受験生の食事~整える食事①~

  • 2024.06.25
  • 受験レシピ

受験本番に向けて毎日勉強に励む中で、やる気に満ちて集中できる調子が良い日もあれば、なんとなくしんどい、だるい、やる気が起きないために勉強もはかどらないといった日もあると思います。

これら心身の調子は、環境やストレスによって左右されるところも大きいですが、それ以外に日々の食事によって影響を受けていることもあります。


私たちは食べた物で作られておりそれらは身体だけでなく、一つ一つの行動、考え方、心の持ちようにも影響を及ぼし日々の生活を作り上げていきます。

そのため、食事が整うと、身体と心が整い、日常生活(学校や塾、私生活など)も整い、ひいては勉強の質も上がることに繋がります。

そこで今回は、身体や心、生活を整える上で大きく影響してくる食事についてご紹介します。





 

◎自律神経を整える食事
 

梅雨に入り蒸し暑い日や雨の日が続くと、なんとなく調子が悪いといった経験はないでしょうか。

梅雨のこの時期は、気圧や気温の変動が大きくそれに伴い自律神経も乱れやすくなります。

この自律神経の安定には、脳内で分泌されるホルモン(セロトニン、ドーパミン、ノルアドレナリンなど)が重要とされています。

これらのホルモンは、食べたもののうちタンパク質、ビタミン(ビタミンB群 など)、ミネラル( など)を主な材料として作られるため、これらの栄養素を食事から十分量摂取することが自律神経を整えるためにも重要になってきます。

そのほかにも、ストレス時に大量に消費されるビタミンC(野菜・果物)やビタミンB群(動物性タンパク質)、ストレスに対抗する抗酸化作用の強いビタミンE(ナッツ・アボカドなど)の摂取も重要です。

 

<レシピ>

 

~牛肉とねぎの塩レモンソテー



【材料】(2人分)

・牛肉細切れ……150g~200g
・長ネギ……1/2本
▼▼▼ A ▼▼▼
・レモン汁……大さじ1/2
・ごま油……大さじ1.5
・すりごま……大さじ1
・塩……小さじ1/2
▲▲▲ A ▲▲▲


【作り方】

  • ① 長ネギはみじん切りにしてAとよく混ぜ合わせる。
  • ② そこに牛肉を入れて、手でよくもみこんで、冷蔵庫で1時間以上おく。
  • ③ 熱したフライパンに油(分量外)をひいて、➁の牛肉を入れて火が通るまでしっかり炒めたら出来上がり。
 



タンパク質と鉄分が豊富な牛肉に、ネギとレモンを合わせさっぱりと食べやすいソテーにしました。
ネギの辛み成分であるアリシンには、ストレスに対抗するための抗酸化作用や血行促進作用があるため、疲れが溜まりやすい時期におすすめです。

しっかり食べて、食事から必要な栄養を得て、過ごしにくいこの時期を元気に乗り越えましょう。



 

◎睡眠を整える食事
 

なかなか寝付けない、朝起きるのがつらい、夜に起きてしまうなど睡眠に関する問題は就寝時刻や睡眠時間、寝る前の環境だけでなく、食事によっても大きく影響を受けます。

睡眠の質を上げ、睡眠リズムを整える上で重要になってくるのが、「就寝に集中できる状態を作る」、「睡眠ホルモンの分泌を整える」です。

これらを整えるためには、次のような食事ポイントが重要になってきます。



<就寝に集中できる状態を作る>

◆就寝中の血糖値を安定させる

⇒就寝中に血糖値が上がると、それを下げようとさまざまな神経やホルモン分泌が働き、その後下がりすぎると次は上げようとまた忙しく働きはじめます。
就寝中にそのような状態が起こると眠りの質は悪くなる一方です。
そこで、就寝前は血糖値を上げやすい甘い物や糖質は避け、晩御飯も就寝の2~3時間前までに済ませておくことが望ましいです。


◆就寝中における内臓の消化・吸収活動を最小限にとどめる
 
⇒食べた物が消化されずに体内に残っていると、就寝中にそれらを消化・吸収するために臓器が働き睡眠の質を損ねてしまいます。
そのため、夕食時間に気を付けるほか夕食時にはできるだけ消化に時間のかかる油を控え、消化の良いタンパク質などを中心にすることが重要です。


<睡眠ホルモンの分泌を整える>

◆睡眠ホルモンであるメラトニン生成に必要な材料をしっかりと食事から摂取する

⇒睡眠の質に大きく関係してくるのが「メラトニン」と呼ばれる、睡眠ホルモンです。
このメラトニンを作る主材料となるのがタンパク質です。
夕食時はもちろん、毎食必ずお肉やお魚、卵といった食材をしっかり摂取することが、良い睡眠にも繋がるのです。


◆朝の目覚めは日の光とビタミン・ミネラルが重要

⇒朝の光の刺激によって体内時計がリセットされるため、朝起きたら一番にカーテンなどをあけて光を浴びることがよい朝の目覚めへと繋がります。
また、メラトニンも朝の目覚めに影響し、熟睡した後のすっきりとした目覚めをもたらしてくれます。
そのためには、主材料となるタンパク質だけでなく、ホルモンを生成する上でビタミンB群マグネシウムといった栄養素も欠かせません。
とくに貧血(鉄不足)の人においては朝の寝起きがつらいといった症状が強くでることもあります。
普段から、肉や魚、海藻、野菜、種実などからこれらの栄養素の摂取を意識することが重要です。

 

<レシピ>
 

~キャベツとレモンの豚しゃぶ~



【材料】(2人分)

・いか(生)……100g
・キャベツ……1/6個
・玉ねぎ……1/4個
・レモン……1/4個
▼▼▼ A ▼▼▼
・顆粒鶏がらスープの素……小さじ1/2
・ごま油……小さじ1
・塩……少々
▲▲▲ A ▲▲▲
・豚バラ肉……100g
▼▼▼ B ▼▼▼
・青ネギ……3本
・酢……大さじ1
・しょうゆ……大さじ1
・さとう……小さじ2
・ごま油……小さじ1
・にんにく……1/2片
・白ごま……大さじ1/2
▲▲▲ B ▲▲▲


【作り方】

  • ① キャベツは洗ってざく切りにし、玉ねぎはくし切りに、レモンは薄いいちょう切りにする。青ネギは小口切りにし、にんにくはすりおろす。
  • ② 耐熱ボウルにキャベツ、玉ねぎ、レモン、Aを入れて軽く混ぜ合わせ、ラップをして電子レンジ600Wで5~6分程加熱する。
  • ③ 豚バラ肉は食べやすい長さに切って、沸騰したお湯でさっと茹でてザルにあげ粗熱を取る。
  • ④ ➁のボウルに豚バラ肉をいれて、混ぜ合わせたら器に盛る。
  • Bを混ぜ合わせ、④の上からかけたら出来上がり。
 



タンパク質とビタミンB群が豊富な豚肉と、ビタミンCたっぷりのレモン、胃の粘膜を守り消化を促進してくれるキャベツを組み合わせて、睡眠を整える夕食にピッタリの一品にしました。

豚肉は茹でることで余分な脂を落とし、キャベツや玉ねぎは電子レンジにかけることでより消化されやすい状態になります。

また、蒸し暑く食欲が低下するこの時期には、にんにくなど食欲増進効果のある食材を取り入れることもおすすめです。

夜の睡眠の質も高めてくれるだけでなく、夏場のスタミナ回復メニューとしても是非一度作ってみてください。

 

管理栄養士
浅田ゆうき先生

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