無事に受験を終えられた方も多いこの時期ですが、一方でラストスパートに入る方、またこれから受験に向けて新たに走り出す方も多く、まだまだ挑戦が続く大切な時期ではないでしょうか。
きっと皆さんのこれまでの努力が自信となり、受験本番では自分自身を支えてくれる事と思います。
同様に、心と体も受験生自身を支える大切な要素です。
とりわけ、受験生においては健康な体に加えて、思考する上で欠かせない元気な脳や、最後までモチベーションを保ち続けるための前向きな心も必要です。
これらは、日々の食事や習慣によって作り上げられます。
そこで、今回は受験生が本番で力を発揮できる、自信に繋がる食事のポイントをご紹介します。
◎脳のエネルギーは糖質だけでは危険!!
脳を動かすエネルギーとして良く知られているのが糖質ですが、厳密には糖質に多く含まれるブドウ糖が脳の主なエネルギー源となります。
このブドウ糖は、糖質だけでなくタンパク質からも作り出され、また脂質もこのブドウ糖と同じ化学元素から構成されており体や脳の重要なエネルギー源となります。
脳を長時間安定して働かせるためには、体内のブドウ糖の量=血糖を一定に保つことが重要です。
しかし、糖質由来のブドウ糖のみではこの血糖が急激に上がったり、下がったりと乱高下しやすくなってしまいます。
そのため、脳のエネルギーは糖質由来のブドウ糖からだけでなく、タンパク質や脂質といった栄養素からも供給することで、脳が長時間安定して働ける状態を作り出しやすくなります。
勉強の合間の食事や補食には手軽なおにぎり(糖質)などが選ばれがちですが、そこに消化の良いタンパク質も是非増やして下さい。
<レシピ>
〜お弁当のおかずや補食にも!ささみのフワフワ磯部バーグ〜
【材料】(3人分)
・ささみ……200g
・大葉……3枚
・小ねぎ……20g
▼▼▼ A ▼▼▼
・マヨネーズ……大さじ1/2
・溶き卵……1/2個
・塩……2つまみ
・片栗粉……大さじ1/2
・青海苔……大さじ1/2
▲▲▲ A ▲▲▲
▼▼▼ B ▼▼▼
・酒……大さじ1/2
・みりん……大さじ1/2
・しょうゆ……大さじ1/2
・砂糖……大さじ1/2
▲▲▲ B ▲▲▲
【作り方】
- ① ささみは筋を取り、5mm幅ほどの細切りにする。
大葉は千切りにし、小ねぎは小口切りにする。 - ② ボウルにささみ、大葉、小ねぎとAを入れてよく混ぜ合わせ6〜8等分にして小判型に整える。
- ③ 油をひき熱したフライパンに並べて、両面2分30秒ずつ焼いて、Bを加えて煮詰めながら全体に絡める。
- ④ 器に盛り付け、白ごまをお好みで散らしたら出来上がり。
*お好みで大葉や海苔を巻いても美味しいです。
冷めても美味しく、お弁当や小腹が減った補食にも便利な手軽にタンパク質が増やせる一品です。
ささみは脂質が少なく、肉類の中でも消化が良い部位です。
しかし、その分パサつきがちですので、マヨネーズや砂糖などの調味料を使用する事で保水力が高まり、冷えてもフワフワと美味しく食べる事ができます。
形や大きさも用途に合わせて作り置きできて便利ですので、ぜひ作ってみて下さい。
◎食事で脳の働きを安定させる工夫
上記のように、脳が長時間安定して働くためには、血糖値を安定させることが重要になってきます。
実際に、糖質に偏った食事により血糖値が乱高下すると、思考力・集中力・判断力などの低下や、食後の眠気、だるさ、落ち着かないなどの脳や心のさまざまな症状に繋がってきます。
大切な試験の昼食後などにこのような状態になるのだけは避けたいです。
そこで、血糖値を安定させるための食事の工夫をご紹介します。
食材の食べる順番によって、血糖値の上がり方は大きく変わってきます。
血糖値を上げる糖質(ご飯・パン類)は、最後に食べるようにし、まずはおかず(副菜・主菜)から食べることを意識しましょう。
副菜(海藻・野菜) → 主菜(肉魚・卵・豆類) → 主食(ご飯・パン)
野菜のおかず(副菜)に含まれる食物繊維は、糖質の消化・吸収を緩やかにしてくれるため、糖質より先に食べることで血糖値の急激な上昇も抑えられます。
また、タンパク質も糖質よりも先に食べることで、インスリンという血糖値を下げるホルモンが先に少しずつ分泌された状態になり、その後糖質を食べても血糖値が上がりにくくなります。
おかずに含まれる、タンパク質や脂質は人間が生きていく上で欠かせない栄養素であり、毎食ごとに十分量摂取しなければ、私たちの体の機能は落ちていってしまいます。
また、野菜や肉、魚などに含まれるビタミンやミネラルはエネルギーを生み出す上では、欠かせない栄養素です。
一方で、上記のようにエネルギー源となるブドウ糖などはこうしたタンパク質や脂質からも作られるため、まずはおかずをしっかり食べることが重要です。
エネルギーを生み出す上で欠かせない栄養素は、三大栄養素(糖質・脂質・タンパク質)の他にもあります。
むしろ、これらの栄養素がなければ三大栄養素からうまくエネルギーを作り出すことができません。
その重要な栄養素がビタミンとミネラルです。その中でも、エネルギー産生に大きく関わってくるのがビタミンB群と鉄です。
これらは、体内でエネルギーを作り出す際に特に多く必要となる栄養素であり、このビタミンB群と鉄を多く含む食材が「肉や魚」です。
また、肉や魚は体と心を作る主材料となるタンパク質も豊富に含んでおり、食べ溜めすることが出来ないため毎食十分な量を食べることが重要です。
<タンパク質とビタミンB、鉄を含む食材>
◎脳の安定は心の自信
上に挙げた食べ方や、食材・栄養素は血糖値が安定し脳の働きがよくなるだけでなく、前向きな心を作るホルモンの材料としても欠かせないものです。
そのため、自信を持って前向きな心で試験に臨む上でもとても重要になってきます。
ただ、このような食事は試験本番直前に急に変えても、体(消化・吸収能力)はついていけませんので、普段からこのようなスタイルを意識していくことが必要です。
「自信」はこれまでの勉強の積み重ねと、食事によっても作り上げられますので是非意識してみて下さい。
<レシピ>
〜牛肉と春菊の金柑サラダ〜
【材料】(2人分)
・牛肉(薄切り)……50g
・金柑……1~2個
・春菊……40g
・セロリ……1/8本
▼▼▼ A ▼▼▼
・塩昆布……5g
・酢……大さじ1
・ごま油……大さじ1
・はちみつ……小さじ1/4
・塩……1つまみ
▲▲▲ A ▲▲▲
【作り方】
- ① 牛肉は食べやすい大きさに切り、沸騰したお湯でさっと茹で、ざるにあげておく。
金柑はよく洗って薄めにスライスする。
春菊は、葉をちぎって水にさらして、水気をしっかりきる。
セロリは筋があればピーラーでむいて除き、薄くスライスする。 - ② ボウルにAと牛肉、セロリを入れてよく和える。
なじんだら、食べる直前に金柑、春菊を加えてよく混ぜ合わせたら出来上がり。
*お好みで、黒こしょうをふっても美味しく召し上がれます。
冬に旬を迎える春菊と牛肉を合わせて、副菜でもしっかり美味しくタンパク質やビタミンB群、鉄などが取れるサラダにしました。
春菊には、皮膚や粘膜の新陳代謝(作り替え)を促し免疫力を高めるβカロチンも豊富で、寒いこの季節にぴったりの食材な上、生で食べる事でビタミンCなどの栄養素も豊富に摂取できます。
春菊は強い香りや苦味が特徴ですが、しっかりと味のついた牛肉と爽やかな甘みのある金柑と合わせる事で、子供でも食べやすくなりますのでぜひ一度作ってみて下さい。