岩手医科大学
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一般選抜の入試の傾向
2017年度から全科目マークシート方式となり、試験時間や出題構成も変化しました。どの教科も難化していて時間を要する傾向にあるので、2科目120分の時間配分には十分注意が必要です。
岩手医科大学の一般入試は私大医学部の中では早い日程なので、お試し的に受験する受験生も多く、毎年多くの1次合格者を出しています。
各科目の入試の傾向と対策(一般選抜)
英語 | |
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試験時間・点数配分 | 試験時間:60分(2科 120分) 満点:100点 |
【傾向】 | 2017年度より全問マークシート方式となりました。出題構成はこれまで大問が4問~7題と変化していましたが、2019年度は昨年同様大問7題構成でした。試験時間は60分(2科目120分)で読解、文法、語彙、発音、会話とバランス良く出題。例年、文法・語彙問題は短文の空所補充と語句整序が出題されています。昨年度出題された短文中の複数の下線部から除去すべき文を選択させる問題が今年も出題されています。 長文は単語補充、内容真偽、内容説明、同意表現などが出題。今年は欠文挿入箇所も出題されています。 難易度は昨年より長文問題の量が少なくなりやや易化したものの、時間内に余裕をもって全て解ききることは難しく、難度の高い試験と言えるでしょう。全体的に標準的な英語力を試す試験ではありますが、それだけにミスは許されず、いかに速く正確に英文を読み基本レベルの問題で確実に得点できるかが合否を左右するでしょう。 |
【対策】 | 文法や語彙、熟語対策は発展レベルのものよりも標準レベルの問題集を繰り返すことでしっかり基礎固めをしておけば問題ないでしょう。 読解対策はまず時間をかけて英文をじっくり読むところから始まり、徐々にスピードを上げて読みこなせるようトレーニングしていきましょう。医療や健康問題などのテーマが出題されることが多いので、関連する語彙や表現を身につけておきましょう。なるべく幅広いトピックの長文に慣れておき、語彙力はもちろん読解力を養いましょう。 過去問演習は近年のものを参考に時間配分を意識してしっかり対策を練っておきましょう。特に文中の空所補充や会話文などは志望学部以外の過去問も利用し多くの類題を解いて慣れておくと良いでしょう。ただ解くだけでなく、苦手とする単元を集中的に学習していきましょう。 |
数学 | |
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試験時間・点数配分 | 試験時間:60分(2科 120分) 満点:100点 |
【傾向】 | 大問3題構成で、試験時間は60分(2科目120分)。2017年度以降は全問マークシート方式の空所補助問題となりました。 ここ数年の数学は難化傾向にあって、計算力や思考力のレベルが高くなっています。特に計算問題はかなり複雑なものが出題されるなど、時間内にすべてを解ききるのは難しいでしょう。問題を取捨選択する能力も必要で、簡単な問題から優先して確実に進めていく方がよいでしょう。 出題内容は全範囲からバランスよく出題されていて2分野以上の融合問題が出題されることもあります。数学IIIの微積分は必出で、確率も頻出しています。ここ数年三角錐や四角錘に関する問題も出題されていて、立体図形への洞察が必要です。 高度というよりは基本的な解法や考え方を組み合わせて解いていく総合的な問題が出題されますから、どの分野もしっかりと学習しておく必要があります。 |
【対策】 | 教科書レベル以上の問題が多く、頻出する微積分や確率以外にもさまざまな単元から出題されています。融合問題が出題される場合もあるので、教科書を読み直し、どの単元も取りこぼしがないようしっかり学習しておく必要があります。 複雑な計算や思考力が問われる問題が多くなってきているので、基礎力を身につけた上でやや難レベルの問題集で実力アップを目指しましょう。 60分の時間内に終わらせるためには手際が悪かったり計算ミスをしたりすると命取りになりますから、繰り返し数多くの問題演習を行い、正確性とスピードを上げるようトレーニングしましょう。過去問演習は時間配分に注意してしっかり対策してください。できない問題はもちろん、できた問題もより適切な解法を探り、迅速に解答できるように練習しましょう。図を描くことでミスを防ぐこともできますから試してみるのもよいでしょう。 |
物理 | |
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試験時間・点数配分 | 試験時間:60分(2科 120分) 満点:100点 |
【傾向】 | 大問3題構成で、試験時間は60分(2科目120分)。2017年度以降は全問マークシート方式となりました。2019年度より試験時間が2科目90分から2科目120分と長くなりましたが、問題量や小問数に大きな変化はありません。 出題内容は、力学、電磁気は必出で、残りの1題は年度によって原子、熱力学、波動から出題されています。2019年度は熱力学でした。力学は物体の運動、電磁気は誘導気電力の問題で、コイルを加速度運動させる場合も出題されました。熱力学は気体の状態変化の問題で容器を逆さまにする場合も出題されています。 全体的に標準的な問題が多いものの、ここ数年難度が上がってきていて、試験時間は長くなりましたが時間内に解ききるのに苦労した受験生も多かったものと思われます。あいまいな部分を残さず、時間配分には注意して学習する必要があるでしょう。 |
【対策】 | 標準的な問題が多いので教科書の基本に戻って復習し、公式の原理や考え方をしっかり理解しておくようにしましょう。わかっているつもりでも、いざ試験となると書けなくなってしまうこともありますから、繰り返ししっかりと問題集を解きましょう。その際は思考過程を明確にするため、ノートに過程をきちんと書き記す習慣をつけるとよいでしょう。 例年、力学と電磁気が出題されているので、これらの分野では幅広く学習し、典型的な問題は全問正解できるようにしておきたいところです。熱力学、原子、波動も出題される可能性があるので準備を怠らないようにしておきましょう。 時間配分やケアレスミスに十分注意して過去問演習をしっかり行ってください。問題のタイプや傾向を把握して岩手医科大の問題に慣れておきましょう。 |
生物 | |
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試験時間・点数配分 | 試験時間:60分(2科 120分) 満点:100点 |
【傾向】 | 例年、記述式の大問3題構成でしたが、2017年度より医学部では全問マークシート方式の大問5題構成となりました。試験時間は昨年度まで2科目90分でしたが、2019年度から2科目120分になりました。 |
【対策】 | 2019年度から試験時間が増えたとは言え、発展的な考察問題は時間を要するので、知識問題は落とさず解きやすい問題から進めていかないと合格点は取りづらいでしょう。 まずは教科書学習を徹底することが大切です。ただ漠然と教科書を読むのではなく、生物現象や用語を定着させた上で問題集などでアウトプットしつつ確実に基本用語を習得していきましょう。 苦手分野を残さないよう全範囲を学習する必要がありますが、DNAや免疫、恒常性、遺伝など頻出分野は特に重点的に学習しておきましょう。 過去の問題と似たようなものが出題されることも多いので、過去問演習はなるべく早い時期からできるだけたくさんの問題をこなしておく方がよいでしょう。その際には時間を計り、時間内に解ききるトレーニングを行いましょう。また他大学の私立医学部を併願するのであれば、その過去問も併用して演習してもいいでしょう。 |
化学 | |
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試験時間・点数配分 | 試験時間:60分(2科 120分) 満点:100点 |
【傾向】 | 2017年度以降医学部は全問マークシート方式となり、2019年度は大問3題構成でした。試験時間は昨年度まで2科目90分でしたが、今年度から2科目120分となりました。時間は長くなりましたが、マーク数が多く、問題を速く正確に解くスピードが求められます。 出題内容は化学の全分野から出題される傾向にあり、理論、有機、無機の順で出題割合が大きくなっています。理論は計算や化学平衡の問題がよく出題されています。 有機はタンパク質とアミノ酸、油脂の構造と性質、構造式の決定などが頻出。無機は物質の推定に関する問題が頻出し、理論に関連させた出題もみられます。 難易度は標準レベルの問題が多く、一部に難度の高い計算問題もみられます。計算力と正誤問題に対する正しい知識を全範囲について習得できているかが合否のポイントとなるでしょう。 |
【対策】 | 2017年にマーク形式に変更になって以降、計算力や知識を問う小問集合的な問題が出題されるようになりました。化学の原理、法則の確実な理解が必要となります。 特に結晶格子、科学者名、実験操作、沈殿生成、化合物の構造式、気体の法則、ヘスの法則、ファラデーの法則、平衡移動の法則、中和滴定などが頻出なので、しっかりと対策を練っておきましょう。 計算力の養成も重要なポイントですので、発展問題の練習をするよりは基礎的な問題で数をこなして、正確かつスピーディーに解ける力を養いましょう。 また、教科書の基本内容をしっかり学習し、とりこぼしのないよう各分野の理解を一様に深め、問題集の定番問題や頻出単元を確実にこなしておきましょう。いずれも過去問演習を繰り返し行い習熟しておく必要があります。 |
小論文 | |
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試験時間・点数配分 | 試験時間:50分 600字 |
【傾向】 | 課題文型での出題で、2019年度は『持続可能な医療』を読んで「病気と環境」について考えを述べさせるものでした。 試験時間は50分、字数はここ数年600字以内と指定されています。資料文は決して難解な文章ではないので、丁寧に読解すれば要旨も捉えやすく論理展開もできるでしょう。 岩手医科大学は「医学教育を通じて誠の人間を育成する」ことを目指しているので、出題の傾向として受験生がどのような考えで生きてきたのかその人間性が問われるような内容が多くみられます。 |
【対策】 | 50分の時間内に論述するためには、資料文を読解すると同時に設問文の条件をしっかり押さえることが重要です。一定レベルの難易度の文章を正確に理解する読解力と問われていることに的確に答える記述力を養いましょう。 小論文の形式で自分の考えがきちんと伝わる文章にまとめあげるトレーニングを行いましょう。 日ごろからニュースなどを見て医療の現状や社会の動向に関心を持ち、幅広い知識と理解を深めておく必要があります。 |