受験国語のカラクリ
~国語の成績は「高位安定」可能!!~
こんにちは。梅本です。世間がコロナコロナと騒いでいるうちに、桜の蕾もちらほらとほころび始めてしまいましたね。
皆様はいかがお過ごしでしょうか?
順調に目標に向かって進むことができていらっしゃるでしょうか?
「イマイチ軌道に乗れていないなあ。」とお感じの方も、ご安心下さい。
まだ、間に合います!
あわてて勉強を始める前に梅本の過去のブログをご覧下さい。
最短ルートでスタートダッシュをやり直せます!!
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さて、今回は、「受験国語」についてのお話です。
「そもそも国語への取り組み方がわからない。」
「読書や学校での授業との違いを知りたい。」
「国語の成績がなかなか安定しない(いい時と悪い時との差が激しい)ので困っている。」
「塾の講義と教材を信じていいのか?」
「人(講師や評論家、受験ソムリエ)によって仰ることがまちまちで、どれを信じていいのかわからない。」
国語の指導依頼を受ける際のお悩みは、大体上記の5つに集約できます。
これらの全てを明快に解決していくのがこのブログ記事の狙いです。
実際に家庭教師として国語で担当する生徒の皆さんには一人も漏らさず必ずお伝えしていることもこのブログでお話ししていきます。
ちなみに、梅本が国語で担当する生徒(のうち、正しく取り組んでくれた人)は、演習量を減らしたにも関わらず、最難関(男子なら灘や甲陽、女子なら西大和や洛南高附)のレベルでも合格者の平均を超える位置で安定することがほとんどです!
たとえ、スタートラインが国語単独でみて塾全体で偏差値50を切る(=平均以下の)水準であってもです。
果たしてそんな、魔法のようなことが本当に起きるのか?
生徒集めのための巧言ではないのか!?
否!(ありがたいことに、そもそもこれ以上生徒さんが増えても、枠がございません。だからこそ、このブログをお読みの方に「魔法のような」秘訣をお伝えするわけです。)
保護者の方にも、受験生ご本人にもお分かりいただけるようにご説明します。
大切なのは、(騙されたと思って下さっても構いませんので、)まずはプロ家庭教師である梅本を信じて、以下の内容を半年は実践し続けることです!
早い方は一か月で結果が出ます。遅くとも半年。すなわち、新小6生でも入試にまだ間に合います!!
是非ともご一読下さい!!
ちなみに3章~5章でご紹介する具体的な勉強法は、国語の問題を解答することの本質です。
本質とはつまり、マスターすればいかようにも応用していける方法論であるということです。それだけに、(最大限具体的にお伝えするよう工夫していますがそれでもなお)やや抽象的にお感じになるかも知れません。
しかし、ここは頑張りどころです!
何度でも熟読玩味なさって、実際に課題に取り組んだりしながら、マスターしていくことを目指してください!!
下らない、上っ面だけのテクニック論とは一線を画しますので、誤解のないようにお願い致します!
Contents:
1.国語入試問題の目的
2.受験生の心構え
3.具体的勉強法(知識編)
4.具体的勉強法(読解編~客観問題)
5.具体的勉強法(読解編~記述問題)
6.結びにかえて
1.国語入試問題の目的
「6年間一緒に学んで行けそうな生徒かどうかを見極めるため。」
これが、試験を課す側、すなわち中学高校側からの目的を、最も本質的にまとめたものです。
もう少し一般化すると、
「人間としての基本的な素養をはかるのが国語入試問題である。」
と言えます。
具体名は伏せますが、実際に校長先生がこのように明言されている学校もあります。おそらく多くの学校は直接の言及がなくても、本音としてこの目的で入試(特に国語)を実施しているとみて間違いないでしょう。(否定することの方が不自然というものです。)
言うなれば、「紙上での面接」ですね!
最難関校や人気校では志願者も多く、一人ひとりの受験生に対して面接をしていく時間も労力も割けません。
その点で国語の入試問題というのは非常に合理的だとお感じになりませんか?
では、具体的にはどのようなことを国語入試問題の答案用紙ではかられているのかをお話ししましょう。
最も抽象的に表現するならば
「社会性」
となります。これでは具体的に学習の指針が立ちにくいと思いますので、普段の指導の中では大きく3つに分けてご説明しています。
①コミュニケーション能力(意思疎通)
②思いやり(配慮・機転)
③忍耐力(粘り強さ・ストレス耐性)
これら3つの能力をはかられているわけですから、受験の国語で成績を上げていきたいと考えている受験生各位は、この前提をよくご理解・ご納得の上で勉強していくことが必要不可欠なのです。
ただ、塾の宿題を機械的に、事務的に、闇雲にこなすだけでは、高位安定は目指せませんし、グラグラしたままの実力で入試本番を迎えることになるのが関の山です。
では、どのようなことを念頭に置いて具体的な学習に取り組めばよいのかを、次章でお伝えします。
2.受験生の心構え
ここでは、前章で触れた「社会性」に関する3つの能力に対応させながら、
国語でコンスタント(継続的)に好成績をとり、
入試でも良い結果を残せる勉強を積み重ねていくために、
あなたご自身が日常の学習から心がけておくべきことをわかりやすくお伝えします。
①コミュニケーション能力(意思疎通)
まずは、文章の内容ではなく、設問の内容をしっかり確認することが何よりも大切!!
「相手の要求は何か?」を理解すること。これぞコミュニケーションの基本ですよね。
文章なんて、所詮出題者と受験生との会話の材料に過ぎません。まず大切なのは会話の相手との意思疎通です。
いいですか?これを怠る者に合格はありませんよ!
受験生というのは、学校側に選んでもらう立場です!
自己主張(←これも大切ですが)の前に、まずは他者理解ですよ!!
人間の基本です。
ヒトでありたいだけならば、どうぞ無人島で気ままにお暮し下さい。
「相手の要求(=出題者の意図)」への意識がある程度習慣づいたら、自ずと次のステージにレベルアップできているご自分に気づいて武者震いする瞬間がやってきます。
どういうことかと言いますと、
「あ、こう問われているということは、おそらくあの手順で、文章を探っていけば答えの根拠にたどり着けるな!」
という気づきが生まれてくるようになるということです。
カッコイイ言葉でいうと「洞察力」が高まるわけです!この能力、他の科目はもちろんのこと、勉強以外(人間関係や将来のお仕事など)でも大きな強みになりますよ!
一石二鳥どころの騒ぎではありません。非常にお得なのです!
ここまでお読みになれば、「出題の意図」を意識しない手は最早ありませんよね!!
②思いやり(配慮・機転)
社会の一員として、すなわち、生物学上の「ヒト」としてのみ生きるのではなく、他者と関わっていく「人間」であろうとする全ての人にとって不可欠な素養。
それが、思いやりです。他者への配慮であり、機転であります。
これを国語の入学試験問題でいかにしてはかられるのか?
よろしければ1分程立ち止まって考えて見てから続きをお読み下さいね。
ズバリ、
「文字の丁寧さ(≠美しさ)」
「記述表現の伝わりやすさ」
です。
書道ではありませんので美しい文字である必要はございません。しかし、読みやすい文字であるべきなのは、否定の余地もありませんよね!?
記述の答案にしても同じことが言えます。独りよがりの答案では評価されません。採点者に誤解されなくて済む答案に仕上げる意識がまずは大切です!
③忍耐力(粘り強さ・ストレス耐性)
例えば漢字の読み書き。この高度IT社会にあって、わざわざ脳内に記憶として留めておかなくても、調べればわかるので、覚える価値なんてないのではないか?
このようにお考えの(下手すれば大人の)人も増えてきているように感じます。
梅本に言わせればこういう考えは、あまりに幼稚で浅はかな、唾棄すべき(と言っても過言ではないくらいの)つまらない妄言に過ぎません!
漢字の読み書き・ことわざ・慣用句・故事成語・外来語・俳句の季語・詩歌の技巧・文学史など、国語の入試問題で問われる知識は広範にわたります。
これらの多くは、もし知らないまま生きたとしても、生活に支障が出ることはまずありません。
にも関わらず、あなたの人生を変える中学受験の問題として平均で国語の配点の2割~4割もの比重で知識問題が出るのはなぜか?
それは、一言でいうならば「忍耐力」をはかるためです。
日常生活やお金稼ぎには不要なことをコツコツと覚えては忘れ、覚え直し・・・をくりかえす「粘り強さ」をはかるためです。
何の役に立つのか!?と、悶々(もんもん)としながら地道に取り組みを続けられる「ストレス耐性」をはかるためです。
もちろん、取り組んでいるうちにそれなりの楽しさを体感できるようになるのも一つの才能であり、幸運でもありますが、必要条件ではありません。
「記憶力」すなわち「ものを覚えていく力」というのは、中学合格後の、大学受験に向けての6年間、大学での研究、さらにその後の職業人生、と、一生必要になる重要なファクターです。
よく、「詰め込み教育は悪だ」という空理空論(虚言・妄言の類と断じても罰は当たらないでしょう)を耳にしますが、これに騙されては人生の半分以上を損したことになります。
「記憶力」は尊い。そしてこの尊い能力を育てる唯一の方法は「記憶」に慣れることに他なりません。
国語というのは大半の受験生にとっては、そもそも「母語」なわけです。
自国の言葉もままならないまま、(そういう人に限ってどうせ他国の言葉も中途半端にしか学ばないのでしょうし)やれこれからは英語が大事だなどと、格好の悪いことを言わず、地道にコツコツ覚えておきましょう。
自国の言葉もろくに説明できない日本人を、どの国の人が評価してくれると思いますか?
まちがった大人の現実逃避的な考えに騙されることなく、
あなたの志望校が課していることに応える使命をしっかりと自覚し、暗記にも真摯(しんし)に向き合う
ようにして下さいね!
3.具体的勉強法(知識編)
①総論:最重要事項は、「忘れることを恐れない!」ことです。
覚える→忘れる→覚える→忘れる→……覚える→定着する
これが記憶力を強化する最短経路です。
もちろん、真面目に覚えることが前提ですよ!
「覚えっぱなし」は避けて、必ず確認テストを行うようにしましょう!
インプット(覚えること)とアウトプット(思い出すこと)をバランスよく反復することで、効果的に記憶が増強されます。
※忘れにくくする秘訣※
●五感を極力動員する…目と手と耳と口を動かしながら覚える。
●大きな塊(かたまり)にする…「似ているもの」「対照的なもの」など関連付けながら覚える。
●夜に覚える…記憶は睡眠時に定着されます。午前中より眠る直前の方が効果的に覚えることができます。
②漢字の書き取り:ポイントは「必ず自分の手で何度か書いておく」ことです。受験においては、現状は「とめ・はね」まで忠実に再現できることを求める学校がほとんどですので、この点も肝に銘じておきましょう。
③その他全般:各塾の(塾に所属していない方は市販の受験用)テキストを、定められたスケジュールでこなしていくことを心がけましょう。
4.具体的勉強法(読解編~客観問題)
①択一問題(正しいもの選び)
受験国語の世界にはびこる悪癖(あくへき)があります。
それは、消去法です。
どなたが何と仰ろうと、直ちに止めていただきたい。
これが国語の成績を高位安定させる第一歩です!
適切な選択肢には必ず文章中に根拠となる表現が存在します。
これを探す習慣を身に着けることができれば、一石二鳥どころではない多くのメリットを享受(きょうじゅ)できます!
探し方にも作法があります。以下に示しておきます。
ⅰ)傍線を含む一文を読む。(指示語がなければ前後の文もチェック。)
ⅱ)指示語があれば、その指示内容が正解の根拠を示す有力な手がかり!
択一問題の正しいもの選びでは、実に8割以上の問題はこの方法で正解にたどり着けます!
消去法ではなく、文章中の論拠と照らし合わせて正しく選ぶことに慣れれば、択一式問題のみならず、抜き出し問題にも記述問題にも強くなります。
実践あるのみ!
②択一問題(不適切選び)
択一式問題の5%~15%くらいは、この「間違い選び」だったりします。「正しくないものを選びなさい」や、「誤っているものを選びなさい」「あてはまらないものを選びなさい」というパターンのものですね。
「注意力」と「要領のよさ」を試されている種類の問題です。
設問が「不適切選び」であることを正しく読めているか、
いい意味で「楽(らく)」して解く機転があるかどうかを、それぞれ試されています。
つまり後者では、いきなり文章の中を見るのではなく、
「まずは選択肢同士で比べてみる」
という機転が利くかどうかで所要時間が大幅に短縮できる場合がほとんどです。
単なる「仲間はずれ探し」に持ち込める問題が大半なのです!
これは、知っておくとお得ですので、ぜひ覚えておいてください!
③穴埋め問題
文章自体の中に空欄を設けている場合と、設問の中に用意された文の中に空欄がある場合の2種類の出題方式があります。
答え方は、
「選択肢から選ぶ」
「本文中から抜き出す」
「自分で考えて答える」
の3種類です。
いずれの場合にも共通の基本手順があります。
ⅰ)空欄を含む一文を読む。(指示語がなければ前後の文もチェック。)
ⅱ)指示内容が正解の直接の手がかりになる。
★空欄前後の表現と類似の表現を文章の別の場所から見つけることができれば解決する問題がほとんどである。
④抜き出し問題
なかなか理解されにくい部分ではありますが、この出題形式の問題は、③穴埋め問題とほとんど同じ能力を問われています。特に上記★部分の内容を制覇できればここはさほど苦労しなくなるでしょう。
学校のレベルが上がるほど、入試での出題頻度は下がります。(どちらかというと、塾の月1回のテストなどで多い出題形式ですね!
ちなみに、素直に解くとまず見つかる答えの候補は、設問条件(制限字数や語尾の形など)を満たさないことがほとんどです。
かといって落胆する必要はなく、初めに見つけたその部分を足がかりにして類似の表現でかつ、設問条件に合う表現を探せばいいわけです!
その際のコツは以下の2点を念頭において探すことです。
「周囲の表現も類似している場所があるはずだという前提で探す」
「一言一句を読みながら探すのではなく、全体をざっと眺めるイメージで探す」
⑤★流行★表現意図読み取り問題
ここ数年、特に最難関のレベルの学校を中心に増加傾向にある出題内容です。
既存の読解問題は「文章に書かれている内容自体について問う」ものがほとんどでしたが、少しずつこれとは違った趣きの問題が目立ち始めています。
それは、「著者がそのような表現をとった意図」を考えさせる問題です。
まさに「コミュニケーション能力」のうちの発展版、すなわち「洞察力」の方を試す問題です。
2章①で触れた内容を再確認しておきましょう!
5.具体的勉強法(読解編~記述問題)
論理的文章・文学的文章と分類せず、あえて記述全体を大きく分けると以下の3種類に集約されます。順に重要なポイントや基本手順をご紹介していきますね。
①いいかえ問題
「指示内容説明題」
「○○とあるがどういうことか」
これらはいずれも同じ能力を試す問題です。
「具体化能力」および「抽象化能力」が試されます。
日常的に同義語や類似表現に敏感になっておくことが大切です!
つまり、求められている字数に応じる形で、詳しくいいかえたり、その反対に、簡潔にまとめたりという作業に日頃から慣れておくことが求められます。
より実践的な解法については、個々の習熟度とそれに応じた対策をしっかり取ることのできるプロの指示を仰ぐのが得策です!
②理由説明題
最も重要なのは、あくまで本文中で言及されていることから判断できる理由を答えることです。
推測は大切ですが、邪推になってしまっては元も子もありませんので、注意が必要です。
ちなみに、制限字数が「40字以内」をこえる場合は、
「○○ので●●から。」
と、2段構えの因果関係を答えさせることがほとんどです。
これも知っておくと得しますよ!
※特に文学的文章で「行動の理由」を問われた場合、
「<できごと(他者の行動)>ので<心情>から。」と答えさせる問題がほとんどです。さらに大切なのは、<できごと(他者の行動)>と<心情>のそれぞれの配点比率がほぼ5割ずつであるということです。
例えば、A君がほぞをかんだ理由を問われた問題の解答例が、
「せっかくクラス全体のために一晩中必死で考えたアイデアを、みんなの前で学級委員に馬鹿にされたので、悔しくてたまらなかったから。」
という問題があったとします。この場合、「悔しい」の部分を書かずに「馬鹿にされたから。」で結んでしまうと、半分の点数しかもらえません。文字数でいうと全体の8割程度を占めていてもです!
合否を分ける致命的なミスになりかねない部分ですので、日ごろから強めに意識するようにしましょう!
③心情説明題
まずは最重要ポイントからお伝えします。
「できごと(事実)と行動(動作・発言・口調・態度・表情)でサンドウィッチする(はさみうちにする)!」
これも例を示しますね。
(問)つぎの場合、太郎と花子の気持ちをそれぞれ答えよ。
(設定)太郎の今月のテストの点数は90点。花子は60点。
基本ができていない人は、この時点で早合点してこう答えるでしょう。
「太郎はうれしい。花子はくやしい。」
これでは不合格まちがいなしです!
文章をよく読むと、続きがあるわけです。
(設定の続き)太郎はうつむきくちびるをかんだ。花子は鼻歌まじりでスキップしていた。
しっかりと、行動もふまえて考えると、答えは先ほどと真逆になることは自明でしょう!
これが「サンドウィッチ(はさみうち)」の効用です!!
肝に銘じておきましょう!!
6.結びにかえて
今回も多くのことをお伝えして参りました。
ここまで読めたあなたは素晴らしい根気強さをお持ちです。
しかし、本当に大切なのは、
「一読で済まさず、自分のものにすること。」
です!
そうすることで、
必ず国語の成績がかなり高い水準で安定するようになる
ことは、梅本がプロとして保証します!!
国語というのは、なまじっか皆さんがある程度は操れる日本語を用いた科目ですから、きちんとした作法や手順があるにも関わらず、それらを無視して(意識せずに)ただ闇雲に解いてしまう人が多い科目です。
しかしながらここまで見てきたように、きちんとした手順や作法が多くあるわけです。これらを意識した上で取り組むだけでも、無意識なライバルたちとは大きな差をつけることができるわけです。
まずはきっちりと受験国語の特性を理解し、このブログに書かれた内容をもらすことなく実践できるようになれば、あなたの国語は安泰です!
最後までお読み下さり、誠にありがとうございます。
共に頑張りましょう!
プロ家庭教師
梅本 勇造