削り斜めにスライスして、水をはったボウルに入れて、水を2〜3回かえてさっと洗う。じゃがいもは皮をむいて1cm幅のいちょう切りにし、玉ねぎは薄切りにする。
②鍋にバターを入れて溶かし、ごぼう、じゃがいも、玉ねぎを入れて、玉ねぎがしんなりするまで炒める。
③そこに、だし汁を加えてさらに中〜弱火で加熱する。
④じゃがいもとごぼうが柔らかくなったら火を止め、ハンドミキサー(ミキサー)などで、滑らかになるまで攪拌する。
⑤牛乳と塩を加えて、さらに攪拌したら出来上がり。


汗などをかきにくい冬場はとくに自覚症状のない脱水になりやすいため、夏場以上に水分補給の意識が必要です。

そこで、食事でも水分と栄養素が同時にしっかり摂れるスープなどの汁物がおすすめです。
お出汁を加えることで、いつもとは違ったコクが加えられ、日本人にも馴染みやすいポタージュになるので、是非一度作ってみてください。

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管理栄養士
浅田ゆうき先生

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