獨協医科大学
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入試の傾向
獨協医科大学医学部入試は大学入試改革により今年度から、総合型選抜、学校推薦型選抜(公募(地域特別枠)) 、学校推薦型選抜(指定校制)、学校推薦型選抜(指定校制(栃木県地域枠))、大学入学共通テスト利用選抜、一般選抜となりました。
2018年の一般入試から栃木県の医科大キャンパスの他に東京会場も設けられたことにより志願者数は増加しています。例年、一般選抜の問題は各科目ともやや難しく時間も足りない傾向にあり、公表はされていませんが合格最低点はそれほど高くないものと思われます。
各科目の入試の傾向と対策
外国語 | |
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試験時間・点数配分 | 試験時間:70分 満点:200点 |
【傾向】 | 大問4題構成の全問マークシート方式で、例年英文量、問題量が多い傾向にあります。 長文読解問題は例年、医療や健康、心理や生理に関連したテーマのものが多く、主に内容の一致と空所補充問題がかなりの配点を占めて出題されています。難易度は標準からやや難レベルですが、かなりの知識がないと正解が導き出せない問題も含まれています。 文法と語彙問題は語句整序と空所補充の形式で、難易度は標準レベルですが、熟語や句動詞など前置詞関連の問題が多く出題される傾向にあります。 どの問題も難問奇問はなく、時間をかければ解答可能ですが、制限時間に対して英文量と設問数が多いので時間配分には十分注意する必要があります。その点を考慮すると英語の試験は難レベルと言えるでしょう。 |
【対策】 | とにかく英文量が多く時間の制約が厳しい試験なので、単語力、熟語力は必須です。まずは市販の単語集、熟語集を完璧にこなしておきましょう。 獨協医科大の英語は長文を中心に出題されているのが特徴ですので、日ごろから長めの文章を読む習慣をつけ、論理的に読み進められる力を養いましょう。はじめはスピードを意識せず、正確に読む力や文中の指示語が何を指しているかを把握して読めるようにし、徐々に読むスピードを速めていくといいでしょう。 例年、整序英作文もかなり出題されているので、問題集などで繰り返し解き、短時間で解答できるようになっておく必要があります。 過去問演習は時間を計って、繰り返し徹底的に行うようにしましょう。 |
数学 | |
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試験時間・点数配分 | 試験時間:70分 満点:200点 |
【傾向】 | 例年大問4題構成で、制限時間は70分の200点満点。結果だけを求める空所補充形式ですが、計算量の多さや単元をまたいだ問題が出題されます。微積分とベクトル、確立、数列が頻出しています。幅広い分野から出題されるので、抜けもれなく学習することが大切です。 難易度は標準的で、難問はありません。微積分では問題を人に説明できるレベルまで理解しておきましょう。ベクトルは外心、内心の表示対策、平面の方程式を使いこなせるようにしておくと良いでしょう。確立は文字のまま計算できるようにし、文字を用いた表現に慣れておく必要があります。複数の分野の融合問題も出題されますが、各分野の基礎力がしっかりあれば対処できるでしょう。さらに、簡単な図やグラフを利用すると計算量を減らす工夫ができるでしょう。 |
【対策】 | どの問題も標準レベルで応用的な問題も出題されていますが、基礎的な内容なので教科書内容を徹底的に理解しておくようにしましょう。公式や定理、考え方は、取りこぼしのないよう確実に身につけておきます。未習項目がある場合はまず全分野の学習を行うことから始めてください。苦手分野のないようにしましょう。 計算力は必須で、特に結果だけを求める完成形式の問題での計算ミスは致命的。ケアレスミスのないよう計算練習は必ず最後の計算まで自力で行い、毎日短時間でも行うようにしましょう。 過去問演習は70分の制限時間で解いてみて、間違った問題をしっかり理解するようにし、その後正解した問題も確認してより速く効率的に解答するにはどうするか工夫しましょう。また、当日のミスをなくすため、マークシート方式の訓練もしておきましょう。 |
物理 | |
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試験時間・点数配分 | 試験時間:50分(2科 100分) 満点:200点 |
【傾向】 | 例年通り大問5題構成の全問マークシート方式で、試験時間は理科2科目で100分です。難易度は標準からやや難程度ですが、大問それぞれに4つの小問が出題されて、これを50分内に全問解くのは厳しいでしょう。 2016年度より力学、熱力学、波動、電磁気学、原子の全分野からバランスよく出題され、1題に複数の分野が出題されることもあり、どのようなテーマで出題されても対応できる応用力と問題を解くスピード力が問われます。また、どの分野でも典型的な問題のみならず、さまざまな設定の問題にも慣れておくようにしましょう。 後半になるにしたがって難しくなっていく試験で、特に後半の計算は時間がかかる傾向にあります。時間配分に十分注意し、難易度を見極めて易しい問題からミスなく確実に解いていく必要があります。 |
【対策】 | 全分野から出題されるので、まずは教科書を繰り返し読み、現象の理解や語句の定義、公式の導出が確実にできるように徹底して学習しましょう。 グラフに関する問題や実際の現象に関してはコラムなども含めて教科書の隅々までしっかりと読み、図録もしっかりと読んでおきましょう。 例題や章末問題は必ず何度も解いてパターンを覚え、図やグラフは意味を考えながらしっかりとイメージを描けるようにしておきます。 計算力は必須なので三角関数やベクトルなどはしっかり対策しておきたいところ。文字式を駆使して解ける数式の処理能力が必要となります。どの法則を用いて解いたのか、日ごろから途中式を意識して書く学習習慣を身につけましょう。過去問演習は時間を計って自分なりの時間配分ができるようにしておきましょう。 |
生物 | |
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試験時間・点数配分 | 試験時間:50分(2科 100分) 満点:200点 |
【傾向】 | 大問5題構成の全問マークシート方式で、試験時間は2科目100分です。適語補充問題、正誤問題、計算問題、考察問題などが出題されています。難易度は標準レベルですが、難度の高い問題も数問含まれています。特に考察問題では時間がかかるものが多いので、基本的な問題でミスなく速く解くことが求められます。選択肢も多いので判断に困る問題もあるでしょう。 例年ほぼ全分野から出題されていますが、代謝、動物の反応、遺伝情報、生態、進化・系統からの出題が多く見受けられます。 全体的に考察問題と知識問題の両方が問われますが、応用力が求められる問題もあり、問題量に対する時間は短いと言えます。問題文が長く、計算問題も増えてきている傾向にあるため、総合力と難度の高い問題でどれだけ得点できるかが合否を分けるでしょう。 |
【対策】 | 教科書の内容全体をまんべんなく学習し、最低限索引に記載された生物用語についてはきちんと説明できるようにしておきましょう。特に医学との関連が深い代謝や体内環境、動物の反応、遺伝情報の分野は念入りに時間をかけて取り組みましょう。 基礎事項の徹底した理解と図説や参考書に出てくる重要な実験、グラフ、模式図、脚注にも注意を払って学習してください。計算問題はいかに短時間で正確に解答できるかが重要ですので、練習問題で数をこなしておく必要があります。 過去問演習と同時にマークシート方式のトレーニングもしっかりしておきましょう。紛らわしい選択問題も多いので、惑わされないよう間違った問題は徹底的に学習し直し、あいまいな点をなくすように意識して進めていきましょう。 |
化学 | |
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試験時間・点数配分 | 試験時間:50分(2科 100分) 満点:200点 |
【傾向】 | 大問5題構成の全問マークシート方式で、試験時間は2科目100分です。難易度はほとんどが標準レベルですが、例年理論分野の難度が高く、高校の教科書の内容を越えた問題も出題されることもあります。大問5題の小問30題程度の問題量に対して試験時間が短いので、十分に対策をしておかないと時間内に全てを解ききることは難しいでしょう。 例年大問1が小問集合、大問2、3は理論、大問4が無機で大問5が有機から出題されています。理論分野では、気体の法則、中和滴定、ファラデーの法則、結晶格子、原子量、ルシャトリエの原理、熱化学、酸化還元滴定、化学平衡など幅広い範囲から出題されています。 無機と有機分野はそこまで難易度が高くないので、ここでしっかり得点を稼ぎたいところです。 |
【対策】 | 頻出分野である理論は特に丁寧にしっかり学習しておきましょう。計算問題は電卓を使わずに正確に速く解く訓練をしておく必要があります。特に電離平衡や化学平衡、気体に関するものは通常の問題集だけでなく、考察力を要する難易度の高い国立上位大学の問題で対応しておく方がいいでしょう。 無機は知識問題が多く、難易度はあまり高くありません。基本的な金属と酸の反応、気体の発生反応、沈殿の生成反応の化学反応式を覚えましょう。有機は比較的易しい構造決定の問題が頻出されています。市販の問題集や過去問などでしっかり習熟しておけば十分対応できるでしょう。 全般的に教科書の内容を自分の言葉で理解し、自ら公式を導くように進めていき、特に実験に関する項目はしっかり学習しておきましょう。 |
小論文 | |
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試験時間・点数配分 | 試験時間:90分 |
【傾向】 | 獨協医科大の小論文試験は例年、問1で200字以内の要約と、問2で600字以内の意見論述を述べる形式です。課題文は例年約2500字~3500字前後と文章量としては多めのものが出題されていますが、それに対し要約の字数が少ないのが特徴的です。 テーマは医療分野だけでなく多岐にわたり、現代社会の中で問題となっている事柄なども出題されています。2019年は「学力が高いだけで医者になってはいけない」と「言葉を失うとき--相模原障害者殺人事件から二年目に考えること--」でした。 |
【対策】 | 文章を速く正確に読む力と課題文を要約する力、それに具体的な事例を挙げて自分の考えを論証する力が必要です。問題集などで演習する際は、課題文のキーワードやキーセンテンスを正確に捉え、因果関係や具体例、引用等を意識して読み進めましょう。 論述は筆者の主張を踏まえた上で、自分はどう考えるかを論理的に述べられるようにします。それには日ごろからいろいろな物事を多角的に見られる視点を持ち、自分の言葉で理路整然と説明できる習慣をつけておく必要があります。また、基本的な医療用語についてその意味はもちろん、自分の考えや問題点が述べられるようにしておきましょう。 |