夏場を乗り切る食事からの受験生のコンディショニング

  • 2022.07.20
  • 受験レシピ

受験生にとって、夏はまとまった勉強時間を確保し受験に向けてさらに加速していく重要な時期です。
しかし今年は異例の早さでの梅雨明けに始まり、例年以上の猛暑の夏が到来し、すでに夏バテ気味の受験生も多いのではないでしょうか。

「暑くて食欲が湧かない」、「水分ばかり摂りがち」、「食べやすく、冷たい物に偏りがち」といった夏場の栄養不足が、だるい、元気が出ない、胃腸が弱るといったいわゆる「夏バテ」症状を引き起こす原因になります。

体も、心も、脳も食べた物で出来ており、それらはすなわち記憶力・思考力・判断力といったものにも影響を及ぼします。

そこで今回は、この夏をベストコンディションで乗り切るための食事や生活についてのポイントをご紹介します。



受験生がこの夏の時期をいかに良いコンディションで過ごせるかという事が、受験合格に向けての非常に重要な要素となってくると思いますので、ぜひ参考にしてみて下さい。


◎自律神経を整える

気温が上昇すると私たちの体は汗をかいたり、心臓の拍動を抑制したりなどして体温を低下させる反応が活発になります。

これらの、体温を一定に保つための働きは自律神経によって調節されています。
気温が常に高い夏場では、昼夜問わずこの自律神経が目一杯働き続けるため、自律神経自体が疲弊し乱れやすくなり、その結果だるい、疲れる、眠れないなどの夏バテ症状が出てきます。

そこで、夏場は自律神経を整えることを意識して生活することも重要になってきます。

自律神経を整えるポイント

・起きたら朝日を浴びて、朝食をしっかり摂る
・寝る前にスマホやパソコン、テレビなどは見ないようにする
・入浴はぬるめのお湯(38~40℃)でリラックス
・エアコンを上手に使い、就寝中も快適な室温に保つ など


◎胃腸の働きを弱めない

暑い夏場はどうしても冷えた飲み物や、冷たい物を食べたくなりがちですが、これらの摂りすぎが胃腸を冷やし、働きを弱めてしまう原因にもなります。
また、胃腸が冷えると体内で消化の際に分泌される、消化酵素の働きも弱くなり(消化酵素が最もよく働く温度は37℃)、さらに食べたものを消化しにくい状況を生み出してしまいます。

そのため夏場でも常温や温かいものの摂取により胃腸を冷やさない事が重要になってきます。
また、レモンやお酢などのクエン酸を入れる事で胃の消化酵素である胃酸の分泌を促進する事ができ、食欲増進にも繋がります。

そして、夏場に飲み物や麺類など胃腸があまり働かなくても消化吸収される食物の摂取ばかりが続くと、胃腸の機能は低下してしまいますので、たんぱく質や食物繊維といった、胃や腸の働きを必要とする食材も積極的に摂っていきたいです。


◎適切な水分補給

水分は喉が渇いたからと言って、一度に沢山飲んでも吸収される量は決まっているので、余った分は排泄されます。
それでも、排泄しきれないものはお腹にたまり胃液などを薄め結果的に食欲不振などの症状に繋がります。

そこで夏場の水分補給は特にこまめにする方が効率がよく、喉の渇きを感じる前に、目安としては30分〜1時間毎にちびちび飲むことをおすすめします。

また、水分の温度も体内で吸収されやすい5〜15度で飲むのが良いと思います。


◎夏場を乗り切る食物を取り入れる

<食欲増進 食材>

上記のように高温多湿な夏場は、自律神経が乱れやすく食欲も減退します。

そこで、減退した食欲を少しでも戻すため食欲増進効果のあるスパイスやハーブ、薬味、お酢などの食材を上手に取り入れる事がおすすめです。また、これらの食材は食欲増進だけでなく、消化促進や疲労回復作用があるものも多いため、特に夏場は意識したいです。

<疲労回復食材>

タンパク質……タンパク質は筋肉や臓器などのほか、ホルモンや神経伝達物質の心の材料となるため、筋疲労だけでなく精神的な疲労回復にも必要な栄養素です。

ビタミンB群……ビタミンB群は糖質・タンパク質・脂質の三大栄養素が体内でエネルギーに変わる際に必要なビタミンであり、体内の代謝サイクルを効率よく回す上で欠かせない栄養素です。

ビタミンC……ビタミンCは疲労の原因となる活性酸素を消去する抗酸化能力が高い栄養素です。夏場は、紫外線が強く体内で活性酸素が発生しやすくなるため、ビタミンCの摂取も重要になっていきます。なお、ビタミンCは、1度に沢山摂取しても貯めておけないため、こまめに摂取するのがオススメです。

食材としてはタンパク質やビタミンB群は鰻や豚肉、鶏肉、レバーなどに豊富です。
ビタミンCは果物や野菜に多く含まれますが、水と熱に弱い性質があるため生の状態の方が効率よく摂取できます。

一方で、芋類にもビタミンCは含まれており芋類のビタミンCは、熱に強い性質を持っているため加熱調理によっても摂取する事ができます。

また、これらの栄養素はストレスがかかる事で消耗されるため、特に「暑さ」というストレスが1日中付いて回る夏場においては、これらの必要量は増えるため積極的に摂取したいです。

<体の熱を取り、夏場に強い食材>

トマト、きゅうり、ナス、ゴーヤといった夏野菜は、東洋医学の世界では体内の余分な熱を取り除く食材として知られています。

また、暑い時期に育つ食物は暑さや紫外線に負けないための様々な栄養素や能力(抗酸化作用の強いポリフェノール類やビタミンC、ビタミンEなど)を多く含んでいるため、それらの食材を摂取することは夏の暑さを乗り切るためにも有効です。

夏場の食欲減退は仕方のない事ですが、だからこそ少量でも栄養価の高い食材や料理が求められますので、ぜひ上記を参考にして夏の献立作りなどに役立てて下さい。



<レシピ>
 

〜辛くない!あさりと豚のスンドゥブチゲ〜



【材料】(4人分)

・あさり……150g
・豚バラ(薄切り)……100g
・絹ごし豆腐……1丁(300g)
・長ネギ……1/2本
・玉ねぎ……1/2個
・えのき……40g
・ニラ……30g
・にんにく(すりおろし)……小さじ1
・卵……4個
▼▼▼ A ▼▼▼
・顆粒鶏がらスープ……小さじ1
・魚醤……小さじ1と1/2
(なければ、醤油)
・塩……適量
▲▲▲ A ▲▲▲
・水……400ml
・ごま油……適量


【作り方】

① あさりは砂抜きをする。豚バラは1cm幅程に切り、長ネギは斜めに、玉ねぎは薄めにくし切りにする。
ニラとえのきは食べやすい長さに切る。

② 鍋にごま油を引き、にんにくを加えたら火をつけ香りがたってきたら豚バラ、長ネギ、玉ねぎを加えて炒める。

③ 豚バラに火が通ってきたら水、あさり、えのきを加えて煮る。

④ あさりの殻が全て開いたらアクを取りAの調味料をと豆腐、ニラ、卵を入れて一煮立ちさせる。

⑤ 最後に塩で味を整えたら出来上がり。
*辛さが大丈夫な方は、キムチやコチュジャンを入れても美味しく召し上がれます。
 



暑い夏でも、食欲をそそる栄養たっぷりのスープです。
あさりは鉄や亜鉛といったミネラルが豊富なほか、ビタミンB12や疲労回復効果のあるタウリンも多く含んでいます。

ここにタンパク質とビタミンB群に富んだ豚肉と疲労回復、食欲増進効果のあるにんにくやニラなどを合わせ、スタミナ満点のスープにしました。

辛くないのでお子さんでも美味しく食べられます。
ついつい冷たいものに偏りがちな季節ですが、体の中は冷やさずにしっかり栄養の摂れる食事を心がけましょう。

 

〜夏野菜のジューシーカレー酢豚〜



【材料】(2人分)

・豚肩ロース(ブロック)……200g
▼▼▼ A ▼▼▼
・カレー粉……小さじ1/2
・しょうゆ……小さじ2
・酒……小さじ1
・水……大さじ1
▲▲▲ A ▲▲▲
▼▼▼ B ▼▼▼
・油……大さじ1/2
・水溶き片栗粉……大さじ1/2
▲▲▲ B ▲▲▲
・片栗粉……適量
・パプリカ……1/4個
・ピーマン……1個
・セロリ……10cm
・玉ねぎ……1/4個
・たけのこ……40g
▼▼▼ C ▼▼▼
・ケチャップ……大さじ1
・酢……大さじ1
・砂糖……大さじ1と1/2
・ウスターソース……大さじ1/2
・しょうゆ……小さじ1
・カレー粉……小さじ2/3
・水……30ml
▲▲▲ C ▲▲▲
・水溶き片栗粉……大さじ1
・油……適量


【作り方】

① パプリカ、ピーマン、たけのこは一口大の乱切りにする。
玉ねぎはくし切りにし、セロリは筋をとって斜めに5mm幅ほどに切る。

② 豚肉は余分な脂身を除いて一口大に切り、Aの調味料と一緒に手で揉みこんだ後、Bを加えてさらによく揉み込む。
それらに、片栗粉を多めにまぶして軽く手でぎゅっと豚肉を握って、表面にしっかり片栗粉をつける。

③ 揚げ油を170~180℃に熱して、豚肉に火が通るまで3分程揚げて取り出す。
続けて、①の野菜を入れて30秒〜1分程素揚げにする。

④ フライパンにCの調味料を入れて一煮立ちさせ、水溶き片栗粉でとろみをつけたら③の豚肉と野菜を加えてよく混ぜ合わせたら出来上がり。
 



カレー粉には数種類のスパイス(ターメリック、クミン、ナツメグ、コリアンダー、クローブ など)が入っており、食欲増進効果や消化促進、整腸作用、疲労回復など夏バテ防止に効果的な働きが期待できます。

これに、消化促進や疲労回復効果のあるお酢と、タンパク質、ビタミンB群たっぷりの豚肉、紫外線や疲労から身を守る旬の夏野菜を合わせ、夏にぴったりの酢豚にしました。

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管理栄養士
浅田ゆうき先生

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