受験⽣の⾷事〜体調管理のための⾷事①〜

  • 2024.12.20
  • 受験レシピ

受験本番に向けいよいよラストスパートに⼊るこれからの時期、勉強と同じくらい重要となってくるのが体調管理です。


とくに受験⽣においては、体調を崩さないようにするだけでなく、毎⽇を些細な不調なくベストコンディションで過ごし続けることも重要になってきます。

それらが積み重なり初めて、重要な場⾯で⾃分の最⾼のパフォーマンスを発揮することができるからです。


それにはやはり、運動・睡眠・⾷事といった⽇々の⽣活習慣が⾮常に⼤切になってきますが、中でも体のコンディショニングには毎⽇の⾷事が⼤きく影響してきます。

そこで、今回は受験本番にむけた⾷事のポイントをご紹介します。




 

◉免疫

冬場に最も怖いのが、ウィルスや細菌などからの感染症をはじめとした病気ではないでしょうか。

これらを防ぐため、または罹患しても軽い症状や短期間で終息させるための鍵は、私たちの体に備わっている免疫⼒が握っています。

免疫⼒と⼀⼝に⾔っても、それらは⿐やのど、⼝腔内を覆う粘膜、そこから分泌される粘液、体内に⼊ってきた菌を排除するために働く免疫細胞、抗体など体に備わっているさまざまな機能が関係してきます。

この機能を⾼めるためには、これらを作り出す体の器官をより新しく健康なものにしていく必要があり、それには⽇々の⾷事の積み重ねが⽋かせません。

では、具体的にはどのような⾷事や栄養素が⼤切かをご紹介します。


<すべての基礎となるタンパク質>

体の器官や細胞に⾄るまですべては、タンパク質が主材料となり作られています。

これらすべては、⽇々体内で古い物は壊され新しい物に作り変えられているため、主材料となるタンパク質が常に体内になければ、より元気で健康な物へとは作り変えることができません。

よって、毎⾷ごとに必ずタンパク質を⼗分量摂取することが、免疫⼒だけでなく体全体の健康を守るうえでは⽋かせないのです。


<注⽬されるビタミンD>

これまで、⾵邪の予防や早く治すための栄養素としては、ビタミンA やビタミンC などが知られてきました。

もちろんこれらも重要であり後にご紹介しますが、コロナウィルスを機に⼈の免疫に関する研究が進んだ中で新たに注⽬されはじめた栄養素があります。それが、ビタミンD です。

ビタミンD は免疫細胞の活性化や増殖を促進し、細菌やウィルスなどに対する免疫⼒の向上に働きます。
また、⼀⽅で炎症反応を抑制する働きもあり、免疫の過剰反応によって引き起こされるアレルギーなどの抑制にも作⽤します。

そのため、ビタミンDは免疫調節にとって⾮常に重要であり、普段から意識して摂取したい栄養素の⼀つです。

・ビタミンDを多く含む⾷材……天⽇⼲し椎茸、きのこ、海藻類、⿂卵、鶏卵 など
*ビタミンDは、⾷材からの摂取以外に⽇光の紫外線を浴びることにより、⽪膚上でも作られるため適度な⽇光浴も重要です。

 

<レシピ>

〜⼲し椎茸とえびの卵スープ〜

【材料】(4⼈分)
・⼲し椎茸……2個
・えび……6尾
・卵……2個
・⽩ねぎ……1/2本
・春⾬……25g
・にんにく……1/2 ⽚
・⽔……200ml
▼▼▼ A ▼▼▼
・顆粒鶏ガラスープ……⼤さじ1/2
・しょうゆ……⼤さじ2/3
▲▲▲ A ▲▲▲
・塩……少々
・ごま油……⼤さじ1
・⽔溶き⽚栗粉……適量
・あれば、三つ葉……少々



【作り方】

  • ① ボウルに⼲し椎茸と⽔150ml を⼊れ、椎茸が柔らかく戻るまで30 分程つけておく。
    椎茸が戻ったら⽔気を絞って、じくを除き、薄くスライスする。
    *戻し汁は捨てずにとっておく。
  • ② えびは殻をむき背ワタを除き⽔で洗って、⽔気をきり、⾷べやすい⼤きさに切る。
    この時しっぽの部分は除く。
    ⽩ねぎは斜め切りに、にんにくはみじん切りにする。
    卵は殻を割って溶いておく。
  • ③ 鍋にごま油を熱し、にんにくを⼊れて⾹りがたってきたら、⽩ねぎとえびを⼊れてねぎがしんなりするまで炒める。
  • ④ そこに、椎茸と戻し汁、⽔を⼊れて軽く煮⽴たせたら、春⾬を加える。
    *春⾬は時間が経つと⽔分をぐんぐん吸ってふやけてしまうため、⾷べる直前に仕上げるようにする。
  • ⑤ 春⾬が柔らかくなったら A の調味料を⼊れ、⽔溶き⽚栗粉でとろみをつけ、溶き卵を回し⼊れふんわり固まってきたら⽕を⽌める。
  • ⑥ 塩で味を調えたら、器に盛りつけ最後に三つ葉を添えたら出来上がり。




椎茸は天⽇に⼲すことで著しくビタミンD が増加するだけでなく、旨味も増します。
そんな⼲し椎茸を戻し汁ごと使⽤し、えびと組み合わせて豪華で⾷べ応えのある冬のごちそうスープにしました。
⾷欲のない時や朝⾷にもピッタリな⼀品ですので、是⾮⼀度作ってみて下さい。




<免疫⼒を下げないために⼼がけたい栄養素>

免疫⼒を⾼めることに加えて、体調を崩しても⻑引かないようにするための体作りに⽋かせない栄養素を以下にご紹介します。
 


◆ビタミンA+亜鉛……強い粘膜を作るために、細胞の新陳代謝を促す働きがあります。
ビタミンA は粘液中に含まれる抗体の材料としても使われます。
ビタミンA と亜鉛は⼀緒に摂取することでその働きが増します。

・ビタミンA を多く含む⾷材 レバー、ウナギ、卵、緑⻩⾊野菜 など
・亜鉛を多く含む⾷材 牡蠣、⽜⾁、⼤⾖ など


◆ビタミンC……体内にビタミンC が多いほど強い免疫細胞が出来ます。
また、菌の侵⼊を防ぐ強い粘膜を作るうえでも⽋かせない栄養素です。

・ビタミンC を多く含む⾷材 果物、野菜、イモ類 など
*ビタミンC は熱に弱いため⽣⾷での摂取や、熱でも壊れにくいイモ類からの摂取がおすすめです。


◆ビタミンB群……ビタミンB 群は粘膜の機能維持に⽋かせないだけでなく、免疫細胞の維持や活性化にも働く栄養素です。
また、疲労回復やエネルギー産⽣にも働くため、体調不良からの回復も助けてくれます。

・ビタミンB 群を多く含む⾷材 豚⾁、にんにく、⿂介類、卵、レバー、納⾖ など


◆ビタミンE……強い抗酸化⼒を持つビタミンEは、体内の活性酸素を抑えて免疫機能を維持し、免疫細胞を活性化する働きのある栄養素です。

・ビタミンE を多く含む⾷材 アボカド、アーモンド、カボチャ、植物油 など


◆抗酸化物質(オリーブオイル、⾹⾟料 など)……さまざまなストレスがかかると体内では⼤量の活性酸素が発⽣し、細胞を傷つけたり、免疫⼒を低下させたりします。
これを防ぐのが抗酸化物質であり、ビタミンやフィトケミカル(ポリフェノール、イソフラボン など)といった栄養素に多く含まれています。


◆鉄……体内に侵⼊した菌を死滅させる際には鉄イオンが必要となります。
そのため、鉄が不⾜していると細胞内で⼗分な殺菌が出来ず、症状が⻑引きやすくなります。

・鉄を多く含む⾷材 レバー、⽜⾁、⾚⾝⿂ など



 

<レシピ>

〜⽜⾁と卵のにんにくねぎ炒め〜

【材料】(3人分)
・⽜⾁(薄切り)……150〜180g
・⻑ねぎ……1本
・もやし……50g
・しめじ……30g
・にんにく……1⽚
・卵……2 個
▼▼▼ A ▼▼▼
・しょうゆ……⼤さじ2
・砂糖……⼤さじ1と1/2
・酒……⼤さじ1
・酢……⼤さじ1/2
・⽔溶き⽚栗粉……⼩さじ2
▲▲▲ A ▲▲▲



【作り方】

  • ① ⻑ねぎは斜め切りにし、⽜⾁は⾷べやすい⼤きさに切る。
    にんにくはみじん切りにする。
    しめじは⽯づきを除いて⼿でほぐし、もやしはさっと洗って⽔気をきる。
  • ② 卵をボウルに割り⼊れて、塩を1 つまみ(分量外)加えてよく混ぜる。
  • ③ フライパンに油をひいて熱したら、➁の卵を⼊れてふんわりと固めるように炒めて⼀旦取り出す。
  • ④ フライパンにさらに油を加えてニンニクを⼊れ⾹りがたってきたら、⻑ねぎ、もやし、しめじを加えてさっと炒める。
  • ⑤ そこに⽜⾁を⼊れ⽕が通ってきたら、A の調味料を⼊れさらに全体をよく炒め混ぜる。
  • ⑥ ③の卵を加えて、さっと全体を混ぜたら出来上がり。




鉄とタンパク質を多く含む⽜⾁と、ビタミン豊富な旬の野菜やにんにくを合わせて冬場でもスタミナのつく⼀品にしました。
卵を別で先に炒めることで、ふっくらしてさらに美味しくなります。
酢を使⽤した⽢⾟い味付けは⾷欲をそそり、お弁当のおかずにもピッタリです。

 

 

管理栄養士
浅田ゆうき先生

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