受験生の食事 ~いつ・何を食べる?受験生の食生活リズム~

  • 2024.05.31
  • 受験レシピ

多くの受験生が目標に向かって進む中で、その努力が実り結果として現れるためには日々の勉強に加えて、「心」と「体」がベストコンディションであることも重要です。

それらは毎日の生活習慣によって作り上げられ、その中心となるのが食事です。


これまで、食事の内容や量などの重要性についてさまざまな角度からご紹介してきましたが、内容や量だけではなく「食べ方」や「時間」によっても私たちの体は影響を受けます。

1日あるいは1週間、1か月の食事の総量は同じであっても、食べ方や食べる時間を変えることで体の健康(体力・肥満・腸内環境など)や心の健康(やる気・落着き・集中力など)には大きな変化があります。


そこで今回は、受験生において「いつ」・「何を」・「どれくらい」摂るのが良いのかについてご紹介します。




 

◎全てのカギを握る朝食
 

私たちの体には体内時計という機能が備わっており、それらによって神経伝達物質の分泌や代謝活動などの1日のリズムが形成されています。

この体内リズムは、本来1日およそ24.5時間のリズムを持っており、これを光や温度、食事などの外界の刺激によって24時間に修正して生活しています。
時間のリズムを司る要因として食事は重要になってきますが、特に体内時計を修正し整える上で大切となってくるのが朝食です。

この朝食により私たちの体内時計はリセットされるため、朝食の時間が遅くなると、体内時計のリセットの時間も遅くなり自然と1日のリズムが後ろにずれ、夜型リズムになりやすくなります。

では、どういった朝食が良いのでしょうか?特に、朝に摂取したい栄養素についてご紹介します。


 

《朝食に摂りたい栄養素》

◎タンパク質

私たちの体や心は食事から摂取したタンパク質により作られており、タンパク質は体内でアミノ酸という形に分解され吸収されますが、アミノ酸は脳まで直接届く栄養素としても重要です。

このアミノ酸の消化吸収などの代謝活動も、摂取時刻によって変化し、その働きは朝の方が盛んであることが知られています。

そのため、タンパク質たっぷりの朝食を摂ることで、より効率的にアミノ酸を代謝し、1日の活動や勉強をさらに高めてくれることに繋がります。


◎食物繊維

また、腸内環境の改善や血糖値の安定に大きく寄与する栄養素である食物繊維も、1日のうちで摂るタイミングによりその効果は変化してきます。

特に食物繊維においては、朝食時に摂取する方が腸内環境の改善作用(腸内を酸性にし悪玉菌を抑える短鎖脂肪酸の生産量が増える)や、血糖抑制作用が大きくその効果はその後の昼食や夕食の血糖値の増大抑制にも作用します。

そのため、朝ごはんにはできるだけ野菜や果物といった食物繊維が豊富な食材を組み合わせることも重要です。

 

<レシピ>

 

~春キャベツとカリカリベーコンのポタージュ~



【材料】(4人分)

・春キャベツ……1/4個
・ベーコン(無塩漬)……4枚(70g)
・新玉ねぎ……1/2個
・にんじん……1/6本
・じゃがいも(小)……1/2個(30g)
・バター……10g
・水……150ml
・牛乳……150ml
・生クリーム……100ml
・塩……小さじ1/2


【作り方】

  • ① 春キャベツは1/3は千切りにし、残りはざく切りにする。新玉ねぎはくし切りにし、にんじん、じゃがいもは薄くスライスする。
    ベーコンは千切りにする。
  • ② 鍋にバターを入れて溶かしたところに、ざく切りにした春キャベツ、新玉ねぎ、にんじん、じゃがいもをいれて全体がしんなりし、玉ねぎが少し色づくまで中~弱火でじっくり炒める。
  • ③ 水を加えてさらに5~10分ほど加熱する。
    (途中で煮詰まってきたら、水を少し足してください。)
  • ④ 火を止めて牛乳を加えてハンドブレンダーなどで滑らかになるまで攪拌する。
    生クリームと塩も加えて、さらに滑らかになるように攪拌しながら、味を調える。
  • ⑤ 別のフライパンにバター適量(分量外)を熱して、千切りにした春キャベツとベーコンをカリカリになるまでよく炒める。
    (この時箸などであまりかき混ぜずに、焼き目がつくまでゆすりながら放っておくと、上手くカリカリになります。)
  • ⑥ 器にポタージュを入れて、上に炒めた春キャベツとベーコンを添えたら出来上がり。
 



キャベツには食物繊維が豊富に含まれているだけではなく、春が旬の春キャベツは特に柔らかく、甘みがのっていてポタージュに最適です。

これに、カリカリに焼いたベーコンの塩味と風味が加わることで、一段と美味しくなります。
食欲がない朝でも食べやすく、手軽に食物繊維とタンパク質を摂れるので、朝食のレパートリーに是非加えてみてください。



 

◎食べたいものは昼食に!!
 

体内の消化・吸収に関わる臓器の働きも体内時計によって調整されており、それらの臓器の働きが最も活発になるのが日中です。
昼食時に摂った食事は効率的にエネルギーや代謝に使われやすくなるため、昼食後は血中の中性脂肪が高くなりにくいと言われています。

そのため、糖質や揚げ物などの重いものが食べたいときは、昼食に食べるのがおすすめです。



◎朝型・夜型を左右する夕食

朝食が体内時計を整える鍵を握っていることは上記しましたが、夕食の摂り方によっても体内時計のリズムは影響を受けます。

夕食に沢山の量を食べていると、体内時計のピークがずれて遅くなり、夜型になりやすくなります。
逆に、朝食に沢山食べて、夕食は控えめにすることで朝型体質へとシフトしやすくなります。

また、夕食は睡眠の質にも大きく関わり、睡眠の質は勉強の質に直結します。この睡眠の質を下げないためには、夕食では血糖値が急激に上がらない食物を中心に、消化に負担がかからない食材(調理法)を適量摂ることが重要です。

受験生において学校後に塾へ行く際には、夕方頃にご飯などの主食を含む食事を食べた後(食後の塾で眠気が強いようであれば糖質過多かもしれませんので、ご飯は抑えておかずを増やすなどの工夫も必要です)、帰宅後の夜には主菜や副菜を食べることで、睡眠中の血糖値の乱高下を防ぐことができ睡眠の質が良くなります。

ただし、どちらも沢山の量を食べたり、消化に負担のかかる物を食べたりすることは避ける必要があります。

また、私たちの体は、夜は食事から摂取した脂肪を燃やす働きが低下し、中性脂肪が高くなりやすいため、帰宅後の遅い時間においては脂質が多い食事を食べることも避ける必要があります。


 

<レシピ>
 

~ふわふわジューシー!いか豚バーグ~



【材料】(2~3人分)

・いか(生)……100g
・豚バラ(スライス)……100g
・ニラ……4本(20g)
・にんにく……1片
・片栗粉……大さじ1/2
・しょうゆ……小さじ1
・塩……1つまみ


【作り方】

  • ① いかと豚バラは粗みじん切りにする。ニラは5㎜程に切り、にんにくはみじん切りにする。
  • ② ボウルにすべての材料を入れて、よく混ぜ合わせながらこねる。
  • ③ 6等分程にして丸め、油をひいたフライパンで片面2~3分ずつほど焼き色がつくまでしっかり焼く。
    (蓋があれば、途中蓋をして蒸し焼きにする。)
    *崩れやすいので、焼いている最中は箸などであまり触らないようにする。
  • ④ お好みで大葉や葉野菜を盛った器に盛りつけたら出来上がり。
    *お好みで大葉で巻いて食べるのもおすすめです。
 



タンパク質豊富ないかと豚肉を使って、子供にも食べやすいミニハンバーグにしました。

にんにくとニラをいれることで、臭みが消え食べやすくなるだけでなく、これらにはビタミンB1の吸収を促進するアリシンという成分が含まれているため、ビタミンBが豊富な豚肉と合わせることで疲労回復効果も期待できます。

いかや豚肉は包丁で粗みじん切りにすることで、ふわっとした柔らかい食感になります。
夕食の作り置きやお弁当などにも便利ですので、ぜひ一度作ってみてください。

 

管理栄養士
浅田ゆうき先生

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