〜暑い夏を乗り切る!受験生の食事と栄養〜

  • 2023.07.24
  • 受験レシピ

受験生にとって「夏」はまとまった勉強時間を確保し、確実に力を伸ばしていく上でとても大切な時期です。


一方で、毎年この暑い夏の時期になると食欲が落ちる、夜の寝つきが悪くなる、夜中に目が覚めてしまう、朝起きるとだるいといった夏バテのような不調を抱える人も多いと思います。

受験生にいたっては、夜遅くまでの勉強や、夏休みに入っての生活リズムの変化、運動不足、ストレスなどの要因も相まってさらに体調を崩すリスクも大きくなります。


そこで、今回はこの大切な暑い時期を乗り切るための食事や栄養などについてご紹介し、「頑張りたい時に頑張れる受験生の体作り」をサポートしていきたいと思います。



 

◎食欲が湧かない時こそ、気をつけたい食事!


最近の夏バテは、異常な猛暑日の増加と冷房の効いた室内で過ごすことにより生じる気温差に体が順応できず、体温を司る自律神経の乱れが原因となることが多くなりました。

夏バテの症状の1つである「食欲不振」も、暑い時期に冷たい飲み物や食べ物を多く摂取することにより胃腸が冷え、内臓機能が低下することで生じやすくなります。

また、食欲が湧かない、胃がもたれるからと麺類やおにぎり、パンなどの食べやすい糖質に偏りがちになることで、さらに消化能力・免疫力の低下、血糖値の乱れによる疲労感や不調などが強く出るリスクも上がります。

夏場でも、食事では温かいものや、食べやすい汁物やスープなどでタンパク質とミネラルを補う工夫が必要です。
これに加えて、胃がもたれている時には無理をして脂身の多い肉を摂る必要はありませんが、お刺身や、冷しゃぶ、卵料理など食べやすい形で摂取していくことが重要です。


<夏場に摂りたい栄養素>

◆タンパク質……肉や魚に含まれる良質なタンパク質には良質なアミノ酸が含まれています。
私たちの体は、筋肉も血も骨も脳もホルモンも免疫細胞も全てアミノ酸からできているため、その材料となるタンパク質の確保は、元気な体の機能を維持していくためには欠かせません。


◆ビタミンB群……食べたものを効率よくエネルギーやホルモンなどに変えていく際に必要になってくる栄養素です。
特に、夏場においては疲労物質の分解や、エネルギー生成の面で、疲労回復に欠かせない栄養素として注目されます。


◆ビタミンC……暑さや疲労によるストレスから身を守るための、ストレス対処ホルモンを合成する際に大量に必要になってくるのがビタミンCです。
また、紫外線による酸化を防ぐ抗酸化作用にも優れています。
そのため、夏場のビタミンCの消費量は多く、その分しっかり摂取しなければなりません。



<レシピ>

〜スタミナ満点!韓国風牛しゃぶ〜



【材料】(2人分)

・牛しゃぶ肉(牛肉薄切り)……200~250g
・玉ねぎ……1/6個
・カイワレ大根……1/3パック
・きゅうり……1/2本
▼▼▼ A ▼▼▼
・コチュジャン……大さじ1
・ごま油……大さじ2
・しょうゆ……小さじ2
・砂糖……大さじ1
・レモン汁(もしくは酢)……大さじ1
・すりおろしニンニク……小さじ1
・白ごま……大さじ2
▲▲▲ A ▲▲▲


【作り方】

  • ① 玉ねぎは薄くスライスし水にさらした後、キッチンペーパーでしっかりと水気を絞る。
    きゅうりは千切りにし、牛肉は食べやすい大きさに切る。
  • ② お湯を沸かし牛肉をさっと色が変わるまで湯通しした後、ざるにあげて粗熱をとり、水気をしっかりきる。
  • ③ ボウルにAを混ぜ合わせ、牛肉、玉ねぎ、カイワレ大根、きゅうりを加えてよく混ぜ合わせたら出来上がり。
    *それぞれの食材の水気をしっかりときり混ぜ合わせることがポイントです。
 



タンパク質だけでなくビタミンB群や鉄分も豊富に含む牛肉に、ビタミンCたっぷりの生野菜を加え夏場でも食べやすい、冷しゃぶにしました。

ニンニクや玉ねぎに含まれるアリシンには、ビタミンB1の吸収を促進する働きや、消化液の分泌促進による食欲増進・消化吸収促進などの効果もありタンパク質との食べ合わせも良いです。

また、野菜に含まれるビタミンCは水に溶けやすく、熱に弱い性質を持つため生野菜として摂取することで効率よく摂ることができますので、ぜひ一度作ってみて下さい。




◎夏の睡眠の質を上げる工夫


暑くて寝苦しい日も多くなる夏の夜ですが、その寝苦しさは暑さだけの問題ではないかもしれません。
食事や生活習慣によって睡眠の環境を整えることも、暑い夏の夜を乗り切るためには大切になってきます。

睡眠の質を上げる上で重要になってくるのは、睡眠ホルモンである「メラトニン」です。
このメラトニンを睡眠時に十分に生成・分泌させることが良い睡眠へとつながるのですが、そのためにはいくつかのポイントがあります。


<メラトニン生成・分泌のポイント>

◆メラトニンの材料となる栄養素の確保

睡眠ホルモンであるメラトニンは、体内でタンパク質(アミノ酸)を主材料とし、ビタミンB群、鉄、マグネシウムなどによって生成されます。

そのため、これらの材料が食事から十分摂取できないと睡眠の質も下がってくる恐れがあるため、夏場の食欲不振や偏った食事に陥らないように注意が必要です。


◆入浴

夏場であっても湯船に浸かる入浴を行うことで、体温が一時的に上がり入浴後の就寝時に体温が下がり寝つきが良くなります。
これに加え、入浴することで副交感神経が優位になり就寝前にリラックスした状態が作られやすくなります。

また、入浴時に入浴用のマグネシウムを入れる工夫をするのもおすすめです。
マグネシウムは、メラトニンの材料となる一方で食事からは不足しがちな栄養素です。
このマグネシウムには経皮吸収(皮膚から吸収)される特徴があるため、入浴時にマグネシウムを加えることで体内に吸収することができ、睡眠の質の改善にも期待できます。

*入浴用のマグネシウムとして、硫化マグネシウムや塩化マグネシウムが市販されています。


◆朝日を浴びて、朝食を摂る

朝起きて日光を浴び、朝食を摂ることにより体内時計がリセットされ、自律神経が整いやすくなります。

それだけでなく、体内時計がリセットされることによりメラトニンの分泌が止まり、その後14〜16時間後に再び分泌されるリズムが形成されます。
そのため、睡眠リズムを整える上で朝食と朝日を浴びることは非常に重要になってきます。


また、メラトニンの他にも睡眠の質を上げるためには、就寝中の血糖値を安定させることも重要であるため、空腹で寝ない、就寝直前に糖質を摂らないといった心がけも重要になります。

そのため、受験勉強後の夜食として選ぶものは、消化の良いタンパク質を中心にしたものを少量(適量)が望ましいです。

 



<レシピ> 

〜簡単夜食にも!食べる豆乳卵スープ〜



【材料】(1~2人分)

・豆乳……150ml
・卵……1個
・桜えび……小さじ1
・小ネギ……1~2本
・しょうゆ……小さじ1/2
・ごま油……小さじ1/2
・鶏ガラスープの素……小さじ1/2
・黒酢……大さじ1/2
・食べるラー油……適量


【作り方】

  • ① 卵は卵白と卵黄に分ける。小ネギは小口切りにする。
  • ② 耐熱ボウルに豆乳、卵白、桜えび、小ネギ、しょうゆ、ごま油、鶏ガラスープの素を入れてよく混ぜ、ラップをかけて600Wの電子レンジで1分30秒加熱する。
    大葉は千切りにする。
  • ③ 黒酢を加えて混ぜ合わせ、ラップをかけて600Wの電子レンジでさらに30秒加熱する。
  • ④ よく混ぜて器に入れ、卵黄、食べるラー油、小ネギ(分量外)を散らしたら出来上がり。
    *食べるラー油(辛くないもの)やナッツなどを加えることで香ばしく、食感のアクセントにもなるためおすすめです。
 



消化の良いタンパク質である卵や豆乳を使い、簡単に美味しくできるスープにしました。
旨味がぎゅっと凝縮されている桜えびには、マグネシウムやカルシウムをはじめとするミネラルが豊富に含まれており、不足しやすい栄養素も補いやすくなります。
ほのかな黒酢の酸味が食欲をそそり、美味しく食べ応えもあるため夜食としてもおすすめです。

 

 

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浅田ゆうき先生

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