〜食事でつくる受験生の合格をつかむ力!〜

  • 2022.12.23
  • 受験レシピ

受験生にとって受験本番が近づく大切な時期がやってきました。
みなさん合格を目指してこの本番の日のために備えていると思います。

そもそも、受験に合格するために必要な力とは何でしょう?
「問題の読解力」、「計算力」、「記憶力」、「集中力」など様々なものが思い浮かぶかもしれません。学力を測る試験ですので、いかに勉強ができるかということは当然重要になってきます。

しかし、それらの土台となる身体と心の力も忘れてはいけません。
この大きな土台があって初めて、『受験という目標を決める力』、『その目標に向かって突き進む力』、『合格という目標を実現する力』が備わってきます。
その土台を作る中心となるのが、まさしく食事です。

今回は、受験生が食事で合格をつかむための身体と心の力をあげる食事術をご紹介します。



 

◎食事でつくる前向きな心

やる気がでなければ、勉強ははかどりません。
このやる気は、気合いや根性からできているわけではなく、食べ物によって体で作られているのです。

その大きな要素となるのが神経伝達物質と呼ばれるもので、やる気や元気、闘争心をもたらす「アドレナリン」や、反対に落ち着きや安定をもたらす「GABA」、幸福感を司る「セロトニン」などがあります。
いずれも、タンパク質に含まれるアミノ酸を主原料として、ビタミンB群や鉄などのビタミンミネラルの力を借りて体内で合成されます。

やる気が出れば、勉強がはかどり、自信に繋がりさらに良いメンタル状態へと好循環が作られますので、しっかり食べて心のバランスを保ちましょう。

 

◎食事でつくる、ベストコンディションを維持する力

普段の体調や免疫力はもちろん、1日の中での調子の良し悪しにも食事が大きく関わってきています。

例えば、午前中は勉強がはかどるのに、午後からは眠くなり集中力が落ちる。
反対に、朝はボーッとしてやる気を出すのに時間がかかり、夜の方が勉強がはかどる。

これらは、勉強の効率にも大きく影響するため、できれば朝から1日中やる気も集中力も、思考力も高い状態で維持し続けたいですよね。
そのために食事でできる3つのポイントをご紹介します。

① 朝食をしっかり食べる

→朝食は体内時計をリセットし、身体の調子を司る自律神経を整えやすくします。
また、就寝中に枯渇した栄養素やエネルギーを補充するとともに、1日の活動エネルギーを確保する役割もあります。

② 遅めの夕食や就寝前の食事に気をつける

→質の良い睡眠のために夜遅くや就寝前はできるだけ、糖質や脂質の多い食事は避けたいです。
なぜなら、就寝中に消化吸収に体がエネルギーを使ってしまうことや、血糖値の乱高下が起こることで睡眠の質が落ちてしまうばかりか、朝起きてだるい、疲れている、食欲がないなどといった不調にも繋がりやすいからです。

③ 糖質の摂り方に気をつける

→エネルギーを生み出す3大栄養素(糖質・タンパク質・脂質)のうち、大きく血糖値を上げる働きがあるのが糖質です。
生きていく上で食事により血糖は維持していかなくてはなりませんが、その血糖値の上がり方によって体には様々な変化や不調が起こってきます。
多くの糖質を摂取したり、空腹時にいきなり糖質を摂取すると、急激に血糖値が上がりその後今度は急激に血糖値が下がります。
これらは、血糖値の変動を調整するためのホルモンや自律神経に異常を生じさせ、その結果食後眠たくなる、集中力が落ちるといった不調を引き起こすのです。
糖質の量も重要ですが、食材の食べる順番によって、血糖値の上がり方は大きく変わってきます。
血糖値を上げる糖質は、最後に食べるようにしましょう。

海藻・野菜 → タンパク質(主菜:肉魚・卵・豆類) → 糖質
おかずでお腹をいっぱいに!

ベストコンディションを維持するためには、このような食事に加えて運動や睡眠の確保も欠かせないため、日頃の生活習慣も意識することが大切です。

 

<レシピ>

 

〜あさりと蕪の冬の五目ご飯〜



【材料】(2〜3人分)

・米……1合
・あさり水煮(缶詰)……1缶
・蕪……100g
・塩……小さじ1/2
・人参……1/8本(25g)
・ごぼう……1/4本(25g)
・しめじ……20g
▼▼▼ A ▼▼▼
・酒……大さじ1
・みりん……大さじ1
・しょうゆ……大さじ1
・水……適量
▲▲▲ A ▲▲▲


【作り方】

  • ① 蕪は皮をむいて5mmの角切りにして塩をふって、手でよくもんで15分程置いて水気をよく絞っておく。
  • ② お米をといで水に30分ほど浸漬させた後、ざるにあけてしっかり水気をきる。
  • ③ 人参は5mmの角切りに、ごぼうはささがきにし、しめじは石づきを除いてほぐす。
  • ④ 炊飯器にお米と、Aの調味料、あさり水煮缶の汁を入れたら、水を1合目盛りの少し下まで入れる。その上に、あさり、人参、ごぼう、しめじを入れて炊飯器で炊く。
  • ⑤ 炊き上がったら、①の蕪を入れてよく混ぜ合わせたら出来上がり。
 



あさりはコンディションを整える上で欠かせないタンパク質やミネラルが豊富な上、水煮缶を使うことで手軽に美味しく汁ごと摂取できます。
糖質の摂り方についてのポイントは上記しましたが、ご飯も白米ではなくタンパク質や野菜などを入れた具沢山のものにすることで、血糖値の上昇を緩やかにすることができるだけでなく、不足しがちな食物繊維やミネラルも摂取しやすくなります。

 

〜グリルチキンと蕪の栗ポタージュ〜



【材料】(2人分)

・むき栗(甘栗)……100g
・玉ねぎ……1/4個
・マッシュルーム……1個
・チキンコンソメ……2g
・生クリーム……50g
・牛乳(豆乳)……30ml
・水……160ml
・バター……5g
・ナツメグ……少々
・鶏肉……100g
・小蕪……1個


【作り方】

  • ① 玉ねぎはくし切り、マッシュルームはスライスし、バターをひいた鍋に入れて玉ねぎが透明になるまでよく炒める。
  • ② そこに栗、チキンコンソメ、水を加えて20分程中〜弱火で煮込む。
  • ③ その間、蕪は皮をむいて4つ切りにし、鶏肉は食べやすい大きさに切って塩(分量外)をふり、フライパンで焼き目がつき火が通るまでよく焼く。
  • ④ ②が煮込めたら、火を止めてハンドブレンダー(ミキサーでも可)でペースト状にする。
    *この時、水分が足りなければ足して下さい。
  • ④ 生クリーム、牛乳、ナツメグを加えて弱火にかけながらよく混ぜ、塩で味を整えたら出来上がり。




冬場に旬を迎える栗には食物繊維の他、カリウムやビタミンB1、ビタミンCなども含まれており、小さいながらも栄養素がぎゅっと詰まった食材です。
これに、タンパク質たっぷりの鶏肉や消化に良く免疫力を高めてくれる蕪を合わせて、これからの時期に嬉しい食べるポタージュにしました。

管理栄養士
浅田ゆうき先生

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